「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は今や馴染みのある言葉になりつつありますが、「DX化」と「IT化」「デジタル化」の違いについて詳しく知らない方も多いことでしょう。本記事では、これらの違いを解説するとともに、DX化を進めるメリットや方法、実践にあたっての注意点などをご紹介します。
DX化とは
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、総務省が2021年に公表した「情報通信白書」によれば、以下のように定義付けられています。
「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
引用元:総務省「令和3年版情報通信白書」
DX化とは、つまり「デジタル化を通じたビジネスの変革」ともいえるでしょう。特に近年は、世界的にビッグデータやIoTを活用したDX化が急速に進んでいる状況があります。その流れに乗り遅れないよう、国内でもさまざまな企業がシステム導入や社内での体制づくりといった課題に取り組んでいます。
DX化とIT化・デジタル化との違い
DX化と類似する言葉に「IT化」「デジタル化」がありますが、これらは似て非なるものです。簡単にいえば、DX化は目指すべき「目的」であり、IT化・デジタル化はDX化という目的に至るための「手段」を指します。DX化によってプロセス自体を改善することにつながりますが、IT化・デジタル化は既存プロセスの生産性を上げることと考えるとよいでしょう。
近年DX化が注目されている理由
近年、DX化が注目されている理由として以下があります。
- 経済産業省が2018年に発表した「2025年の崖」
- 国がDX化を推進・支援している
上記により国内企業がDX化を進める機運が高まっています。
経済産業省が2018年に発表した「2025年の崖」
DX化が注目される背景には経済産業省が発表した「2025年の崖」問題があります。2025年の崖とは「今のままDX化を進められずにいると2025年以降、毎年最大12兆円の損失が生じる可能性がある」という試算のことです。
日本国内には古いシステムをそのまま利用している企業が多くあります。そのまま古いシステムを利用することの主な問題点は以下の通りです。
- 部門別に管理されており、無駄が生じている
- カスタマイズが複雑にされており、連携が難しい
2025年の崖から抜け出すためにDX化が不可欠であると結論づけられたため、DX化が注目されるようになりました。
国がDX化を推進・支援している
国がDX化を推進・支援していることもDX化が注目される理由の1つです。先述したように、経済産業省が2025年の崖問題を発表し、DX化の遅れは国家全体の問題であると政府は認識しています。
各企業がDX化を進めていく必要がありますが、そのためには人材や費用など多くのコストを要します。DX化は先行投資ですが、不況下で企業に投資を求めることは難しいです。
そこで国が企業に対し、支援金やセミナーを通してDX推進、支援を行っています。企業もそれに乗る形でDX化を推進するようになりました。
DX化のメリット
では、企業がDX化を進めると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、主なメリットを3つご紹介します。
働き方改革の推進ができる
多様な働き方やワークライフバランスを目指していく働き方改革は、今やあらゆる業界で取り入れられています。DXを推進していくなかで、たとえばRPAといった業務を自動化できるツールを導入・活用すれば、人はルーティン業務から解放され、より創造的で生産性の高い業務に専念できるようになるでしょう。
また、テレワークを導入しやすくなったり、労働時間の短縮化が叶うことで退社後の時間に余裕が生まれ、心身ともに豊かに過ごせたりするメリットもあります。残業時間が減少すれば、私生活や育児、介護などにも時間を割けるようになり、従業員エンゲージメントの向上につながり、ひいては離職防止にも寄与します。
企業競争力が上がり新事業・新サービスの開発につながる
DX化の目的は、デジタル化を通じて競争上の優位性を確立することにあります。そのために、企業は社内でデータ分析・活用により柔軟な意思決定を下せる、データドリブン人材を育成するようになります。
また、データ活用に基づくマーケティングを進めることで、企業競争力の向上も期待できます。DX化によって、これまで見逃してきたデータに目を向けられるようになると、新しい市場や顧客を開拓できたり、斬新なアイデアでサービスを開発したりできるようにもなるのです。
業務の効率化ができる
日々の業務をあらためて見直してみると、紙媒体での情報管理など、アナログ的な方法がまだ使われていることもよくあります。まずは業務をデジタル化していくことが大切です。デジタル化すると、業務を効率的に遂行できるようになり、結果として生産性の向上にもつながっていくからです。
