システム運用管理ツールの導入には、システムやデータをまとめて管理できることや監視体制を強化できることなどの強い魅力・メリットがあります。本格的に取り入れる際には、代表的で名の知れた製品は積極的に比較したうえで、自社にマッチするものを選びたいところです。
そこで今回は、システム(統合)運用管理ツールとは何かというポイントや選ぶときの基準を整理したうえで、おすすめ製品を紹介します。
システム(統合)運用管理ツールとは?基本機能を紹介
異なるシステム同士を統合して効率の良い運用を考えるには、システム(統合)運用管理ツールを取り入れることを積極的に検討しましょう。
近年は利便性の高いあらゆるITツールの活用がさかんとなっており、それらを総合的に効率よく管理するためには、管理の効率化を主な機能としているシステムが重要な役割を果たします。それがシステム運用管理ツールであり、最近は多くの業界で注目を集めています。
このツールを利用すれば、自社で運用を行っているさまざまな種類のシステムを統合的に管理すること可能です。
種類の違うシステムを一つひとつ管理・運用を行うことには、一つの業務単位で見れば便利さはあるものの、総合的に見れば効率化を邪魔する行為といえます。システムが違えば操作性や運用方法、そのほかの取り決めなども違ってくるため、運用に多くの手間が生まれる可能性があります。
そういった深刻な問題を解決するために積極的に取り入れたいのが、システム(統合)運用管理ツールです。
システム(統合)運用管理ツールを導入するメリット
主に挙げられる導入のメリットとしては、以下のものがあります。
- 一元管理が可能
- 365日運用が監視可能
- ヒューマンエラーをなくせる
- アプリケーションがより快適に利用可能
- IT資産が一元管理可能
まず外せないポイントは、一元管理が可能になるという点です。まとめて管理することができれば、社内で多種多様なシステムを運用していたとしても、管理の手間を最小限に抑えられます。また、365日監視ができるようになることで、トラブル対処も迅速化します。
ほかには、ヒューマンエラーが原因となって生まれていた無駄な作業を減らせることなどもメリットといえるでしょう。また、アプリケーションごとにスペックの調整を行うことでパフォーマンスが良くなり、快適性が上がることも魅力です。
そしてIT資産をまとめて管理できることも大きなメリットとして考えられます。ハード・ソフトそれぞれのデータを効率的に管理することが可能になるため、各システムの最新バージョンへの更新などにも素早く対応できるでしょう。
システム(統合)運用管理ツールの選び方や注目ポイント
続いて、システム(統合)運用管理ツールを選ぶうえでの基準を整理していきましょう。製品にはさまざまなものがあり、特徴や魅力も製品ごとに異なります。以下の基準を参考にしたうえで、自社にマッチしたものを選定しましょう。
- 利用目的
- 提供形態
- 管理者の負担をいかに減らせるか
ツールを取り入れる際には、まず目的や理由を明らかにする必要があります。そのうえで目的を達せられるものを確実に選んでいくことが大切です。
また、システム運用管理ツールの提供形態はオンプレミスなのかクラウドなのか、具体的な運用方法をチェックしたうえで最適なものを選ぶことも重要です。
オンプレミスはカスタマイズの自由度が高いためより自社に合ったものにしやすいのが利点ですが、初期コストがかさみやすいことなどは難点です。クラウドで提供されている製品は社外からでもアクセスしやすく導入も比較的手軽ですが、セキュリティ課題が残ることやカスタマイズ性の面ではオンプレミスに劣るという難点が見られます。
これらの点を詳しくチェックしたうえで、管理者の負担をいかに減らせるかというポイントをくまなくシミュレーションし、最適といえるシステムを見つけることが大切です。
おすすめシステム(統合)運用管理ツールを比較
では実際に導入を検討する場合に参考にしておきたい項目として、おすすめのシステム(統合)運用管理ツールを紹介していきます。特徴をよく比較したうえで、自社の業務や体制にマッチしたものを見つけていきましょう。
おすすめ製品は次のとおりです。
- robostein
- JP1
- SmartStageサービスデスク
- Hinemos
- ManageEngine OpManager
- X-MON
- SAMS
- Azure
それぞれの特徴や機能、おすすめポイントなどを下記で解説します。
robostein(ロボシュタイン)
RobosteinはIT運用業務の効率化やオートメーション化をサポートしてくれるシステム運用管理ツールです。直観的に利用できるという点が非常に実用的で、管理者の負担を大幅に軽減してくれます。
数多く存在するシステムやサービスを併用することで、確認に多くの時間がかかってしまっている場合は、その管理体制を一つにまとめてくれます。自動化効率がどれだけアップしているのかを見える化してくれるため、わかりやすいのも魅力です。
