業務効率化

業務量の改善方法とは?業務量の可視化や測り方から改善方法まで徹底解説!

働き方改革が社会的に求められる今、長時間労働の抑制に取り組むことは企業の社会的責任のひとつとなっています。長時間労働を減らすには、従業員が抱えている業務内容や業務量を把握し、業務量を増やしている原因に対処することが必要です。本記事では、業務量の可視化・測り方からその改善方法まで分かりやすく解説します。

業務量の改善方法とは?業務量の可視化や測り方から改善方法まで徹底解説!

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業務量を改善して組織の生産性を向上させる

そもそも企業が業務量を改善する意義は何でしょうか。まず、従業員の業務過多は企業にとって次のようなリスクを発生させます。

従業員の健康への悪影響

厚生労働省の資料によれば、残業や休日出勤などの時間外労働が月45時間を超えると、従業員に健康障害が起きる可能性が徐々に増してきます。とりわけ月100時間または2~6か月間の時間外労働平均時間が80時間を超える場合はハイリスクです。
このような観点から、2020年にはすべての企業が時間外労働時間を原則月45時間まで抑えるようにと労働基準法が改正されました。つまり、業務過多を減らして従業員の時間外労働時間を抑えることは、企業に課せられた法的な義務なのです。

業務上のミスの増加

業務過多は従業員の業務品質にも悪影響を及ぼします。抱えている業務が増えれば増えるほど、ひとつひとつの業務を丁寧に行うことが難しくなるのは必然です。業務量が従業員の処理能力を超えるほど過大になれば、ヒューマンエラーが頻発し、製品やサービス品質の悪化に繋がります。
これによって顧客からのクレームが増加したり、自社の信用が下がったりすることも懸念されます。最悪の場合は、従業員が業務中に事故を起こしたり、不良品を使用した顧客が何らかの被害に遭ったりと、深刻なトラブルに発展するリスクも否定できません。

離職率の増加

過重な業務負担を課すことは、従業員満足度の低下につながり、最終的には離職率の増加をもたらします。離職率が一定を超えると、安定した業務運営は難しくなり、残った従業員にかかる負担がますます増えるという悪循環が発生します。
しかも、離職率の高い企業は何かしら問題のある「ブラック企業」として求職者に敬遠されがちになるので、人材の新規雇用も難しくなるのです。

上記のようなデメリットがあることから、業務過多は企業の持続可能性を根本的に損ねる悪習であると考えられます。逆に言えば、業務過多を減らすことは業務品質の向上や労働環境の改善に寄与し、安定した組織運営を助ける効果があると言えるでしょう。もちろん、時間外労働が減ることによる人件費の抑制なども大きなメリットのひとつです。

業務量改善に向けて「業務量調査」を行う

上記のような問題を防ぐために行う業務量改善ですが、実際に取り組むにあたって何から始めればよいのでしょうか。業務量を改善するには、第一に現状の業務量を把握することが必要です。こうした取り組みは一般に「業務量調査」と呼ばれます。

業務量調査を行うことで、従業員が各業務に要している時間がどれくらいなのかを可視化することが可能です。これによって従業員の業務量や業務負担を大きくしている仕事を特定し、要点を押さえた改善策を検討しやすくなります。一見遠回りに思えるかもしれませんが、業務量調査を事前にしっかり行うことが、業務量改善の実現に向けた近道です。

業務量を可視化する3つの測定方法

業務量調査の主な方法としては、「実測法」「実績記入法」「推定比率法」の3つ挙げられます。以下では、それぞれの測定方法の概要を紹介します。

①実測法

実測法とは、従業員が業務遂行している様子を調査員が近くで観測したり、PC操作を監視するITツールを利用して業務量を計測したりする調査法です。
実測法は主に、日常的な定型作業の業務量調査に適しており、客観的に業務量を把握しやすいのがメリットです。ただし懸念すべき点として、調査を意識した従業員が普段よりパフォーマンスを上下させてしまうことが挙げられます。

②実績記入法

実績記入法とは、調査用紙などに作業ごとの業務量などを従業員本人に記入してもらう調査法です。
この方法の場合、業務量は従業員自身が計測して報告することになるので、実測法よりも従業員の心理的負担は抑えられるでしょう。その反面、自己申告制ゆえにデータの正確性を担保することが難しいというデメリットもあります。

③推定比率法

推定比率法とは、業務時間全体から逆算して、それぞれの業務に要した時間を推定する調査法です。
この方法の利点としては、調査に要する手間が少なく、すぐにでも実施できる手軽さが挙げられます。ただし、推定比率法は実際に業務時間などを計測するわけではないので、回答者の主観が入り込む余地が大きく、データの信頼性は先の2つよりも劣りがちです。

程度の差こそあれ、どの調査方法を実施するにしても現場の従業員の協力は欠かせません。それゆえ、調査に協力する従業員の負担を減らすことや、この調査が人事評価を目的にしたものではないので普段通りに業務してほしいことを周知する必要があるでしょう。

業務量の改善方法

上記の方法で業務量の測定ができたら、具体的な改善方法の検討・実施に入ります。ここでは、なぜその問題が生じているのか、どこに負担がかかっているのかを考え、それぞれに対応策を講じることが必要です。以下では、業務量を改善するために役立つ具体的な対応策を紹介していきます。

業務をマニュアル化する

第一の改善策は、業務をマニュアル化することです。とりわけ手順が多かったり、頻度が低くて業務の仕方が定着していなかったりする業務は、マニュアルの作成対象に適しています。マニュアルの作成・周知を通して業務の仕方を標準化することで、担当者ごとの業務品質のバラつきを軽減し、業務時間の削減やノウハウの継承を促進できます。

マニュアルを作成する際には、読み手が十分に理解しやすい内容にすることが大切です。それゆえ、マニュアル作成者は単に内容の正確性を意識するだけではなく、図や表などを用いながら、読み手視点で分かりやすい説明になるよう心がけましょう。

「ECRS」の4原則を実践する

業務量を改善する際には、既存のフレームワークを活用することも重要です。中でも、「ECRS」というフレームワークは、効果的な方法としてよく知られています。
このECRSという名前は、「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(順序入れ替え)」「Simplify(簡素化)」の4つの英語の頭文字を繋げたものです。そして、これらの英単語の順番は、業務改善を進める際の手順をそのまま示したものでもあります。つまり、ECRSにおいては次の手順で業務改善を進めることが推奨されるのです。

  1. 無駄な業務を排除する
  2. 重複している作業や似通った作業をひとつの部門・担当者に統合する
  3. よりスムーズに業務遂行ができるように、業務の順序を入れ替える
  4. ITツールなどを用いて業務の効率化・自動化を進め、複雑な作業を簡素化する、

業務効率化ツールを導入する

ECRSの「簡素化」の段階でも触れたように、SFAやMA、RPAなどの業務効率化に役立つITツールを導入することも業務量を改善する上で効果的です。こうした業務効率化ツールを活用することで、一部の業務プロセスの自動化ないしは効率化を進め、従業員をコア業務に専念させることが可能になります。
また、ITツールに情報を集約することで、従業員の仕事状況を把握して適切にマネジメントしやすくすることも可能です。従業員が抱えている案件やその進捗状況などが把握しやすくなれば、適宜サポートして業務負担を減らせるでしょう。

まとめ

業務量を改善するには、業務量調査によって現状の問題を特定し、それに対応した改善策を実施することが必要です。具体的な改善策としては、マニュアルやフレームワーク、ITツールの活用が効果的です。業務改善に際しては、Microsoft OfficeやMicrosoft Teamsなど、Microsoft 365の機能をぜひお役立てください。

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