ビジネス向けのSkype for Business、一般ユーザー向けのSkype、どちらもMicrosoftが提供するコミュニケーションツールの一つであり、前者はOffice 365を構成するサービスの一つとしても提供されています。
今回のテーマは表題通り「Skype for BusinessからSkypeへの連絡は可能か?」ですが、ビジネス向けのSkype for Businessから一般ユーザー向けのSkypeに連絡することは可能なのでしょうか?また、その逆は可能なのか?
Skype for BusinessとSkypeの違いについて整理しつつ、気になる疑問を解消していきたいと思います。
Skype for BusinessとSkypeの違い
ビジネス向けと一般ユーザー向けというからには大きな違いがある両サービスですが、第一に大きな違いと言えば利用規模の大きさです。
Skypeでは最大25人でグループチャットを行えるのに対し(ビデオ通話は最大3人)、Skype for Businessでは最大250人でオンライン会議を行えるため、大規模な会議もオンラインで開催することができます。
さらに最大1万人のブロードキャスト会議など、利用規模の大きさはSkypeの比ではありません。
また、セキュリティに関しても大きな違いがあります。Skype for BusinessとSkypeはそもそも別々のシステムとして運用されているものであり、Skype for Businessでは以下のようなセキュリティを提供しています。
- 管理者権限により外部との通信を制御
- オンライン会議、インスタントメッセージ、添付ファイルなどを暗号化
- Active Directoryとの連携による多要素認証で成りすましを防止
- 多層防御の取れた安全なデータセンターでのシステム運用
このようにSkype for Businessでは高いセキュリティを提供しているため、情報漏えい問題を考慮しなければならない企業に取って、やはりSkypeよりもSkype for Businessの方が遥かに利用価値のあるサービスだと言えます。
Skype for BusinessからSkypeへ連絡するには?
Skype for BusinessとSkypeの違いについて紹介したところで今回の本題に移りますが、結論から言えばSkype for BusinessからSkypeへの連絡は可能です。ただし、連絡できるようにするためにいくつか注意事項があります。
SkypeとMicrosoftアカウントをリンク
まず、Skype for Businessアカウントから連絡するSkypeアカウントは、Microsoftアカウントとリンクされていなければなりません。
Microsoftアカウントとは一般ユーザー向けに提供されているオンラインOfficeや、OneDriveといったサービスを利用するために無料で提供されているアカウントです。ちなみに旧称を「Windows Live ID」と言います。
リンク方法は簡単であり、起動したSkypeのログイン画面でMicrosoftアカウントのIDとパスワードを入力します。するとSkypeアカウントを新規作成するか既存アカウントとリンクするかという選択肢が表示されるので、リンクを選択しSkypeアカウントのIDとパスワードを入力して終了です。
これでSkype for BusinessからSkypeアカウントを追加することができるようになります。
Skype for Businessで外部との通信を有効にする
Skype for BusinessからSkypeへの連絡を可能とするためのもう一つの作業は、Skype for Businessで外部との通信を有効にすることです。
デフォルトでは(恐らく)外部との通信を無効にしている状態なので、これを有効にしなければSkype for BusinessからSkypeへの連絡はできません。
Skype for Businessで外部との通信を有効にするための手順に関しては、Microsoftサポートをご参照ください。
SkypeからSkype for Businessへの連絡は可能?
Skype for BusinessからSkypeへの連絡は可能であることが分かりました。そのための作業も簡単です。では逆にSkypeからSkype for Businessへの連絡は可能なのでしょうか?
答えは「Yes」です。SkypeからSkype for Businessへの連絡も可能であり、連絡するための手順も変わりません。
SkypeアカウントとMicrosoftアカウントのリンク、Skype for Businessでの外部との通信を有効にした状態で、Skypeの検索欄にSkype for Businessユーザーのメールアドレスを入力します。
検索結果から該当連絡先を選択して「連絡先に追加」をクリックすれば、Skype for Businessアカウントとして連絡先に表示されます。
あとはSkypeを普段使用するように、無料のオンラインチャットを実行するだけです。
その他Skype for Businessのメリット
最後に、Skype for Businessを導入することで得られるメリットをいくつか紹介します
時間と場所を選ばないオンライン会議
Skype for Businessはクラウドサービスとして提供されているため、ユーザーはインターネット経由でシステムを利用します。従って、利用する時間や場所を選びません。
ユーザーはどこにいたとしても、インターネットにさえ接続することができればいつでもオンライン会議へ参加することができます。
また、前述の通りセキュリティ性が高いため、無料のWi-Fiスポットでも利用できるのも大きなメリットです。
一部始終を記録できるレコーディング機能
Skype for Businessではオンライン会議や音声会議の一部始終を録音することができます。
録音した音声をそのまま議事録として使用してもよく、社員教育のために各社員に配信しEラーニングとして使用するというのも一つの活用方法です。
オンライン会議活用による経費削減
Skype for Businessを導入すると、ちょっとした会議のために出張や外出を行うことがなくなります。デスクから動かずすぐに会議へ参加することができるので、大幅な経費削減と時間効率化に繋がります。
業界業種によっては中小規模の企業でも、従業員を頻繁に出張させなければならないケースが多いので、この場合経費削減率は非常に高くなります。
まとめ
いかがでしょうか?Skype for BusinessからでもSkypeへの連絡は難なく可能なため、取引先やよく連絡の取る人物がいた場合、Skypeアカウントを所持しているかをまず確認してみてください。Skypeを使ってコミュニケーションの効率化を図っていきましょう。