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自然言語処理とは?仕組みや活用方法を詳しく解説

自然言語処理の技術は、人工知能(AI)の発展とともに飛躍的に発展し、今ではスマホアプリなど多様なシーンで活用されています。比較的身近な技術ではありますが、どうやってコンピューターが人間の言語を理解するのか、仕組みがわからない方も多いでしょう。そこで本記事では、自然言語処理についてわかりやすく解説します。

自然言語処理とは?仕組みや活用方法を詳しく解説

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自然言語処理とは

自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)とは、私たちが日常的に使う言語の意味を、コンピューターが理解する技術のことです。

そもそも自然言語とは、普段私たちが何気なく使用している言葉を指し、プログラミング言語のような人工的に作られた言語と区別するために使われる用語です。「自然」とは、言い換えると「作られたものではない」ものであり、用法や表現があいまいという特徴があります。一方、人工的に作られた言語は1つの表現に対して1つの意味を持つため、常に表現は明確です。

同じことを指すのに複数の表現があったり、同じ表現で複数の意味があったりすることを「言語のあいまい性」と呼びます。たとえば、カフェで商品を注文する際に「今日はカフェラテ」と言ったり、メニュー表を指さして「これひとつ」とだけ言ったりします。どちらも同じく「私はカフェラテを1点注文します」という意味ですが、表現はまるで異なることがわかるでしょう。

また、オフィスで仕事をしている際に同僚から「それを取ってください」と言われた場合、「それを取って(ここに持ってきてください)」と「(不要なので)それを取って(なくしてください)」のどちらの意味にも解釈できます。

私たち人間は、あいまいな表現であっても大抵は文脈から正しく文意を理解できますが、コンピューターにとって正確な文意理解は至難の業です。そのため、コンピューターがあいまい性を持つ自然言語を正しく理解する手段として、自然言語処理の研究がこれまで進められてきました。そして2010年代に入ると、それがディープラーニングの活用により飛躍的な発展を遂げ、今では非常に高い精度でコンピューターが意味を理解できるようになっています。

自然言語処理の仕組み①前準備

ここからは、自然言語処理の仕組みについて見ていきましょう。まず前準備として、コンピューターが参照できるコーパスを用意する必要があります。

コーパス

コーパス(Corpus)とは、書籍やインターネットなどから大量に集めた文章を構造化し、品詞情報を付加したデータベースのことです。自然言語処理において、コンピューターは参照情報としてコーパスを利用しながら文章を構造化します。

自然言語処理の仕組み②4つの解析

上記の準備を終えたら、実際の処理に移ります。自然言語は大きく分けると4つの解析プロセスを経て処理される仕組みです。以下、それぞれのプロセスについて解説します。

形態素解析

言葉を細かく分割した際に、意味を保持する最も小さな単位を形態素と呼びます。そして、与えられた文章を形態素にまで分割し、名詞・動詞・助詞などの品詞をラベル付けする作業を形態素解析と呼びます。この工程では、語形変化まで踏まえて解析を行います。実行にあたってはJUMANやMeCab、Janomeといった形態素解析ツールを利用します。

構文解析

形態素間の関係を文法的に解析する作業を構文解析と呼びます。単語の並びを見て、適正でない文章は排除し、適正な文章は構文を出力します。この工程では、構文木と呼ばれる手法を用います。実行にあたっては、KNPやCaboChaといった構文解析ツールを利用します。

意味解析

構文解析によって明らかになった構文から、意味的に適正ではないと判断された文章を除外し、最も適切な意味を選択する作業を意味解析と呼びます。構文解析の段階では、まだ1つの文に対して複数の解釈が存在し、文意の整合性を決定づけられないことがあります。これを判断するために、係り受け関係の傾向データなどをもとにアプローチしていくのが一般的です。

文脈解析

自然言語処理には、文脈解析と呼ばれる作業が追加される場合があります。これは複数の文章に対し、代名詞の参照や省略された主語の明確化といった処理を通して、文章同士のつながりを理解しアプローチしていくものです。非常に高度な処理を要する都合、現在でも技術的に困難な領域とされているため、通常は意味解析までを行います。

自然言語処理の活用方法

自然言語処理技術は、日常生活やビジネスシーンでさまざまに利用されています。最近では無料で誰でも利用できるクラウドサービスや、SaaS型で必要なときに少ない導入負担で利用できる企業向けサービスも数多く登場するなど、利用のハードルが下がっています。以下では、自然言語処理が用いられている主な例をご紹介します。

機械翻訳

ある特定の言語を別の言語に変換する技術が機械翻訳です。再帰型ニューラルネットワーク(RNN)やTransformerなどのモデルが登場したことで、翻訳精度は飛躍的に発展しました。

現在ではGoogle翻訳やDeepLなど、高精度ながら無料で利用できる翻訳ツールも広く利用されています。また、外国人でも内容を理解できるよう、Webサイトを多言語化する際にも機械翻訳の技術が活用されています。

対話システム

コンピューターが人間の発話を理解し、応対するシステムを対話システムと呼びます。チャットボットやスマートスピーカーなどが代表例で、あいまいな発話の意味理解のため音声認識技術が用いられています。

たとえば、企業Webサイトにチャットボットを搭載することで、今まで人間が対応していた顧客からの問い合わせの一部を、コンピューターが代替できるようになります。これにより、対応件数の削減による作業負担の軽減が見込めるだけでなく、チャットボットが24時間365日顧客に対応できることから顧客満足度向上にもつながります。

テキストマイニング

テキストマイニングとは、「発掘」を意味するマイニング(mining)が示すように、大量のテキスト情報に含まれる内容を解析し、その中から有用な情報を見つけ出す技術のことです。たとえば、ある商品に対する顧客の評価をSNS投稿の内容から分析したり、イベントに対する評価が好意的か否かを判別したりといった、企業のマーケティング分析などで主に活用されています。その性質上、ビッグデータ分析には欠かせない技術です。

自然言語処理なら「PKSHA Chatbot」

ビジネスでの活用を考えた場合、人工知能を利用した対話エンジンには多くの活用可能性があります。特にSaaS型で提供されているサービスは、導入負担が少ないうえ高度な機能を利用できるためおすすめです。

日本語に特化した自然言語処理技術を強みとする、PKSHA Workplace(旧BEDORE)が開発・提供する自然言語処理を活用した対話エンジン「PKSHA Chatbot」および「PKSHA Voicebot」は、社内ヘルプデスクやコールセンター、Webサイトの問い合わせ対応など幅広い問い合わせ業務で利用されています。

メンテナンスが容易なほか、蓄積した問い合わせ内容を教師データとして再学習する機能を備えるなど、専門の技術者が不在の企業でも無理なく利用できる仕組みが整っており、管理コストの削減やオペレーターの負担軽減、リソースの最適化などに寄与します。そのほか、社内でやりとりされるメールやチャットのログを活用したFAQ自動生成機能などでも、高度な自然言語処理技術が使われています。

まとめ

チャットボットや機械翻訳などに用いられる自然言語処理は、生活を便利にするだけでなく、ビジネスシーンでも多様な活躍が見込める有望な技術です。「PKSHA Chatbot」をはじめSaaS型で導入できるものも多く、効率化やコスト削減を実現する手段として現実的な選択肢といえます。

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