「OneNoteを活用して業務効率化を実現したいけれど、どのように使うべきか分からない」
当記事ではそんな方にOneNoteの活用事例を紹介します。まずはOneNoteの概要と、利用するメリットを確認してください。特徴やメリットを踏まえて、活用事例を参考に自社でもOneNoteを有効活用しましょう。
当記事ではそんな方にOneNoteの活用事例を紹介します。まずはOneNoteの概要と、利用するメリットを確認してください。特徴やメリットを踏まえて、活用事例を参考に自社でもOneNoteを有効活用しましょう。
OneNoteとは
OneNoteとはMicrosoftが提供するデジタルノートサービスです。デジタルノートという名前の通り、ノートやメモ帳として利用でき、主な用途として文書や資料の作成、自身のメモに活用できます。
「メモ帳」と聞くと以下を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
- Windowsに搭載されているメモ帳アプリ
- Microsoft Word
- その他のテキストエディタ
OneNoteも上記のアプリなどと同様に、メモに利用できます。上記との違いはレイアウトや入力できるデータの種類です。OneNoteはページの構成や見た目を自由にカスタマイズできます。また入力できるデータも、テキストはもちろん、画像、動画、音声、手書き文字などさまざまな種類を入力可能です。
「メモをしたいけど、メモ帳だとデザイン性が乏しい」
「Wordは有料で利用したくない」
そんな方の要望に応えられるアプリがOneNoteです。
OneNoteについて解説した別記事もありますので、あわせてご覧ください。
OneNoteとは|初心者でもできる仕事術と便利な使い方
OneNoteを活用するメリット
OneNoteを活用するメリットとして以下があります。
- OneNoteは無料でも大半の機能が使える
- デバイスや場所を問わずに利用できる
- 他のメンバーと共有や共同編集ができる
- Microsoft 365(以下M365)アプリとの連携がしやすい
- バージョン管理や自動保存ができる
OneNoteは無料でも大半の機能が使える
OneNoteは無料でも大半の機能が使えます。
利用できる主な機能として以下の通りです。
- 書類の作成
- シール機能:ノートに重要などのタグ付けができる
- 手書き機能
- さまざまな種類のファイルの挿入:画像、動画、音声など
- 他のユーザーとの共有
- M365との連携(一部)
逆に有料でないと使えない機能には以下があります。
- M365との連携:有料サブスクリプションに含まれているアプリの場合は有料
- インクの再生:手書きしたインクストロークを動画のようにスロー再生する
- リサーチツール:ブラウザ(Bing)で検索をして、そのままページ内に貼り付けられる
- 数式アシスタント:記入した数式の解答をしてくれる(手書きの数式でも可能)
上記のように、単に書類の作成をする分には無料機能でも問題ありません。
デバイスや場所を問わずに利用できる
OneNoteはデバイスのOSや場所を問わずに利用できることがメリットです。
OneNoteはアプリ版と、Web版があります。アプリ版をダウンロードできるOSは以下の通りです。
- Windows
- Mac
- iOS
- Android
OneNoteはアプリ版であれば、場所を問わずに好きなところで文書を作成できます。Web版の場合もインターネット接続ができれば、どこでも利用可能です。
OneNoteは紙のメモ帳のように、いつでもどこでも利用できることがメリットといえます。
他のメンバーと共有や共同編集ができる
OneNoteはノートブックのメンバー間共有や、同時編集が可能です。
OneNoteはPDFに変換して周囲に共有する方法もあります。しかし、OneNote自体を共有することで、変換の手間を省略できます。変換によりフォーマットが崩れることもありません。
OneNoteでは共同編集も可能です。ファイルを開こうとしたときに「現在〇〇さんが開いています。読み取り専用で開きますか?」と表示されるストレスもありません。
OneNoteの共有や同時編集によって、資料作成時に高い生産性を実現できます。
Microsoft 365アプリとの連携がしやすい
M365のアプリとの連携がしやすいこともOneNoteのメリットの1つです。連携できるアプリの例として以下があります。
- Outlook:会議の詳細をノートに埋め込めるため、日時や参加者を正確に記載できる
- SharePoint:ノートブックタブに表示でき、チーム内での情報共有が容易になる
- Power Automate:別のアプリでの挙動をトリガーとしたOneNoteへの操作を自動化できる(例としてOutlookにメールが届いたら本文をOneNoteに記載する)
上記のようにOneNoteをM365の各アプリと連携させることで、より高い業務効率化が可能です。
バージョン管理や自動保存ができる
OneNoteはバージョン管理や自動保存の機能があるため、安心して利用できます。
