メールマイグレーションは簡単に見えて、課題が多く存在し、難しい項目の一つです。社内システムエンジニアも頭を抱えるような要件もあるでしょう。そんなメールマイグレーション作業に関して、ゼロフットプリントを実現しながら、効果的かつ安全にマイグレーションすることができる最適なサービスの紹介を行います。
今回はメールマイグレーションに適したQuest社の提供する「On Demand Migration for Email」について解説するため、マイグレーションを検討されている方は参考にしてください。
メール移行作業の課題
企業がサーバー切り替えを兼ねたメールのデータをマイグレーションする場合に、悩みとして捉えているのは以下のようなことです。
- メールだけではなく予定表も
- 業務に影響がないように作業中も問題なく稼働して欲しい
- マイグレーションの前後でメールのクラッシュが生じないか
- マイグレーションはコストや工数がかかり手間になる
このような理由から企業はなかなかメールマイグレーション作業に踏み切ることができません。通常の業務に影響がでてしまっては大きな損失につながりますし、過去のメールがマイグレーションの結果クラッシュしたとなれば、復旧は不可能です。
予定表や連絡先などの情報も合わせたい場合は、企業内部で行うには大きなリスクが伴うでしょう。予定表はプロジェクトマネージャともなれば数ヶ月先の予定まで考えている場合もあります。また、連絡先は取引先だけではなく社内の連絡先、メーリングリストなど、業務を効率化するために行われていることも引き継がねばなりません。
これを社内システムエンジニアで解決しようとすれば、コストだけの問題ではなく安全確認のために工数がかかってしまいます。一見簡単そうなメールマイグレーション作業というのは大きなリスクや課題が存在しているといえるのです。
結果的に、マイグレーション作業に踏み切れない企業は多く存在しており、作業の難しさや多くの課題があることが浮き彫りになります。
ゼロフットプリントの「On Demand Migration for Email」で移行作業を効率化
Quest社が提供するメールマイグレーションソリューション「On Demand Migration for Email」によって、作業は効率化することができます。このソリューションの特徴は、Gmailをはじめとしたさまざまなメールプラットフォームのデータのマイグレーションができることです。しかも、ソリューションのインストールや、メンテナンスは必要ありません。
「Office 365」やオンプレミス環境に存在しているExchangeに対して、ユーザーのメールデータを簡単にマイグレーションすることが可能です。課題となっていた予定表データや添付ファイルなどの維持も行われるためにデータロスが発生しません。
また、作業中であっても、メールボックスに対するユーザーからのアクセスは可能となっているため、日常の業務に支障をきたさないまま、進行することができます。SaaSアーキテクチャを採用していることから、複数のマイグレーションを同時に進めることも可能です。
ゼロフットプリントとはSaaSシステムのような特別なインストールを必要とせず、どんなシステムからでも利用が可能な、特別な領域を使用しないことを意味しています。
セキュリティ面に不安を感じるかもしれませんが、プロセス全体で企業の独自データや機密データの安全性は確保されるでしょう。これはプラットフォーム管理のISO/IEC 27001、27017および27018認証の範囲に含まれていることによって保証されています。
課題を解決しつつ、進行状況も確認することができる「On Demand Migration for Email」によって効果的に完了することができるでしょう。
On Demand Migration for Emailの特長
On Demand Migration for Emailの特徴は、以下のように豊富に存在しています。
マルチスレッド型で作業は行われる
「ZeroIMPACT」によってマルチスレッドで作業は行われます。複数の作業を同時に実行できることから、プロジェクトを予定していたタイムライン通りに進めることを可能にするのです。ラベルの変換
メールにはカテゴリやラベルが設定されている場合があります。これは個人の設定によるものですが、その構造を維持しつつ、マイグレーション後もカテゴリやラベルもしっかりと補完された状態で完了することが可能です。ゼロフットプリント
