新型コロナウィルス感染予防対策として注目を浴びている在宅リモートワーク。これを受けMicrosoftから中堅、中小企業向けのリモートワークスタータープランのサービスが開始されました。ここではその特徴や利用シーンを紹介します。
Microsoft 365 の新プランとは
日本マイクロソフト株式会社は2020年8月3日よりMicrosoft 365の中堅、中小企業向け新プラン「リモートワークスタータープラン」の提供を開始しました。これは新型コロナウィルス感染症の拡大を受け、感染予防対策の一環として「Web会議」の導入からリモートワークを始めてみたいという事業者の声を受け、日本独自のプランとして提供されたものです。
1ユーザーあたり月額399円(参考価格)で、最大ユーザー数は300名以下を対象としています。これまでのMicrosoft 365では一般法人向けのベーシックプラン(Microsoft 365 Business Basic)が月額540円であったことを考えると、さらに価格が抑えられ、利用しやすくなっています。
主要サービスは「Microsoft Teams」と「OneDrive for Business」が含まれています。リモートワークとしての利用ならこの2つで十分と言えるでしょう。まずは早急にWeb会議を始めてみたい、というユーザー向けに用意されたプランです。
Web会議を安全にスタート!「リモートワーク スターター プラン」の機能について
リモートワークスタータープランに含まれる「Microsoft Teams」の特徴、機能について説明します。
安全
すべてのMicrosoft Teamsの通信は暗号化されているためセキュリティが確保されています。攻撃者は暗号を破らない限りビデオ会議を盗聴することはできません。またMicrosoft Teamsの通信を中間で傍受して攻撃を行おうとしても、攻撃者は有効な証明書を所有していないため傍受できたとしても中身を解読することはできません。
リアルタイム共有
ビデオ会議中でも手元にある資料を会議参加者の画面に表示しながら説明やプレゼンテーションを行うことができます。もちろん注目してほしい点をマウスポインタで指し示したり、説明中に資料を修正するところを参加者全員で確認したりすることも可能です。また開いているファイルの画面だけを参加者に共有することも可能です。見られたくないアイコンが散らかったデスクトップの画面などを誤って表示することを防ぐこともできます。
会議中のチャット機能
会議中に、参加者同士がテキストチャットで会話することができます。会議中に疑問に思ったことを議題として提案するためにチャットを利用したり、ビデオ会議で急に参照が必要になった資料をチャット内にアップロードして参加者全員で共有したりといった使い方ができます。
議事録の作成&共有
会議につきものの議事録も、メモ機能を使用することで会議中に参加者全員で議事録を確認することができます。会議のメモが誤っている点や、もっと詳しく書いた方が良い点など、全員で確認しながら会議のメモを作成すると、会議終了時点には議事録が完成しています。また会議のメモはMicrosoft Teams内に保存されます。
リモートワークでも円滑なコミュニケーションでチームワークの効率化
リモートワークスタータープランに含まれる「OneDrive for business」の特徴、機能について説明します。
Office ソフトをチームで共同編集
たとえ職場の同僚と距離が離れた在宅リモートワークであっても、OneDriveに保存されたExcelなどのOfficeドキュメントを複数人で開き、同時に編集することができます。編集内容はリアルタイムに画面に反映されます。オフィスに集まりドキュメントを修正するのと変わりなく作業を行えます。
重いデータのやりとり
解像度の高い画像や動画といった容量が大きくなりがちなファイルの共有も、ユーザー1人あたり1TBのクラウドストレージに保存し、特定の人にだけ共有するといったことが可能です。また自分が使用しているOneDriveのクラウドストレージは、WindowsのExplorerから簡単にアクセスすることができます。
スマホからの利用も可能
OneDriveに保存されたドキュメントはスマホアプリから確認でき、ダウンロード、アップロードができます。またスマホのオフィスアプリケーションで中身の参照、編集を行うことも可能です。
リモートワークに最適「リモートワーク スターター プラン」の機能まとめ
リモートワークスタータープランは、すでにPCインストール版かオンプレミス版のMicrosoft 365をインストールしている小規模ビジネスユーザー(従業員50名以下の規模)に最適です。既存環境を変更することなく、すぐにWeb会議をスタートさせられます。
主な機能は以下です。
- ユーザー数の制限 300 ユーザー以下
- チャット/音声通話/ビデオ通話
- 1TB のクラウド ストレージ/ユーザー(OneDrive を利用)
- Teams チャネルでのファイル共有( 1TB/組織 + 10 GB/購入ライセンス)
- 会議のスケジュール設定
- 最大 300 ユーザーでのビデオ会議
- Office ドキュメントの共同編集
- Teams 内のデータの暗号化
- 組織内のアプリ管理ツール
まとめ
新型コロナウィルスの出現により働き方が大きく変わりました。リモートワークスタータープランを導入することで、在宅リモートワークに切り替えても、今までの環境を大幅に変更することなく通常の事業を継続できます。働き方改革、ニューノーマルの時代を見据えて、安全にWeb会議を始めてみてはいかがでしょうか。