Office 365の一部として、あるいはスタンドアロンサービスとして提供されている社内SNSの“Yammer(ヤマー)”は、組織内のフラットなコミュニケーションを実現する上で最適なサービスです。
形式ばったコミュニケーションを行うビジネスメール(Exchange Online)と使い分けることで、イノベーションを生みやすい環境を構築できます。
そんなYammerでは、メールを利用して投稿できることをご存知でしょうか?Yammerにログインすることなく任意の場所へ投稿できることから、忙しい合間のコミュニケーションに多く活用されています。
今回はこの“メールを利用してYammerに投稿する方法”に加え、ビジネスメールとの使い分けについて解説していきたいと思います。
導入を検討されている方にも既に活用している方にも、本記事が業務効率化の助けになれば幸いです。
メールを利用してYammerに投稿する方法
まず、Yammerにおいてメールを利用して投稿できる場所は3つあります。
1つ目は組織内部のみに情報共有され、外部と共有されることのない“ホームネットワーク”。2つ目は顧客、仕入先、出資者などパートナーとの関係性を保つためのプライベートで安全な情報共有空間である“外部ネットワーク”。そして3つ目が特定のネットワーク内に存在する“各グループ”です。
それぞれの投稿方法について紹介していきます。
ホームネットワークへ投稿する方法
ネットワークで使用する電子メールドメインの後に続き、@example.comを加えたアドレス宛にメッセージを送信します。
例えばドメインがbiz2cloud.comの場合、[biz2cloud.com@example.com]にメッセージを送信します。
外部ネットワークへ投稿する方法
ネットワークの名前(小文字、スペースや区切りなし)の後に続き、@example.comを加えたアドレス宛にメッセージを送信します。
例えばネットワーク名がExternal biz2cloudの場合、[externalbiz2cloud@exapmle.com]にメッセージを送信します。
各グループへ投稿する方法
グループとネットワーク名の間にプラス記号(+)を入れ、この混合ドメイン名の後に続き @example.comを加えたアドレス宛にメッセージを送信します(ドメインはすべて小文字で入力し、間にスペースや区切り記号は入れません)。
例えばbiz2cloudネットワークのSalesチームへ投稿する場合、[sales+biz2cloud@example.com]にメッセージを送信します。
メールを利用した個人メッセージはできないので注意
メールを利用してYammerに投稿する場合、投稿できるのはあくまでホーム&外部ネットワーク及び各グループのみになります。
各ユーザー宛てにメールを利用してメッセージを送信することはできません。
個人メッセージを送信したい場合は、Yammerにアクセスした上で各ユーザー宛てに送信しましょう。
ビジネスメールとYammerメッセージの効果的な使い分け
Office 365(あるいはExchange OnlineとYammer)を利用していると仮定したとき、コミュニケーションを取るためのツールが複数提供されることになります。
まずはExchange Onlineによるビジネスメール、Skype for Businessによるインスタントメッセージ、そしてYammerによるプライベートメッセージの3つです。
Office 365ユーザーはこの3つの使い分けに悩んでしまうケースが少なくないので、ここで効果的な使い分けについて紹介しておきます。
それぞれに異なる特徴がある
Exchange Onlineが提供するビジネスメールの特徴は“送受信メールの検索が簡単”、“ファイル検索まで行える”、“重要度の設定が可能”といったものです。
社内外の人間と形式的なやり取りをする場合には適していますが、逆にフラットなコミュニケーションを行う際は不向きでしょう。
次にSkype for Businessが提供するインスタントメッセージの特徴は“チャット形式でコミュニケーションが取れる”、“Web会議を行いながらメッセージをやり取りできる”といったものです。
Web会議中は相手の顔を見ながらメッセージを送受信できますので、当然インスタントメッセージを使用した方が圧倒的にコミュニケーションを効率化できます。
また、フラットではないけれどちょっとした業務連絡などもインスタントメッセージを利用するといいでしょう。
ただし、通知設定により自分あるいは相手が新着メッセージに気付かない場合もあるので要注意です。
最後にYammerが提供するプライベートメッセージの特徴は“形式ばったメッセージが不要”、“SNSのように利用できるから業務外の連絡事項に最適”といったものです。
Yammerを利用している企業では、組織全体が“フラットコミュニケーションのためのツール”として認識されているので、基本的に形式ばったメッセージを作成する必要がありません。
また、FacebookやTwitterのようにSNSライクに利用できることから、業務外イベントの連絡事項や幹事同士のやり取りなどに最適です。
このようにExchange Onlineのビジネスメール、Skype for Businessのインスタントメッセージ、Yammerのプライベートメッセージをそれぞれ使い分けることによって、ビジネスとそれ以外を完全に切り離すことができ、情報の混同だけでなく誤送信なども防止することができます。
Yammerのプライベートメッセージを利用する上での注意点は?
Yammerのプライベートメッセージを利用する上で、皆さんに注意していただきたい点が2つあります。
それは“文章の検索機能がない”ということと、“メッセージ画面を開いたままOfficeファイルを編集できない”ということです。
Exchange OnlineのビジネスメールとSkype for Businessのインスタントメッセージでは文章の検索機能があるため、過去のやり取りを簡単に検索することができます。
従って何度も確認する必要のある業務上のやり取りに関しては、これらのコミュニケーションツールを使用するのがベターです。業務外のことに関して後々確認が必要な場合もまた然り。
また、Exchange Onlineのビジネスメールではメール画面のままOffice Onlineを利用してOfficeファイルを編集することができるので、緊急的にOfficeファイルを確認・編集したい場合はビジネスメールを利用しましょう。
まとめ
いかがでしょうか?Yammerはそれ単体でもかなりの導入効果を持っていますが、Exchange OnlineやSkype for Business、さらに言えばSharePoint OnlineなどOffice 365全体として導入することで導入効果は数倍に跳ね上がります。
従って現在Yammerの導入検討を行っている、あるいはYammer単体で利用しているという企業は、これを機にOffice 365を検討してみてはいかがでしょうか。
Yammerが持つ機能と統合されたコミュニケーション環境で、さらなる業務効率化を目指していただきたいと思います。