企業が利益拡大や成長を望むのであれば、生産性向上への取り組みは欠かせません。近年はさまざまな事情により、生産性の向上に着手する企業が増えていますが、具体的にどう取り組めばよいのかと悩んでしまうケースも少なくないでしょう。本記事では、業務生産性の概要や向上させる方法、取り組みに役立つツールなどについて解説をします。
業務生産性とは
生産性とは、投入した資金や人材、設備などに対する成果を測る指標を指します。生産性には、資本生産性や労働生産性、全要素生産性などの種類があります。本記事でお伝えするのは労働生産性の一種である「付加価値労働生産性」です。これは、1人あたりの労働者がどれくらいの成果を得たかを計る指標です。
生産性向上とは
生産性向上とは、少ない投資で最大限の成果を得ることです。すなわち生産性向上の取り組みとは、自社が保有している人材や資金、設備を活用し、従来よりも多くの成果を得るための施策です。
たとえば、従来2人の担当者で10の成果物を生産していたと仮定しましょう。これを、取り組みにより1人の担当者で10の成果物を生み出せるようになったのなら、生産性が高まった状態といえます。
業務効率化との違い
生産性向上と業務効率化は混同されやすいですが、明確な違いがあります。業務効率化とは、業務プロセスや手法を見直し、効率的に業務を遂行できる環境や体制を構築することです。たとえば、ITツールの導入や作業マニュアルの整備、業務の可視化などが該当します。
業務効率化では、投入するリソースの抑制に重点を置くのが特徴です。たとえば、RPAツールを導入して特定の作業を自動化できれば、以前より投入する人材を減らすことができ、コストダウンにもつながります。
一方、生産性向上は限られたリソースを有効に活用し、より大きな成果を得ることに重点を置いています。このように、業務効率化と生産性向上とでは、重点を置くポイントが異なるのです。
ただ、この2つが密接に関連していることは理解しておく必要があります。生産性を高めるには、必然的に業務効率化が必要です。業務効率化を進めた結果としてコストダウンや適材適所な人材活用が可能となり、今まで以上の成果を得られるようになるのです。
生産性向上が必要とされるのはなぜ?
生産性向上の取り組みを始める前に、そもそもどうして必要なのかを再確認しておきましょう。必要性や目的を理解しないまま取り組みを進めても、成果を得られない可能性があります。以下、生産性向上が必要とされる背景と目的を解説します。
業務生産性が重要視される背景
日本の少子高齢化は著しく、それに伴い労働人口も減少しています。人材の採用がますます難しくなり、人手不足に陥る企業もさらに増加するでしょう。人手不足の中で最大限の成果を得るには、限られたリソースを有効に活用できる環境や体制の構築が必須です。
また、国力の観点からも企業の生産性向上は必要といわれています。グローバル市場における日本の競争力は低下しており、このままでは諸外国との国力に大きな差が生じるかもしれません。国力を維持、増強し国際社会に存在感を示すためにも、労働生産性を高める必要があるのです。国が近年働き方改革を推進しているのは、そのような背景があります。
業務生産性を向上させる目的
企業が生産性向上に取り組む目的として、人手不足への対応が挙げられます。労働人口の減少により新たな人材を採用しにくくなれば、必然的に今ある人的資源を有効に活用しなくてはなりません。そのためには、業務の無駄や無理を排除し、限りあるリソースでより多くの成果を得られる環境や体制が求められます。
また、コスト削減も目的のひとつです。どれほど売上が順調でも、生産に多大なコストを費やしていては利益を圧迫してしまいます。利益の最大化を狙うには、生産性向上に取り組み人件費をはじめとしたコスト削減に努めなくてはなりません。
取り組みを進めることで、従業員のワークライフバランスが整うメリットもあります。効率よく業務を進められるようになれば、残業が少なくなり、従業員はプライベートの時間も充実させられるでしょう。モチベーションが高まり意欲的に業務へ取り組むようになり、品質向上や離職防止にもつながります。
業務生産性の向上に効果的な3つの方法
業務生産性の向上を実現するには、やみくもに取り組んでも成果につながりません。以下、生産性向上の取り組みを効果的に進める3つの方法をピックアップしました。
業務の洗い出しとムダの削減
業務に無駄があると生産性の低下を招きます。まずは、業務を丁寧に洗い出し、無駄や無理が発生していないかチェックしましょう。
業務を洗い出すには、プロセスやフローの可視化が有効です。フローチャートやプロセスマップを作成すれば、業務の流れや関連性などを俯瞰でき、効率的に課題を抽出できます。
コア業務以外に余計な時間をとられていないかも要チェックです。利益に直結しない業務に多大な時間を費やすのは非生産的なので、効率化できる方法の模索やアウトソーシングも検討してみましょう。
従業員のモチベーションを高める
従業員のモチベーション低下は、生産性に影響します。仕事へ真剣に向き合わず、集中力を欠いた状態で業務を遂行するといったことが起きると、業務品質や作業スピードも低下し、生産性が大幅に下がってしまうでしょう。
モチベーションを高めるには、労働環境の改善が有効です。従業員が快適に働ける環境を整備する、待遇を見直すといった施策でモチベーションアップを図れます。また、評価制度を見直し、成果に見合った正当な評価を行える体制を整えるのも効果的でしょう。
従業員によっては、内に秘めた不満や反感があるかもしれません。これもモチベーション低下につながるため、定期的に面談してヒアリングする、積極的にコミュニケーションをとって信頼関係の構築を図るといったアクションも求められます。
ITツールの活用
業務効率化や生産性向上を実現するにあたり、ITツールの活用は欠かせません。たとえば、ビジネスチャットのようなコミュニケーションツールを導入すれば、スムーズな情報共有を実現でき、業務の効率化を図れます。
また、タスク管理ツールを導入すれば、個々の従業員が担当しているタスクや業務の進捗をリアルタイムで把握でき、管理者は適切な采配を行えます。たとえば、タスクが遅れている従業員に対し応援の人材を送る、期限を調整するといったことが可能です。
オンラインで契約の締結が可能な電子契約システムも、生産性向上に役立ちます。オンラインで契約書の管理や処理を行えるため、ペーパーレス化やコストダウンにもつながります。
企業の生産性を高めるには「Microsoft 365 Business」がオススメ
Microsoft 365 Businessは、業務効率化や生産性向上に役立つさまざまな機能を網羅したクラウドソリューションです。WordやExcelなどのofficeツールをオンラインで利用でき、チームでの共同作業にも対応しています。
チャット機能もあるため、チームの円滑なコミュニケーションを実現できるのもメリットです。リアルタイムで情報のやり取りを行えるため、時間を無駄にしません。
また、データをクラウドストレージに保存でき、いつでもどこからでもアクセス可能です。スピーディーに求める情報へアクセスできるのみならず、チームとデータを共有できるため、効率的に業務を進められるでしょう。
クラウドサービスの利用で気になるセキュリティですが、Microsoft 365 Businessは高度なセキュリティ機能を組み込んでいます。高水準のセキュリティ機能の実装により、デバイスやデータの安全性を確保しているため安心して利用できます。
まとめ
人手不足への対策や従業員のワークライフバランス改善、コスト削減などのために生産性向上は必要です。無駄の削減やITツールの導入などで、効率よく生産性向上の取り組みを進めてみましょう。本記事で紹介したMicrosoft 365も優れたツールなので、ぜひ選択肢のひとつとして検討するのがおすすめです。