業務フロー作成ツールは、業務プロセスの可視化や改善に役立つ重要なツールです。導入することで、効率的な業務遂行が可能になり、プロジェクト管理やチームの協力体制を強化できます。
本記事では、無料から有料までさまざまな業務フロー作成ツールを紹介し、AI搭載ツールや自動化ツールの活用方法も解説しています。
業務フロー作成ツールとは?
業務フロー作成ツールとは、企業の業務プロセスを視覚的に整理し、効率的な運用をサポートするためのツールです。業務の流れをフローチャートやダイアグラムとして描画し、各プロセスのステップや関係性を明確にできます。
上手に活用することで、プロセスの改善点を見つけやすくなり、業務の標準化や自動化を促進します。ツールによってはリアルタイムのコラボレーション機能や、進捗を追跡する機能も提供されており、企業全体の効率性向上が図れます。
業務フローについては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
業務フローとは?書き方やルールを分かりやすく解説
業務フロー作成ツールにおける基本機能
業務フローを作成するツールの基本的な機能には、業務プロセスを視覚的に分かりやすく表現するための「フローチャート」を作成する機能が含まれています。こちらを導入することによって、各プロセスのステップや関係性を簡単に描画できます。
また、ドラッグ&ドロップ機能により、要素を直感的に配置し、素早くフローを構築できます。また、コラボレーション機能を備えたツールは、複数のユーザーが同時に接続してフロー図を編集することが可能です。他にも、テンプレートや自動化といった機能も多くのツールで取り入れられているので、効率的な業務設計が可能です。
業務フロー作成ツールを使うメリット
ツールを使うメリットは主に以下3つが挙げられます。
- 社内外への共有が容易
- 業務の全体像を把握しやすくなる
- テンプレートの活用で業務効率化が図れる
これらメリットを生かし、生産性の向上を目指しましょう。
社内外への共有が容易
業務フロー作成ツールを使用すると、作成した業務フローを社内外で簡単に共有可能です。これにより、異なる部署や外部のパートナー企業ともスムーズな連携が可能となります。
また、クラウドがベースとなるツールを使えば、リンクを共有するだけで最新のフロー図にアクセスでき、メールでのやり取りや書面での情報共有そのものが不要です。さらに、リアルタイムでの編集やコメント機能により、レビューやフィードバックの反映も迅速に行えます。
業務の全体像を把握しやすくなる
業務フロー作成ツールを用いることで、複雑な業務プロセスを視覚的に整理し、業務の全体像を容易に把握可能です。フローチャートやダイアグラムを使って、各ステップのつながりや関係を明確に表示することで、プロセス全体の流れが一目で分かるようになります。
この効果によって、ボトルネックや無駄な工程を迅速に特定し、改善の余地を見つけやすくなります。また、業務の最適化や効率化を進める際に、具体的な見通しを立てやすくなり、情報共有としても役立ちます。
テンプレートの活用で業務効率化が図れる
業務フロー作成ツールには、さまざまな業務プロセスに対応したテンプレートが多数用意されており、それを活用することで業務効率化が進みます。テンプレートを使用することで、ゼロからフローを作成する手間を省き、時間を大幅に節約可能です。
複数のチームでの作業では、標準化されたテンプレートを活用することにより、業務プロセスに一貫性が保たれ、品質が安定します。また、テンプレートを基にした自動化も進めやすくなり、長期的な業務改善にもつながるでしょう。
【無料版】GoogleやMicrosoftなど|業務フロー作成ツール4選
業務フロー作成に役立つツールは数多くの種類がありますが、代表的なツールを4つ紹介します。それぞれの特徴や強みを知り、自社業務に取って必要な要素を押さえて、活用の幅を広げましょう。
draw.io
draw.ioは、無料で利用ができるツールとして人気のあるプラットフォームです。シンプルで直感的なインターフェースを備えており、初心者でも簡単にフローチャートやダイアグラムを作成できます。
GoogleドライブやOneDriveと連携できるため、作成したフロー図をクラウド上に保存して、リアルタイムでの共有や共同編集が可能です。また、豊富なテンプレートや図形ライブラリが用意されており、全体の業務フロー図を迅速に作成できます。
このような特長により、draw.ioは個人から企業まで幅広く導入されているツールです。
Microsoft Visio Online
Visio Onlineは、クラウドで業務フローが作成できるツールで、理解しやすい操作性と豊富な機能が魅力です。特に、フローチャートやプロセス図、組織図など、さまざまなダイアグラムを簡単に作成できます。
Microsoftアカウントがあれば、無料でも多くの機能が利用可能であり、他のMicrosoft 365ツール(ExcelやWord)ともシームレスに連携可能です。作成したフロー図は、ブラウザ上でリアルタイムにチームと共有でき、共同編集が可能です。また、テンプレートや図形ライブラリが豊富に用意されているため、効率的な作業が可能です。
Canva Free
Canva Freeは、デザイン初心者からプロまで幅広く利用される無料のグラフィックデザインツールで、業務フローの作成にも対応しています。豊富にテンプレートが備えられており、フローチャート・プロセスマップを簡単に作成できます。