現在アナログ的に行われている業務がある場合、それらをデジタル化することで、手間のかかっていた業務の削減や、作業効率の大幅な向上といった効果が期待できるため、取り組んでいく価値は充分あるといえます。
DX化がなかなか進まない理由・課題
- 企業や国内全体を通じ、DX化がなかなか進まない理由として以下があります。
- DX化の目的が明確になっていない
- デジタル人材が不足している
- 資金が足りない
- 既存システムがブラックボックス化している
DX化の目的が明確になっていない
DX化がなかなか進まない理由の原因として、DX化の目的が明確になっていないことが挙げられます。
企業はDX化を進めることで、自社の業務改善や事業拡大を行い、競争力を高めることが必要です。しかし「DX化に向けてデジタル化やITツールの導入をすることだけ」が目的となっているケースがあります。これでは、DXを進めようとしても最終的な目的となる競争力向上にはつながりません。
DX化を進めるにあたり、まずは「DX化をした結果、自社はどうあるべきなのか」を明確にしておきましょう。
デジタル人材が不足している
デジタル人材が不足していることもDX化が進まない原因の1つです。
日本企業は自社のITに関してSIer(エスアイヤー:システム受託開発企業)に丸投げしている場合があります。よって自社内でデジタル人材が育たないため、いざDX化を進めたくても実践できません。結果ここもSIerに依頼することになり、DX化を思うように進められない、というケースです。
SIerに丸投げするのではなく、協力してDX化を進める意識を持ちましょう。社内でDX化を進める際の人材やチームを立ち上げるため、教育にも力を入れるべきです。
資金が足りない
DX化が進まない理由に資金が足りないケースも挙げられます。
DX化には多くの資金を要するケースが多いです。例えば、以下にお金がかかります。
- ITツールや機材の導入
- DXのコンサルタントやSIerへの依頼
- 社内のDX人材育成
企業に資金がなければこれらへの投資ができず、結局DX化を進められません。
資金がなくてDX化を進められない場合には国や団体が支援している補助金の利用を検討してみましょう。IT導入補助金やものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金など補助金制度を利用できる場合があります。
既存システムがブラックボックス化している
既存システムがブラックボックス化していることもDX化を妨げる要因になります。
既存システムがブラックボックス化していると、新規ツールへの移行や連携ができない場合があるためです。移行や連携ができないと、業務への負の影響が大きくなります。これではDX化による競争力強化どころか、業務の効率が悪くなってしまう場合もあるでしょう。
まずは既存システムのブラックボックス化を解消するために、一つひとつの構成要素を確認すべきです。それにより部分的な移行や連携ができる見通しが立つ場合があります。
DX化を実現する技術
DX化の実現に向け利用できる技術として以下があります。
- AI
- IoT
- クラウド
- XR
これらを使いこなし、DX化を進めることで業界内での競争に大きな優位性が生まれるでしょう。
AI
AI(人工知能)の活用でDX化の実現が大きく近づくでしょう。
昨今話題になっているChatGPTやGemini(Google Workspace)などの生成AIが代表例です。すでに普及が進んでおり、「生成AIをどのように用意するか」ではなく「生成AIをどのように活用するか」というフェーズになりました。
AIが得意とするルーティンワークや計算などの単純作業はAIに任せましょう。社員には生成AIが苦手な設計や教育、コミュニケーションの分野の業務に集中することで、DX化の実現に近づきます。
IoT
IoT(Internet of Things)もDX化の実現には欠かせないツールの1つです。
IoTはデバイスやセンサーを機器に取り付けることで、インターネットを通じて制御できる技術です。IoTを用いることで、機器の制御やリアルタイムなデータ収集が実現します。これにより、業務の効率化やスムーズな分析が可能になり、生産性向上を実現可能です。
IoTの活用はDX化の実現に大きく貢献します。
クラウド
クラウドの技術やサービスもDX化で必要となる場合が多いでしょう。
クラウドはインターネットを経由して、事業者が提供するサービスやインフラにアクセスできる技術です。クラウドサービスは増加を続けており、パソコンやスマートフォンを使っていれば意識せずとも複数のクラウドサービスを利用しているでしょう。
アクセスの手軽さだけでなく、性能の増減や導入、運用コストの抑制が可能なこともクラウドを利用するメリットです。
クラウドを利用し、さまざまなサービスやプラットフォームを組み合わせることで、DX化の実現に近づくでしょう。
XR
XR技術もDX化に貢献できる技術の1つです。
