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グループウェア無料版のメリットとデメリット

前提として、優良グループウェアよりも優れた無料グループウェアはありません。機能制限やユーザー数制限、あるいはセキュリティ面での難点などを抱えていることから、無料グループウェアを使用しても差支えないという企業は以下のポイントに該当する場合です。

≪無料グループウェアを使用する条件≫

  • 組織のメールアドレスをすでに所持している
  • ITリテラシーが高くサポートを必要としない
  • IPアクセス制限が不要な業務に適用する

どんなに多機能な無料グループウェアでも、メールアドレスを取得することは不可能です。メーカーサポートも皆無でIPアクセス制限もできない製品が多いため、これらの条件に当てはまらない企業にとっては無料グループウェアの利用価値は低くなるでしょう。

反対に、この条件に該当するという企業であれば、無料グループウェアを利用することでIT投資を抑えて組織のコミュニケーションを強化できるというメリットがあります。今回はそうした企業に向け、主要な無料グループウェアを紹介した上で利用するメリットとデメリットについて説明します。

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5つの主要無料グループウェア

サイボウズLive

国産グループウェアのサイボウズ Officeが提供する無料グループウェア。ただし、2019年4月をもって提供終了になることが決定しています(予告なく変更する場合も)。サイボウズLiveもともと「セカンドグループウェア」として利用されるように、2010年10月に提供されてものです。ちなみにスマートフォンアプリなので、パソコンでは使できません。

そのため小規模なチームで利用されることが多く、組織全体のコミュニケーションをカバーするには至らないので、これから無料グループウェアを検討する際はこの他の製品をおすすめします。

GRIDY

GRIDYはKnowledgeSuiteが提供する「最多機能」を持つ無料グループウェアです。さらに、「利用人数無制限」という特徴から中小企業でも利用できる製品となります。基本機能をはじめとした23種類の機能数は、無料グループウェアの中でも群を抜いているので、本格的な利用を目指したい企業におすすめです。

Aipo

Aipo.comが提供するオープンソースの無料グループウェア。クラウドベースの提供ではないため、社内サーバでグループウェアを運用したい企業向けです。Aipoはユーザーコミュニティからの意見を吸い上げてアップデートを繰り返す製品であり、現バージョンにあたるAipo8は様々な改良が加えられ、使いやすい機能が備わっています。

iQube

無料グループウェアの中でIPアドレス制限を備えている唯一の製品がiQubeです。だからといってセキュリティを大幅に強化できるわけではありませんが、重要情報のやり取りを行う可能性がある場合に適しています。10ユーザー未満なら無期限で無料利用が可能なので、小規模事業者や小規模チームのプロジェクトに最適です。

R-GROUP

R-GROUPはユーザー数無制限で利用できる無料グループウェアです。パソコンだけでなくスマートフォンにも対応しているので、多様な環境で活用できます。無料ながら20か国語に対応しているため、グローバル環境でも活用できるメリットがあります。

無料グループウェアのメリットとデメリット

無料グループウェアを利用する最大のメリットはやはり「コストがかからない」という点です。運用管理など細かいところで言えばコストが発生するものの、ライセンス費用や年間保守費用などがかからないことは、大きなコスト削減につながります。ただし、無料グループウェアを上手く社内に適用できればの話です。

多くの企業は無料グループウェアを全社的に採用することはしません。プロジェクトチームごとに導入させて小規模環境で利用させるか、あるいは一部の情報やり取りだけを無料グループウェアに置き換えるかなどが一般的です。そのため、既存グループウェアからのコスト削減を狙うのではなく、少ない投資でコミュニケーション強化を図るための一手として活用するのが基本です。

デメリットとしては「セキュリティ面に不安が残る」ことでしょう。ユーザー数制限や機能制限は予め理解した上で導入すれば、大した問題にはなりません。しかしセキュリティは別です。メーカーサポートが無かったりIPアドレス制御が基本搭載されていない無料グループウェアは、不正アクセスによる情報漏えいなどが懸念されます。

さらに、無料ソフトウェアには脆弱性がつきもので、大規模なセキュリティ事件に発展するケースもあります。実際に2017年2月には、オープンソースブログシステムの「WordPress(ワードプレス)」に発生した脆弱性によって、世界150万サイト以上がページ改ざんの被害に遭いました。

こうしたセキュリティリスクをカバーするために、導入企業側で堅牢なセキュリティ対策を講じる必要があります。そのため、結果としてコスト増になることも少なくありません。

無料グループウェアを利用する際は、冒頭で紹介した条件に該当するかどうかを十分に検討してから、導入に踏み切りましょう。

無料グループウェア導入に不安を感じたら

本稿を読まれている方の中には、会社からグループウェア導入担当者として任命され、コストメリットの高い無料グループウェアを検討している方もいらっしゃるでしょう。ただ、先述の理由から無料グループウェアを利用するにあたって不安があり、なかなか決断できていないんではないでしょうか。

そうした場合は、迷わずに有料グループウェアの導入をおすすめします。ユーザー数が10名以上になる場合、IPアドレス制御を備えたiQubeは利用できません。従って、その他の無料グループウェアを導入することはセキュリティリスクの増大を意味します。有料グループウェアは利用にあたってコストはかかるものの、高いセキュリティ環境で安心できるというメリットがあります。

特にOffice 365はMicrosoftが運営するデータセンターにて、高いセキュリティのもと運営されているため安心安全なグループウェアです。グループウェアと同時にOfficeライセンスを利用できるというのも大きなメリットです。無料グループウェアとは比較しきれない魅力が多数あります。

無料グループウェアを導入しても、必ずしもコストがかからないわけではありません。有料グループウェア以上にコミュニケーションコストがかかり、収益性が低下すればそれは結果的にコスト増を意味します。

グループウェア導入を検討される際は、表面上のコストにとらわれず全体のメリットを考慮した上で、最適な導入を目指しましょう。

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