ドラッグ&ドロップ操作で直感的に使えるため、技術的な知識がなくてもすぐに使いこなせる点が魅力です。作成したフロー図をチームとリアルタイムで共有し、共同編集することも可能です。
Canvaはデザインのカスタマイズ性が高く、アイコンや図形、色などを自由に調整可能なため、視覚的にも優れた業務フローを効率よく作成できます。
Lucidchart
Lucidchartは、クラウドがベースとなっている業務フロー作成ツールです。簡単に理解ができる操作性と豊富な機能が特徴で、フローチャート、プロセスマップ、組織図など、さまざまな図を簡単に作成できます。無料版でも多くの機能が利用可能です。
リアルタイムでの共同編集が可能なため、部署内のメンバーと同時に作業ができ、作成した図はGoogleドライブやMicrosoft 365と連携して共有・保存できます。また、Lucidchartは図形ライブラリやテンプレートも充実しており、初心者でもすぐにプロフェッショナルなフロー図を作成できる点が魅力です。
【有料版】高度なフローチャートなら|業務フロー作成ツール3選
有料版でより多彩な機能を備えた業務フローが作成できるツールを3つ紹介します。無料版とは対応範囲が明らかに違うので、無料版で操作感をつかみ、今後も活用したいと思えたら検討してみるとよいでしょう。
Strap
Strapは、高度なフローチャートやプロセス図を作成するための有料業務フロー作成ツールです。特に、複雑な業務プロセスやシステムアーキテクチャを可視化する機能が充実しており、専門的な業務フローが求められる職種に適しています。
リアルタイムでの同時接続機能を備え、チーム全体でフロー図を効率的に作成・管理できます。また、豊富なテンプレートとカスタマイズオプションにより、企業それぞれのニーズに応じた柔軟なフロー図を作成可能です。さらに、データ連携や高度なレポート作成機能も備えており、フロー図作成だけでなく、業務全体の分析や最適化にも役立つツールとなっています。
導入の際はフォームかメールからお見積りする必要があります。その際は、2週間の無料トライアルで利用することが可能です。
CaCoo
Cacooは、直感的なインターフェースを持つクラウドがベースとなる業務フロー作成ツールです。プロセスマップ、フローチャート、ネットワーク図など、さまざまなダイアグラムを簡単に作成できる点が特徴です。
リアルタイムで共同接続できる機能により、チームメンバーが同時に作業することが可能で、コメント機能を使ってフィードバックも簡単に共有できます。
豊富なテンプレートとカスタマイズ可能な図形ライブラリがそろっており、さらに、作成したフロー図は、PDFやSVG形式でエクスポートでき、外部ツールとの連携もスムーズです。
個人利用の場合は「660円/月」で利用可能です。3人以上のチームでは「1980円/月」で利用可能なチームプランがおすすめです。また、両プランとも30日間の無料期間があります。
Canva Pro
Canva Proは、直感的な操作性と豊富なテンプレートが用意されているため、フローチャートやプロセスマップを迅速に作成できます。
無料版と比べて、Proバージョンではさらに多くのカスタマイズオプションやテンプレートが利用可能です。また、カスタムフォントやブランドキット、チームコラボレーション機能など、ビジネス向けの高度な機能が充実しており、業務フロー作成をより効率的に行えます。
クラウドベースでのリアルタイム共有も可能なため、チームでの共同作業がスムーズに進み、作成したフロー図はPDFやSVG、PNGなど、さまざまな形式で出力できます。
1ユーザーあたり「1,180円/月」で利用可能です。年単位での契約も可能で、2カ月分お得な「11,800円/年」で利用可能です。
【自動作成】AI搭載|業務フロー作成ツール4選
AI搭載の業務フロー作成ツールは、プロセスを自動化し、効率的にフローチャートを生成します。複雑な作業も短時間で可視化でき、業務のスピードと精度の向上が望めますので、検討してみてはいかがでしょうか。
EdrawMax
EdrawMaxは、AI技術を搭載した高度な業務フロー作成ツールです。ビジネスプロセスの自動生成を可能にし、豊富なテンプレートや図形ライブラリを活用して、フローチャートやプロセスマップを迅速に作成できます。
AIがデータを解析して最適なフローを提案するため、複雑な業務プロセスの可視化が容易になります。また、リアルタイムでのコラボレーション機能を備えており、チームでの共同編集が可能です。さらに、クラウドベースで作業が進められるため、どこからでもアクセス可能です。
個人利用の場合は「1年間:9,800円」か「永久ライセンス:19,600円」が用意されています。チーム利用の場合は1人あたり「1年間:13,800円」で利用可能で、法人契約する際はお問合せが必要です。
acomo
acomoは、AIを搭載したツールで、プロセスの効率化と自動化を重視しています。ユーザーが入力するデータに基づいて、AIが最適なフローチャートやプロセス図を自動生成し、手動での作業を大幅に削減します。
acomoのシンプルなインターフェースは初心者でも使いやすく、短時間で視覚的に優れた業務フローを作成可能です。また、リアルタイムでの共同編集やコメント機能も充実しており、チームでの作業を効率化します。クラウドベースでの運用により、データへのアクセスや共有も容易です。
