小売業

小売業界におけるDX事例を紹介|小売業界がDXするメリットとは?

近年、さまざまな産業でデジタル技術の活用による経営改革「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が喫緊の経営課題となっています。なかでもDXの実現が急務となっているのが小売業界です。本記事では、小売業界にDXが求められる理由や課題について解説するとともに、小売業界でDXを導入するメリットを実際の事例とともにご紹介します。

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小売業におけるAI活用の最新グローバルトレンドは?

小売業界が直面している課題とは

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1990年代後半から2000年代初頭にかけて起きたIT革命により、経済や産業の構造は大きな変革を遂げました。しかし、情報通信技術の発達によってさまざまな産業が発展したものの、その成長は苛烈な競争原理の上に成り立っており、市場の競争は激化の一途をたどっています。特に、ECサイトの普及により消費者の購買行動が大きく変化したため、小売業界では経営体制の抜本的な改革を迫られている企業も少なくありません。

また、新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が発令されたことで、人々の購買頻度も大きく減少しました。小売業界では客数に大きな影を落とし、売上にも打撃を与えました。このような時代の状況を受けて、DXの導入が小売業界において必須となっています。

この章では、小売業が現状直面している主な4つの課題について解説します。

消費者の購買プロセスに変化

2020年に襲った新型コロナウイルスのまん延によって、スマートフォンを活用したネットスーパーの拡大、有人レジから非接触型無人レジへの移行など、これまであった消費者の購買行動から大きな変化が起こりました。このようなことは、コロナ禍による消費者行動の変化に適応するために小売業が積極的に推進したデジタル化の結果だともいえます。デジタル技術を活用した購買体験の提供は、もはや小売業においてなくてはならないものになっているのです。

老朽化が進んだシステム

DXを活用した新しい顧客体験の創出は、既存システムが持つフレームワークでは技術的に適用できないケースがあります。このような場合、相応の時間とコストはかかりますが、既存システムから新しいシステムに乗り換えなければなりません。

既存システムの温存に気を取られている企業は、DXの流れについていけず、消費者のニーズに応えることができなくなってしまいます。既存システムからの刷新は、単なるIT予算としてではなく、時代から取り残されないために会社全体で取り組むべき「投資」として考えていく必要があります。

深刻な人手不足

2022年4月に株式会社帝国データバンクが発表した全国2万4854社を対象とした「人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月)」によると、45.9%の企業が正社員の人手不足、27.3%の企業が非正社員の人手不足を明らかにしています。小売業に限っては、非正社員の人手不足割合は52.3%です。これはコロナ禍前の水準に近い状況であることが新たに分かりました。非正社員の人手不足割合は飲食店が最も高く、77.3%となっています。

このような人手不足を解消するため、小売業はコロナ禍と同様にDXを継続して推進できるかどうかが今後も重要です。働き手となる従業員が集まらない場合には、デジタル技術によってその穴を埋めていく必要があります。

経営判断に関わるデータの獲得不足

全ての顧客が同じニーズを持ち、同じ商品を買う時代は終わりました。顧客の嗜好(しこう)を的確に捉え、顧客一人1人に対して適切なコミュニケーションをとるには、データの蓄積と活用がなによりも重要です。

また、新しい商品やサービスを開発する際には経営判断の基準として、データがよりどころとなることがあります。このようなデータを活用するには、データを収集するためのシステム基盤を構築することが不可欠です。データが獲得できなかったり不足したりしていることは、大きな損失となってしまいます。

小売業界が課題を乗り越えるうえで大切な考え方

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このような時代において競合他社との差別化を図り、市場における競争優位性を確立するためには、ビッグデータの活用やデジタルマーケティングの導入が欠かせません。データ活用に基づいた経営判断やマーケティング戦略の実行が求められるからです。デジタル化が加速していく現代市場で小売業界が生き残るためには、デジタル技術の活用による経営体制の抜本的な改革、つまりDXの実現が喫緊の経営課題といえるでしょう。

