新しいコミュニケーションプラットフォームの「Microsoft Teams(以下Teams)」はすでに多くの方がご存知かと思いますが、すでに利用されていますでしょうか?
2017年3月14日に正式版がリリースされたTeamsは、チームや組織をダイナミックに連携させる「コミュニケーションのハブ」としてサービスが開始しました。以降、マイクロソフトはユーザーとの対話を繰り返しながらアップデートを加え、改善を続けてきました。そして3年半以上が経過した現在、マイクロソフトはSkypeに代わるコミュニケーションツールとして自信をもって推奨できる段階にあると考えています。
実は、Skypeは2021年7月31日にサポート終了がアナウンスされています。その日以降、Skypeへのアクセスはできなくなり、Teamsへの移行や他のコミュニケーションツールへの切り替えが必要になります。
中でもSkype for Business Online(以下Skype)を利用されている企業の方は、直前での移行でトラブルを起こさないように、段階的にTeamsへ移行することが推奨されています。
そこで本稿では、SkypeからTeamsへ移行するユーザー、どのように移行するべきか悩んでいるユーザーの皆様に向けて、乗り換える際のポイントについてご紹介します。合わせて「Skype for Business Server のサポートはどうなるのか?」についても説明しますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
なぜTeamsへ移行しなければいけないのか?
Office 365ユーザー、Skypeユーザーの中には「絶対にTeamsへ、移行しないといけないの?できればこのままがいいんだけど…」と、少なからず不満を持たれている方もいらっしゃるでしょう。確かに、現環境で満足がいっていれば、あえてTeamsへ移行する必要性は感じられないかと思います。
まず、Teamsへの移行が強制かどうかについて、現段階では必須というわけではありません。ただし前述のように2021年7月31日にSkypeのサポートが終了するため、それまでにTeamsへ移行する必要があります。
では、なぜTeamsへ移行しなければいけないのか?マイクロソフトではもともと、SkypeからTeamsへのロードマップを発表していました。つまり、Skypeに備わっている機能を徐々にTeamsに移行し、さらにTeams独自の機能を加えることで新しい価値を作り、SkypeをTeamsへ事実上統合する形になります。
Teams が提供開始される以前のOffice 365では、効率的なコラボレーションをかなえるためのサービスが多数提供されていたものの、それらは分断的な状況にあり、1ヵ所から必要な機能を使うことはできませんでした。これでは更なるコラボレーション効率のアップが望めないといことで、各サービスの主要機能を1ヵ所から利用できるTeamsが開発されました。
長年使ってきたSkypeをTeamsに移行するとなると、不安を感じることもあります。しかし、Teamsへ移行することでコラボレーション効率は格段にアップしますし、組織やチームでの仕事の進め方について再考する機会にもなります。
ですので、Teamsへの移行に不安を感じている方は、SkypeできることはすべてTeamsでできますし、コラボレーション効率アップのための新しい機能も多数搭載されているので、安心して移行して構いません。
SkypeからTeamsへ乗り換える際のポイント
それでは、SkypeからTeamsへ乗り換える際のポイントについて、マイクロソフトが公表している「Teams移行のガイダンス」から重要なポイントを抜粋してご紹介します。
TeamsとSkypeを並行的に利用できるか
SkypeからTeamsへ移行するにあたり有効活用していただいきたいのが、両サービスの「共存モード」です。既定の状態では、TeamsとSkypeで重複した機能があり、そのまま並行利用するとユーザーが混乱する恐れがあります。
共存モードでは、チャット・通話・会議の機能についてSkypeに変更を加えず、Teamsのコラボレーション機能を追加する形で並行利用できます。Teamsのチャット・通話・会議は無効になるので、完全な使い分けが可能です。
移行を「簡単」と考えないこと
SkypeからTeamsへの移行は、技術的側面から見れば簡単に行えます。しかしながら、組織やチームのコラボレーション基盤を移行するという面から見れば、決して簡単ではありません。
移行プロジェクトはまず、ユーザーがTeamsを受け入れることと、チームがプロジェクトに参画することが条件になります。管理者の独断で移行を進めるとユーザーやチームがTeamsへの移行について行けない可能性が高いため、全体を見渡しながらの移行が大切です。
Teams移行向けた環境の準備を整える
何事も準備が大切なように、Teams移行も例外ではありません。以下の手順に従って、環境の準備を始めましょう。
1. ITスタッフを準備する
Office 365のテナント管理者、技術リーダー、サポートデスクといったITスタッフでTeamsの概要を共有し、互いにユーザーをサポートする準備が整っているかを確認する。
2. 前提条件を確認する
Teamsには複数のOffice 365サービスが組み込まれているため、これらのサービスの適切な実装と運用は企業によって異なります。そのため、各サービスの全体条件について事前に確認しておくことが大切です。
3. 環境を評価する
Teamsへ移行する前に、現在の環境を評価します。その上で、移行によりコラボレーションやビジネスに与える影響を洗い出しましょう。
4. ネットワークを準備する
利用可能な帯域幅の不足、ファイアウォールとプロキシブロック、パケット損失によるネットワーク障害などによってTeamsのパフォーマンスが低下する恐れがあります。ネットワークについて改めて整理し、準備しましょう。
5. サービスを準備する
Teams用のOffice 365を準備する、Teamsのコア機能を構成する、ネットワークを構成するといった手順でサービスを準備します。
Teamsへの移行を開始しよう!
SkypeにできてTeamsにできないことはありませんが、TeamsにできてSkypeにできないことはたくさんあります。Skypeのサポート終了まで残り半年ほどとなりますのでこの機会に、Teamsへの移行をぜひご検討ください。