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レジなし決済とは?メリット・デメリット10選|導入のポイント

レジなし決済とはどんなものかご存知でしょうか。この記事では、レジなし決済の特徴と従業員および経営者、お客様目線でのメリット・デメリットについて解説します。この記事を参考に、レジなし決済とは何なのか、導入方法について知りましょう。

レジなし決済とは?メリット・デメリット10選|導入のポイント

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レジなし決済とは?

レジなし決済は購入者が商品を手に取り店外に出ると、自動的に代金がキャッシュレスで行われる決済のことです。

従来の対人での金銭のやり取りがなくなるため、盗難などの不正が心配ですが、レジなし決済はどのように成り立っているのでしょうか。以下でレジなし決済の詳しい仕組みについて紹介します。

レジなし決済の仕組み

レジなし決済を利用する際は、顔認証システムやQRコードを読み取らせたうえで本人確認をした後入店します。

商品を手に取ると、設置されている複数のカメラや棚の重量変化センサーにより商品の識別が行われ、店舗を出るとオンライン決済され、買い物が完了する仕組みです。購入後のレシートや購入履歴はスマートフォンで閲覧できるようになっています。

レジなし決済導入のメリット7選

レジなし決済を導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、レジの混雑緩和ができる、コストを削減できるなどをはじめ7つのメリットについて紹介します。

1:混雑緩和ができる

物理的にレジが無くなることにより、よく見る買い物風景の1つであるレジ待ちの長蛇の列が無くなります。混み合った店内は、客が買い物する際の大きなストレスにつながりやすくなるため、ネックになっていたレジが無くなることにより、店内の混雑も緩和されるのです。

また、ゆっくりと落ち着いて店内を回れることで、競合店舗との差別化や購買点数・額のアップにつながる可能性があります。

2:会計作業や管理の手間の削減

レジ関連業務で大変なことの1つが、会計作業です。商品金額を積算し、客に合計金額を伝え、現金であれば受け取り、釣り銭を渡します。手間がかかる上に、人間が行うのでミスを犯すリスクもあります。

また、レジの中締めや清算時に現金が合わないことは、多くの店舗責任者や経営者が抱える悩みでしょう。レジなし決済は現金の授受がなくなるため、会計作業にまつわる現金管理や手間の削減になります。

3:従業員コストの削減

現代では小売店舗における慢性的な人手不足や人件費の高騰、従業員の長時間労働などが深刻な経営課題となっています。

従業員の業務のうち多くを占めるレジ打ちなどがなくなることにより、業務効率化が図られ労働時間の短縮が期待できます。また、従業員の省力化や労働環境の改善が図られることにより、人件費・従業員コストの削減が可能です。

4:購買データを分析できる

店内に設置されたカメラにより客の行動を可視化できるので、従来よりも緻密なマーケティングが可能になります。

購買データとは、例えば購買した商品の前後で何を買ったのか、逆に迷った末何を買わなかったのかなどです。こういったデータを分析することにより、よりパーソナライズした優遇施策を行えます。

また、客の行動導線やアクションをデータ分析することで、店舗設計への応用もできます。

5:保守管理や商品管理の必要がない

レジなし決済とは、店舗内に設置されたカメラや、重量センサー等、商品管理機能が付いた商品棚が必要なシステムです。これにより、従来アナログで行われていた商品棚卸や発注業務のデジタル化も可能となります。

遠隔地にいながら商品棚の状態を把握できるので、店舗運営負担が軽減されます。また、システム保守管理に関しては、プラットフォーム提供企業マターとなるため、店舗経営者の負担はありません。

6:万引きを回避できる

店舗運営における大きな課題の一つが万引きです。万引きが積み重なるとその被害額は時に経営を圧迫するケースもあり、対策にかけるコストも決して小さくありません。

レジなし決済の店舗には、商品識別や不正を防ぐためにカメラやセンサーが設置されているうえ、取得した膨大なデータはAIによってリアルタイムで解析されています。そのため、万引きの検知効果は高い環境であるといえます。

7:出店場所に制限がない

地方では人手不足で従業員が足りず小売店がやむなく閉店するケースもあるため、過疎地域への食糧等の供給は、これからの社会問題の1つです。また、新型コロナウイルスなどの流行により感染症対策は喫緊の課題です。

レジなし決済は対人非接触型のシステムのため、出店場所を選ばず、対人のやり取りもないので、このような問題の解決に役立ちます。

レジなし決済導入のデメリット6選

メリットの多いレジなし決済ですが、やはりデメリットもあります。現状では、レジなし決済の発展段階であり、今後解決してくべき課題や進化していく点も多く見受けられます。

