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社内DX事例から学ぶ | 変革を生む攻めのDXと守りのDX

社内DX事例から学ぶ | 変革を生む攻めのDXと守りのDX

「DXを推進したいが具体的にどういった事例があるのかを知りたい」
当記事をお読みのあなたは、上記の考えをお持ちではないでしょうか。当記事ではDX(デジタルトランスフォーメーション)について、攻めのDX、守りのDX、中小企業のDX、海外のDXの4つの観点から見た事例を紹介します。

DXが推進される理由や中小企業にとってもDXが重要な理由も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。会社でDXを取り入れる際の参考になれば幸いです。

DXとは

DXとは

DXのさまざまな事例を解説する前にDXの概要や、推進されている理由について説明します。特にDXが推進されている理由を確認しておくことで、DX事例の理解がより深まるでしょう。

DXの概要

DXとは、デジタル技術を用いた製品やサービスによって、人類の生活をよりよいものにすることです。経済産業省はDXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

引用:デジタルガバナンス・コード2.0

DXがうたわれて時間がたってきた中で、DXの導入に成功した企業も続々と出てきました。DX導入に成功した企業は、下記のような効果を上げています。

  • 業務効率化の達成
  • 古いシステムの刷新

DXが推進されている理由 

DXが推進されている理由は、以下が挙げられます。

  • 「2025年の崖」 のリスクの回避
  • 人材不足の解消
  • 競争上の優位性を獲得する
  • コストダウンや業務効率化を図る
  • 災害リスクマネジメントに活用できる

それぞれについてはDXの定義を解説した記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

DXが推進され、各企業が導入する理由は、上記のメリットを享受できるためです。DXを推進する企業としない企業では、収益や業務効率化の差が開き始めている現状があります。流れに遅れないように、DXに取り組んでいくべきでしょう。

攻めのDX|5つの事例

攻めのDX|5つの事例

以下では「攻めのDX」の概要と、攻めのDXによる5つの事例を解説します。何が「攻め」なのかを理解した上で読み進めるとよいでしょう。

攻めのDXとは何か

攻めのDXとは、デジタル技術の応用による、企業にとっての新しい取り組みのことです。例えば製品やサービスの開発、または新しいビジネスモデルの創出が挙げられます。先述の通り、DXの推進で目指したいことの1つは、競争における優位性の獲得です。競争の優位性の獲得に向けた取り組みこそが攻めのDX、と考えると理解しやすいでしょう。

優位性を獲得するためには既存の製品、サービス、ビジネスモデルだけではなく、新たな強みを手に入れる必要があります。そのためには、競合他社が取り入れてない新技術を取り入れた製品やサービスを開発したり、組織の規則を大きく変えて社員の創造性に働きかけたりしなければなりません。攻めのDXは考える時点から難しいですが、だからこそ価値が高く、優位性の獲得につながるものです。

攻めのDXを取り入れた企業事例5選

攻めのDXを取り入れた、以下の企業の事例を解説します。

攻めのDX事例1|コマツ「DXスマートコンストラクション」

コマツの攻めのDXは「DXスマートコンストラクション」と表現されています。DXスマートコンストラクションは、コマツが長年にわたってICTを活用した課題解決に取り組み、建設現場の悩みを解決する集大成として生まれました。当時抱えていた建設現場の課題は現場の労働力不足や高齢化、安全確保とコストの両立などです。これらの課題は建機の提供だけでは解決できず、建機同士をつないで可視化する仕組みで解決を図っています。

コマツはIoTが普及する前から、建設機械のシステム化に取り組んできました。建設機械にGPSや通信システムを搭載することで、建機の位置や稼働状況を把握する機械稼働管理システムです。その結果、保守管理や省エネ対策などに有効な成果を上げています。

注目すべきは、コマツがデジタル活用ではなく、顧客価値の実現に焦点を当てている点です。攻めのDXとして行われている顧客に目を向けた企業の意識変革が、顧客価値の向上だけでなく、結果的に業界のリーダーシップを維持していく形となりました。