XRとは現実と仮想空間を融合させる技術です。よく耳にするVRもXR技術の1つになります。XRはゲームやエンターテインメントに向けた技術として発展してきました。しかし、昨今ではXRを利用することで、訓練やデザイン、顧客体験などにも活用できます。ここまでの3つの技術に比べ普及が進んでいないため、XRの活用によって業界内でリードできる可能性も秘めているといえるでしょう。
DX化の推進方法
では、企業がDX化していくためには、どのようなステップを踏んでいけばよいのでしょうか。以下では、その方法について見ていきましょう。
目的を定める
まず、DX化によってどのような姿になりたいのか、何のためにDX化するのかといった、自社の戦略やビジョンなどを明確化・共有します。そのためには、経営層などトップ層にもDX化について理解してもらうことが不可欠です。
体制を整える
DX化は企業の上層部だけで取り組むものでなく、全社一丸となって進めなければ効果は限定的になってしまいます。そのため目的を定めたら、社内での体制づくりをしていく必要があります。例えば、DX推進を主導するプロジェクトチームを結成することも一案です。また、スキル習得・人材育成のための仕組みや人事評価制度など、DXをスムーズに進めていくための体制を整えていくことで、効果も目に見えやすくなるでしょう。
現状の把握、分析から優先順位を決める
次に、既存システムの状況やワークフロー、データの分散具合などを把握し、自社における課題を認識することが大切です。もし各システムとの連携に問題がなければ、必ずしもシステム環境を刷新する必要はないかもしれません。全社横断的なデータ集約・分析ができるかどうかなどをチェックし、どこから着手すべきか優先順位を付けていきましょう。
デジタル化し、評価・改善を行う
現在アナログで行っている作業のうち、デジタル化が可能なものにはITシステムを導入し、業務効率化を図っていきます。RPAやAIなどの技術を活用して、定型作業の自動化を検討するのも手です。ただし、一度に広範囲にシステムを導入しては、コスト面や管理・運用面などで問題が発生する可能性もあるため、なるべくスモールスタートで導入し、様子を見ながら導入範囲を広げていくのがおすすめです。
個々の業務のデジタル化が進めば、次は組織全体の業務フローでデジタル化が可能なところを探し、既存のビジネスを改善・高度化していくとよいでしょう。
DX化を進める際の注意点
DX化を進めるにあたっては、いくつか押さえておくべき注意点もあります。以下のポイントを念頭に置き、計画的に取り組みを進めましょう。
デジタル化がゴールにならないようにする
DX化を進める際は目的設定が重要ですが、取り組みの最後までぶれずに目的を意識し続けることが前提条件となります。たとえばDXは、デジタル化によって業務プロセスやビジネスモデルを大きく変革し、自社の生産性を高め、利益を最大化することが本来の目的であるはずです。そのため、デジタル化という手段が目的と化してしまわないように、前述したDXの推進方法に沿って目的や必要性を常に考え、取り組むようにしましょう。
全社的な取り組みが必要
先述の通り、経営層や一部の部署だけがDX化に取り組んだとしても、大した成果は期待できません。つまり、経営者から現場の従業員に至るまで、会社で働く全員がDXの必要性に理解を示し、一丸となって取り組む必要があります。
会社全体の課題や改善点を見つける方法としては、各部署それぞれがまず現状分析を行い、その結果を集約・共有することが挙げられます。どの段階でも組織の団結力があればDXはスムーズに進んでいきますが、共通の指標をもつことで、効果測定や進捗確認なども滞りなく行っていけるでしょう。
改善しながら取り組みを続ける
DXの取り組みは、一度実践すれば終わりというものではありません。目まぐるしく変化する市場や技術、消費者の価値観を常にリサーチし、自社の立ち位置がどうあるべきか、どういう企業になりたいのかを常に考え、改善していくことが大切です。
単なる業務のデジタル化で満足するのではなく、新しいビジネスモデルを創出したり、社会に影響を与えられるレベルまで変革したりすることが、DXの本来的な目的であるはずです。課題に対して目的を見失わず、PDCAサイクルに沿って改善を繰り返すことで、次のDXにもつながっていくでしょう。
DX化をスムーズに進めるためのポイント
DX化をスムーズに進めるポイントとしては、以下を有効活用することです。
- DX化やITに詳しい専門家からのアドバイス
- 国や自治体の補助金
有効活用できれば、資金や知見の不足を一部解消できるでしょう。
DX化やITに詳しい専門家にアドバイスをもらいながら進める
DX化をスムーズに進めるためには、DX化やITに長けている専門家にアドバイスをもらうことが必要です。
DX化がなかなか進まない原因の1つがデジタル人材が不足していること、については先述した通りです。社内でデジタル人材を育成できればよいですが、育成には時間と労力を要します。DX化に遅れると、業界内での競争にも遅れをとってしまう可能性が高いです。
よって社外の専門家にアドバイスを求めることが重要です。専門家と相談しながらDX化を進めていくことで、具体的な道筋が見えてきます。また人材育成の際にも参考にしやすいでしょう。