デジタル化が難しいとされる小売業で有効なDXの具体例

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DXとは、AIやIoT、クラウドコンピューティングなどのデジタル技術を活用し、ビジネスモデルや経営体制そのものに変革をもたらす取り組みです。ところが、システム設計やソフトウエア開発などのIT分野とは異なり、アナログなビジネスモデルである小売業界はデジタル化が困難な業界とされています。そのため、DXの重要性を十分に理解しつつも、具体的な施策の立案につながらない企業も少なくありません。

しかし、DXの本質はデジタル技術の活用そのものではなく、デジタル技術の活用によるイノベーションの創出にあります。したがって、既存のビジネスモデルとデジタル技術を融合させ、いかにして新しい時代に即した販売体制を構築するかが重要課題といえるでしょう。

ここからは有効な5つの施策例について解説します。

OMO戦略によるプロモーションおよびマーケティング

OMO」とは「Online Merges with Offline」の略称で、オンラインとオフラインの垣根を越えて優れた顧客体験を提供することを目的とするマーケティング戦略です。たとえば、世界最大のコーヒーチェーン「スターバックス」では、ユーザーがオンライン経由で事前に注文し、店頭では商品を受け取るだけという購買行動が普及しつつあります。

また、世界最大のEC企業「Amazon」が展開する「Amazon Go」は、セレクトした商品を自動認識し、ゲートを通るだけで決済が完了するシームレスなサービスを提供しています。このように、実店舗とWeb上のチャネルを連携・統合し、既存のビジネスモデルとは異なる新しい顧客体験を提供するプロモーションおよびマーケティング手法がOMO戦略です。

塩漬けされた顧客データの活用

テクノロジーの進歩・発展に伴って企業が取り扱うデータ量は指数関数的に増大しており、蓄積されたデータをいかにして事業領域に活用するかが重要課題となっています。勘や経験といった直感的な要素に頼る経営体制では、変化が加速する現代市場に対応していくのは困難です。そこで必要となるのが、定量的なデータ分析や客観的要素によって意思決定を行うデータドリブンな経営体制です。

また、さまざまな施策や営業活動から得られた顧客データが有効に活用されていないケースもあります。データを塩漬けするのではなく、企業の無形資産として有効に活用しなければなりません。

そのためには、組織内のデータを一元的に管理するシステムの運用基盤を構築し、情報や業務システムのサイロ化を防止する必要があります。たとえば、基幹業務を統合管理するERPや顧客関係を一元管理するCRM、営業支援ツールのSFAなどを駆使し、データの運用効率を最大化させる組織体制を構築することが大事です。こうしたソリューションを用いて購入頻度やリピート率、バケット落ちなどを分析することで、データに基づく意思決定や需要予測などが可能となります。

効率的な店舗運営

人による手動作業をDXに置き換えることによって、店舗運営を効率化できます。例として、有人レジをセルフオーダー端末に変えて有人レジで注文を受け付ける時間をなくせば、空いた時間を別の作業に充てられます。
また、セルフオーダー端末をスムーズに操作できる顧客にとっては有人レジよりもメリットがあるでしょう。

在庫管理をAIが実行するという例もあります。AIが過去の在庫データに基づき必要な資材を必要な時に発注することで、在庫管理に必要な作業時間を短縮し、過剰発注を防ぐことができます。

ECサイトの運用

ECサイトの活用は代表的なDX施策の一つです。ECサイトは消費者にとって、時間を選ぶことなく好きな時に商品を購入できるというメリットがあります。小売業者にとっては、ECサイトの消費者行動をトラッキングしデータとして蓄積できることがメリットでしょう。集めたデータを活用して、顧客一人1人の嗜好に沿ったきめ細かなマーケティングが可能となります。

