業務効率化

デジタルワークプレイスとは?必要性やメリット、ツールを紹介

近年、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響から、テレワーク制度を導入する企業が増加傾向にあります。そんなテレワーク制度の普及とともに大きな注目を集めているのが「デジタルワークプレイス」です。そこで本記事では、デジタルワークプレイスの概要やその必要性、導入するメリットなどについて解説します。

デジタルワークプレイスとは?必要性やメリット、ツールを紹介

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デジタルワークプレイスとは

デジタルワークプレイスとは、時間や場所にとらわれない働き方を実現するデジタル上の仕事空間を指します。具体的にはコラボレーションツールやグループウェアなど、クラウドコンピューティングをベースとしたシステム環境を用いて、先進的な「Workplace(仕事場)」の構築を目指す概念です。
これにより、いつでもどこでも同じ環境で業務を行い、また迅速に情報共有ができるようになることから業務効率の向上が見込めます。

デジタルワークプレイスはなぜ必要?

デジタルワークプレイスが必要とされる背景にはさまざまな理由がありますが、そのひとつとして挙げられるのは深刻な人材不足です。日本の総人口は2008年の1億2,808万人をピークに下降の一途を辿っており、2021年時点の総人口に占める高齢化率は29.1%と世界で最も高い水準となっているのが実情です。こうした社会的背景から、さまざまな分野で人材不足が深刻化しており、さらに終身雇用制度の衰退とともに雇用の流動化が加速しています。

このような時代のなかで企業が市場の競争優位性を確立するためには、より効率的な生産体制を構築するとともに、優れた人材を確保できる労働環境を整備しなくてはなりません。デジタルワークプレイスを整備できれば時間や場所に縛られない働き方が可能となります。これは業務効率化に寄与するだけでなく、遠地の人材採用や、介護や育児といった複雑な事情を持つ人材の離職率低下にもつながります。

デジタルワークプレイスに必要とされる主なツール

デジタルワークプレイスを構築するためには、「Anytime(いつでも)」「Anywhere(どこでも)」「Anybody(誰とでも)」「Any Device(どんなデバイスでも)」「Any Application(どんなアプリケーションでも)」という「5つのANY」を満たさなくてはなりません。これらを満たすためには、「デバイス」「コミュニケーションツール」「セキュリティシステム」の3つの強化によるアプローチが必要です。

各種デバイス

デジタルワークプレイスを構築するためには、PCやタブレット、スマートフォンなどの情報機器が必須となります。さらにこうした情報機器を通じて、どこからでも社内ネットワークへアクセスできる環境を構築しなくてはなりません。
社外からオンプレミス環境の社内ネットワークにアクセスする場合、VPNの通信負荷やセキュリティリスクが懸念されるため、安全性の高いクラウドコンピューティングをベースとしたシステム環境が求められます。

コミュニケーションツール

時間や場所にとらわれない働き方を実現するためには、組織内のコミュニケーションを効率化するソリューションが欠かせません。そこで必要となるのが、オンラインストレージやチャットツール、Web会議システムといったコラボレーションツールです。たとえば、Microsoft 365やGoogle Workspaceなど、組織におけるコミュニケーション・コラボレーションを強化するソフトウェア・サービスを活用することで、いつでもどこでも情報共有できる仕事空間を構築できます。

セキュリティシステム

デジタルワークプレイスを構築する上で欠かせないのが、高度なセキュリティシステムです。先述したように、自宅やサテライトオフィスなど、社外から社内ネットワークにアクセスする場合にはセキュリティ上のリスクが懸念されます。そのため、複数の要素でユーザー認証を実行する多要素認証や、PCやスマートフォンの挙動を監視するEDR、Webアプリケーション特有の脆弱性を保護するWAFといった高度なセキュリティシステムが求められます。

デジタルワークプレイスの導入メリット

デジタルワークプレイスを構築するメリットとして、いくつかの要素が挙げられます。たとえば従業員満足度の向上や働き方改革の実現、組織の生産性向上などがあります。

従業員満足度が向上する

デジタルワークプレイスを構築する大きなメリットのひとつが、従業員ごとの労働環境の最適化です。たとえばテレワーク環境を整備すればオフィスへ出社する頻度を減らせるため、従業員が通勤に要する時間・場所的な拘束や、それによるストレスから解放されるというメリットがあります。従業員のストレスが軽減されることで業務に対するパフォーマンスが高まり、結果として組織全体における生産性向上が期待できます。