また、日本企業が提供しているため国産のシステムで操作に困らない・品質に安心できるという点も、人気を呼んでいるポイントです。
JP1
業務自動化や稼働監視、インフラ管理などの業務を効率的に行ってくれるシステム運用管理ツールのJP1は、
- サービスとして
- クラウドを支える
- IT運用に革新をもたらす
この3点の価値を提供しているのがポイントです。キーワードは「JP1 as a Service」です。オートメーション化、モニタリング、コンプライアンスの3つの分野において、多数の社内システムをまとめ上げて効率化をもたらします。
クラウド運用で社外からでもスムーズに活用できるのも魅力です。人の手に依存しないからこそ、従来発生していたようなヒューマンエラーを減らせます。
SmartStageサービスデスク
ITツールの管理を効率よく行うことに特化したSmartStageサービスデスクは、大手企業にも数多くの導入実績を持つ人気のシステム運用管理ツールです。ツールとしての柔軟性は非常に優れており、既存の運用体制を邪魔することなく取り入れられます。
提供形態はオンプレミスとクラウドどちらにも対応しており、自社の業務形態にあわせて選べるようになっています。インターフェースはバリエーション豊富に用意されているため、外部で利用しているサービス・システムともスマートに連携を済ませられます。
Hinemos
システム統合には自動化・一元管理の機能に優れているHinemosもおすすめです。Hinemosも安心の国産ツールとなっており、それでいてグローバル対応でもあるため海外進出企業でも便利に取り入れられます。
さまざまなタイプのデータを効率的にまとめあげるため、情報共有や管理がとてもスムーズになります。加えて、システム運用管理ツールとしてオールインワンパッケージとなっているため、管理や監視の業務を一つのツールで簡単に効率化可能です。
ManageEngine OpManager
国内ナンバーワンの実績を持つネットワーク監視ツール・ManageEngine OpManagerは、ITインフラをまとめて管理できるため効率化を図るのにはぴったりです。年間23万円ほどの予算から取り入れられるため、コストを必要最小限に抑えたうえで監視を効率化できます。利用料金が監視するデバイス数に沿って定められており、コストを把握しやすいのもポイントです。
また、装置テンプレートは1万以上にも及び、体制に合ったものは非常に選びやすくなっています。導入後は最短で10分で監視をスタートさせられるため、スムーズにツールを取り入れたいときにはおすすめです。ユーザーフレンドリーな操作性も魅力です。
X-MON
システム(統合)運用管理ツールとしては、X-MONもおすすめです。ネットワーク管理の手間を大幅に減らせて、監視をさらに効率化できます。見やすくわかりやすい機能がそろっていることでも知られ、企業だけでなく学校や官公庁などにも導入実績があるのもポイントです。
トラブル発生時には、当該端末を素早く再起動し、復旧に一定以上の時間がかかるときは管理者に素早く知らせてくれます。そのうえで上長にも通知するなど、迅速なエスカレーション機能が備わっているのも大きな特徴です。監視の負担をより抑えたいときにはもってこいのツールとなるでしょう。
SAMS
365日監視・管理体制を敷き、即時検知の機能を備えているSAMSは、一次対応・障害対応、レポート作成を人間に代わって行ってくれます。自社で管理する手間が省けるため、コスト削減に大きくつながるのが特徴です。
障害などによる社内トラブルを未然に防げるという強いメリットがあるため、システムの監視体制を強化したいときには積極的に導入を検討すべきツールといえるでしょう。
Azure
MicrosoftのAzureには、監視の管理ツール、構成の管理ツールなどさまざまな製品があります。ネットワークのパフォーマンスに問題が発生すれば、素早く検知・診断を行えるため、管理者の負担軽減につなげることが可能です。
加えて、AzureのNetwork Watcherでは、サイバーセキュリティの体制強化やあり方の研究に米ドルで10億を超える投資をしてきています。そのため信頼性が高いのがポイントです。あらゆる有名企業の導入実績を持っているのも魅力といえるでしょう。
まとめ
システム(統合)運用管理ツールを取り入れることで、業務効率化につなげられたり、ヒューマンエラーを排除できたりとあらゆるメリットがあります。記事内では紹介しませんでしたが、MicrosoftのAzureでも、システムの一元管理や監視体制の強化を促進したうえでコスト削減や業務効率化につなげることが可能です。
ビジネスの新しい可能性を見いだすためにも、システム(統合)運用管理ツールの導入を積極的に検討しましょう。