プログラミング言語を学ぶと、業務効率化に役立ちます。しかし、具体的にどのように利用できるのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、業務効率化に役立つPythonの活用方法について紹介していきます。Pythonについて詳しく知りたい方や、現在学んでいるけれど、どのように活用すればいいか分からないという方は必見です。
業務効率化におすすめ言語は「Python」
プログラミング言語には様々な種類がありますが、中でもPython(パイソン)は普段行っている業務を効率よくできます。
Pythonは他の言語に比べてシンプルなコードで、初心者にも使いやすいのが特徴です。少ない工数で作業を行える点も人気の理由と言えるでしょう。
Pythonは、アプリケーションの開発やデータの解析に用いられますが、AIの開発にも役立っています。
その他にも、活躍するシーンは多岐にわたり、業務効率化には欠かせません。
具体的には以下のような場面でコードを使用すると業務が楽になります。
- スクレイピング
- ExcelやWordの操作
- ブラウザ操作
- 画像編集
- メール関連
- ファイル操作
- PDF操作
- 株価予測
- Googleスプレッドシート
ここからは、それぞれのシチュエーションでどのように利用できるのか紹介していきましょう。
スクレイピング
スクレイピングは、Webサイトから情報を集める作業のことです。情報社会の現代では新しい情報の発信が頻繁に行われているため、多くのWebサイトも日々更新されています。こうした情報を手作業で集めるには大きな労力がかかるため、自動化したいと思っている人も多いのではないでしょうか。
Pythonはデータの収集や分析が得意なプログラミング言語です。そのため、Pythonを活用すればオートメーションでスクレイピングができます。そして、Webサイトにある情報をエクセルなどのファイルにまとめてくれます。
また、毎日決まった時間に同じ動作を繰り返すことも可能なため、欠かさずに情報収集ができるでしょう。
ExcelやWordの操作
PythonはExcelやWordの操作もオートメーション化できます。ただし、その場合はPython単体で利用するのではなく、複数のライブラリをインストールする必要があります。例えば、「Openly」や「Python-docx」というライブラリが利用できます。
Openlyとはモジュールのひとつで、Excelの書き込みや、読み込みを可能にします。また、Python-docxではWord文書の操作が可能になります。こうしたライブラリを利用することで、WordとExcelを自動で連携するなど、お互いのアプリを跨いだ操作も可能になるのです。
ブラウザ操作
ブラウザ操作を自動化するなら、Pythonを使いましょう。Pythonでブラウザ操作をオートメーション化する場合「Selenium」のライブラリを使います。Seleniumはクリックやキーボード入力といった、ブラウザ上での操作を自動で行えるライブラリです。
Pythonでブラウザ操作をオートメーション化すると、ログインやフォーム入力といった操作が自動でできます。こうした作業は地味ではありますが、毎回行うものです。こまかな作業を自動化することで、業務にかかる時間を短縮できます。
画像編集
画像編集もPythonでオートメーション化できます。画像編集の場合もライブラリを利用しましょう。画像編集の場合は「Pillow(PIL)」のライブラリが使いやすいです。Pillowとは画像処理ライブラリのことで、シンプルな操作が中心で、初心者向けとなっています。
画像編集をPythonで自動化すると、サイズや色の変更が自動化できます。Webサイトに掲載する画像の大きさを揃えたい場合に、サイズ変更が自動でできると仕事が早くなります。また、圧縮も自動化できるので、連携もスムーズになります。
メール関連
日々の業務でメールを利用する人も多いのではないでしょうか。メール関連の業務もPythonで自動化できます。メールの場合は、「Openly」や「impala」というライブラリを使います。
例えば、メール業務ではいつも同じメンバーに同一の内容を送信することがあります。こうした場合はメンバーをリスト化することで、一斉送信が自動化できます。
このように、Pythonではメールの作成から送信までを自動化できるのです。また、GmailのAPIを利用すれば、Gmailの機能をPythonに反映させることも可能です。
ファイル操作
デスクトップにあるファイルの操作も、Pythonで自動化が可能です。ファイル操作を自動化する際は「OS」を利用します。OSは オペレーティングシステムを呼び出すライブラリで、楽にPythonが使えます。
例えば、Pythonを使うと特定のファイルへの書き込みを自動で行うことが可能になります。もし対象のファイルが存在しない場合は、新規でファイルを作成し、書き込みと保存を行ってくれます。こうした普段の仕事で多く使う動作などを自動化することで、業務が普段よりも楽になります。
PDF操作
ファイル操作ができるように、PythonではPDF操作も可能です。ただし、ファイル操作よりも若干方法が難しいという側面もあります。まず、PDF操作を行うには以下のライブラリを用意しましょう。
Report Lab……PDFの新規作成を行う
PyPDF2……画像の抽出を行う
Definer……テキストの抽出を行う
3つのライブラリを準備することで、PDFの作成や必要なデータの選出が自動で行えるようになります。他の操作に比べて難易度は高いですが、便利なのでPythonに自信がある方はぜひ挑戦してみるといいでしょう。
株価予測
Pythonを使えば、普段見ている株価予測のデータを蓄積することもできます。データを集めれば集めるほど、株価予測が可能になるのです。
株価予測の場合は「Prophet」というライブラリを使います。このライブラリでは、複雑な作業や高度な技術は必要なため、初心者には少し難しいでしょう。
Prophetは、時系列を解析するためのライブラリであり、将来予測が行える特徴があります。株価のほかにも、広告のクリック数や来場人数などさまざまな未来をデータから予測できます。
Googleスプレッドシート
データの管理をGoogleスプレッドシートで行っている方は、一度Pythonでのオートメーション化を行ってみてください。Pythonでは、シートの作成や削除という単純な操作から、データの集計や分析までもが可能です。
ただし、それぞれの用途によってライブラリが必要となることがあります。例えば、日付の比較には「datetime」というライブラリが必要です。普段行なっている業務に合わせて、どんな作業がオートメーション化できるか考え直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、業務効率化に役立つPythonの活用方法について紹介していきました。Pythonを活用すれば、日々の業務をオートメーションで行うことが可能になります。スクレイピングやエクセルの操作など、一つ一つの作業を自動化させることで多くの時間が削減できるでしょう。また、Microsoft社が提供する業務効率化ツールも多数存在するため、この機会に確認してみることもおすすめします。
例えば、Microsoft社が提供する「Microsoft Power Automate」では非エンジニアでもアプリケーションを作ることができます。開発には通常、プログラミングが必要ですが専門的知識や技術を持たない人でもローコードでアプリケーションを作成できます。
直観的な操作や分かりやすいUIにより開発でき、ワークフローやフォーム、データ分析などもMicrosoft Power Automateを利用することで実現できます。ワークフローなど作成することで業務効率化だけでなく、組織のチームワーク強化にもつながることでしょう。
業務改善を検討している方は、Microsoft社が提供する業務効率化ツールもぜひ検討してみてください。