IT製品を導入し活用するためには、製品選定や製品理解が重要なポイントになります。この記事では、そもそもなぜ製品選定や製品理解が重要なのか、また評価基準について解説します。さらに製品選定を成功させる方法として、実際にどのようなステップを踏めばよいかも詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
製品選定の重要性
現在、いわゆるITベンダーからは、各種サービスやハードウェア、パッケージソフトウェアなど、さまざまなIT関連製品が提供されています。これらの中から、自社にとって最適な製品を選定できなければ、どのような弊害が起きうるのでしょうか。
まず、各組織によって利用しているシステムが異なる場合、これらをうまく連携させるように考慮できていなければ、システムのサイロ化が起きる可能性があります。これは、自組織の都合だけを考えたシステム導入により情報が孤立化し、各部門や部署と、データなど情報のやりとりがスムーズにできなくなる状況のことを指します。今や経営基盤強化に欠かせないビッグデータを取り扱うためには、データの統合が不可欠です。必要なデータを収集し統合させることで、精度の高い分析が可能となり、多くのインサイトを得られるからです。
ほかにも、社内の各システムで個別に連携がされたり、バックアップをとる必要があったりすることから、本来想定していたよりもコストが増大し、経営を圧迫するデメリットも考えられます。
製品理解の重要性
適切に製品選定を行うためには、その製品の特徴や搭載されている機能をしっかり理解することがキーポイントとなります。
製品について理解を深められれば、製品選定の際に自社が求める要件と合っているかどうかを判断できます。他の製品との比較や、内製化できるかどうかの可否についても検討できるようになるでしょう。また、導入を決定した後には、今後の工程についてより正確な見積もりが可能になります。さらにサービスを開始した後には、ユーザーの利用促進サポートに役立ちます。
このように製品理解は、各フェーズにおいてそれぞれメリットを生み出すため、避けては通れません。
製品選定の軸となる評価基準
製品選定時には、いくつかの評価基準を軸として考えると効果が高まります。まず、最も重要なポイントは、「自社の要件に合っているかどうか」です。いくら素晴らしい製品であっても、そもそも要件に合っていなければ導入してもコストの無駄になってしまうため、必須条件として押さえておかなければなりません。また、導入に必要となるコストも予算の範囲内に収まっているかどうかを確認しておきます。
さらに、実際に利用するユーザーの視点を忘れずに、利用イメージを描けているかも重要なポイントです。自社のメリットのみに気をとられることなく、いかに満足度の高い顧客体験を生み出せるかに焦点を当てれば、おのずと最適な製品選定が可能になり、ひいては経営基盤の強化にもつながっていくでしょう。
製品選定のステップ
では実際に、どのようなステップで製品選定を行っていくと成功しやすくなるのでしょうか。ここでは基本的な手順について解説します。
必要な理由と必要な機能を洗い出す
現状の課題として、なぜ自社でIT製品の導入が必要なのかといった理由を洗い出した上で、それを解決するために必要となる要件を提示し、予算とすりあわせていくのが主な流れです。
例えば、「従来PCで作った資料を、わざわざ紙で印刷して共有する文化をどうにかしたい」といった要望や、「データや情報が連携されずサイロ化されていて、余計な手間がかかる」といった業務上の課題があるとしましょう。
そこで、「クラウドで管理したい」「名刺管理を楽にしたい」「取り扱いや操作は誰でも扱えるような簡単なのがよい」といった求めたい要件を洗い出し、予算を見ながら、どこまで解決が見込めるかを確認します。
このように、要件、コスト、理由の3点を押さえて検討すると、導入に向けてより根拠がはっきりし、目指すべきゴールを見失わずにすみます。
気になる製品を抜粋する
IT製品は社会の需要やユーザーからの要望を反映し、次々に新しいモデルがリリースされています。そこで現在、どのような製品が人気なのか、またよく売れているのかといった、製品に関する情報収集をすることも重要なポイントになります。もしIT製品に関するセミナーに参加していれば、あらためてインターネットの検索エンジンで調べ、詳細を確認するのもよいでしょう。Webメディアであれば、専門家によるレビューや、他社の使用製品などを参照できることもあります。このようにインターネットをうまく活用すると、時間や手間を節約し、効率的に情報収集できるためおすすめです。
説明を受ける
気になる製品をピックアップできれば、次はそれらの製品についてベンダーへ資料請求をしてみましょう。自社の課題解決にどれくらい寄与できるのかという点を軸として、営業担当者から説明や提案を受けることで、自社のシステム化計画における詳細なイメージがわきやすくなります。
候補として選定したベンダーに説明を受けた方がよい項目としては、過去に手がけたプロジェクト実績や、自社課題に対するソリューション回答、導入体制や導入後のサポート体制、コストなどが挙げられます。将来的にグローバル事業を見据えている場合は、国や地域などローカルで定められている規制にも注意を払い、考慮されているかどうかも確認しておくことも必要です。
また説明を受けるだけではなく、実際の運用に近い形として製品デモで確認するケースもあります。特に、経営に大きく関わるような課題解決のために製品選定をする場合は、サンプルとしてデータや要件シナリオを用意し、どのような解決策なのかをベンダーからデモで見せてもらうと安心です。デモを確認することで、資料や営業からの説明では見えにくかった、実際の製品クオリティを確認できたり、どうすれば解決できるのか、社内で検討を前に進められたりするメリットが挙げられるでしょう。このように、製品に関する説明やデモを通して、ソリューションの具体性が増し、よりニーズに合った製品選定が可能になります。
候補を絞り込む
製品に関する資料や説明、デモなどを確認できれば、その中で候補を絞り込んでいくフェーズへ進みます。絞り込むときは、主に機能やコストなどを総合的に見て点数化すると便利です。
ただ近年は似たような製品も多く、単に製品の機能だけではどれを選べばよいのかわからないことも往々にしてあります。その場合は、エンドユーザーのニーズと合致しているか、既存システムやアプリケーションとの連携がしやすいかどうか、障害への耐性はあるかどうかなども確認しながら、自社として必須となる要件を整理し、優先順位を付けていく方法がよいでしょう。この際、例えば縦軸に製品名、横軸に要件を入力した「対比表」を作成すると、効率よく製品ごとの比較がしやすくなります。
協議を繰り返し決定する
製品の候補を絞り込めれば、社内で本当にこの製品でいいのかどうか、何度も協議を重ねていきます。これは、比較した際の判定に誤りはないか、また、製品のクオリティは担保できるか、などを改めて確認し、安心して導入できるようにリスク因子を排除していくことが狙いです。
万が一少しでも不安があり、導入による効果について確信を持てないような状況であれば、ベンダーへ支援を依頼し、トライアル(試用版)といった形で製品の検証を行えることもあります。擬似的に導入体験ができれば、ユーザー企業は導入までのプロセスもより鮮明に理解できるようになり、安心して購入へ踏み切れるでしょう。また、トライアルを通して製品理解を深めることは、自社課題や要件の本質に向き合うことにもつながるため、こうしたサポート体制の充実度も事前にチェックすることが重要です。
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