さらに従業員がそれぞれの事情に合わせた働き方が可能となるため、愛社精神や労働意欲、貢献意識の向上にもつながるでしょう。こうして従業員のエンゲージメントやロイヤルティが高まれば、離職率や定着率の改善に寄与します。
デジタルワークプレイスの構築によって労働環境が最適化され、従業員満足度が向上することで、多くの企業が抱える人材不足の課題を解決する一助となります。

働き方改革が実現する

2018年6月に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」、いわゆる「働き方改革関連法」と呼ばれる労働法改正が成立しました。働き方改革関連法は2019年4月1日より施行され、それに伴って企業は長時間労働の是正や公平な待遇の確保、多様な働き方の実現など、労働環境の抜本的な見直しが求められています。

働き方改革の推進によって長時間労働が是正されるなか、企業が従来と同等以上の付加価値を創出するためには、より効率的な生産体制を構築しなくてはなりません。
デジタルワークプレイスを構築する過程でさまざまなソリューションを導入することで、テレワーク環境の整備にもつながります。時間や場所に依存しない働き方が可能となり、その結果、組織の業務効率化を実現するとともに、新しい時代に即した労働環境の構築に寄与します。

生産性を高められる

先述したように、働き方改革によって長時間労働が是正されるなかで、これまで以上の成果を生み出すためには、組織全体における生産性と従業員一人ひとりの労働生産性の向上が不可欠です。生産性とは、事業活動によって生み出された産出量を経営資源の投入量で割った値であり、「生産性=産出量÷投入量」という数式で産出されます。

つまり、生産性を高めるためには、いかにして経営資源の投入量を最小化し、成果となる産出量を最大化するかが重要です。デジタル空間で仕事を完結できる環境を整えられれば、部門を横断した情報共有や業務連携が可能となり、より業務の無駄を減らせるため、組織全体の生産性向上につながるでしょう。また、組織内のコミュニケーションとコラボレーションが活性化することで、新たなビジネスアイディアが生み出される可能性も高まります。

デジタルワークプレイスにおける課題と対処法

ここからは、デジタルワークプレイスを構築する上で課題となるポイントや、その対処法について見ていきましょう。主な課題となるのは以下の3つです。

  • コミュニケーションの取り方が変わる
  • 従来の評価方法が適さない場合がある
  • セキュリティを高める必要がある

コミュニケーションの取り方が変わる

リモート型の労働環境では従業員同士のコミュニケーションが希薄化し、距離感が生まれやすくなります。従業員の何気ない会話からビジネスアイディアが生まれるケースもあるため、コミュニケーションの減少によってイノベーションが起きにくくなる可能性も否定できません。
そのため、このような課題を解決するためには、組織内のコミュニケーションを活性化する仕組みやシステムの導入が必要です。

従来の評価方法が適さない場合がある

デジタルワークプレイスの構築によってテレワーク制度が普及した場合、従業員の労働意欲や貢献度が見えにくくなります。
出社せずとも業務が遂行できるのであれば、単純な勤怠のみで適切な人事評価を下すのが難しくなるでしょう。したがって、テレワークに即した労働環境を整備するためには、人事評価制度の見直しと改善が求められます。

セキュリティを高める必要がある

デジタルワークプレイスを構築するためには、クラウドコンピューティングをベースとしたシステム環境が不可欠です。とくにパブリッククラウドは社外ネットワークを用いて複数のユーザーで情報資産を共有するという性質上、セキュリティリスクが懸念されます。そのため、従来のような境界防御型のセキュリティではなく、あらゆるトラフィックに対して認証を行うゼロトラストネットワークに基づくセキュリティ体制が必要です。

まとめ

デジタルワークプレイスとは、時間や場所にとらわれない働き方を実現するデジタル上の仕事空間を指し、構築には優れたデジタル技術の活用が不可欠です。
デジタルワークプレイスの実現には、組織内のコミュニケーションやコラボレーションを活性化する「Microsoft 365」の導入がおすすめです。

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