ビジネスにおいてスマートフォンは、今や欠かせない存在です。組織のコミュニケーションを高めるだけでなく、スマートフォンを利用してドキュメント編集を行ったり、見積管理を行うといったケースも少なくないでしょう。
Office 365は、そんなスマートフォン活用の幅を広げられるクラウドサービスの一つです。モバイル専用のOfficeアプリケーションをインストールしたり、オンラインのビジネスメールやファイル共有スペースを使ったりと、Office 365を導入することでこれまで以上にスマートフォンを有効活用できるでしょう。
そこで今回は、Office 365スマートフォン活用の基本と、便利な利用方法について紹介していきます。
Office 365はスマートフォンにどう活用できる?
Office 365が提供する目玉機能の一つといえば、定期契約で利用できるOfficeライセンスです。従来のOfficeライセンスは初期導入時の一括支払いだったのに対し、Office 365では月契約または年契約で利用します。
この契約形態の変化に対して「コストが高くなるではないか」と思われる方も多いでしょう。しかし、従来のOfficeライセンスが最大2台のパソコンにインストールできるのに対し、Office 365では最大5台のパソコン、5台のスマートフォン、5台のタブレットと合計で最大15台のデバイスにOfficeをインストールできます。従来のOfficeライセンスに比べれば、インストール台数は圧倒的です。
さらに、Office 365で利用するOfficeは定期的なアップデートにより機能の強化や追加が行われるため、サービスを契約している限り常に最新のOfficeを利用可能です。
そんなOffice 365の各プランの中で、スマートフォン用のOfficeを利用できるプランは次の5つになります。
- Office 365 Business
- Office 365 Business Premium
- Office 365 ProPlus
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E5
簡単なすみ分けとしては、Office 365 BusinessおよびOffice 365 Business Premiumが中小企業向けとなり、最大ユーザー数は300人です。それ以外のプランはユーザー数無制限で大企業向けと位置付けられています。
ただし、中小企業でも大企業向けのプランを契約するメリットは大いにあるので、Office 365で何がしたいかを明確にした上で、最適なプランを選択することが大切です。
Office 365のスマートフォン活用方法
それでは、Office 365の便利なスマートフォン活用方法をご紹介します。
管理者は必ずOffice 365 Adminアプリをインストール
「Office 365 Admin アプリ」は、移動が多い多忙なテナント管理者の強い味方です。同アプリケーションをスマートフォンにインストールすることで、通知の受信、ユーザーの追加、パスワードのリセット、サポートリクエストの作成などをどこからでも行えます。
Office 365を導入している企業の中には、テナント管理者が多忙で気づけばサービス利用ルールが守られていない、というケースも少なくありません。会社のポリシーを確実に適用するためにも、テナント管理者にとって必須アプリケーションです。
コミュニケーションツールを最大限利用する
Office Mobileが使用できるOffice 365プランのうち、Office 365 Business Premium、Office 365 Enterprise E3およびOffice 365 Enterprise E5は様々なコミュニケーションツールを利用できます。
たとえばビジネスメールサービスのExchange Onlineは、サーバ製品でもお馴染みのExchangeのオンライン版です。スマートフォンからでもビジネス用のOutlookを使用できたり、会議のスケジューリングなどが可能です。
他には、こちらもサーバ製品でお馴染みのSharePoint Online。インフラ投資やサーバ設置をせずとも、組織のファイル共有スペースを確保できます。もちろん、スマートフォンからのアクセスもできるので、社外にいても組織と同じファイル共有スペースを利用できます。
このように、Office 365にはOffice Mobileだけでなく、様々なコミュニケーションツールによって作業効率をアップしたり、組織のコミュニケーション力を高められます。
バックアップ先として利用する
Office 365を契約するとユーザーごとに1TBのオンラインストレージが付与されます。ちなみにこのストレージを提供するサービスがOneDrive for Businessです。このサービスは設定によって、スマートオンで撮影した社員をオンライン上に自動保存できます。
フィールドサービスを展開する企業などは、現場の写真撮影にスマートフォンを利用するケースも増えているので、OneDrive for Businessをバックアップ先に設定してデータ損失を回避しましょう。
MDM機能でセキュリティを高める
スマートフォン利活用が進むOffice 365では、同時にMDM(モバイルデバイス管理)機能を提供しています。そのため、単にスマートフォン活用の幅を広げるだけでなく、企業のモバイル端末活用におけるセキュリティ向上に貢献します。
スマートフォンをはじめとしたモバイル端末を活用する企業では、デバイスの紛失や盗難、あるいは社員の私用によるセキュリティトラブルが後を絶ちません。そのため、専用ソリューションとしてMDMを導入するケースもあります。
一方Office 365では、スマートフォン利活用を推進すると同時にMDM機能も提供しています。画面キャプチャ禁止やクラウドバックアップの禁止、診断データ送信の禁止などかなり細かくセキュリティポリシーを設定できます。
特に、ビジネスシーンで利用されることの多いiOS(iPhone)でのMDM機能が非常に豊富なので、セキュリティを大幅に強化できます。
スマートフォンも常に最新のOffice
継続的なアップデートで機能の追加や強化がされるOffice 365では、スマートフォン向けのOfficeでも同様に常に最新の状態が保たれます。そのため、メジャーアップデートがある度にOfficeを買い替えるような環境では、ライセンス費用の削減にもなります。
まとめ
皆さんの会社では、スマートフォンをどのように活用しているでしょうか?もしも、組織の簡単なコミュニケーションやデジタルカタログの持ち歩き、など最低限の活用だけでは非常にもったいないでしょう。Office 365を利用すれば、スマートフォン活用の幅を広げ、などかつセキュリティも向上します。現在スマートフォンをビジネスで利用しているという企業は、これを機にOffice 365によるスマートフォン活用をぜひご検討ください。