OneNoteは更新が入るたびに更新履歴が溜まります。これにより「間違った内容でノートを更新してしまった」場合でも、元のバージョンへの復元が可能です。また自動保存がされるため、保存する前にウィンドウを閉じてしまっても安心です。
万が一のときも安心して書類作成を進められることも、OneNoteのメリットといえます。
OneNoteの活用事例
OneNoteの活用事例として以下があります。
- ToDoリスト作成
- 打ち合わせやインタビューのメモ
- マニュアル作成
- 画像管理や名刺管理
- メモ帳の代用
ToDoリスト作成
OneNoteを用いてToDoリストを作成することで、効率よくタスク管理ができます。
OneNoteにはチェックリストや、完了のタグ付けをするための機能があります。これらを用いればToDoリストの作成が容易です。また先述したように、ノートの共有や同時編集も可能なため、チーム内でのプロジェクト進捗管理にも役立ちます。
OneNoteでToDoリストを作成して、抜け漏れがないタスク管理をしましょう。
打ち合わせやインタビューのメモ
OneNoteを打ち合わせやインタビューのメモに活用することで、議事録作成が効率的になります。
OneNoteには音声ファイルの入力が可能です。よって打ち合わせやインタビューを録音しておき、議事録作成時に聞き直しながら作成ができます。また議事録と音声ファイルの紐付けをノートブックで行うことで、逐次ファイルを探す手間の省略も可能です。他にもOneNoteのチェックボックスや表の機能を用いることで、見やすいメモを作成できます。
OneNoteで打ち合わせやインタビューのメモを作成することで、手元のメモやWord、Excel以上に使い勝手がよい記録を残せます。もちろん、保存に場所を取らず、後からの共有も可能なため、事前、事後も含めて強力なメモツールとして利用可能です。
マニュアル作成
OneNoteでマニュアルを作成すると、効率よく作成を進められます。
OneNoteには画像を入れて自由なフォーマットでマニュアル作成が可能です。よって説明したい内容に合わせて、分かりやすい構成でマニュアル作成を進められます。
またOneNoteの同時編集の機能で、複数人同時にマニュアル作成を進めることも可能です。更新や共有が必要な場合でも容易に共有ができます。
異動や離職の際にもOneNoteで引き継ぎ資料を作成すれば、共有や更新ができるため、安心して引き継ぎを進められるでしょう。
画像管理や名刺管理
画像や名刺の管理にOneNoteを活用すると、詳細を分かりやすく保存できます。
画像や名刺を後から見た際に「これは何の画像か」「この人とどのような会話をしたか」と分からなくなってしまった経験はないでしょうか。
OneNoteで画像や名刺と一緒に、議事録や詳細を記載しておくことで、振り返り作業が容易になります。フリーフォーマットであり、画像も自由に挿入できるOneNoteによる、強みを活かした事例です。
メモ帳の代用
メモ帳の代用としてOneNoteを活用することももちろん可能です。
OneNoteでメモを取ると紙のメモ帳と比較して、多くのメリットがあります。
- 画像や動画、音声を入力できる
- 保存で場所を取らない
- 何度でも書き直せる
- 見返すときに検索をすれば、すぐに見たい箇所を見られる
- オンラインで共有できる
- パソコンやスマートフォンで記入できる
紙のメモ帳には戻れなくなるほど、便利なOneNoteのメモをぜひお試しください。
OneNoteとCopilotを連携した活用事例
M365に活用できる生成AIのCopilotは、OneNoteにも活用できます。OneNoteとCopilotの連携による活用事例として以下があります。
- 文書の要約
- メモやリストの下書き作成
- アイデアの提案
なおCopilotについては別記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
Microsoft 365 Copilotの使い方を解説 | 便利な機能を活用しよう
文書の要約
OneNoteで作成した文書をCopilotに要約させることが可能です。
Copilotに要約を任せることで、サマリー作成の効率化が可能です。議事録やインタビューのメモなどは、書記担当者が後からメモを見返して、サマリーを作成することになるでしょう。メモを見直し、必要に応じて音声を聞き直しながら文字に起こすことは負担が大きい作業です。
Copilotに要約を任せれば大筋は作ってくれるので、細かい修正のみで済むようになります。
メモやリストの下書き作成
Copilotにメモやリストの下書きを作成させて、OneNoteでの文書作成時の効率化ができます。
例えば、OneNote上にタスクをメモしておいたとします。その箇所を読み取ったCopilotがToDoリストを作成してくれるので、ToDoリストの漏れが生まれにくくなることがメリットです。もちろん作成する手間も省略できるため、業務効率化を実現できます。
OneNoteの文書から項目を起こすような単純作業はCopilotに任せましょう。
