業務効率化

デジタルワークスペースとは?メリットや必要な機能・システムを紹介

テレワークやDXを推進する際に重要となるのが、デジタルワークスペースの整備です。しかし、電子的(デジタル)な仕事空間(ワークスペース)といわれても、それが何を意味するのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、デジタルワークスペースの意味やメリット、必要な機能などについて解説します。

デジタルワークスペースとは?メリットや必要な機能・システムを紹介

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デジタルワークスペースとは

デジタルワークスペースとは、場所やデバイスに依存せずにユーザーが業務遂行できる仕事環境、あるいはそれを可能にするITツールのことです。デジタルワークスペースはアプリケーション・デバイス・データなど、組織のIT資産を一元的に管理することを可能にします。これを活用することで、ユーザーはいつでもどこでも、どんなデバイスからでも、オンプレミスかクラウドかによらず、自由にアプリケーションへアクセスできるようになります。

デジタルワークスペースが注目される理由

デジタルワークスペースが注目されている大きな理由としては、DXや働き方改革の推進、リモートワークへの対応などが挙げられます。

DX

現在の日本は、主要な経済先進国に比べてICT活用の遅れが指摘されています。そこで注目されているのが、最新のICTやデータ活用を駆使してビジネスモデルや業務プロセス等の刷新を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)です。DXにおいては、紙で管理していた情報もデジタル化してデータ活用を促進するとともに、肥大化するIT資産を適正に管理することが求められます。IT資産を一元管理できるデジタルワークスペースは、DXに向けた地盤固めとして必要とされているのです。

働き方改革

DXと並行して日本政府が促進しているのが、働き方改革です。少子高齢化や働き方に関するニーズの多様化を受け、日本は従来よりも多種多様な人材が活躍できる社会を目指す必要に迫られています。働き方改革とは、こうした社会の実現のために、働き方の多様化や適正な労働環境の整備を促進する取り組みです。この働き方改革を実現するにも、業務の効率化・自動化を可能にするICT活用や、その地盤としてのデジタルワークスペース構築が重要視されています。

リモートワーク

DXや働き方改革の一環として注目されているのが、時間や場所に囚われない働き方を可能にするリモートワーク(テレワーク)です。リモートワークにおいて従業員は、自宅や外出先など多様な場所で働くことが可能になります。しかし、リモートワークを実現するには、オフィス外からでも自社の業務アプリケーションなどにアクセスできるIT環境、つまりデジタルワークスペースを整備する必要があります。

以上のようにデジタルワークスペースの構築は、広くICT活用を進める企業にとって不可欠な地盤固めとして重要視されています。

デジタルワークスペースのメリット

続いては、デジタルワークスペースを構築するメリットについて解説します。

従業員エクスペリエンスの向上

メリットその1は、従業員エクスペリエンスの向上です。デジタルワークスペースは、リモートワークのような柔軟なワークスタイルの実現に寄与します。こうした新しいワークスタイルは、従業員のワークライフバランスを向上させ、職場への満足感を高めることに貢献します。その結果、離職率の低下や有能な人材の確保といった効果が期待できるでしょう。

また、先進的な取り組みをしている企業として社会に評価されることを通して、自社のブランドイメージの向上も可能です。

堅牢なセキュリティの構築

メリットその2は、堅牢なセキュリティ体制の構築です。自社のIT資産を一元管理するデジタルワークスペースには通常、一度のサインインで複数のシステムにアクセスできる「シングルサインオン(SSO)」という機能が搭載されています。これにより、ユーザーはアプリケーションごとに何種類ものID・パスワードを管理する必要がなくなるため、情報漏洩リスクの軽減を実現できるでしょう。

また、IT部門はすべてのネットワーク・トラフィックをデジタルワークスペース上で包括的に把握できるようになるため、この点でもセキュリティはさらに強化されます。

生産性の向上

メリットその3は、生産性の向上です。従業員エクスペリエンスの向上は、従業員の業務に対するモチベーションや集中力の向上を喚起します。またシングルサインオンは、異なるアプリケーションにログインするたびにパスワード入力をする手間を省きます。こうした一連の効果はいずれも、業務効率化や生産性向上を組織にもたらすものです。

さらに、デジタルワークスペースに自社のIT資産を一元的に集約できることから、IT部門の管理業務における効率化も見込めます。日々のシステム管理業務を効率化し、IT部門に余力をつくることは、DXを推進するうえでも重要です。

デジタルワークスペース導入に必要な機能・システム

続いては、デジタルワークスペースの導入に必要な機能や、その運用に役立つシステムをご紹介します。

デジタルワークスペースに必要な機能

デジタルワークスペースに必要な機能としては、主に以下のものが挙げられます。

アプリケーション管理機能

デジタルワークスペースには、自社で利用しているさまざまなアプリケーションを管理するための機能が必要です。具体的な管理機能としては、ユーザーの認証設定やアクセス状況などを管理・可視化できる「ユーザー管理機能」、アプリケーションをセキュアに保護するための「セキュリティ機能」、システムの効果的な運用やインシデント発生時の対応を支援する「ログ管理機能」などが挙げられます。

シングルサインオン(SSO)

先述したように、シングルサインオン(SSO)とは、複数のアプリケーションへのログインを、1つのID・パスワード、1回の入力操作で可能にする機能です。これにより、従業員は1種類のパスワード情報を管理・把握するだけでよくなるため、パスワード情報の漏えいなどを抑止できます。

デスクトップ管理

デスクトップ管理とは、Windowsのデスクトップを仮想マシンとして利用可能にしたり、Windows用のアプリケーションをクラウド上で配信可能にしたりする機能です。

デジタルワークスペースの導入によって、従業員は多様なデバイスを自由に活用することが可能になります。しかし、その際に問題となるのが、デバイスの性能やOSの違いによる、アプリケーションとの互換性の問題などです。仮想デスクトップなどを利用可能にするデスクトップ管理機能は、デバイス間に横たわるこうした溝を埋めるために重要です。

デジタルワークスペース運用で役立つシステム

デジタルワークスペースを運用する際には、以下のようなシステムを活用するのがおすすめです。

コミュニケーションツール

デジタルワークスペースの導入と同時にテレワークを促進する場合、特に必要となるのがチャットやオンライン会議システムなどのコミュニケーションツールです。テレワークにおいては対面でのコミュニケーションが減るため、それを補う形でこうしたツールを活用する必要があります。

クラウドサーバー

デジタルワークスペースの導入によって、企業はさまざまなアプリケーションを連携させ、データを統合的に管理することが可能になります。しかし、このメリットを十分に活かすためには、高性能かつ拡張性があり、管理が容易なサーバーとストレージの整備が欠かせません。この点、デジタルワークスペースの導入と同時に、クラウドサーバーの活用を進めることには大きな価値があるといえます。

ゼロトラストセキュリティ

従業員が多様な場所・デバイスからアプリケーションにアクセスするようになると、従来の境界型セキュリティは十分に機能しなくなります。そのため、社内外問わずあらゆるトラフィックを信用しない、「ゼロトラスト」の考えに基づくセキュリティの導入が重要となります。ゼロトラストセキュリティに基づいて厳密な認証管理などを行うことで、デジタルワークスペース導入後もセキュアなICT運用が可能です。

まとめ

DXなどが広く推進される中、それを可能にするIT基盤として、デジタルワークスペースはますます重要性を増しています。デジタルワークスペースの導入により、ユーザーはデバイスやOSにかかわらず、Microsoft 365などのアプリケーションを横断的に利用し、業務を円滑に遂行できるようになります。

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