オンライン会議システムとして世界的に普及しているSkype for Businessは、Microsoftが提供するOffice 365の一部として提供されているサービスです。
Skype for Businessを利用することで、企業は大幅な業務効率化が期待でき、出張費やコミュニケーションコストを削減することができます。
さらに、企業によっては「オンライン会議システムと外線を統合したい」というニーズがあります。
Skype for Business以外にも数多くオンライン会議システムが提供されていますが、外線発信が可能な製品は限られています。
そこで今回は、Skype for Businessでの外線発信は可能なのか?また、Skypeクレジットの移行などを紹介していきます。
Skype for Businessを外線電話で利用
結論から言うと、Skype for Businessで外線発信は可能です。そのためには、PSTN通話を契約する必要があります。
PSTN通話とPSTN会議
Skype for BusinessではPSTN通話に加え、PSTN会議という類似した名称のサービスを提供しています。
まずPSTN通話とは前述したように、Skype for Businessのシステム上で外線発信を可能とするサービスです。対してPSTN会議は、携帯電話(ガラケー)からオンライン会議に参加できる、言わばダイヤルイン会議サービスです。
類似した名称で提供されているので、検討は注意していただきたいと思います。
そして、PSTN通話は現在、国内では提供されていないサービスの一つです(PSTN会議は利用できます)。
日本でPSTN通話を利用するためには?
国内では基本的に利用できないPSTN通話ですが、それはSkype for Business Onlineに限定した話です。オンプレミスでSkype for Businessを導入している場合、オプション追加により外線発信が可能となります。
つまり、以下のような環境であれば、Skype for BusinessでPSTN通話を利用することが可能です。
- Skype for Business の全ての機能をオンプレミスで構築する
- Skype for Business の外線機能のみオンプレミスで構築し、外線以外の機能は Skype for Business Online を活用する(いわゆるハイブリッド構成)
社内リソースに限りのある企業でも、Skype for Businessの全機能を構築する必要がなく、PSTN通話のみオンプレミスで構築することで、効率的かつ低コストな外線発信が可能となります。
Skype for Businessで外線発信を利用するメリットは?
わざわざSkype for businessと外線発信を統合させなくとも、別々のままでも困らないという意見はあるかと思います。事実、オンライン会議システムと外線が統合されていなくとも、大きな問題となることはありません。
では、なぜSkype for Businessで外線発信が提供されているのか?あるいはそのようなニーズがあるのか?答えは単純で、Skype for businessと外線を統合することで、大きなメリットがあるからです。
音質が安定する
Skype for Businessはオンライン会議システムであり、場所を問わずフェイストゥフェイスで会話できるというメリットがあります。これにより、毎月の出張費やコミュニケーションコストを削減することが可能です。
ただし、デメリットがあることも忘れてはいけません。インターネット環境に障害が発生した場合、あるいは意図せず完全に切断されてしまった場合、Skype for Businessによるオンライン会議が困難または不可能となります。
しかしPSTN通話なら、公衆回線網を使用しているので、インターネット環境に依存しないコミュニケーションを可能とします。
従ってインターネットが不安定な場合や、災害などで完全にインターネットが使用できない場合などでも、PSTN通話を利用して重要会議に出席したり、安否確認などを迅速に行うことができます。
コミュニケーションを一元化できる
Skype for Businessと外線を統合することで、全てSkype for Businessのインターフェース上から操作することができます。
社内のオンライン会議に出席する場合も、電話回線を使用して取引先に連絡を入れる場合も、どちらも同じ画面から参加/発信することが可能です。
オンライン会議や外線発信は日常的に発生する業務であることから、ちょっとした効率化が年間で数十時間以上の時間短縮を生むこともあります。
Skypeクレジットの移行はできるのか?
Skype for Businessは法人向けに提供されているオンライン会議システムであり、一般コンシューマ向けにはSkypeが提供されています。このSkypeをビジネスに取り入れ、社内外とのコミュニケーションに活用している企業も多いかと思います。
特に、Skypeクレジットを使用した外線発信は低料金で通話ができるため、重宝している企業も少なくないでしょう。
しかし企業規模が大きくなるにつれ、Skypeではニーズを満たし切れなくなる可能性があります。
そこでSkypeからSkype for Businessへの移行を検討する企業が多いのですが、「SkypeクレジットをSkype for Businessへ移行できるか?」という問題が生じます。
実は、SkypeとSkype for Businessは類似した名称でも異なるサービスであり、アーキテクチャもまったく違うためSkypeクレジットを移行することができません。
別々のシステムとして運用しているものなので、アカウントを引き継ぐということもできないのです。
Office 365としてのSkype for Business
Skype for Businessは単体でも導入できるサービスですが、Office 365の一部として導入することでさらに高い効果を得ることができます。
例えばOutlookから直接オンライン会議を予定できたり、オンライン会議をしながらOfficeファイルの共同編集を行ったりと、コミュニケーションを加速し、様々な業務効率化効果があるのです。
また、Office 365はExcelやPowerPointといった、ビジネス上欠かせないOfficeアプリケーションまで提供しており、ライセンス管理を簡素化するというメリットもあるのです。
まとめ
いかがでしょうか?今回はSkype for Businessから外線発信を利用できるかや、利用するための方法などについて紹介しました。多くの企業で統合的なシステム環境が求められているように、コミュニケーションの一本化も多くの企業が持つニーズの一つです。
社員から見ても、コミュニケーションが一本化されるメリットは大きく、無駄な手間を省いて労働生産性を向上することができます。
社内外でのコミュニケーションを加速させ、さらに効率的な連絡を可能とするためにも、Skype for Businessの外線発信をぜひご検討ください。