リアルタイム翻訳ツールは、近年多言語に対応可能なものや、信頼のおける翻訳精度を実現し、多彩なシーンで活用されるようになりました。特に、Webでの商談や会議においては、遅延のない瞬時の翻訳により意思の疎通がスムーズにできるため有用です。
ここでは、リアルタイム翻訳ツールの概要や、利用するメリットなどについて解説します。
リアルタイム翻訳ツールとは?
リアルタイム翻訳ツールとは、Web会議やテキストチャットなどで会話した相手の言語を、指定した言語に同時通訳してくれるツールです。相手が話したり入力したりした内容を、即時に翻訳して文字起こししてくれるため、テキストデータとして保存することも可能です。
通話相手が複数人で、使用言語が数種類ある場合でも、それぞれの言語を自分が指定した言語に翻訳してくれるため、幅広い国際コミュニケーションを図れます。この特徴を生かして、様々な外国籍の子どもが通う学校の授業、病院に訪れた外国人患者への治療説明や服薬指導、世界から参加者が集まる国際会議や学会など、多くの場で使われています。
また、発話が即時に文字テキストで表示されるため、聴覚障がい者とのコミュニケーションツールとして利用されたケースもあります。時間や言語を問わず、通訳者がいなくても簡単に翻訳でき、会話の内容もテキスト化して残せるため、議事録作成の手間も省けます。
会議でリアルタイム翻訳ツールを利用するメリット
リアルタイム翻訳ツールは、言語の異なる参加者が集まる会議で優れた威力を発揮します。ここでは会議で利用するメリットについて解説します。
通訳者に依頼する必要がない
規模の大きな国際会議では多数の国から参加者が集まるため、使用言語ごとに同時通訳者が通訳した言葉をイヤホンから流します。著名な会議やシンポジウムでは、トップレベルの通訳者を配置することがほとんどで、多くの人件費がかかっています。
リアルタイム翻訳ツールがあれば各言語の通訳者が不要になるので、人件費の大幅なコストカットが可能です。リアルタイム翻訳ツールなら多くの言語の翻訳が可能なため、各言語の通訳者を探したり通訳者のスケジュールを調整したりする必要もありません。
議事録作成の手間が省ける
実際に対面して会話するのとは異なり、Web会議の画面越しでは外国語が正しく聞き取れないこともあるものです。言葉が聞き取れなくても、途中で口を挟んで流れを止めることも難しく、前後の会話から内容を推測することもあるでしょう。
あとから議事録を作成するにしても、曖昧なままだったり確認作業に時間を費やしたりといった無駄が生じてしまいます。しかし、リアルタイム翻訳ツールなら、発話内容をテキストとして保存できます。
録音をあとから聞き直して時間をかけて翻訳しながら文字起こしする必要もありません。素起こしは既にできあがっているため、議事録を容易に作成できます。
円滑なコミュニケーションが可能
リアルタイム翻訳ツールによって、通訳者を挟むことなく、瞬時にお互いが理解できる言語でのコミュニケーションが可能になります。辞書を調べたりメモを取ったりすることなく、相手との会話に専念できます。
大きなタイムラグなしで翻訳してくれるため、会話に近い自然なコミュニケーションが成立し、意思疎通もスムーズです。特殊な専門用語なども翻訳できるので、様々な場面で言葉の壁を取り払い、信頼関係の構築に一役買ってくれるでしょう。
会議では、途中参加でもチャットルームの会話をさかのぼって確認できます。すべての会話が文字データとして記録されることで、内容をいつでも見直せて経過がすぐに把握できるため、話題についていきやすいのもメリットです。
リアルタイム翻訳ツール「Real Time Translator」とは
Real Time Translatorとは、Microsoft Office 365のアドオンを手がけるフェアユース株式会社が開発したリアルタイム翻訳ツールです。ここでは、その優れた機能について紹介します。
「Real Time Translator」の主な機能
Real Time Translatorは、Microsoft Teams、Skype for Business、ZoomといったWeb会議ツールなどの音声やチャットの文字を瞬時に翻訳できるほか、対面での実際の会議や面談でも翻訳機能が利用できます。また、システムと併用せずにスタンドアローンでも使えるため、幅広いシーンで使える画期的なツールです。
もちろん、スピーディーに翻訳できるからといって翻訳の精度が劣るようなこともなく安心です。
例えば、使用言語の異なる5人のグループによる会議の場面でも、誰かが話した内容を瞬時に翻訳して5カ国語を並べて表示できます。
5人に同時に内容が伝わるため、タイムロスがなく円滑に会議が進められます。また、音声翻訳した内容がすぐに画面に文字で表示されるため、聴覚障碍者の会議参加もスムーズになり、よりグローバルにバリアフリーな会議を実現できます。
会話の音声やチャットで入力した文字はすべて文字化して保存されるため、あとから重要ポイントを確認するのにも役立ちます。議事録作成においても文字起こしが不要なので、かなりの負担を軽減できるでしょう。
「Real Time Translator」の導入手順
Microsoft TeamsでReal Time Translatorを連動させて使いたい場合の導入手順を解説します。まずは、フェアユース株式会社と契約をしてから、Microsoft Teamsのアプリ検索ボックスにReal Time Translatorと入力します。
アプリアイコンが表示されるので追加をクリックしてインストールしましょう。インストールが完了したら、Real Time Translatorのアプリを開き、Microsoft 365のアカウントでログインして、チャット開始、新規作成の順にクリックして発話言語と翻訳したい言語を選択します。
開始をクリックしてチャットルームに参加し、右上のマイクボタンを選択すると会話が開始できます。チャットルームへの招待は、ルームコードを開示することで契約していないユーザーも参加可能です。
会話内容は文字データ化され、チャットルーム画面左の管理画面からCSV形式でダウンロードできます。
まとめ
リアルタイム翻訳ツールは、翻訳精度の高さと即時性が十分実用レベルに達する画期的なツールです。多言語の話者が集まる会議でも、通訳者の手配をせずにその場でコミュニケーションがとれるため、ビジネスチャンスを逃すこともありません。
Microsoft Teamsなどを利用したWeb会議では、正確な文字データが残せるため、振り返りや議事録作成などでも有効活用できます。
なかでも、フェアユース株式会社が提供するReal Time Translatorは、多彩なアプリケーションとの連携やスタンドアローン運用が可能で、様々な場面で活用できます。会議終了後の議事録作成も容易なので、業務効率の大幅な向上が見込めるでしょう。