参考:コマツ

攻めのDX事例2|中外製薬「MALEXA-LI」

中外製薬の攻めのDXは「MALEXA-LI」という、独自に構築したAI技術の活用です。

中外製薬では成長戦略においてデジタルの活用を重視し、「デジタルを活用した革新的な新薬創出」を基本戦略の1つと位置付けています。医薬品開発における解決すべき課題は、新薬開発の期間やコストの増大、創薬の難易度の上昇、開発の成功率向上などです。中外製薬はAI技術を活用し、創薬プロセスの短縮、医薬品開発の成功確率の向上を実現することを目指しています。

具体的には、MALEXA-LIが中外製薬が長年蓄積してきたデータを元に、AIの機械学習を駆使して抗体の最適な分子配列を提案します。結果として、従来より分子間の結合が1800倍以上の抗体の生成を実現しました。
また、中外製薬は攻めのDXとしてMALEXA-LIだけでなく、人材育成や挑戦する企業の組織風土形成にも注力してきました。新しい技術による価値の創出と企業の組織風土の改革を組み合わせた攻めのDXで、ヘルスケア産業での存在感を示します。

参考:ストックマーク

攻めのDX事例3|ユニ・チャーム「手ぶら登園」

ユニ・チャームは不織布・吸収体の専門メーカーとして、高付加価値の商品を市場に提供している企業です。ユニ・チャームでは商品開発の改善点を発見し、攻めのDXで新しい分野の開拓につなげています。

デジタル技術を活用した新サービスの例として「手ぶら登園」という紙おむつのサブスクリプションサービスが挙げられます。手ぶら登園は保育園の紙おむつ在庫を自動で管理し、必要な時に自動的に発注・配送するシステムです。手ぶら登園によって、保護者が家庭で紙おむつの準備をする手間を省略することが可能となりました。

ユニ・チャームの攻めのDXは、顧客のニーズからデジタル技術を積極的に活用して新しいサービスを提供し、顧客との関係を深めるアプローチをしています。それと同時に、新たな市場の開拓や商品改良に活かすことで競争力強化を実現しました。

参考:ユニ・チャーム

攻めのDX事例4|LIXIL 「IoTホームLink」

LIXILは、住まいの水回り製品や建材の開発・提供を行う企業です。LIXILの攻めのDXでは既存ビジネスの変革、新規ビジネスの開発、生産性向上に取り組んでいます。

具体的な取り組みとして、AIを活用してオンラインショールームを進化させた、デジタルを活用した既存ビジネスの変革です。また「IoTホームLink」というIoTデバイスを組み合わせ、自宅の家電と連携させることで日々の生活をより快適にする「離れていても自宅のドアをロックできる」機能や「玄関の様子をスマホで確認できる」機能を提供しています。

またLIXILでは生産性向上のため、専門知識がない従業員でも業務ツールを開発できるノーコード開発ツールの導入をしました。従業員は自ら必要なツールを開発でき、業務の効率化が実現しています。「知識が少なくても自身で業務効率化をできる」ことの自信や、取り組める環境の醸成も攻めのDXといえるでしょう。

LIXILの攻めのDX戦略は、デジタル技術を活用した新たなビジネス領域の開拓や、従業員自身による生産性の向上で、競争力を強化しています。

参考:LIXIL

攻めのDX事例5|ソニー損保

ソニー損保は、攻めのDX戦略としてAIやセンシングなどの先端技術を活用した「GOOD DRIVEアプリ」をリリースしました。GOOD DRIVEアプリは、専用デバイスを自動車に装着することでエンジンの動作とアプリが連動し、運転の安全度合いを表す運転スコアや特性に対する運転アドバイスを記録します。

ソニー損保の「安全運転でキャッシュバックプラン」という保険に加入すると、アプリの安全運転の記録から最大30回までキャッシュバックが可能です。スコアの向上を意識した運転により、実際に事故リスクを低減しています。また2022年1月からは、GOOD DRIVEアプリを同社の保険契約者だけでなく、保険未加入のドライバーにも無料で提供開始しました。この取り組みは、社会全体の交通事故減少への貢献が期待されます。

ソニー損保の攻めのDXは、先端技術を活用したアプリの提供を通じて運転の安全性向上を促進し、顧客にはキャッシュバックなどのメリットによって新たな価値を創出しています。また広く一般のドライバーへのアプリ提供によって社会全体の安全性向上に貢献している点も、評価されるべきポイントです。これにより、ソニー損保は顧客満足度の向上、社会への貢献、そして競争力の強化を達成しています。

