かねてよりマイクロソフトが発表していた、Skype for Business OnlineからMicrosoft Teamsへの統合ロードマップがいよいよ本格化しています。Skypeのサポートは2021年7月31日で終了することがアナウンスされており、Office 365ユーザーまたはSkypeユーザーは現環境からTeamsへの移行が推奨されています。
TeamsはOffice 365における「チームワークのハブ」として開発されたサービスです。2017年3月14日に正式版がリリースされ、マイクロソフトはユーザーとの対話を繰り返しながらTeamsを改善してきました。
そして今、TeamsはSkypeを超えるコラボレーションツールとして存在し、2019年7月に発表された情報によれば、Teamsは現在1,300万人のデイリーアクティブユーザーがおり、習慣アクティブユーザーは1,900万人に達します。また、Fortune100企業のうち91社でTeamsが利用されており、ビジネスチャットツール界の巨人であるSlackに迫る勢いです。
本稿では、このTeamsがどのようにして会議を効率化するのか?について解説していきます。Teamsならではの革新的機能も紹介しているので、ぜひご注目ください。
およそ25%の人は会議を「無駄」だと考えている?
2018年にパーソル総合研究所と、立教大学の中原淳教授が共同で実施した「長時間労働についての大規模調査」では、社内会議に関する情報を発信しています。それによると、会議に参加している人のうちメンバー層で23.3%、マネージャー層で27.5%のビジネスパーソンが会議に無駄が多いと感じているそうです。
そうした会議に費やしている時間は、メンバー層で年間154時間、マネージャー層で434時間を超え、年間の終業時間全体の17.6%にあたります。しかも、この数値には顧客や社外関係者との打ち合わせ時間を含んでいないので、実際には相当数の時間を会議に費やしていることになります。
モノづくり大国ニッポン、経済大国ニッポンにとってこれは衝撃的かつ残念な結果ではありますが、見方を変えれば会議効率化によってかなりのリソースを生み出せることになります。Teamsはこの現状をどう変えてくれるのでしょうか?
「議事録文化」が会議効率を下げている?ビデオインデックスで解決
日本企業の会議で見られる風物詩といえば「細かい議事録」です。もちろん、海外企業でも議事録は作成されますが、日本ほど細かい議事録は他に見ないでしょう。しかも、会議後にそれが活用されているかといえば、「誰も参照していない」というケースが決して少なくないのです。
実際に、先にご紹介した調査結果でも議事録文化が「無駄会議指数」を増やしているとの指摘があります。細かすぎる議事録、誰も参照しない議事録などは作成してももはや無駄ということです。加えて、会議後の議事録確認など後工程ばかり増えるので、一向に会議が効率化されません。
まだ完全に統合されていない機能ですが、Teamsには会議内容を自動的に記録する機能が予定されています。ビデオインデックス機能では、映像の中で話されたことを音声認識し、自動的にテキストとして起こしてくれます。さらに、登場人物を見分けた上で、話題や人物ごとにインデックス処理を施し、クリック1つで目的の場所に飛ぶことも可能です。
この機能を利用すれば、Web会議における議事録担当者はもはや不要になります。自分の名前で参加した会議を検索したり、自身に関連する部分だけチェックするなども可能になります。これなら議事録を作成する必要も、会議後に共有する必要もないでしょう。
メンバーの予定が把握できず、会議を開催するまでに時間がかかる…。ScheduleLook for Microsoft Teamsで解決!
2019年11月にリリースされた新しい機能、「ScheduleLook for Microsoft Teams」は、Teamsでタグを追加するだけでメンバー全員の予定表を一覧で確認できるようになります。予定表はOutlookで作成したものが反映され、予定確認のためにアプリケーションを切り替える必要がなく、スケジュール調整から会議開始まですべてTeams上で完結します。
突発的な会議を開催するにあたり、参加者の予定が把握できずに必要な会議を開催できないことがよくあります。主催者はメールや電話を使って各人の予定を確認・調整してから会議を計画するので、それなりの負担がかかりますし開催までに無駄な時間を費やすことになります。
Teamsなら予定の確認から会議の計画、会議の実施、議事録作成まで完結できるため、かなり効率的に会議を開催できるようになります。
背景がどうしても目に入り、会議に集中できない…。背景をぼかして集中力アップ!
Web会議を開催する際にありがちな悩みが、「参加者の背景が写って会議に集中できない…」「背景を映したくない…」といったものです。パソコン1つで実施できるWeb会議は、自宅から会議に参加するケースも多く、その際にこうした悩みを聞くことがよくあります。かといって、会議ブースを設置できる企業も多くありません。
そこで活用して欲しいTeamsの機能が、「背景ぼかし機能」です。AIを活用してWeb会議に参加している人のシルエットを認識し、それ以外の部分をぼかしてしまいます。スマートフォンやデジカメに搭載されている「ポートレート機能」と同じ原理です。
この機能を使えば、背景を気にしたり集中力を奪われたりすることなく会議を開催できるため効率性がアップします。今後は背景を別の写真に入れ替える機能の導入も予定されており、さらなる効率性アップが期待されています。
Teamsで大幅な会議効率化を目指そう!
ここでご紹介したTeamsの会議効率化機能はほんの1部です。そもそも、TeamsはOfficeアプリとの連携性が高く、Teamsでの共有や共同編集も可能なので、会議を進めながら参加者全員で同じ資料を眺めたり、一緒に編集することで会議効率を大幅にアップできます。
さらに、Office 365で提供されているサービスの主要機能を多数統一できることから、効率化できるのは会議だけではありません。皆さんもこの機会に、Teamsにより会議効率化を目指していきましょう!