物流改革

小売業界を下支えする物流業界では、DXを導入することによって人材不足の中でも効率的に商品を配送する環境が実現されています。物流拠点となる大型倉庫ではロボットが人に代わって縦横無尽に動き回り、対象の商品を棚からピックアップし、配送車へ運ぶという流れが一般的です。海外ではドローンを使って配送する実験も行われています。このようなデジタル技術により、物流業界は業務の効率化と人件費を最適化しています。

小売業界におけるDX推進事例

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小売業界ではどのようにしてDXを推進し、成果を上げていったのでしょうか。業界に応じてさまざまな手法を見ることができます。ここでは日本を代表する各企業の具体的な事例を挙げながら、DX推進の過程とその効果を明らかにします。

株式会社ヤクルト本社

株式会社ヤクルト本社は、小売店を通じて乳酸菌飲料を販売しています。どのような商品陳列や売り場の見せ方がよいのか、店内においてどのような過程で購買行動に至ったのかを把握できていない状態が続いていました。そこで「Go Insight」と呼ばれるコニカミノルタマーケティングサービス株式会社が提供するマーケティング分析ツールを導入しました。

Go Insightは、店舗の天井にカメラを取り付けることで消費者の行動パターンを分析するツールです。Go Insightの活用を通じて、乳酸菌飲料を棚の最下段に陳列することで売上がアップする法則や、販促用バナーを掲示すると男性50~60代の購入が増えていることを突き止めました。

株式会社平和堂

滋賀県でスーパーマーケットを展開する株式会社平和堂は、AIを通じた需要予測発注システムを導入しました。人による商品の発注業務は時間がかかる作業です。発注作業では判断ミスによる過剰発注や在庫ロスを招く可能性もあります。天候や消費者行動などの変動要因によって、需要に見合った発注が必ずしもできるとは限りません。

そこでAIによる需要予測発注システムを導入することで、過去の販売実績、天候情報などの情報を機械学習に取り込み、自動的に商品を発注するようにしました。これにより発注にかかっていた業務時間を削減し、店舗における顧客とのコミュニケーションや、よりよい店舗作りのために時間を割けるようになりました。

参考:平和堂レポート2022

キリンビバレッジ株式会社

キリンビバレッジ株式会社は、環境を考慮するブランドである「生茶」を通じてラベルレスペットボトルやリサイクルペットボトルの導入を推進しています。しかしながら、環境保全を訴求する同商品の訴求が売上に貢献しているかどうか不透明でした。そこで「Go Insight」というマーケティング分析ツールを導入し、売り場における滞在から購買に至る行動パターンを可視化し、店頭POPの設置有無による効果検証を実施しました。

調査結果では、店頭POPを設置した店舗では設置していない店舗と比較して、「生茶」の接触回数を45.3%向上させることに成功しました。また、視認性の高い商品パッケージが接触回数と深い関係にあることも確認できました。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社は、関東を中心にスーパーマーケットを展開しています。同社は新業態スーパーマーケット「BLANDE」向けに公式アプリ「Scan&Go Ignica(イグニカ)」を導入し、DXを進めています。

顧客は、公式アプリを通じて購入したい商品のバーコードをスキャンし、アプリ内のカートに追加します。その後、キャッシュレス決済で商品の購入までを完結できます。これによってレジにおけるオペレーションを短縮し、顧客側もレジに並ぶ必要なくスムーズに買い物をすませることができます。公式アプリではその他に会員向けのロイヤルティ機能を提供しており、獲得したポイントに応じてさまざまなサービスを提供しています。

参考:富士通株式会社

ダノンジャパン株式会社

ダノンジャパン株式会社は、ヨーグルトなどのチルド乳製品を販売する食品メーカーです。同社ではPOSの売上データやアンケートによる調査データは持っていましたが、店舗において顧客が商品を購入した、あるいは購入しなかったプロセスをデータとして解析したいという課題がありました。そこで、店内における顧客の行動パターンを分析する「Go Insight」を導入したのです。