SaaSアーキテクチャによって、サービスのメリットをすべて備え、ソリューションをインストールして利用する必要がなく、メンテナンスの必要もない状態を指します。ライブロギング
気になるのが進捗状況です。例えば現在ステータスをはじめとした状態、詳細な項目など、それらの細かな情報をリアルタイムで監視することが可能となっています。直感的な管理
アクセス機能や、制御機能が機能しており、全体のステータスや、それらのアップデートに関してもリアルタイムで把握することが可能です。このほかにも重複削除やフィルタリングなどの機能も備えており、機能を利用すれば必要なメールだけを選択することや、余計なメールを削除するなどの機能も搭載されています。効率的かつ安全に実行を実現するツールといえるでしょう。
On Demand Migration for Emailの使い方
マイグレーションを実際に行ううえで、簡単に流れを知っておきましょう。重要なのはマイグレーション前の準備です。まずは準備の段階から、最終的な流れまでを解説し「On Demand Migration for Email」の使い方を紹介します。
マイグレーション前準備
まずは調査や評価を行わなければなりません。メール環境や対象の情報が何かを確認する必要があります。次にQuestの環境で行うのか、それ以外の環境で行うのかで作業は異なるでしょう。企業が選択した環境に合わせて指示に従ってください。事前準備ではQuestのOn Demand環境は工程が多いため、注意しましょう。
初回マイグレーション
On Demand環境で、初回でメールをすべてマイグレーションする場合は、メニューからMigrationを選択し、作成したプロジェクトを指定します。データの選択、対象のフォルダなどの条件を選択し、スケジュールを選択すると、それに従って実行されます。
差分マイグレーション
すでにマイグレーションを行った状態で、さらに追加したい場合は差分で作業を行います。設定内容は初回以降と大きく違いはなく、条件などを設定することで行われます。
メールボックスの切り替え
完了した状態では、メールボックスは元のままです。そのままでは意味がないため、転送先で使用できるようにボックスの切り替えを行います。メールを利用する場合は、接続先のメールアドレスに変更するなどの作業が必要です。
マイグレーション後作業
すべてが完了したら、ロールの権限と管理用アカウントを削除する必要があります。転送先でも同じように行う必要があるため注意が必要です。
ここまででマイグレーション作業は完了です。安全に完了するために、確認項目を忘れないようにし、手順を理解するのが良いでしょう。
メール移行対応表
メールシステムによって、マイグレーションできる内容に違いがあります。システムの紹介と、転送できる情報を記載していくため、参考にしてください。
- Exchange 2007
メール
カレンダー
連絡先
タスク
配布リスト - Exchange 2010, 2013, 2016, 2019
メール
カレンダー
連絡先
タスク
ルール
配布リスト
回復可能なアイテム - Office 365
メール
カレンダー
連絡先
タスク
ルール
配布リスト
回復可能なアイテム - Google G Suite
メール
カレンダー
連絡先
配布リスト - Zimbra 7, 8
メール
カレンダー
連絡先
タスク
配布リスト - IMAP
メール - POP/Hotmail
メール - Novell GroupWise
メール
カレンダー
連絡先
タスク
配布リスト - Sun ONE/iPlanet
メール
上記がメールシステムに対応した、転送可能な情報です。利用している環境によってはメールだけの内容のものあるため、可能な項目の理解には注意しましょう。
まとめ
マイグレーションの課題から、効率的にマイグレーションができるソリューションの紹介、順序からメールシステムによる対応内容まで解説しました。効率だけではなく、安全性、そして現状の作業への影響の有無など、考えることは多くあります。しかし、「On Demand Migration for Email」を利用することで、それらの問題を解消しつつ、安全なマイグレーションを可能にするでしょう。
また、ゼロフットプリントを実現したいと考えている場合にも、今回のソリューションが役に立つといえるでしょう。効果的で安全、効率的な作業を行いたい場合は「On Demand Migration for Email」の利用をおすすめします。