参考:ソニー損保

守りのDX|4つの事例

守りのDX|4つの事例

以下では「守りのDX」の概要と、守りのDXによる4つの事例を解説します。先述した「攻めのDX」との違いを意識しながら読むとよいでしょう。

守りのDXとは何か

守りのDXとは、自社内の業務の取り組み方を工夫し、改善や効率化をもたらす取り組みのことです。例として、企業内の業務プロセスやツールの見直しによる業務効率化が挙げられます。

攻めのDXは先述の通り、新しい業務やプロセス、組織風土の改革のようにアイデアやエネルギーが必要なものでした。しかし守りのDXは、攻めのDXよりも取り組みやすく、実現もしやすい特徴があります。理由は、顧客や社会を巻き込むことがなく、自社内で完結できる取り組みが大部分を占めるためです。だからといって、守りのDXを軽視すべきではなく、社内の整備につながる大切な取り組みといえます。

守りのDXを取り入れた企業事例4選

守りのDXを取り入れた、以下の企業の事例を紹介します。

  • ブリヂストン「技能伝承システム」
  • ファミリーマート「便利な店舗に向けた施策と店舗業務省力化」
  • 無印良品「自社アプリの開発」
  • SBI損保「カシャッピ」

守りのDX事例1|ブリヂストン「技能伝承システム」

ブリヂストンのソリューション事業における守りのDXが「技能伝承システム」の開発です。技能伝承システムは伝統的な「リアル」である匠の技とデジタル技術の融合に焦点を当てています。

ブリヂストンでは以前から、若手への技能伝承が思うように進まない課題を抱えていました。技能伝承システムは、航空機用や鉱山・建設車両用などのタイヤを製造するベテラン社員の高度な技術を新人の技能習得に活かすことを実現しています。特筆すべきは技能伝承システムの機能であるカメラやセンサーで計測・可視化する機能です。

従来、高度な技術は、実際の姿を見せるか、言葉によって伝承されてきました。技能伝承システムによって高度な技術を可視化することで、技術の伝承を確実に行い、次世代の技術者の育成に貢献しています。

ブリヂストンの守りのDX戦略は、伝統的な技術とデジタル技術の融合によって、製品の品質向上やサービスの効率化、次世代の人材育成など多岐にわたる成果を実現しました。

参考:ブリヂストン

守りのDX事例2|ファミリーマート「便利な店舗に向けた施策と店舗業務省力化」

ファミリーマートの守りのDXは、「ファミペイ」による顧客の利便性向上と店舗業務の省力化です。ファミペイはフィンテックを活用したサービスを提供しており、クーポン配信や他社ポイントとの連携、電子マネー「ファミペイ」での翌月払い、公共料金の支払いなどに利用できます。2021年11月に1000万ダウンロードを突破し、多くの顧客に利用されています。

ファミリーマートの守りのDXの成功は、社員や店舗スタッフ全員がデジタル変革の意義を理解するために、社内広報など攻めのDXにつながる活動を通じて導かれました。企業内の意識改革が進み、新たなDXの推進がスムーズに行われたといえます。

さらに、無人決済店舗の実用化など新たな取り組みも進めており、ファミリーマートは常に新たな攻めのDXも計画中です。

ファミリーマートは、ファミペイをはじめとする守りのDXの推進により、顧客の利便性を向上させ、店舗業務の効率化を図っています。

参考:ファミリーマート

守りのDX事例3|無印良品「自社アプリの開発」

良品計画は、無印良品の守りのDXにおいてデジタルマーケティングを積極的に活用しています。無印良品のデジタルマーケティングは、同社の理念を伝えることに重点を置いており、顧客の共感からファンを獲得することが目的です。SNSの運用やオウンドメディアの運営を通じて、顧客とのコミュニケーションを強化し、商品開発に参加する場も提供しています。

