商品やサービスが当たり前のようにインターネット上で取引できる昨今では、「WEBマーケットプレイス」を利用する事業者が少なくありません。本記事では、WEBマーケットプレイスの基本から利用するメリット、国内外の事例などについて解説します。これからインターネットでビジネスを拡大したい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもマーケットプレイスとは?
「マーケットプレイス(Marketplace)」とは、インターネット上の取引市場のことです。「オンラインマーケットプレイス」と呼ばれることもあります。
売り手と買い手が取引できる機能を有しており、誰もが知る有名なマーケットプレイスといえば、やはり「Amazon」でしょう。事業者は手数料を支払い出品することで、多くのAmazonユーザーにリーチできます。
また、AmazonのようなBtoC向けのマーケットプレイスだけでなく、BtoB向けのものもあります。国内では建築資材のマーケットプレイスなどが存在します。売り手は営業コストを、買い手は調達コストを抑えられる点がメリットです。
なお、マーケットプレイスは「Eコマース(Electric Commerce)」という括りに分類されます。Eコマースには自社開発のほか、「Shopify」や「BASE」といったサービスを活用し、インターネット上で取引する形態も含まれています。
WEBやオンライン上のマーケットプレイスの事例
インターネット上での売り買いが当たり前になった今、消費者はさまざまな場所でマーケットプレイスと接しています。ここからは、いくつかのマーケットプレイスの事例をご紹介します。
Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング
まず、日常生活で利用している人が最も多いであろうマーケットプレイス、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の概要と特徴をそれぞれ解説します。
Amazon
Amazonは、いわずと知れた米国発のネット通販サイトです。売り手が店舗を構えられる楽天市場やYahoo!ショッピングとは異なり、売り手はAmazonに商品を出品します。店舗としての運営コストが発生せず、手軽に商品を1点から販売できます。小規模の販売量であれば月額固定費が不要で、手数料のみの負担で販売が可能です。
販売業務だけでなく、商品の保管・梱包・出荷・配送・返品を一貫して行う「フルフィルメント by Amazon」というサービスを提供していることも、Amazonの強みのひとつです。
楽天市場
楽天が運営する楽天市場では、売り手側の利用者が自身の店舗を楽天市場に出店し、運営します。そのため、店舗としての個性が出しやすいマーケットプレイスです。
ポイント還元率の高さが特徴で、毎月5と0の付く日は還元率が5倍になったり、楽天カード利用者であればさらに還元率が上乗せされたりするキャンペーンを定期的に開催しています。AmazonやYahoo!ショッピングにも共通することですが、マーケットプレイスの利点は、こうしたキャンペーンによる集客力の恩恵を受けられることでしょう。
また、楽天市場に特化した支援サービスも存在しており、そうしたサービスの利用によって売り上げ拡大を目指すことも可能です。規模が大きいWEBマーケットプレイスほど、ノウハウが公開されていたり、情報交換できる同業者がいたりする傾向にあるといえます。
Yahoo!ショッピング
検索エンジンで有名なYahoo!が運営するYahoo!ショッピングも、楽天市場と同じく出店型のマーケットプレイスです。しかし、こちらは初期費用・月額利用料がかからないという点で異なり、出店のしやすさが特徴です。短期間の出店も可能なので、実験的な出店やポップアップのための利用にも向いているといえるでしょう。
AirBnB
マーケットプレイスが対象とするのは、物の売り買いだけでなく、宿泊をはじめとした体験も含まれています。ここでは代表例として、民泊プラットフォームである「AirBnB」をご紹介します。
AirBnBは、同じく宿泊予約サービス「Booking.com」と肩を並べる、世界最大級の民泊プラットフォームです。空き部屋を貸したい人(ホスト)と、部屋を借りたい旅行客をつなぐサービスで、ホストは宿泊部屋の写真・料金・アメニティといった情報や説明文をタイトル付きで掲載すると、宿泊予約を受けられます。賃貸とはまた違った形で、気軽に不動産運用ができるサービスといえるでしょう。
ebay
日本から海外向けにネット通販を展開することを「越境EC」といいます。その越境ECを気軽に始められるマーケットプレイスが、米国のオークションサイト「ebay」です。展開国は世界約190ヵ国にもおよび、出品数と出品カテゴリーの豊富さが特徴のひとつです。
ebayの利用方法は非常にシンプルで、アカウント登録をして、商品を出品するだけです。日本製品がよく売れる傾向にあり、前もって商品リサーチを入念に行えば、売れ筋商品をつくることも難しくありません。また、海外発送のオプションが複数あるという、越境ECに特化した強みを持っている点も特徴です。
WEBマーケットプレイスのメリット
地理的な条件に制約を受けないWEBマーケットプレイスには、さまざまなメリットがあります。以下では、WEBマーケットプレイスの主なメリットについて見ていきましょう。
販売を素早く開始できる
WEBマーケットプレイスの主なメリットとしては、まず気軽に素早く販売を始められる点が挙げられます。
実店舗で商品を販売しようとした場合、そこには当然、物件の手配や初期費用といったコストが大きくのしかかります。また、自社でECサイトを立ち上げる場合も、ECサイト構築サービスを使うか自社開発するか、サイトの見せ方はどう工夫するかなど、検討事項が多数あります。
その点、WEBマーケットプレイスは在庫管理・決済・配送などのフローなどがすでに確立されており、さまざまな点でメリットを享受できます。たとえばAmazonであれば、アカウント登録をすれば1商品から販売が可能です。
専門技術者が不要
WEBマーケットプレイスでは、手数料やサービス利用料を主な収益としています。そのためユーザーが増えやすいよう、専門技術がない人でも利用できる設計がなされています。SNSをチェックするように在庫管理や顧客とのコミュニケーションができるほか、マーケティング施策も簡単な手続きで実行できます。そうした販売に関するあらゆる業務が、同一の管理画面上で操作できるのです。
既存のサードパーティプラットフォームを活用できる
通常、独自のブランディングで固定客を獲得していくには、相応の手間や時間、コストがかかりますが、Amazonや楽天市場などのプラットフォームには、すでに売り手・買い手ともにたくさんのユーザーがいます。決済サービスなどとも連携し、それぞれのプラットフォームに固定客がいる状況です。それゆえ多くのユーザーにリーチできる点も、WEBマーケットプレイスを利用する大きなメリットといえます。
サブスクサービスぽちすまの魅力とは
現在では、サブスクリプションサービスを展開したい企業向けのWEBマーケットプレイスも存在しています。ウチダスペクトラム株式会社が運営する「ぽちっ@SMART(通称ぽちすま)」は、簡単な登録だけで見積・購入が可能な、サブスクリプションに特化したWEBマーケットプレイスです。簡単な審査を受けるだけで、業務効率化に貢献する「Microsoft Cloud Solution Provider(Microsoft CSP)」にアクセスできます。Office 365やAzureをはじめとするさまざまな製品を取り扱っており、画面上の手続きを進めるだけでそれらサービスの利用が可能です。
まとめ
始めやすいWEBマーケットプレイスを利用したインターネット上のビジネス。それは、インターネット上で物やサービスを売り買いする工夫にコストをかけず、商品やサービスの品質向上にコストをかけられるということでもあります。ぜひ、積極的にWEBマーケットプレイスの利用を検討してみてください。