情報通信技術の進歩・発展に伴ってテレワークという働き方が注目を集めています。しかし、テレワークは新しい時代に即した働き方として注目される一方で、コミュニケーション不足やセキュリティの脆弱性などを懸念する声も少なくありません。そこで本記事はテレワークの課題について考察するとともに、具体的な解決策を紹介します。
テレワークの現状
近年、在宅勤務やリモートワークといったオフィス外での業務体制を整備する企業が増加傾向にあります。株式会社クロス・マーケティングが2021年5月に行った調査によると、テレワーク制度の導入率は80%を超えており、そのうち36.5%は週5日以上の実施頻度です。テレワーク制度の導入率が上昇している背景にあるのは、働き方改革関連の施行や新型コロナウイルスの感染拡大です。
とくに今なおニュースで世間を騒がせている新型コロナウイルスの影響は大きく、2020年3月から5月にかけてテレワーク制度を導入した企業は50.6%と約半数を占めています。緊急事態宣言が発令された4月にテレワーク実施率が大きく上昇しています。これは会社員・公務員の情報システム部門担当者を対象としたアンケート調査であり、いかに新型コロナウイルスが企業の業務体制に大きな影響を与えたのかが見て取れます。
テレワークの今後
テレワークは新型コロナウイルスの影響によって爆発的に普及した制度ですが、じつは感染症対策以外にもさまざまなメリットをもたらすワークスタイルです。テレワークであれば仕事場のデスクやチェアなどが不要であり、オフィススペースも縮小できるため、管理費用が削減できます。さらに通勤が不要になることで企業側は交通費が削減でき、従業員側は通勤のストレスから解放されるという点も大きなメリットです。その他にも育児と仕事の両立、ワークライフバランスの実現、従業員のエンゲージメント向上に伴う離職率の改善など、さまざまなメリットが期待できます。
さらに、テレワークの導入によって得られる大きなメリットが「BCP(事業継続計画)」の最適化です。総務省の論文「通勤困難な状況下でのテレワーク実施を可能とする要因に関する一考察」によると、東日本大震災の発生時にテレワーク制度を導入していた企業は、交通網の混乱やシステム障害に際して、いち早く在宅勤務に切り替えることで事業活動を継続できた旨が記載されています。こうしたさまざまなメリットがあることから、テレワークはコロナ収束後も新しい時代に即した働き方として普及していくと推察されます。
クロス・マーケティングの調査においても、「コロナ収束後にテレワークはなくなると思う」と回答したのはわずか15.3%に留まっており、84.7%は「テレワークを続けると思う」「一部の社員は継続すると思う」と回答しています。
企業と従業員の双方にさまざまなメリットをもたらすテレワークですが、課題や問題がないわけではありません。テレワーク制度を整備し、組織全体の業務効率化と生産性向上を図るためには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。次の項目でテレワークが抱えている課題や問題について見ていきましょう。
テレワークの課題1 コミュニケーション
テレワークの導入における1つ目の課題は「コミュニケーション不足」です。
コミュニケーション不足を不安視する人は約6割!
クロス・マーケティングの調査によると、テレワーク導入の障害として55%の人が「コミュニケーションへの不安」と回答しています。テレワーク環境では従業員同士のコミュニケーションが希薄化し、気軽に質問したり相談したりといったやり取りができません。そのため、進捗管理や勤怠管理が困難になり、生産性の低下を招くおそれがあります。また、従業員の悩みに周囲が気づきにくくなるため一人で葛藤を抱え、突然離職してしまうといった事態も起こり得るでしょう。
コミュニケーション不足の解決策
プロジェクトを成功へと導くためには、組織全体における情報共有の円滑化や部門間連携の強化が欠かせません。相談や雑談といった何気ないコミュニケーションから創造的なアイデアや問題解決の糸口がつかめる可能性もあります。テレワーク環境を最適化するためにはコミュニケーションの円滑化を図る仕組みや制度を整備しなくてはなりません。具体的な施策としては、コラボレーションツールの導入や1on1ミーティングの実施、コミュニケーション・ルール策定などが挙げられます。
テレワークの課題2 セキュリティ
テレワークの導入における2つ目の課題は「セキュリティの脆弱性」です。
セキュリティ面に不安を抱く人は約4割!
