製造工程の進捗を適切に管理できれば、業務効率化を実現できます。工程進捗管理を効果的に行うには、作業の可視化やペーパーレス化が欠かせません。
本記事では、製造現場における作業指示、工程進捗管理の課題や、解決に役立つツールについて解説します。生産性や業務効率の向上を目指している経営者、担当者の方はぜひ最後までご覧ください。
工程進捗管理業務とは
製造現場でのモノづくりでは、さまざまな工程が存在します。工程進捗管理とは、製造過程における進捗を適切に管理し、生産性の向上を実現することです。
工程の進捗を正確に把握できていないと、生産計画に狂いを生じさせるおそれがあります。その結果、製品が納期に間に合わない、といった事態が発生するのです。モノづくりに携わる企業として、約束していた納期に製品が間に合わないのは、信頼を失いかねない失態です。
スムーズな生産を実現するためにも、進捗管理は欠かせません。進捗状況を適切に管理できていれば、「Aのラインが遅れているから、Bから3人ほど人員を補充しよう」といった対処も可能です。現場の進捗状況を正確に把握できていれば、こういった機動的な人員運用ができるのです。
このように、製造現場において工程進捗管理は必要不可欠な業務ですが、さまざまな課題を抱えていることをご存じでしょうか。次からは、製造業が抱える工程進捗管理業務の課題を詳しく見ていきましょう。
製造業が抱える工程進捗管理業務の課題
課題として挙げられることはいくつかありますが、ひとつには製造日報の入力が間に合わないことが挙げられます。また、Excelへの転記で誤入力が起きる、報告書を事務所で作成しなければならない、といった課題も代表的なものです。詳しく見ていきましょう。
製造日報入力が間に合わない
製造に携わる企業の多くが、いまだに紙の日報を使用しています。紙の帳票へ製造実績や業務内容などを記載するため、どうしても時間がかかりやすく、工程の進捗を把握しづらい課題が発生します。
紙の日報へ進捗を記入しても、管理者がすぐに内容を確認できるわけではありません。責任者や管理者が現場へ常駐しているのならまだしも、そうでないケースも多々あります。作業から報告までのリードタイムが長くなってしまい、正確に進捗を把握できません。
また、日報だけで進捗を伝えきれない場合には、工程担当者への電話報告や、現場での直接確認が行われています。担当者がすぐ現場へ直行できる状況ならよいですが、それが難しいときもあるでしょう。そのようなケースでは、進捗状況を管理側が正確に把握できないおそれがあります。
では、紙の日報を廃止し、ペーパーレス環境が実現できればどうでしょうか。単純なペーパーレス化ではなく、状況をリアルタイムに伝えられるシステムを導入すれば、これらの課題を解決できるはずです。
人がExcelに転記するためデータの誤入力が起きる
紙帳票へ記載した現場の状況を、人の手でExcelへ転記するため誤入力が起きる可能性があります。そもそも記載されている情報が誤っている可能性も考えられますが、それ以外にも字が汚くて読みにくい、転記者が読み違えてしまう、といったことが起こりえます。
同機種の設備が複数台導入されているケースでは、機械に割り当てられた番号を誤って転記してしまう可能性もあります。その結果、当該機械での生産は十分だったにも拘わらず、余計に製品を製造してしまい在庫を増やしてしまうこともあるのです。
このようなリスクは一例に過ぎません。実際には、ほかにもさまざまなリスクが発生すると考えられます。たとえ紙帳票に進捗を示す正確な情報が記載されていたとしても、転記者のミスや勘違いで異なる情報が記録されるおそれは十分あります。
Excelへの転記が必要ないシステムを導入すれば、これらの課題を解決できるでしょう。データの精度が向上し、従来かかっていた手間も大幅に軽減できます。
報告書を事務所で作成しなければならない
進捗に関する報告書作成を現場だけで完結できればよいのですが、実際にはそうならないことがほとんどです。記入漏れや不明点があると、あとから確認に追われることになるため、多くの場合は事務所で報告書の作成を行います。
そのため、担当者はわざわざ現場を離れ、事務所へ足を運ばなければなりません。現場から事務所が近ければまだしも、遠ければそれだけで手間です。そこまでしても、結局あとから電話やメールなどで、不明点についての確認をされることも少なくありません。
また、機械の刃具異常を検出した場合の連絡を生産技術部や製造部門間で行う場合、紙報告では当日に状況が伝わらないケースがほとんどです。翌日の確認となり、結局その日は刃具交換が間に合わない、といったことも起こりえます
i-Reporterで工程進捗管理の効率化を実現
i-Reporterは、株式会社シムトップスが開発したソリューションサービスです。製造現場のペーパーレスを実現できるだけでなく、生産性や業務効率の向上に役立てられ、現在では多くの企業が導入しています。
設備に取り付けられたバーコードを読み取り、設備番号との正誤チェックができるため、従来のような間違いをなくせることがメリットです。また、機械設備に貼り付けたQRコードを読み取り、点検帳票を即座に呼び出して確認できる機能も備えています。
刃具異常の連絡に関しても、情報を関係部署間でリアルタイムに共有できるため、余計な手間が発生しません。スピーディーな情報共有を実現でき、迅速な対応が可能です。
現場で進捗状況の報告書作成が完了し、即時に情報共有ができるため、迅速に対策を打ち出せます。Excelへ再入力する手間もなくせるため、生産性の向上も見込めるのです。
現場の状況をスピーディーかつリアルタイムに把握できるだけでなく、不具合の発生ラインや刃具品番、異常理由といった情報を正確に収集できます。部品の交換サイクル情報なども組み合わせれば、予兆保全にも役立てられるでしょう。
まとめ
紙データをベースとして運用している製造現場を電子化すれば、人為的なミスを防ぎ余計な手間の発生も回避できます。進捗を正確に把握でき、情報共有も迅速になるため、電子化に踏み切らない理由はありません。
電子化へ取り組みたいと考えているのなら、本記事でご紹介したi-Reporterがおすすめです。無料トライアルも可能であるため、まずは試してみるとよいでしょう。