アイデアの提案
Copilotはアイデア出しに使うことも可能です。
例えばOneNoteでプロジェクト計画を策定するとします。その際にプロジェクト概要を伝えることで、Copilotが計画を作成可能です。
計画の中にはプロジェクトを進める順序や、実現のためのアイデアを提案してくれます。CopilotがOneNoteに出力した内容をもとに、そのままCopilotが表やToDoリストの作成することも可能です。
OneNoteの活用事例を実現する操作方法
OneNoteでの活用事例を解説してきました。「実際に利用してみたい」と考える方に、操作方法を解説します。気になる操作をぜひお試しください。
- Microsoft 365アプリとの連携
- 画像に文字を書く
- OneNoteで作成した表をExcelに変換する
- OneNoteをPDFに変換する
Microsoft 365アプリとの連携
連携できるM365アプリのうち、以下の連携方法を解説します。
- Outlookとの連携
- SharePointとの連携
- Teamsとの連携
- Copilotとの連携
Outlookとの連携
Outlookの会議予定をOneNoteに入力する場合、以下の操作手順です。
- OneNoteでノートを開く
- ツールバーで「挿入」タブを開き「会議の詳細」ボタンをクリック
- 右ペインで入力したい会議を選択
上記で会議の詳細として、日時や場所、参加者が記載されたボックスが入力されます。
SharePointとの連携
SharePointとOneNoteを連携すると、チームのノートブックを作成できます。チームのノートブックを作成する方法は以下のとおりです。
- SharePointをブラウザで開く
- グループのページへ遷移
- 左ペインで「ノートブック」タブをクリック
これでチームのノートブックを開けます。あとはページを作成し、自由に情報共有が可能です。
Teamsとの連携
TeamsでもSharePoint同様に、チームのノートブックを作成できます。作成方法は以下のとおりです。
- Teamsで「チーム」からノートブックを開きたいチームを選択
- チームの中でチャンネルを選択
- チャンネルを開くと、上に「投稿」「ファイル」などと並ぶので、右端の+ボタンを押して「タブの追加」
- OneNoteを選択
これによりTeamsからも開けるノートブックの作成が可能です。
Copilotとの連携
OnetNoteとCopilotの連携をするには、前提としてCopilotを契約している必要があります。基本的に、無料ではOneNote上でCopilotを使えないことに注意してください。
OneNoteとCopilotの連携方法は以下のとおりです。
- OneNoteでノートブックを開く
- 「ホーム」タブの右端にある「Copilot」を選択
- 右ペインにCopilotのプロンプトが登場するので、指示を出す
あとはチャットをする感覚でCopilotとやり取りをすることで、指示に従ってCopilotが動いてくれます。
画像に文字を書く
OneNoteでは画像の周りにメモを記録するだけでなく、画像自体に文字を書き込めます。以下の手順です。
- ノートブックのページ上に画像を挿入
- 画像をクリックし、ツールバーで「描画」タブを選択
- ペンの色や太さを選び、画像に書き込む
文字以外にイラストや記号なども、自由に書き込み可能です。ペイントのイメージで画像に描画して、より分かりやすい画像に仕上げましょう。
OneNoteで作成した表をExcelに変換する
OneNoteで表を作成したが、あとからExcelに入力する必要が出てきた場合に有効な手順です。以下の手順になります。
- 変換したい表が含まれるノートブック、ページを開く
- 表をクリックして、ツールバーから「表ツール」タブを開く
- 「Excel スプレッド シートに変換」を選択
上記を実施するとExcel形式に変換されます。変換後もページ上の表と連動しているため、表に変更があれば双方が更新されます。
OneNoteをPDFに変換する
M365を利用しておらず、OneNoteを利用できないユーザーに対してはPDF変換をすることで、ページを共有できます。
ページをPDFへ変換する方法は以下のとおりです(Windowsの場合)。
- 変換したいノートブック、ページを開く
- ツールバーの「ファイル」をクリックし「印刷」を選択
- 「プリンター」で「Microsoft Print to PDF(PDFに印刷)」を選択
- ドキュメントに保存
なおMacの場合でも2で「PDF としてエクスポート」を選択することで、PDFへの変換が可能です。
まとめ
OneNoteはデジタルノートサービスです。紙のメモ帳の代用として活用することはもちろん、議事録やマニュアル作成、画像管理などにも利用できます。現在使っているメモのツールに不満がある場合は無料で使えるOneNoteをぜひお試しください。
当記事を参考にOneNoteの便利な使い方を試すことで、メモや議事録、内部資料などを作成する業務が効率化されるでしょう。