Go Insightでは顧客が店内に立ち寄ってから商品の視認、接触、比較検討、購買までの各プロセスを顧客属性や時間帯に応じてデータ化、分析します。これによって、POSデータやアンケート調査では見えなかった顧客行動を解析できるようになりました。

日本調剤株式会社

日本調剤株式会社は、日本全国で調剤薬局を運営する会社です。「スマート医療」と呼ばれる、インターネットを通じたオンラインによる医療サービスを展開しています。これまで診療などの医療サービスを受けるには病院へ赴く必要があり、時間やいる場所によっては受けられる医療サービスに制約がありました。DXを活用したスマート医療においてはオンライン上で診療や服薬指導が受けられるため、患者にとって利便性が向上するメリットがあります。
日本調剤が提供する「J:COMオンライン診療」では、患者はテレビを通じて診療と服薬指導が受けられます。スマート医療は医療の地域格差を是正し、誰もが希望する医療サービスを提供することを目指しています。

参考:PR TIMES

イオン株式会社

イオン株式会社は、日本全国でスーパーマーケットを展開する企業です。二酸化炭素(CO2)排出を40%削減することを目指してAI技術を活用した「空調エネルギー削減システム」を導入しました。店舗の内外にセンサー付きのカメラや温度計を設置し、人の流れや室温などのさまざまなデータを空調エネルギー削減システムを通じて収集。そのようなデータをAIに機械学習させることによって必要な空調を予測し、風量や温度を自動的に調節しています。

2020年3月に「イオンスタイル海老江」で世界初となる同システムを導入し、実証実験が開始されました。DXといえば自動化による業務効率の改善という側面が強調されがちですが、この事例では、DXが環境を改善する役割も担うことができることを示しています。

参考:関西電力

小売業界がDXするメリット

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小売業におけるさまざまな課題を解決するために、小売業においてもDXの推進が叫ばれています。ここからは、小売業におけるDX推進のメリットを4つご紹介します。

人材の最適な評価

組織が大きくなればなるほど従業員に関するデータ量が膨らむため、勤怠、給与、評価などの人事業務は業務負荷が大きくなってしまいます。特にExcelなどによる従来の手法ではなおさらです。

DXを推進すると、それらのデータはシステム上で安全に一元管理できるため、人事業務の効率化が図れます。その結果、適切な人事評価や給与査定、人材配置が行え、蓄積されたデータは企業の資産となります。例えば、過去に在籍していた人材のスキルセットを知りたい場合は、過去データにアクセスするだけで把握できるようになるでしょう。

時間や人件費の削減

近年の光熱費や資材コストの高騰は、小売業界の経営において大きな問題の一つです。そのような中では、人件費を削減して全体コストを圧縮することが企業の急務となっています。

売り手市場である労働市場では、高い賃金を捻出できる企業が有利です。しかしそれがが難しい企業は、DXを導入することにより、店頭販売に代わるECサイト、有人レジに代わるモバイル注文など、時間と人件費を削減できます。慢性的に人材不足でもある小売業界においてDXは、企業存続のために必要不可欠な手段といえるでしょう

正確な需要予測と在庫管理

資材の需要予測と在庫管理は、DXでその精度を上げることができます。過去の販売実績や来店客数、天候の状況などの蓄積されたデータを活用し、システムによってスピーディーに未来の需要予測が立てられます。

在庫不足や過剰在庫というリスクを抑えることができるため、最適化されたサプライチェーン構築の実現が可能となります。食材の賞味期限はシステム上にあるデータで管理され、賞味期限切れの食材が顧客に提供されるというようなことも発生しません。最適化された在庫管理システムにより、賞味期限が切れる前に追加発注します。

業務の削減による顧客体験の向上

DXの推進によって空いた業務時間は、新たな顧客体験の向上に費やしましょう。店内における顧客とのコミュニケーションや店舗のよりよい環境作りに業務時間を充てることで、顧客満足度アップを図ることができます。

