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ERP導入で失敗する理由を徹底解説

全社的な業務改革を起こすERPは、その影響範囲の広さから導入に失敗するケースも少なくありません。しかし、振り返ってみれば原因は些細なことだったりもします。

ここでは皆さんに正しいERP導入を行っていただくために、以下代表的な8つのERP導入失敗理由について詳細を解説していきます。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

ERP導入の代表的な失敗の声

  • 失敗1.導入計画や要件定義が曖昧で「こんなはずではなかった」と理想と現実が乖離する
  • 失敗2.期待と投資の理解不足によりEPR導入効果を実感できない
  • 失敗3.現場に定着されず「利用されないERP」を生んでしまった
  • 失敗4.表面上のメリットにとらわれ間違ったERP選定をしている
  • 失敗5.ERP導入プロジェクトにおいて社内関係者とのコミュニケーションが極端に少ない
  • 失敗6.デモ利用やトレーニング受講を行わないがために実際の使用感が掴めていない
  • 失敗7.カスタマイズ頼りでERP全体が複雑化してしまった
  • 失敗8.定期的なメンテナンス戦略を怠り業務形態の変化についていけなくなった

導入計画や要件定義が曖昧で「こんなはずではなかった」と理想と現実が乖離する

多くの企業では独自のビジネスモデルや業務プロセスを持っています。ERP導入ではまず、それらの要素を全て洗い出し、明文化することで深く理解することが重要です。なぜなら、ERP導入により少なからず従来の業務プロセスなどが改革されていくためです。

ビジネス要素の洗い出しが不十分になると、同時に導入計画や要件定義も曖昧になってしまいERP導入の理想ばかりが先走ることになります。結果、導入に理想と現実の乖離を目の当たりに、修正のきかない状態になる可能性があるのです。

ERPを導入することで何が変化するのかを、まずは明確に理解してください。

期待と投資の理解不足によりEPR導入効果を実感できない

企業は自社が抱える多くの経営課題をERP導入によって解決できると期待しますが、その期待は間違っていません。ただし、ERP導入により多大なイニシャルコストと運用コストが発生することを忘れてはなりません。

ERP導入は長期的な目線で非常に効果の高い経営戦略ですが、ERP導入や運用にかかるコストを十分に理解していないと、ERP導入後すぐに費用対効果を判断してしまい、効果を実感する以前に失敗に陥ってしまいます。

導入コストや運用コストを考慮するのであれば、クラウドサービスとしてのERPを選択肢として入れておきましょう。

現場に定着されず「利用されないERP」を生んでしまった

昨今提供されているERPは強力なサポート機能を提供している分、システムが複雑な構成をしています。それ自体はERPのデメリットではないのですが、企業がERPの機能を最大限に活用していないことで「利用されないERP」を生んでしまっているという実情があります。

要件定義に沿って選定したERPは間違いなく自社の経営課題を解決するソリューションです。大切なのは、導入パートナーにベストプラクティスの共有を求め、自社にERPを上手く適用していく方法を探ることでしょう。

表面上のメリットにとらわれ間違ったERP選定をしている

ERP選定における要件定義が曖昧になってしまっているケースの他に、表面上のメリットにとらわれて間違ったERP選定をしてしまっているケースもあります。

初めてERPを導入する企業にとって、多機能や低コストなERPソリューションは大変魅力的に映るかと思います。しかし、多機能で低コストだからといって自社に最適なERPだとは限りません。

それよりも要件定義を満たすコンパクトな機能と、導入後の費用対効果を算出したコスト比較を行う方がより正確なERP選定を実現します。

ERP導入プロジェクトにおいて社内関係者とのコミュニケーションが極端に少ない

ERP導入は全社的な問題であり、IT担当者や経営者のみで導入プロジェクトを進めていくことは非常に危険です。経営視点でERPを導入する場合でも、結局のところシステムオペレーションを行うのは現場社員なのです。

従って経営課題や業務プロセスの洗い出し段階から現場責任者を巻き込み、時には一般社員からヒアリングを行うことも重要です。

デモ利用やトレーニング受講を行わないがために実際の使用感が掴めていない

ある程度導入するERPソリューションが固まってきたら、ベンダーや導入パートナーが提供するデモやトレーニング受講を必ず利用してください。要件定義をもとに慎重を重ね選定したERPも、実際に導入してみるまでは使用感を確かめることはできません。そしてここに大きな落とし穴が隠れていることもあります。

デモやトレーニング受講を予め利用していれば、導入後のギャップを大幅に減少することができます。さらに言えば、導入前にERPに関する様々なトラブル発生を予測できるので、導入後に後手に回ることもなくスムーズな導入を行えるようになるのです。

カスタマイズ頼りでERP全体が複雑化してしまった

ERP導入において人材や投資費用などのリソースに余裕がある企業がよく陥る失敗が、カスタマイズによりシステム環境が肥大化し、運用管理が複雑化してしまったというケースです。

現在、多くのERPソシューションが独自のカスタマイズプラットフォームを提供したり、クライアントのカスタマイズ要望を叶えるようなサービスを提供しています。しかしながら、カスタマイズ頼りのERPは必ず複雑な環境を生んでしまいます。

既存の業務プロセスが変更されない方がメリットは多いと考えるかもしれませんが、それではERP導入の意義自体が失われてしまいます。時には思い切って既存の業務プロセスをERPに合わせ、極力カスタマイズに頼らない業務改革も必要です。

定期的なメンテナンス戦略を怠り業務形態の変化についていけなくなった

正しいERP選定を行い、適切な導入に成功したとしても安心はできません。何よりもその後の運用がERP導入の成否を決定するからです。つまり、定期的なメンテナンス戦略を徹底することが本当のERP導入成功に繋がります。

昨今のビジネス情勢は変化の連続であり、昨日まで当たり前のように行われていた業務プロセスが今日いきなり変更しなければならない状況は珍しくありません。この時、ERPがメンテナンスされていなければ、すぐに時代遅れのシステムを生んでしまいます。

業務改革を行うはずのERPが足かせになってしまうのです。

従ってERPの定期的なメンテナンス戦略を確実に行い、時代の変化にも対応できる環境を維持する必要があります。

まとめ

現在ERP導入を進めている企業の中で、今回紹介したERP導入失敗理由に少しでも該当する企業がいれば、早急に導入プロジェクトへのテコ入れが必要です。導入以前であれば迅速に対応することで手遅れにはなりません。

また、今後ERP導入を検討している企業では、これらのERP導入失敗理由を常に念頭に置いたまま検討を進めていきましょう。「成功させる」という意気込みよりも「失敗させない」という姿勢の方が、導入プロジェクトの細部まで目を行き届かせることができます。

慎重なERP導入で失敗しない導入プロジェクトを実現してください。

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