業務効率の向上に向けた取り組みはどんな企業にも必要なことです。しかし、改善のための施策といってもどのようなことをすればよいのかわからず悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。ここでは、業務効率化ツールを利用するメリットや、おすすめのツールを紹介していきます。
そもそも業務効率化ツールで何ができるのか
業務効率化ツールにも様々な種類があり、それぞれにできることや期待される効果も異なります。ただ、あとで紹介するような広く利用されている業務効率化ツールは、導入すればテレワークも実践しやすくなり、人材不足下でも業務効率化による生産性の向上が狙えます。
その理由としては、「コミュニケーションが活発になる」「プロジェクト管理等が行いやすくなる」「営業・マーケティング活動の効率が上がる」といったことが関係しています。
コミュニケーションを活性化・効率化
業務効率化ツールには、コミュニケーションに特化したものも多く展開されています。チャットができるものもあれば、Web会議ができるもの、またその両方ができるものもあります。
業務の効率化を図るにあたっては、コミュニケーションの活性化・効率化は重要であり、特にリモートワークを実践するのであればチャット等の機能は欠かせません。また、リモート環境かどうかを問わず、チャットやオンラインミーティングができる機能は、業務全般をスムーズに進めるために重要です。
プロジェクト管理やタスク管理
業務効率化ツールの機能として、プロジェクト管理やタスク管理も基本的かつ重要なものであるといえます。業務の進行状況を可視化することで、効率的な運営が可能になるため、マネジメントコストの削減が期待できます。
プロジェクト管理等に特化したツールは、機能が複雑でないため導入ハードルが低いものも多いです。試用版を無料で使えるものも珍しくなく、実際に一度使ってみてから本格導入の判断ができるのも導入ハードルを下げる一つの要因です。
営業活動やマーケティング活動の効率化
業務効率化ツールによって、営業活動やマーケティング活動の効率化も狙えます。CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)といったツールであれば顧客管理や営業管理が容易になり、さらにデータ分析ができるようになることで活動の精度も上がります。
例えば、顧客の性質に合わせてカスタマイズしたメールを自動配信するなど、自動対応できる範囲が増すことで工数削減が期待できます。他にも、営業中案件・受注案件・不成立案件といった情報が一元管理できれば、営業活動の労力を減らすことも可能です。
おすすめの業務効率化ツール
導入するツールによって、できることは異なります。また、同じような機能を持つツールであっても、それぞれに強みが違うため、特徴を理解したうえで自社に合うものを選びましょう。以下では、選定の参考になるよう、おすすめの業務効率化ツールを紹介していきます。
Teams
Microsoft社が提供する「Teams」は、コミュニケーションの活性化・効率化を担うツールです。複数のメンバーとの共同作業を効率化する様々な機能が搭載されており、プロジェクト管理やタスク管理も可能です。Skype for Business onlineの提供終了に伴い、同社がTeamsへの移行を推奨していることからも、多くの方が利用を始めています。
Teamsは機能が豊富であることから、別途Web会議ツール等の導入をする必要がないというメリットがあります。また、Teamsを使ったWeb会議は、最大300人までと比較的大人数が参加できるのが特徴です。さらに、Microsoft365のアプリと連携が容易であり、ファイル共有がしやすいというのもTeamsの強みです。
Slack
「Slack」は、チャット機能が特徴のツールであり、コミュニケーションの活性化や効率化が期待できます。ビジネス用に設計されており、様々な業界における代表的なチャットツールです。
大企業から中小企業、個人まで広く利用されており、操作も手軽です。パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンなどでも操作が可能であり、いつでもどこでも利用できるため、業務効率を上げてくれるでしょう。
Slackは、単にチャットを行うだけでなく、リマインダー機能があることでスケジュール管理も円滑になるというメリットがあります。また、外部アプリと連携がしやすい点も魅力的です。外部アプリと組み合わせて利用することで、複数アプリをわざわざ起動させることなく、ファイル共有やタスク管理、カレンダー機能などを使えるようになります。
Asana
「Asana」は、プロジェクト管理に特化したツールです。プロジェクトやタスクを「To Do」や「進行中」、「完了」といったステータスで可視化でき、進行度合いに合わせた進捗管理ができるようになっています。
Asanaは、国内のみならず、グローバルに使用されているツールです。そのため海外進出している企業でも導入がしやすく、国産以外のクラウドサービスとも広く連携が取れるのは強みといえるでしょう。SlackやDropbox、Googleカレンダーといった多くのアプリとの連携が可能です。
Trello
「Trello」もプロジェクト管理ツールです。プロジェクトやタスクの進捗状況などをチームで共有しつつ管理や調整ができるため、業務効率の向上が期待できます。
Trelloは、直感的な操作が可能で、ITツールにあまり慣れていない方でも扱いやすいという特徴があります。カンバン方式という、実際のボードに付箋を貼り付けるような感覚でタスクの管理が可能です。チームでの利用はもちろん、個人的なタスクを忘れず着実にこなすためにも利用しやすいでしょう。
Salesforce
「Salesforce」は、CRMプラットフォームです。マーケティングや営業、コマース、サービスなどをすべての部署で共有でき、顧客一人ひとりの情報を一元管理することが可能です。
Salesforceは、複数の製品を組み合わせて利用します。例えば、営業支援に特化した「Sales Cloud」や、カスタマーサポートに特化した「Service Cloud」、マーケティングに特化した「Marketing Cloud」などがあり、営業やマーケティングに関して過不足なく効率化できるのが強みといえるでしょう。ツールのカスタマイズが可能なため、事業用途や目的の異なる企業であっても機能拡張を行うことで、自社にマッチさせた形で運用できるというメリットがあります。
HubSpot
「HubSpot」は、顧客管理に特化したツールです。営業活動・マーケティング活動の効率化ができるという意味では、Salesforceとも共通しますが、こちらはインバウンドマーケティングに強みがあるという特徴を持ちます。
インバウンドマーケティングは、顧客主導型のマーケティング手法と表現されることが多いです。WebサイトやSNSを活用して情報を提供し、そこから自社を見つけてもらうことによって見込み顧客の獲得・育成を行います。そして、その後の購買への誘導などもサポートします。
HubSpotでは、例えば見込み客の獲得に向けて、特別な知識がなくても効果的なWebサイトやランディングページが構築できるようになっています。その際は、SEOを踏まえた最適なコンテンツ案の提案、資料請求などのコンバージョンに導く施策の打ち出しもしてくれます。
業務効率化ツールを導入する際の注意点
業務効率化ツールの導入に際しては、あらかじめ導入目的を明確にしておきましょう。あくまでツールの導入は手段であり、ここが目的になってはいけません。何のためにツールが必要なのか、具体的にどのような機能が必要なのかをはっきりさせたうえでツール選定を行うべきです。
また、導入するツールが使いこなせる体制が整っているかどうかも確認しましょう。責任者や組織体制が出来上がっていないと、ツールの機能性は十分でも、スムーズな運用ができません。
ITツールに慣れていない従業員が多い場合や機能が豊富なツールを使う場合には、サポートの確認も大切です。どのようなサポートサービスがあるのか、有償なのか無償なのかといったところなどをチェックしましょう。
まとめ
業務効率化ツールを導入することで、コミュニケーションの活性化や、プロジェクトの管理・共有などを効率的に行えるようになります。業務効率化ツールには、営業活動やマーケティング活動の支援に特化したものもあり、多種多様です。自社の抱える課題を解決するために何が必要かをよく検討し、ツールの選定を行いましょう。