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経費管理とは?具体的な内容と管理のポイント

会社が利益を出すためには、投資が必要です。新しい製造ラインを設置する、新技術開発のための研究、営業力強化のための人材採用、質の高いサービスを提供するための教育、こうしたすべての投資は、最大の利益を得るために行われることです。そうして会社が投資するお金のことを「経費」と呼びます。

つまり、経費を管理することは利益を最大化させる上でとても大切なことであり、すべての経営者や経理担当者は経費管理の基本を理解していなければなりません。本稿では、そんな経費管理について具体的な内容と、管理のポイントについてご紹介します。

経費管理とは?具体的な内容と管理のポイント

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そもそも「経費」とは?

「経費」と聞いて皆さんは何をイメージされますか?営業担当者なら交通費、接待交際費、旅費などが頭に浮かぶかと思います。部門ごとにイメージする経費に違いがあるかと思いますが、どれも間違いではありません。

なぜなら、経費とは広範囲な意味を含んだものであり、会社が行う支出のすべては経費となります。新しい製造ラインを設置する、新技術開発のための研究、質の高いサービスを提供するための教育、それらに投じられたお金はすべて経費です。従業員に支払う給与も会社にとっては経費ですし、会社から支出するお金はすべて経費となります。

経費管理とは何か?

では、「経費を管理する」とはどういうことでしょうか?一般的には会社が使った経費を記録するのが経費管理だと考えられていますが、実際は違います。もちろん記録も欠かせませんが、経費管理にはそれ以上の意義があります。

正確な経営分析を行う

会社が利益を生み出すために投じた経費は、売上を計上した当月に計上するのが正しい処理方法になります。もしも経費計上を翌月に持ち込むと、当月の経費は無くなり利益が過大に算出されて、経営不振と判断されるかもしれません。そうなれば会社としての信用は得られませんので、ビジネスが難しくなってしまいます。

資金需要を予測する

計画的な経営活動を進めていくには、綿密なプランが必要です。その中には当然、「どれくらいの経費が必要か?」という情報も記載します。そこで、日ごろから経費管理を実施していると、次第に資金需要が予測しやすくなります。資金需要が予測できれば、経営活動をより計画的に進めていけるでしょう。

会社の財産を守る

会社が経営活動のために用意している資金は、会社にとっての財産です。しかし、その財産の多くは従業員の個人的な意思決定に委ねられるケースがあります。特に出張など普段とは違った生活リズムで仕事をする際は何かと出費が重なるものなので、財産が浪費される危険性があります。そこで経費管理を徹底して、経費の漏えいを防ぐ目的があります。

利益拡大のために

経費とは会社が使うお金全般を指します。会社はそのお金の使用を極力抑えることで、より大きな利益を確保しようとします。経費管理を行って賢く経営すると、税制上の待遇を受ける、商品・サービスの低価格化でお客さへ還元することができます。ひいては営業力強化に繋がり、より多くの案件を獲得するのに貢献します。

経費管理のやり方

経費管理の必要性について説明すると、「難しそう」「適切な管理ができないかもしれない」とマイナスイメージを持たれる方が多いでしょう。しかし、経費管理の基本はいったシンプルなもので、「予算を決める」「使用状況を把握する」という2つのポイントに絞られます。

予算を決める

会社がビジネスに使えるお金は限られています。また、資金が潤沢にあったとしても、湯水のようにお金を使って得られる利益が少しなら、それほどに資金を投じる意味はありません。だからこそ会社は予算を立てます。つまり経費管理のスタートは、「予算を正しく立てる」ことです。

使用状況を把握する

予算として設置した経費が正しく使われているか?イレギュラーな支出は発生していないか?これを把握するために、経費の利用状況を常に把握しながら予算計画と照らし合わせていきます。その上で差異分析を行いながら、なぜ予算を達成できたか?(成功要因)、なぜ予算を超過したのか?(失敗要因)を分析しながら経費管理を実施していきます。

この2つの基本を徹底することで、経費管理は経営分析、資金需要の予測、経費の不正使用防止、経費削減による利益拡大といった取り組みへと繋がります。

経費管理を効率化するには?

経費管理は決してかんたんな作業ではありません。編成した予算計画に対して、各部門がどのように経費を使っているかを常にチェックし、記録しなければいけません。しかし、思うように経費の使用状況に関する情報が集まらなかったり、そもそも記録作業自体が手間だったりと管理負担が大きくなります。

そこで検討していただきたいのが、「経費管理のシステム化」です。経費管理システムは経費の申請・承認及び精算業務を効率的に行うためのシステムです。経費管理をシステムで楽にすることで、従業員の申請作業をスピードアップさせ、申請業務を先延ばしにさせない効果があります。

ただし、経費管理システムだけでは経費管理を徹底することができません。理由は、予算計画と突き合わせて差異分析をするような環境が無いことです。そこで、ERP(Enterprise Resource Planning)が必要です。

ERPとは、経営活動に欠かせない複数の基幹系システムを統合したシステム製品です。そこには、経費管理システムに加えて予算計画編成やリアルタイム監視のためのシステムも搭載されており、システム同士が連携することで経費管理の徹底が行えます。

ERPがあることで、週次予算、月次予算、年次予算を確認しながら経費の使用状況をいち早く確認し、経費が無駄に使われている際は素早く対策を立てることもできます。

経費が増えると税金が安くなる仕組みとは?

会社はビジネス上で使ったお金を、できる限り経費として計上したがります。その理由は、「税制上のメリットがある」からであり、実は経費が増えるほど税金が安くなります。

法人税の課税率が20%だと仮定して説明しますと、年間売上1,000万円、純利益100万円の会社の税額は20万円です。そのため、最終的な純利益は80万円ということになります。では、この会社が期中に10万円のパソコンを購入し、経費として計上したらどうなるのか?100万円の利益は90万円になるので、そこから課税率20%をかけると税額は18万円になります。このように、経費を計上するか否かで課税額が変わるため、経費が増えるほど税金が安くなる、と言われています。

ただし、経費として計上できる勘定科目は限られているので、どのような費用も経費になるわけではありません。また、不動産や自動車、機械設備などの高額な費用に関しては、「減価償却」といって、耐用年数に応じた金額を毎年経費として計上していくことになります。

また、税金額を下げようと経費をできる限り使い込むと、手元に残せるキャッシュが無くなり経営活動を圧迫する可能性が高いので、注意しましょう。何事もバランスが大切なように、経費管理でもバランスを整えることを心掛けてください。

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