フィールドサービスは、ビジネス上の信頼を獲得するために欠かせない業務として注目されています。しかし、限られた時間と人員のなかでフィールドサービスを実施することは容易ではありません。適切なマネージメント方法の把握やITソリューションの導入が、今後のフィールドサービスに求められるでしょう。
この記事では、フィールドサービスの概要と、作業現場の効率化につながるフィールドサービスマネージメントのポイントを解説します。
フィールドサービスとは何?
フィールドサービスとは、システムソフトウェアや機械設備において、現場での設置作業や保守点検および修理・メンテナンスを行う業務のことです。
直接現場に出向いて作業を行う性質上、フィールドサービスには常に正確でスピーディな対応が求められます。
充実したフィールドサービスは顧客の満足度を高め、将来的には収益の増加につなげることが可能です。
このような観点から、企業は製品販売後のフィールドサービス対応までを考慮して、必要な作業環境を整える必要があるでしょう。
フィールドサービスには適切なマネージメント方法が必要とされ、顧客の突発的な要望にも迅速に対応するための環境づくりがポイントとなっています。
マネージメント方法が確立されていないと、フィールドサービスの担当者との間に情報の齟齬が生まれたり、必要なときに作業員を派遣できなかったりといったアクシデントにつながってしまう可能性があるのです。
そのためフィールドサービスに注力するためには、マネージメント方法に着目し、現場に必要な環境やルールを適宜導入していくことが大切です。
現場を効率化するフィールドサービスマネージメントのポイント
現場の作業を効率化させるためには、フィールドサービスにおけるマネージメントのポイントを把握することが必要です。
現状に何が不足しているのか、どのような準備が必要なのかを理解すれば、目的意識を持ってフィールドサービスを改善できます。
以下で紹介するポイントを参考に、フィールドサービスの効率化を進めてみてください。
顧客とのやり取りを支援して効率化
顧客と実際にやり取りをするオペレーターの業務を支援して、迅速にフィールドサービスのエンジニアを手配するプロセスを確立させることは、現場作業の効率化につながります。
オペレーターの作業に時間がかかると、それだけ現場に派遣されるエンジニアの準備も遅れ、スピード感のある対応が困難になってしまうでしょう。
いかに顧客への応対をスムーズに行えるかが、フィールドサービスにおける現場業務の効率化に影響します。
例えばオペレーターへの支援策として、チャットボットなどのAIを使った自動応答を設置して業務負担を軽減するといったマネージメント方法があります。
リモートでも簡単に解決できる顧客からの問い合わせをAIに任せれば、そのほかの作業にオペレーターのリソースを割くことが可能となるでしょう。
また、顧客の情報や過去の対応履歴などを一元管理し、オペレーターがスムーズに確認できる環境を構築することもフィールドサービスにおけるマネージメント方法の一つです。必要な情報を得る手間を削減することで、すぐにエンジニアに対応をつなぐことができるようになり、結果的に現場業務の効率化を実現します。
保守作業管理でフィールドエンジニアの作業負荷を軽減
効率的なフィールドサービスを実現するには、保守作業管理を徹底してフィールドエンジニアをサポートすることも重要です。
保守作業の管理が適切でないと、作業内容が煩雑になってエンジニアにかかる負担が増加し、ヒューマンエラーが発生する可能性を高めます。また、報告書や日報の作成作業が外部から行えない場合、わざわざ作業終了後にエンジニアは会社に戻らなければなりません。
無駄な移動時間が増えればエンジニアに残業が発生したり、正確な報告書の作成作業が滞ったりといったデメリットが考えられます。
保守作業を適切に管理するには、モバイル端末を使用し必要情報を一元管理することがポイントです。
例えば「Dynamics 365」のようなクラウドにアクセスできるソリューションを準備することで、フィールドサービスエンジニアはどこからでも作業スケジュールや指示の確認が行えるようになります。オフライン作業にも対応でき、日報や報告書の作成も端末を経由して簡単に実行可能です。
データ取得の効率化
フィールドサービスでは、必要なデータをスムーズに取得できるように効率化することもポイントです。
スムーズなデータ取得が可能な環境が整っていないと、現場作業の最中に本社に確認の連絡が必要になるなど、余計な手間が発生します。
データ取得の効率化を進めるには、例えばスマートグラスや安定したネットワークを提供し、遠隔でエンジニアをサポートすることがマネージメント方法として挙げられます。スマートグラスなら両手を塞がずに必要な情報を確認できるため、効率良くサポートを受けられるでしょう。
また、フィールドサービス業務に必要な情報をマニュアル化して、エンジニアに共有することも業務の効率化につながります。確立されたマニュアルがない、もしくは紙媒体のマニュアルを継続利用している場合には、デジタル上にマニュアルを作成することがおすすめです。
デジタルのマニュアルであれば必要に応じて簡単に内容を更新でき、フィールドサービスのように外部からアクセスする機会が多い場合にも使いやすいでしょう。
IoT導入で情報の見える化
フィールドサービスの現場作業効率化を進めるには、IoTを導入して情報の見える化を推進することもマネージメントのポイントになります。IoT機器を使ってデータ収集を行うことで、コールセンター、保守、在庫、顧客情報、品質管理といった各部門のシステムを、フィールドサービス業務に連携させることが可能です。
すべての情報がリアルタイムで見える化されることで、情報の鮮度が高まりそのときに合わせた対応が可能となります。エンジニアの稼働状況を把握したうえで、今必要なフィールドサービスに適切な人員をアサインすることも可能です。ディスパッチ業務が個人の担当者に属人化している場合にも、IoTを導入して情報を共有することで改善が見込めます。
そのほか、IoT導入は予兆保全によるサポートを通して、企業にとって緊急性の高いトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
安全に管理ができているという認識は顧客に安心感を与え、信頼関係の構築を促すでしょう。
まとめ
フィールドサービスの現場業務を効率化させるには、適切なマネージメントによる管理が不可欠です。今後はフィールドサービスのために必要なマネージメント環境を構築することが、多くの企業で求められるでしょう。
フィールドサービスマネージメントを構築するには、効果的なITソリューションを導入することがポイントです。
「Dynamics 365」はIoTやAIの活用を通して、受け身から攻めのフィールドサービスへの転換をサポート可能です。この機会にDynamics 365を導入し、フィールドサービスの業務効率改善を本格化してみてはいかがでしょうか。