1:導入コストがかかる

多くのテクノロジーに当てはまることですが、サービスが始まって間もない時期はどうしてもコスト高になりがちです。

また、レジなし決済システムの肝になってくるカメラも現状は高価かつ複数台必要です。導入コストだけを考えると、まだまだ従業員を雇って店舗運営する方がお得なようです。

中長期的な店舗運営の未来像を描けるかどうか、経営者の手腕を問われるポイントになります。

2:セキュリティ対策の不安

スマートフォンを利用したシステムのため、不正アクセスによる個人情報漏洩や機器の紛失等によるなりすましの可能性も十分考えられます。また、人の目による監視がないため、カメラやセンサーの死角を狙った不正などセキュリティ技術の課題があります。

その他にも、レジなし決済の店舗はコンピュータによるシステム制御のため、停電や機器の誤作動によるトラブルが発生する可能性などの課題もあります。

3:完全な無人化は難しい

小売店舗は、免許保有者が店にいることが前提である商品も扱います。酒類などがそれにあたり、そもそも完全無人だと営業許可がおりないでしょう。

そのため、例えば地方の過疎地域で完全無人のコンビニを経営しようとしても難しいことが多いです。また、バックヤードにはカメラを確認したり、品出しや発注をする人間を最低1人は配置したりなどの措置が必要でしょう。

完全無人化の前に、デジタルとアナログを融合した省人化の段階があると考えられます。

4:商品の在庫管理が難しい

在庫管理を効率化するためには、RFIDタグが必要になります。このタグには、賞味期限や料金等様々な情報が入っており、複数の商品をまとめて、機器を近づけずに読み取ることが可能です。

従来、賞味期限などはバーコード情報に入らず、店員が目視で確認してオペレーションしていました。RFIDタグにより在庫管理の簡略化が可能ですが、コストがまだまだ高く商品点数の多い小売店舗への導入は検討段階です。

5:商品補充が難しい

レジなし決済の店舗では在庫状況を遠隔で確認するため、バックヤードに商品の在庫が届いた際にはどうしても人間の関与が必要になります。また、品切れがおきた際もリアルタイムで商品補充ができないなどの課題もあります。

レジなし決済でデジタル店舗・無人化を推進する上で、商品補充を人手に頼らず行う方法は今後解決するべき問題の1つです。

6:決済方法の現金払いでは未払いになる可能性がある

レジなし決済が先行しているアメリカのAmazon Goでは、レジを設けて現金払いを受け付ける動きがあるようです。これは、クレジットカードやスマートフォンを持たない人への差別解消のための施策です。

日本でも、デジタル店舗の導入が予想される過疎地域では、現金払いのニーズは一定数あると思われます。現金払いは、客が未払いでデジタル店舗を出てしまうリスクがあります。無人化と現金払い、この両立をどうするかは今後の課題です。

レジなし決済を導入する際のポイント3選

アメリカでもレジなし決済が先行している状況を踏まえると、レジなし決済は今後のリテール業界のトレンドになると考えられます。

ここからは、レジなし決済を導入する際のポイントを3つご紹介します。

1:費用の問題

レジなし決済の普及が進むにつれてコストは下がってくると思われますが、現状導入コストは高いと言わざるを得ません。短期的な費用回収は難しいため、先行投資の意味合いも含め中長期的なビジネス視点を持ったコスト意識が必要となります。

また、導入の初期費用や月額利用料なども代行業者によってさまざまであるため、会社の予算と合わせて慎重に検討する必要があります。

2:品揃えの問題

レジなし決済を導入すると、タバコなどの購入時に年齢確認が必要な商品が扱えなくなるため、従来の店舗と同じ品揃えにすることが難しくなります。

また、RFIDタグを使用する場合、全ての商品に取り付けるには莫大な費用がかかりますし、そもそもタグが付けられない商品もあります。デジタル店舗の品揃えをどうするかは戦略的に考える必要があります。

3:キャッシュレス決済の種類の問題

現在、日本においてキャッシュレス決済は「クレジットカード」「電子マネー」「キャッシュレスアプリ」の3種類が主流で、レジなし決済の場合、現状では「クレジットカード」との紐付けが基本です。

しかしながら、今後消費者ニーズ如何によっては他のキャッシュレス決済との連携の可能性も考えられます。キャッシュレス決済の種類には柔軟に対応できる事が大切です。

まとめ

アメリカの「Amazon Go」の動きを見てもわかるように、レジなし決済は今後の日本のリテール業界のトレンドになると考えられます。少子高齢化による人手不足や地方の過疎化など、社会問題の解決のためにも、レジなし決済は必要になるでしょう。

しかしながら、コスト面、システムの種類、品揃えなど、課題も多くあり、中長期的な視野を持ってレジなし決済の動向を注視する必要があります。

また、富士通株式会社ではレジなし決済システム「ジッピン」の提供を予定しています。本記事を参考にレジなし決済についてよく理解した上で、ぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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