オフィスという固定の場所に縛られることなく仕事をするのは、会社にとっても社員にとっても多大なメリットがあります。リモートワークは生産性向上やコスト削減効果が期待でき、ワークライフバランスを整えることで仕事に対する意欲も向上するので、適宜取り入れると組織全体の活性化が期待できるでしょう。
導入にあたり、欠かせないのが遠隔地で働くワーカーと、オフィスで働くワーカーを繋ぐためのツールです。いわゆるコミュニケーションツールの導入は、リモートワーク成功に欠かせない鍵となっています。
しかしながら、市場で流通している製品が多すぎて、一体どれを導入すればリモートワークを促進できるのかが分からないという方は多いでしょう。ここではそんな悩みを解消するために、リモートワークに便利なツールを5つのカテゴリに分類してご紹介します。
ビジネスチャット
テキストメッセージの主流は今やメールではなく、ビジネスチャットへと移行しています。LINEのようなインターフェースで行われるやり取りは、時系列で記録され遡るのも簡単です。何よりリアルタイム性に優れているので、ちょっとしたミーティングなどはビジネスチャットで十分に実行できます。ファイル共有はもちろん、音声や動画などの共有も可能であり、ビジネスメールのように形式ばった文章は不要です。
Microsoft Teams
Office 365で提供されているMictosoft Teamsはビジネスチャットであり、その他チームのコミュニケーションを支えるための機能が統合的に備わっています。
Skype for Business
同じくOffice 365で提供されいるSkype for Businessはコンシューマ向けチャットツールSkypeのビジネス版であり、単体での導入も可能。高度なWeb会議機能が中心です。
Slack
エンジニアに人気のある開発現場向けのビジネスチャット。ソースコードの共有も行え、数百種のアプリと連携するのも特徴です。
Chatwork
国内企業が提供する国産ビジネスチャット。インターフェースがシンプルで使いやすく、包括的な機能を備えています。
LINE WORKS
LINEのビジネス向けチャットツール。LINEに類似したインターフェースで馴染みやすく、使いやすい一品です。
Web会議
リモートワーク時に問題になるのが、テキストベースのコミュニケーションだけでは情報共有力が不足するという点です。これをWeb会議が補います。パソコンを通じて対面でのコミュニケーションが可能であり、音声通話にも対応。離れた場所にいてもミーティングに参加できますし、クライアントとの打ち合わせにも使えます。出張の多い会社では交通費削減効果も期待できるでしょう。
Skype for Business
Office 365で提供されているWeb会議。最大250人での同時接続が可能であり、プランによって最大1万人に向けたブロードキャスト配信もできます。
Zoom
外国産のWeb会議。日本語対応もしており、クリアな音声と映像に定評があります。価格は高めです。
Googleハングアウト
Googleが提供するWeb会議。最大25人での同時接続が可能で、上位プランでは50人同時接続できます。
ファイル共有
リモートワークでは離れた場所にいるもの同士が仕事をすることになるので、ファイル共有を実現するクラウドストレージ等の導入は絶対です。メールを使った共有では時間がかかり過ぎ非効率的です。クラウドストレージならインターネットを介して同じストレージ領域にアクセスできますし、セキュリティも確保できます。また、ストレージ上でのファイル共同編集も可能なので、Web会議と合わせて使用すればコミュニケーション効率がアップします。
OneDrive for Business
Office 365で提供されている個人向けのビジネス版となるクラウドストレージサービス。OneDrive for businessでは最大1TBの領域がユーザーごとに与えられ、外部ユーザーを招いての共有も可能です。
SharePoint Online
Office 365で提供されている組織向けのポータル型のクラウドストレージ。SharePoint Online上でのファイル共同編集が可能であり、サイト作成機能で社内ポータルを簡単に作れます。
Dropbox Business
Dropboxを改良したビジネス向けのクラウドストレージ。組織で利用できりょうにセキュリティ機能を強化しています。
Box
セキュリティを重視したビジネス向けのクラウドストレージ。Businessプラン以上は容量無制限で利用できます。
バーチャルオフィス
あまり耳馴染みのないツールですが、バーチャルオフィスは仮想的なオフィス空間を作ることで、オフィス内にいるかのようなコミュニケーションを目指したツールです。特定のメンバーでやり取りをする従来のビジネスチャットとは違い、仮想的なオフィス空間に在席する社員が互いの存在を認識しつつ、自由に集まって会話ができます。誰と誰がコミュニケーションを取っているかが可視化されるので、各自が任意で会話に参加でき、離れた場所にいてもチームの一体感が生まれるでしょう。
Remotty
カメラを使って顔を自動撮影し共有する機能や、各メンバーが自由に集まって雑談できるチャット機能を搭載したバーチャルオフィスです。
Sococo
オフィス図面を上から眺めたようなユーザーインターフェースが特徴であり、会議質への移動やドアの開閉なども再現したバーチャルオフィスです。
勤務管理
物理的に離れた場所にいると、マネージャーの管理下に社員を置くことが難しくなりますし、しっかりと仕事をしているか?働きすぎていないか?など、それによって起こる問題もいろいろとあります。そこで利用したいのが勤務管理です。リモートワーム向けの勤務管理は業務時間計測や、業務視覚化に特化したものが多いでしょう。
F-Chair Plus
シンプルな機能性を持つ勤怠管理。リモートワーク中の着席・退席をワンクリックで記録でき、細かい時間も正確に計測できます。
Worksnaps
グローバルに対応した勤怠管理。画面キャプチャの自動撮影やプロジェクト単位での計測、日本語には対応していませんがグローバルチームにおすすめです。
適切なツールを選ぶには?
リモートワーク導入にはいろいろと課題もありますし、その中でも特に重要なのがコミュニケーション促進や労務管理です。物理的に離れ、マネージャーの目の届かないところにいる社員をどう管理し、オフィスワーカーとのコミュニケーションをどう図るか、導入計画の大半をこの件に費やすのではないでしょうか?もちろん、各種ツールの導入も不可欠と言えるでしょう。
その際は、会社がリモートワークを実施する目的を明確にした上で、どんなツールが必要かを要検討し、自社に適切なツールを選ぶことが大切です。まずは、リモートワーク導入時に発生するであろう問題を整理した上で、それを解決するツールを定義していきましょう。
さらに、機能面での要件定義も実施して、要件に沿ってプロジェクトを進めていきます。本稿でご紹介した内容が、その手助けになれば幸いです。