DXを活用した顧客体験の向上として、ECサイトのケースが挙げられます。顧客が求める商品やサービスは人により異なります。しかし、オンライン上における顧客とのコミュニケーションをDXで自動化すれば、顧客のニーズに合わせて最適化を図ることができます。例えば、過去の購買データや顧客属性に基づき、その顧客が反応しそうなバナー広告やおすすめ商品を自動的に配信するということも可能です。

小売業界でDXを推進するうえで知っておきたいポイント

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小売業界でDXを推進するためには、知っておきたいポイントが6つあります。一つずつ具体的に紹介します。

DXは単なるデジタル化ではない

たとえば、これまで紙で受け取っていた納品書などをデータ化する、ということだけがDXの目的ではありません。DXを実現するデジタル化はあくまでも手段であり、目的ではないことを認識する必要があります。

DXの導入で業務を効率化することは目的の一つではありますが、これまでになかった新しい価値を生み出すことがDXにおける真の目的です。新しい価値とは、顧客体験の創造や業務プロセスの抜本的な改革、商品やサービスの創出といった、企業に新しい付加価値を与えるものを意味します。そして新しい価値を生み出すフレームワークを作ることこそがDXです。

推進には「DX人材」の育成が必要

DXを推進していくには、システムを導入していくための人材が必要です。ここでいう人材には技術的スキルがあるだけではなく、DXの目的と価値を理解している人が求められます。DX自体が目的ではなく、手段であるためです。導入したシステムはDX人材が中心となり、従業員が継続的に利用し、社内に浸透していくよう働きかけます。このような業務を改革していく試みは時間がかかるため、経営レベルでDX人材の確保と育成に注力していくことが重要です。

経営戦略とマッチしたDXを推進する

DXを導入していくにあたり、現状の問題と課題を明確にし、DXを通じて達成したいゴールの設定から始めます。このプロセスが抜けていると、せっかく時間とコストをかけて導入したシステムが効果の出ないものだったり、利用されずに放置されたりする事態が発生します。導入するDXが経営戦略上、必要であるかどうかを十分に吟味し、定性面と定量面の両面からその効果を検証するようにしましょう。

導入時には労力・費用がかかる

新しいシステムの導入には労力と時間がかかります。システムの比較検討、要件定義、開発工数の算出、工程管理、運用保守など、さまざまなステップを踏まなければなりません。また各プロセスにおいて社内稟議(りんぎ)が必要となることもあります。部門横断プロジェクトとなる場合には、社内の各ステークホルダーとのディスカッションや調整が入ります。

プロセスと体制が複雑な状況の中でDXを推進するには、メンバーの役割とオーナーを明確にすることが重要です。

成果を実感するまでには時間が必要

DXが成果として表れるには時間がかかることがあります。過去のデータを蓄積し機械学習によって需要予測を行うケースでは、一定期間データが蓄積されないと最適化された需要予測を提供できないことがあります。

新しいシステムの活用には、従業員のトレーニングが必要です。既存システムの使い勝手に慣れた従業員を新しいシステムに移行させ成果が出るようになるには、継続的な学習が求められます。

組織風土の変化への反発が起こり得る

ITシステムの投資に受け身である企業では、DXの推進に反発する人も出てくることでしょう。DXによって特定の業務がなくなったり、既存のルールが不必要となったりするからかもしれません。

しかしDX導入の目的と、達成したいゴールを第三者がわかるように説明することで、そのような障壁を打破できます。先述したように、DX導入は手段であり目的そのものではないことを再認識しましょう。

まとめ

時代の流れとともに消費者の行動も変化し、小売業界にとってDXは無視することのできないテーマとなりました。変化が加速する現代市場において、小売業界がイノベーションを創出するためにはDXの実現が不可欠です。本記事で取り上げたDXと呼ばれる事例はごく一部に限ります。新たな顧客体験を提供するためにも、一度自分の身の回りを見渡して、DXがどのように効果的に活用されているか観察してみてはいかがでしょうか。

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