無印良品は、自社アプリ「MUJI passport」を通じて顧客とのつながりを強化しています。2020年11月に導入したオンライン決済サービス「MUJI passport Pay」により、キャッシュレス・カードレスでの支払いを可能にし、顧客の利便性を向上させました。また店舗とEコマースの顧客情報を一元化するアプリも、顧客とのコミュニケーションを取るために有益なツールとして活用されています。

無印良品は今後もデジタル技術の進化を先導し、顧客との関係をより深めながら競争力を強化していくでしょう。無印良品の守りのDX戦略は、顧客との共感を大切にしながら、デジタル技術を駆使してビジネスを発展させていく強力な取り組みです。

参考:プロシェアリングコンサルティング

守りのDX事例4|SBI損保「カシャッピ」

SBI損害保険の守りのDXは、即座の概算保険料見積もりサービス「カシャッピ」です。カシャッピは、スマートフォンで自動車保険証券を撮影し、AI搭載型OCR(光学式文字読取システム)で読み取ると即座に概算保険料を表示できるサービスです。カシャッピの利用によって、顧客は手軽に保険料を確認できるだけでなく、スムーズな契約手続きができます。

また同社の「AI保険金査定システム」も同じ仕組みで、がん保険の保険金を請求する際に必要な書類を撮影するだけで、保険金支払いの対象かどうかを自動的に判定します。システムの正確性を保持しつつ、顧客にとって利用しやすい応答をできるよう改良を加えてきました。将来的にはほかの支払い対象となる業務プロセスもデジタル化する計画中です。

SBI損害保険は、上記の取り組みによって顧客にとっての利便性を高めるとともに、業務効率化を実現しています。SBI損害保険の守りのDXは、顧客体験の向上と同時に業務プロセスの効率化を達成しています。

参考:SBI損保

中小企業のDX|中小企業独自の事情と4つの事例

中小企業のDX|中小企業独自の事情と4つの事例

攻めのDXと守りのDXの事例は大企業でした。当項では、中小企業が取り組むDXに目を向けています。「2025年の壁」が示しているように、現在は中小企業でもDXに取り組むべき時代です。中小企業でもDXが必要となる理由や、DXをためらう理由について解説したのちに、中小企業のDX事例を紹介します。

中小企業でもDXが必要となる理由

中小企業でもDXが必要となる理由には、以下の3点が挙げられます。

  • 生産性向上
  • 節税につながる
  • 競争力の強化

生産性向上

DXによる生産性の向上は大企業だけでなく、中小企業にも実現可能です。中小企業は先述の守りのDXの方が取り組みやすいでしょう。守りのDXとして、デジタル技術の導入により、従来の業務プロセスが効率化され、作業時間が短縮されます。

例えば、自動化ソフトウェアやロボティクスの導入により、繰り返しのルーティン業務を人手を介さないようにする処理が可能です。またクラウドコンピューティングやコラボレーションツールの活用により、従業員間の情報共有やリモートワークが容易になります。DXによって業務のスピードと効率が向上し、より多くの仕事をより短い時間でこなせるようになるでしょう。

節税につながる

経済産業省は、中小企業のDXを促進するため「DX投資促進税制」を導入しています。令和6年度末までの期間を対象に、DXの要件を満たしている取り組みだと認定されることで、税額控除や機材の特別償却を受けられる、というものです。資金繰りに苦労していてDXに踏み込めない、という中小企業もあるでしょう。国の制度を利用することで、期間限定ではありますが、財政面の援助を受けながらDX推進を実現できます。詳しくは後述します。

競争力の強化

DXを導入すると、中小企業も競合他社との差別化が可能です。最新技術を活用することで、生産性やサービスの向上につながります。またDXの取り組み次第では、顧客とより密接にコミュニケーションでき、顧客ニーズを把握しながら個別に対応することが可能です。最新システムを駆使したデータの収集・分析によって市場トレンドや顧客の行動パターンを把握できます。また、製造プロセスの可視化によって戦略的な意思決定が行えるようになるでしょう。

上記のように、DXによって新たなビジネスモデルの創造や新規顧客層へアプローチができるため、中小企業であっても市場での競争力を高め、成長と発展を遂げることが可能となります。