4ユーザー以上から有料となり、1ユーザーあたり「500円/月」で利用可能です。また、60日間の無料期間が定められております。
HandAGI
HandAGIは、AI技術を駆使して業務フローの自動作成を行うツールです。特に、複雑なビジネスプロセスを分析し、最適なフローを自動生成する能力が優れています。ユーザーは最小限の入力でAIのサポートを受け、プロセスの改善や最適化が容易になります。
また、リアルタイムでのコラボレーション機能を備えており、複数のチームメンバーが同時にフローチャートの編集やフィードバックを行えます。さらに、視覚的に分かりやすいインターフェースを持ち、クラウドベースでの操作も可能なため、どこからでもアクセスして作業が進められます。
導入費用はシステムの要件によって異なりますので、お問合せする必要があります。
GitMind
GitMindは、無料で利用可能なAI搭載の業務フロー作成ツールで、フローチャート、プロセスマップ、マインドマップなどを簡単に作成できる点が特徴です。AIによる支援を受けながら、複雑なプロセスも短時間で自動生成でき、ユーザーの作業効率を大幅に向上させます。
シンプルかつ直感的なインターフェースにより、初心者でも簡単に操作でき、プロフェッショナルなフロー図を作成可能です。リアルタイムでの共同編集機能も備えており、チームでの作業をスムーズに行えます。クラウドベースでの利用が可能なため、どこからでもアクセスし、作業内容を共有・管理ができます。
業務フロー作成ツールの選び方
業務フロー作成ツールを選ぶ際は、操作性や自社にとって使いやすいか?という観点で検討するとよいでしょう。プロジェクトの規模や用途に合ったフロー図を作成するために、以下3つのポイントを押さえましょう。
テンプレートが豊富にあるか
業務フロー作成ツールを選ぶ際に、テンプレートの豊富さは重要な要素です。多種多様なテンプレートが用意されているツールを選ぶことで、業務の種類や目的に合わせたフロー図を簡単に作成できます。
標準的なフローチャートやプロセスマップ、組織図、ガントチャートなど、さまざまな業務に対応できるテンプレートがそろっていると、ゼロからフローをつくる手間が省け、作業が効率的に進みます。
また、テンプレートは業界やニーズに合わせてカスタマイズ可能であることが理想です。既存のテンプレートを基に必要な要素を追加・編集することで、短時間で質の高い業務フローが作成でき、チーム全体での作業を一貫したフォーマットで進めることができます。
利用できる人数に制限がないか
業務フロー作成ツールを選ぶ際に、利用できる人数の制限がないか確認することは非常に重要です。特に、チームでの共同作業やプロジェクトの規模が大きくなると、複数のメンバーが同時にアクセスして編集できるかどうかが作業効率に直結します。
一部のツールでは、無料プランや低価格プランでユーザー数が制限されている場合があり、必要な人数分のライセンスを追加購入しなければならないケースもあります。そのため、チームの規模や今後の拡張を考慮し、ツールがどの程度の人数に対応しているか、またライセンス体系が柔軟であるかを確認することが重要です。
ツール選定時には、コストと機能のバランスを考慮し、最適な人数に対応できるプランを選ぶことを意識してください。
自社に必要な機能がそろっているか
業務フロー作成ツールを選ぶ際は、自社のニーズに合った機能がそろっているかを確認することが重要です。例えば、業務プロセスの可視化を目的とするなら、フローチャート、プロセスマップ、ガントチャートなど、多様な図表を簡単に作成できる機能が必要です。
クラウドベースでの共同編集や、チームメンバーとのリアルタイムのコラボレーションが求められる場合は、複数のユーザーが同時にアクセスして編集できるツールが最適です。もし業務の自動化を目指しているのであれば、プロセスの自動化機能や、AIを活用した業務改善の提案機能が付いているツールが役立ちます。
これらの要素を考慮し、自社の業務に必要な機能がそろっているツールを選ぶことで、効率的で効果的な業務フロー作成が可能になります。
作成したツールを自動化するならPower Automateの活用を
業務フロー作成ツールを自動化したい場合、Power Automateの活用が非常に有効です。Power Automateは、Microsoftが提供する自動化プラットフォームで、さまざまなアプリケーションやサービスを連携させ、業務フローを自動化できます。
ツールで作成した業務プロセスをPower Automateに組み込むことで、特定のトリガー(メール受信やファイルの更新など)をきっかけに自動でタスクを実行することが可能です。また、繰り返し発生する作業やデータの同期を自動化することで、時間とコストを削減し、業務効率を向上させることができます。
まとめ
業務フロー作成ツールは、ビジネスプロセスを視覚的に整理し、迅速な対応や標準化を図るための重要なツールです。
初心者でも簡単にフロー図を作成できるため、導入後は即戦力として広く活用されることが期待できます。また、高度な機能を求める場合には有料版ツールやAIを搭載したツールを用いることで、より効率的な業務運営をサポートするでしょう。企業のニーズに応じたツール選びが、業務プロセス改善のカギとなります。