運用管理

システム運用管理の課題を解消する「Microsoft System Center」とは

システム運用管理の課題としてよくあるのが、業務の増加と共にIT担当者の負担も増大するということです。そういった問題を解決するには、マイクロソフト社が提供する運用管理ツール「System Center」を使うのがおすすめです。本記事ではツールの特徴やメリットなどを紹介していきます。

システム運用管理の課題を解消する「Microsoft System Center」とは

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システム運用管理の課題

システム運用管理の課題には、様々なものが挙げられます。業務量が増加しすぎてミスが起きる、改善活動まで手が回らないというケースでは、増加した作業量を手作業でこなしているために運用担当の社員に常に高い負荷がかかっています。

似たような課題でSaaSの普及によって運用負荷が増大するケースがあります。ITの普及が進んでない頃は、環境整備に時間と手間がかかったため、導入するまでに長い期間を要しました。しかし、SaaSが普及したおかげで導入の手間が大幅になくなり、新しいアプリやソフトを試しやすくなりました。喜ばしい反面、ITの運用管理担当者からすると、導入が簡単にできるようになったために知識や使い方を覚える手間が増えて業務負荷が大きくなるということが起きています。

ほかには、新型コロナウイルスをきっかけにしたワークスタイルの多様化も課題に挙がることが多いです。リモートワークやペーパーレス化の流れが加速するに伴って、新しいシステムやネットワークの構築、セキュリティ対策などを求められるようになりました。対応するには工数がかかり、すぐに可能とはいきません。また、環境の変化に対応しようとしても国内のIT人材の不足が深刻なため、育成も確保もなかなか順調にいかないという状況があります。

運用管理の課題を解消する方法

課題を解消するには、まず自社が抱えている運用上の課題をすべて洗い出す必要があります。課題を見つけるには、ITの運用に関係する作業をすべて可視化するところから始めてみてください。そこから、コストや改修した方がよいルール、効率の悪い作業など、解決すべき課題を見つけていきましょう。

先程挙げた課題の解決例を説明すると、人の手による業務負荷が高いケースではRPAなどの自動化ツールを使用することで負担軽減や人的ミスの減少、作業品質の向上を目指せます。上手く自動化するための準備として属人性の高い作業がないか、運用ルールが曖昧または古くなって正確性を失ったマニュアルがないか探してみましょう。これらの課題は定型作業を自動化するときの障害になる可能性があるからです。

SaaSの入れ替えや導入の負担については、専門のコンサルタントに頼ることで移行作業の支援を受けられます。複数のSaaSを導入して管理が複雑化する場合、統合管理システムを利用することでアカウントの一元管理やセキュリティの強化に繋げられるでしょう。また、SaaS同士で連携ができるかどうかを重視すると業務の効率化がより進みます。

ワークスタイルの多様化に対応したIT環境を構築するには、運用体制や業務の見直しを行うことが欠かせません。新しい働き方であるリモートワークに対応するには、クラウドサービスやチャットツールの導入、VPN接続の対応とその環境構築が必要です。情報漏えいのリスクも高まるため、セキュリティ対策として新しいルール整備や技術的・物理的な対策も行いましょう。

IT人材の不足には、社内育成や早期確保をするという方法があります。ただ、育成するにしてもすぐに育つわけではなく年単位で見守る期間がどうしても発生します。安価な海外の人材に注目するやり方もありますが、言語の壁や雇用の仕組みの問題などがネックです。
外部委託という手段もありますが、人材不足は解決しても委託料が発生するというデメリットがあります。人材の問題は、自社にあった解決方法を模索する必要があるでしょう。

運用管理をラクにする「Microsoft System Center」とは

Microsoft System Centerは、複数の製品群で構成されるマイクロソフト製の運用管理製品です。システム構成の管理と監視、データセンターのタスク自動化や効率化、マルウェア対策、プライベートとパブリッククラウドの統合的な管理、クライアントやサーバーアプリケーションのバックアップ・復元などによるデータ保護といった運用管理に関わる機能が包括的に提供されます。

現在運用のメインになっている基盤がオンプレミスかクラウドかどうかを問いません。プラットフォームに依存しないデータセンターの管理を実現します。IT環境やプラットフォーム全体の管理を支援するツールでもあり、IT運用で増加する作業負担の軽減に役立ちます。

System Centerの機能

System Centerの提供されているエディションとして「Datacenter」「Standard」の2種類があります。主な違いは仮想化の部分にあり、Datacenterは管理できるOSEの数に制限がありません。そのため、高度に仮想化されたサーバー環境を構築している場合はDatacenterエディションが最適です。仮想化が進んでいない場合はStandardが適しています。OSEは最大2つまで管理可能です。両エディションとも共通してWindows Serverコンテナーの管理数に制限がありません。

System Centerが搭載する主な管理機能

  • OSE/Hyper-V コンテナーの数(Datacenterは無制限、Standardは2つまで)
  • Windows Serverコンテナーの数(無制限)
  • Configuration Manager
  • Data Protection Manager
  • Endpoint Protection
  • Operations Manager
  • Service Manager
  • Virtual Machine Manager
  • 管理サーバー ソフトウェアおよび関連する SQL Server ランタイム (SQL Server Standard Edition) を実行する権利
  • 任意の種類のサポート対象ワークロードの管理

System Centerの機能を個別に購入することは不可能で、各エディションのサーバーMLの一部として利用できます。

System Centerのメリット

System Centerを導入することで業務の自動化が進み、今まで手作業で行っていた作業は短縮されます。効率的に仕事が進むようにワンクリックで動作する機能、使いやすい操作UIが提供され、タスクの進行も円滑にこなせます。

クラウド統合によりAzureのセキュリティ機能や管理機能が一元化され、データやアプリなどの重要な情報を視覚化した状態で制御可能になります。セルフサービスポータル機能やSystem Center製品同士の連携により、高度なIT運用の基盤構築に繋げられるでしょう。

Windows Server、Linux、Unix、Hyper-V、VMwareなど様々な動作環境に対応し、システムの監視や管理をサポートします。また、サーバー以外にストレージやネットワークなど多様なリソースも統合管理でき、柔軟なクラウド環境の構築にも対応可能です。

System Centerのライセンスと料金

System Centerのライセンスは、System Center 2012の時点でシンプル化され、サーバーマネジメントライセンスによって2種類のエディションで提供されるようになっています。コンポーネント製品はエディションに付属しており、両方で使用できる機能は一緒です。

料金は物理コア数に応じて変動します。料金の一例を示すと、Open NL L&SAの2年間の価格で、Datacenterエディションは3,607ドル、Standardエディションは1,323ドルです。環境によって料金が変わるため、具体的な金額は販売代理店などで確認を取ってください。

System Centerのサーバー管理ライセンスは物理コアベースに移行しており、物理コアライセンス自体は2~16パックの間で販売されています。少なくともすべての物理コアに対してライセンスの取得が必要です。

ライセンスは管理されているエンドポイントにのみ必要で、管理サーバー、SQL Serverランタイム用に追加取得する必要はありません。物理コアベースのライセンスは管理対象となるVM(仮想マシン)とライセンス基準が保たれるため、Windows Server 2019モデルとの整合性も維持されます。

まとめ

System Centerは、複数のコンポーネント製品で構成される運用管理製品です。システムの運用を効率化する機能が包括的に搭載されており、業務の自動化や統合的な管理コンソールの提供、セキュリティ対策などに対応します。IT運用担当者の負担を軽減する効果が期待できるため、システムの運用管理で悩む方におすすめです。

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