中小企業がDXをためらう理由

中小企業がDXをためらう主な理由は、以下の3点です。

  • 予算や人員の制約
  • 新規システム導入による既存のシステムとの整合性
  • 不確実な成果への不安

中小企業は、予算や人員などのリソースが大企業と比べて乏しいです。一方でDXの導入には、高額な投資や、高度な技術を持った人材が必要となります。ITインフラの整備や新しいテクノロジーへの対応には、導入や育成にかかる費用、習熟時間が必要です。先述のように税制優遇の制度などはありますが、中小企業がこれらの負担を受け入れるのが難しいため、DXを進めにくい実態があります。

また中小企業は、レガシーな既存システムを利用していることが多いです。DXで新しいシステムを導入することで、既存システムとの整合性がなく、移行に苦労することが懸念されます。

またDXは時間がかかり、成果はすぐには現れない取り組みが大半です。最悪の場合、効果を上げられずに終わる可能性もあります。巨額の投資への失敗を恐れてDXに踏み出せない中小企業も多いのではないでしょうか。

DXを取り入れた中小企業の事例4選

DXを取り入れた、以下の4社の中小企業の事例を紹介します。

  • ウチダ製作所 
  • ヒサノ
  • TATAMISER 
  • okicom

中小企業のDX事例1|ウチダ製作所

ウチダ製作所は、金型メーカーの需要減少に直面している中で、革新的なアプローチでDXを推進しています。同社は「金型共同受注サービス」を開発しました。金型共同受注サービスでは、設備の稼働状況や工場ごとの業務量をクラウド上で管理できます。稼働状況や業務量の取得は地域の金型メーカーとIoTデバイスメーカーが連携し、IoTデバイスの導入によって実現しました。金型共同受注サービスの導入以降、効率的な受注の受け入れや生産プロセスの最適化に向けた取り組みが行われています。

また、ウチダ製作所は金型共同受注サービスで取得された各金型メーカーの稼働状況や設備能力などの情報を元に、適切なメーカーを選択できるようになりました。その結果、大企業でしか取り扱いできなかった高難易度プレス金型の製造が可能となり、ウチダ製作所だけでなく、業界全体の課題解決にも貢献しています。

ウチダ製作所のDXは、デジタル技術によって業界の課題に対応し、地域の金型メーカーやIoTデバイスメーカーとの連携によって業界全体の発展に寄与しています。

参考:ウチダ製作所

中小企業のDX事例2|ヒサノ

ヒサノは、重量のある商品や精密機械などの運送を担当しており、DXの推進に当たり「人、車、倉庫、データ」の各要素に対してデジタル技術の活用を目指しました。

業務をデジタル化したことで、豊富なデータが蓄積されました。そして蓄積されたデータの分析によって、連携する企業との課題を克服し、物流全体の効率化が実現しています。またドライバーの能力向上を促進するために、データを活用したトレーニングや教育プログラムを提供しました。結果としてドライバーのスキルが向上し、より高度な運送を実現しています。

そして、蓄積、分析したデータから気づきを得た顧客の需要に応える新たな物流サービスの提案によって、ビジネスモデルの変革に成功しました。

ヒサノのDXは、デジタル技術を活用して業務効率化や顧客満足度の向上を図るだけでなく、ビジネスモデルの革新にも成功している攻めのDXです。今後もDXを継続して物流業界での競争力を強化し、さらなる成長に向けてステップアップを続けています。

参考:ヒサノ

中小企業のDX事例3|TATAMISER

TATAMISERは畳を販売している業者です。畳の需要が国内では減少している一方で、海外での需要が高まっていることに着目しました。海外からは、サイズオーダーをしたいという需要が多くありました。そこで海外からの需要を満たすために、畳のレイアウトやサイズ計算、見積書作成が自動的に行える機能を備えたアプリを開発しました。アプリによって従来の手作業にかかっていた時間とコストを削減し、業務の効率化を実現しました。具体的には、自動化されたプロセスによってスピーディーかつ正確で、顧客のニーズに合った対応を実現しています。

さらに、翻訳会社への依頼を介さずにメールの内容を自動で英語に翻訳できるシステムも導入しました。翻訳システムによって海外顧客とのコミュニケーションが円滑化され、グローバル市場での展開がスムーズに進められています。

