今年後半にリリース予定の次期バージョンOfficeスイートのOffice 2019。このOffice 2019がどういった立ち位置かというと、永続ライセンス型のOffice 2019を使用しているユーザーに向けてOffice 365で提供されている新機能を備えた新しいOfficeスイートといったポジションです。
4月にはプレビュー版の「Office 2019 Commercial Preview」がWindows向けにリリースされ、6月にはMac版もリリースされています。このプレビュー版を使用するための条件は、Office 2019をボリュームライセンスで展開することを検討している企業です。そのため、Office 2019リリース前にプレビュー版を使用してみたいという企業は多いでしょう。
ただし、Office 2019のプレビュー版では実はAccess 2019をサポートしていません。Accessユーザー企業からすると少し残念に思うかもしれませんね。次期バージョンのOfficeスイートにAccess 2019は含まれているものの、プレビュー版で使用できないとなると導入を足踏みする企業も増えそうです。
そこで今回は、Office 2019にてAccessがどのように変わるのか?その点についてご紹介します。
Office 2019とOffice 365の関係
Office 2019はマイクロソフトが提供する人気Officeスイートの次期バージョンです。しかし、これまでリリースされたOfficeスイートとは少し毛色が違います。その理由は冒頭で触れたように、Office 2019はOffice 365で提供されている新機能を備えたOfficeスイートということです。
従来のOfficeスイートは新しいバージョンがリリースされるごとに、新しい機能やデザインに初めて触れるのが通常でした。しかしOffice 2019で実装される新機能はすでにOffice 365で実装されているものがほとんどになります。もちろん中には、Office 365にもなかった新機能が登場します。ただしOffice 365ユーザーからすれば「Officeスイートが新しくなった!」というよりは、「新しい機能が追加された!」という感覚なのではないかと思います。
というのも、永続ライセンス型のOffice 2016は品質向上やセキュリティ向上のための更新プログラムが配信されるものの、新機能が追加されることはありません。Office 2016の機能はリリースされた当初からずっと同じということです。そのため永続ライセンス型のOffice 2016を使用しているユーザーと、Office 365を契約してOffice 2016を使っているユーザーとでは機能やデザインにギャップがあるのです。
永続ライセンス型のOffice 2016を使用しているユーザーからすれば、Office 2019を導入することは「Officeスイートが新しくなった!」という感覚になるでしょう。
Access 2019の新機能は?
プレビュー版がサポートされていないAccess 2019では、実際に使用することができないのでどういった新機能が追加されるかが謎のままです。しかし少しずつではありますが、Access 2019の実態が明らかになっています。
まずAccess 2019に追加される新機能のほとんどはやはりOffice 365で提供されているAccess 2016に実装されているものと同じということです。これは今年4月に開催された「Access DevCon 2018」にて発表されています。ここ最近リリースされたAccess 2016の新機能といえば「新しいグラフ」でデータを視覚化することと、Microsoft Dynamics 365およびSalesforceとのデータコネクタを追加したことでしょう。
Office 365では5月にリリースされたバージョン1805にて、Accessのグラフ機能が多彩化しています。新たに11種類のグラフが追加され、それらのグラフをフォームやレポートの追加してデータを視覚化することが可能です。ちなみにOffice開発チームはOffice 2016のMSGraph -ChartsとOffice 2019で追加されるModern Chartsを比較した動画コンテンツを公開しています。
Office 2019の全容はまだ明らかになっていませんが、徐々に追加機能などが発表されています。プレビュー版でサポートされていなくとも、そうしたニュースにアンテナを張ることでAccess 2019の全容は徐々に明らかになっていくでしょう。
Office 2019は古いOSでは使えない?
Office 2019の展開を検討している方に注意していただきたいのが、Access 2019の新機能よりも「Windows 10以外で使用できない」という重要なニュースです。マイクロソフトはOffice 2019がサポートするOSはWindows 10と最新のMac OSだけだと正式にアナウンスしています。
つまりWindows 8.1でもWindows 7でもOffice 2019を動かすことはできません。しかしマイナビニュースが毎月発表しているOSシェア情報※1によれば、最も高いシェアを持つOSはWindows 7でありWindows 10がそれに続いています。シェア率も7ポイント以上引き離しているので、Windows 10以外の環境を使用している企業はまだまだ多いことでしょう。
そうした企業にとってOffice 2019の展開は、同時にOS環境を一新することになります。これはOffice 2019展開以上のコストと負担がかかることなので、まだWindows 10を導入していないという企業はそれも含めてOffice 2019の展開を検討しましょう。
こちらの「Office 2010のサポート期限は?」も参考にしてください。