クロス・マーケティングの調査によると、テレワーク環境における課題は「セキュリティ面の不安」が43.5%を占めており、次いで「社員のモチベーションへの不安」が29.5%、「社内利用差による不満」が27.5%です。テレワークはオフィス外で業務に取り組むという性質上、PCやスマートフォン、USBメモリなどの紛失・盗難といったリスクがあるのは否定できません。とくに従業員の私物端末を使用する場合は企業のセキュリティ要件を満たさない場合があり、情報の盗聴や改ざんといったセキュリティ・インシデントが懸念されます。
セキュリティ問題の解決策
企業にとって情報セキュリティの最適化は最も重要な経営課題のひとつです。情報通信技術の進歩に比例してサイバー攻撃の脅威も巧妙化しているため、セキュリティ・インシデントが危惧されるテレワーク環境ではとくに重要な課題といえるでしょう。まず取り組みたい具体的な施策としては、従業員の私物端末の利用は原則禁止として、セキュリティ要件を満たしたPCを導入することです。そして、ゼロトラストセキュリティに基づく高度なセキュリティソリューションを導入し、データ管理の仕組みを統制するデータガバナンスを整備する必要があります。
テレワークの課題解決には「レンタルパソコン」
テレワーク環境の最適化を目指す企業におすすめしたいのが「レンタルパソコン」です。ここからは、テレワークの課題解決にレンタルパソコンが有効である理由について解説していきます。
今注目のレンタルパソコンとは
レンタルパソコンとは、その名の通り必要な時に必要な分だけPCを借りられるサービスです。テレワークの普及とともにレンタルパソコンへの関心が高まっており、問い合わせが増加しています。テレワーク環境を整備するためにはセキュリティ要件を満たすPCの導入が必須であり、そのためには莫大な導入費用と管理コストが必要です。レンタルパソコンなら導入費用を安価に抑えられると同時に、不要になれば返却できるため管理コストの削減に寄与します。月々のレンタル費用を経費として計上できるというメリットもあり、非常にコストパフォーマンスに優れるサービスといえるでしょう。
レンタルパソコンがコミュニケーション不足解消に役立つワケ
レンタルパソコンは複数の機種から選択できるため、Webカメラがないといった設備不足によるコミュニケーション不足を防止します。また、コミュニケーションツールの定番となりつつある「Microsoft Teams」や「Chatwork」のようなアプリケーションの導入も可能です。こうした各種機能を搭載したPCをレンタルすることで、社会コミュニケーションの活性化が促進されます。
レンタルパソコンがセキュリティ強化に役立つワケ
レンタルパソコンは、高度なセキュリティ要件を満たす法人向けの端末が提供されているのが大きな特徴です。たとえば、強固なセキュリティソリューションを搭載したPCや、クラウドストレージにデータを保存する「データレス機能」付きのPCなどが提供されています。これらはPCをオフィス外に持ち運ぶ際のセキュリティリスク軽減につながるでしょう。
レンタルパソコンなら「法パソ」がおすすめ
テレワーク環境を整備する上でレンタルパソコンの導入を検討しているのなら「法パソ」がおすすめです。「法パソ」とは、株式会社レンタルバスターズが提供する法人向けのレンタルパソコンサービスで、さまざまな企業のニーズに応える多種多様なデバイスが用意されています。Officeソフトやセキュリティソフトがセットアップされており、さらに、ライセンスや保守メンテナンスの費用などを一元管理できるので、管理者の業務負担軽減にも寄与します。
まとめ
テレワークは新しい時代に即したワークスタイルとして注目を集めているものの、コミュニケーションやセキュリティの脆弱性など、さまざまな課題を抱えています。テレワーク環境を最適化するためには、こうした課題を乗り越えなくてはなりません。セキュアなテレワークを構築するためにも「法パソ」を利用してみてはいかがでしょうか。