上記の取り組みの結果、TATAMISERは業務の効率化と売上拡大に成功しました。デジタル技術の活用と海外市場での需要を取り込むことで、国内の需要減少に対するリスクを軽減し、事業の持続的な成長を実現しています。

参考:Claris

中小企業のDX事例4|okicom

okicomのDXは、RPA(Robotic Process Automation)を活用した単純作業の効率化や省人化です。案件管理や経理、労務業務などに対してRPAを活用して業務効率化に成功しています。既存の業務プロセスに対して、RPAを導入して業務効率化を図る守りのDXの事例といえます。

DXに成功した要因は、DXの重要性に理解を示した経営者による積極的なDXへの推進と、必要な予算を確保していることです。またokicomはAI関連やIoT関連の人材育成にも力を入れており、有償の外部研修を受けさせてデジタル人材の育成に注力しています。

okicomが培ったDXスキルは、建設業ソフトウェア販売と合わせて、DX推進支援という形で役立てられています。okicomは守りのDXを進めつつ、攻めのDXに向けて動き始めており、新たなビジネスの展開に向けて取り組みを継続しています。

参考:okicom

海外のDX|3つの事例

海外のDX|3つの事例

DXに取り組んでいるのは日本国内だけではありません。海外のDXについて、以下の3社の取り組みを紹介します。

  • Uber
  • Apple
  • Walmart

海外のDX事例1|Uber

Uberは、スマートフォンアプリを使ったマッチングシステムの開発を行いました。ご存じの通りUber Eatsは、飲食店が個人事業主の配達員に食事の配達を依頼し、注文をした顧客の元へ届けるシステムです。飲食店は人件費を抑えられ、ユーザーはデリバリー料理の選択肢が増える、そして配達員は自由に働けるなど、多くのメリットをもたらしています。

UberのDX化は、スマートフォンアプリとマッチングシステムの導入により、利用者とサービス提供者をシームレスにつなげることで、利便性を向上させ、多くの課題を解決しました。攻めのDXの結果としてUberは急速な成長を遂げ、ユーザーにとっては便利なサービスを提供する一方で、事業者や配達員にも新たなビジネスチャンスを生み出しています。

海外のDX事例2|Apple

AppleのDX事例として、Apple PayとApple Cardの決済サービスを解説します。Apple Payは、iPhoneなどのApple製品のデバイス機器を使って電車賃やショッピングの支払いを行うサービスです。Apple Payを用いることで生体認証システムにより本人確認を行い、なりすましなどのリスクを防げるため、高い安全性と利便性を提供しているといえます。

またApple Cardもセキュリティ性に優れたクレジットカードです。デジタルカードを選択することでiPhone経由で申し込むため、盗難やスキミング、カード番号の盗み見などのリスクを軽減します。

上記のサービスによって、高いセキュリティ性と利便性を備えることでユーザーに信頼性と便利さを提供しています。AppleがDXを推進し、先進的なテクノロジーを活用したサービスを提供している事例です。

参考:Apple

海外のDX事例3|Walmart

Walmartは早期にIT技術の進化に着目し、積極的にDXに取り組んでいます。代表例として非接触決済システム「ウォルマート・ペイ」の刷新です。具体的にはスマートフォンアプリの内容を拡充し、薬局や金融部門でも決済システムを利用できるようにしました。

ウォルマート・ペイでは、処方箋の注文・支払いがアプリ上で完結できます。店頭でレジでアプリを起動、二次元コードを読み取り本人確認を行い、処方薬を受け取れるようになりました。

Walmartは従来のスーパーマーケットチェーンに限らず、EC事業の拡大やスキャンロボットの導入などを通じて、DXに積極的な姿勢を示す企業です。事業拡大を見越した攻めのDXを継続して、Walmartは先進的なテクノロジーを活用して競争力の強化を継続します。

参考:Ridgelinez

まとめ

まとめ

DXの事例を以下の4つの観点から紹介してきました。

  • 攻めのDX
  • 守りのDX
  • 中小企業のDX
  • 海外のDX

具体的な成功事例を読んでて「自社でもできそうなことはないか」と考えるきっかけとなれば幸いです。あなたの組織も成功事例を参考にDXに取り組むことで、成功事例を収めた企業のように競争力の強化や業務効率化が実現するでしょう。

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