もちろん専門家に頼りきりになってはいけません。あくまで相談しながら、自社で主体的にDX化を進めることが重要です。
国や自治体の補助金を活用する
DX化の資金に国や自治体の補助金を活用することも有効です。
DX化がなかなか進まない原因の1つが資金が足りないこと、については先述した通りです。そこで国や自治体で用意されている補助金の利用を検討してみましょう。ここでは以下2つの補助金を紹介します。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
IT導入補助金
IT導入補助金は企業のさまざまな経営課題を解決するためのITツール導入を支援する補助金です。補助を受けてITツールを導入することで、DX化の実現に近づきます。
IT導入補助金は自社の課題にあったITツールを導入する通常枠や、インボイス制度に対応した会計ツールを導入するインボイス枠のようにさまざまな枠が用意されています。DX化に向けて、業務のどの部分から改革を始めていくのか、によって枠を選択するとよいでしょう。
IT導入補助金を利用して、自社のDX化に向けてスタートしましょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者の新規販売経路開拓や業務効率化を支援する補助金です。
申請する場合には事業者が自ら目標と実現計画を策定する必要があります。実現に向けて必要な経費を算出し、その一部を支援してもらえる補助金です。こちらも申請時には枠があり、通常枠だけでなく、賃金引き上げ枠、後継者支援枠などさまざまな枠が用意されています。
小規模事業者持続化補助金を利用し、目標と計画に沿ってDX化を実現して行きましょう。
【事例】DX化に成功している企業
実際にDX化に成功している以下の企業の事例を紹介します。
- 株式会社フジワラテクノアート
- 株式会社土屋合成
- グランド印刷株式会社
株式会社フジワラテクノアート
株式会社フジワラテクノアートは自社のさらなる成長に向けてDX化を進め、着実に成果を上げています。
同社は醤油や日本酒など醸造食品を製造する企業です。さらなる成長に向けて、醸造だけでなく、食糧やバイオ素材などの分野にも進出して、世界が抱える食料問題や環境問題に貢献できないか、と考えました。
新分野への進出に取り組むためには、業務効率化を行い、時間を捻出する必要があります。そこで同社は部門横断でDX推進委員会を立ち上げて、デジタル人材の内部育成に力を入れました。またDX推進委員会はデジタル化計画を策定し、協力会社のサポートを受けながら業務のシステム化に成功しています。
結果として、業務の短縮化やペーパーレス化、さらなるDX人材の育成が進み、DX化に向けて好循環が生まれています。
参考:DXセレクション2023
株式会社土屋合成
株式会社土屋合成はさまざまな自動化に取り組んだことでDX化に成功し、DXセレクション2023を受賞しました。
同社は精密プラスチック射出成形品加工メーカーです。プラスチック製品は単価が安いので、大量に作るために24時間365日の稼働体制で業務を行ってきました。しかし、人材が集まりにくくなり、このままでは稼働体制は保てないだろう、という見通しから「どうすれば自動化できるか」という視点を持つようになりました。
社内にDX課を立ち上げ、若手を中心にシステム化に取り組んだことで「製造業の会社」ではなく「製造業も営むIT企業」という会社像に近づいてきました。
結果として業務の自動化が進み、高品質も両立し海外市場での売上も伸びています。
参考:DXセレクション2023
グランド印刷株式会社
グランド印刷株式会社は業務のDX化を徐々に進めたことで、コロナ禍を乗り切ることに成功しています。
同社は印刷や広告を手がける企業です。DX化に取り組む前は「出張先で顧客情報を調べるために本社に連絡して名刺を確認する」という具合にロスが大きい業務をしていました。しかし、クラウドサービスを活用して以降、情報共有の効率化を実現しています。またDX化を浸透させるために、半年に一度、全体会議の場で「なぜIT化が必要なのか」を説明し、社員の理解を得られたことも、成功の一因と考えられています。
DX化が進んだことで働き方の多様化も進みました。
参考:DXセレクション2023
まとめ
DX化を進めるうえでは、ITシステムなどを有効活用し、全社一丸となって取り組んでいくことが重要です。まずは自社の課題を明確にして、社内の体制を立ててから取り組みを始めて行きましょう。また「何から始めたらいいのかわからない」企業は専門家へのアドバイスを仰ぐことも必要です。
DX化にはITツール導入がセットになるケースが多いです。ツールには「Microsoft 365」をおすすめします。「Microsoft 365」であれば、企業規模に応じたDX化が可能です。リモートワークにも対応しやすく、場所を問わない業務スタイルが社員の生産性を向上させ図れるため、企業変革を強力にサポートしてくれるでしょう。自社のDX化を加速させるためにも、ぜひ導入をご検討ください。