コロナ禍の中で急速に普及したツールの1つが、Web会議やコラボレーション関連のツールではないでしょうか。
しかしながら、旧来から日本企業の非効率的な行動トップ3に必ずランクインするのが「長時間の会議」でもあります。そこで、在宅勤務も増え、Web会議が実施されている状況下で、効率的にWeb会議を進めるためにはどういったポイントに注意すべきなのでしょうか。
今まで1時間かかっていた会議を30分短縮できれば、1週間で2時間半もの時間を創出できます。やり方によってはもっと時間を短縮することも可能です。本稿でご紹介するWeb会議のポイントをもとに、この機会に会議効率化を図ってはいかがでしょうか。
非効率的な会議がなぜ続けられるのか?
ビジネスを推し進める上で会議は欠かせない作業の1つです。関係者が一堂に集まり、進捗状況を確認しながら意見を交換したりして、次のアクションを決めていきます。しかし、ビジネスに欠かせない会議には思わぬ悪魔が潜んでいることも少なくありません。それは、「どんな話し合いでも時間をかければ物事が進んでいるように感じてしまう」という人の心理です。
人間は自分が費やして時間がどういった形であれ、そこに価値を見出そうとします。つまり自分を正当化しながら生きていくのが人間の本能のようなものなので、たとえば無駄な会議を実施しても「実りある会議だった」と無理やり思い込もうとします。この本能に反して物事を考えられる人間が強いのですが、多くの人は自分自身や自分の行動を正当化してしまいます。
特に日本人はこの傾向が強い人種なので、非効率的な会議に多少の疑問を抱きつつも、「会議を多数行っている」という事実だけに目を向けて、ビジネスパーソンとしての役目を果たしていると勘違いするのです。
これに加え、経営層や上司が上記のような考え方を持っていると、下の従業員はそれを指摘することも億劫になるため、いつまでも非効率的な会議が続けられてしまいます。
会議を効率化するポイント
会議効率化を図る上で、「非効率的な会議を続けている」とう事実を認識することが大前提です。どんな会議でも1時間以上も続けられているようなら、それは無駄な会議と判断した方がよいでしょう。その上で、どういったポイントを意識することが会議効率化に繋がるのでしょうか?
Point 1.会議資料を完璧に作り込まない
「上司や部長が参加するのだから、会議資料は完璧に作り込まないといけない」といった固定概念を持つのはやめましょう。会議資料は最悪手書きでもかまいません。必要な情報がまとめられていればよいのです。資料作成に多くの時間を費やすよりも、少しでも会議のイメージトレーニングをしてスムーズに進行する努力をしましょう。
Point 2.会議の目的とゴールを事前に共有する
会議には必ず目的とゴールがあります。それを会議開催時また開催前に関係者間で共有しておきます。会議参加者全員が同じビジョンを持っていなければ、会議を効率的に進めることは当然不可能です。
Point 3.会議開催の数日前に資料を共有する
会議資料を開催時に配布するのは時間の無駄遣いです。参加者が資料に目を通すのを待ってから会議を開催しては、時間がかかりすぎます。会議資料は開催数日前には共有し、なおかつ個々人が印刷した持参するよう心がけましょう。自分の意見を書き留めた資料を各々が持参すれば、会議は効率的に進みます。
Point 4.会議内における役割を決める
会議では進行役、決裁者、議題ごとの責任者などを任命して進めていきましょう。議事録係などは不要です。進行役が兼任しましょう。
Point 5.会議時間厳守を徹底する
会議開催時間を過ぎても仕事を理由に遅れて出席するビジネスパーソンが多いです。仕事は言い訳にはなりませんし、それは時間管理がずさんなだけです。参加者が全員揃わないと会議は進行しないので、会議時間厳守を徹底しましょう。
Point 6.会議時間を30分と決める
会議時間は長くても30分と決めます。もっとアグレッシブな企業では会議時間を5分と決めるケースもあるほど、時間を短く設定することは大切です。そして時間を常に意識できるように、必ずタイマーをセットしましょう。
Point 7.会議の参加人数を減らす
会議参加者は厳選に選びましょう。直接関係はないが、内容を知っておきたい程度の部門責任者は参加不要です。会議人数は少ないほどスムーズに進行します。
Point 8.わざわざ議事録を作成しない
会議終了後はわざわざ議事録を作成せずに、ホワイトボードをスマホで撮影して共有するだけで十分です。必要があればコメントを書き込むなどしましょう。
Point 9.スタンドミーティングを推奨する
会議によってはわざわざ会議室に集合して、席に着く必要はありません。可能な限りスタンドミーティングを実施して、会議時間を短縮しましょう。
Point 10.会議中のパソコン・スマホ使用を禁止する
会議中はパソコン・スマホの使用は絶対禁止にすべきです。参加者全員が100%会議に集中できる環境を整えましょう。
Point 11.新しく登場した議題をその場で議論しない
会議中に出た新しい議題をその場で議論してはいけません。突然の議論を上手くまとめることは不可能なので、後日会議を再調整し、各々が意見をまとめてから議論するように心がけましょう。
Point 12.定例会議など不要な会議が無いか見直す
単なる数字報告ならメールで済みます。また、慣習だからと実施されている定例会議の多くは無駄な会議です。不要な会議を見直すだけで大きな効率化になります。
Point 13.Web会議等を利用して移動の必要性を無くす
Web会議を利用すれば、参加者は移動することなくデスクにいたままで会議を実施できます。会議の種類によってはWeb会議を積極的に利用し、移動の必要性を無くしましょう。
Point 14.会議終了直後の議事録を共有する
会議終了後は即座に議事録を共有しましょう。参加者の熱が冷めないうちに議事録を共有し、各々がやるべきことを再認識させてください。
Point 15.会議は朝にやること
1日の中の、人間のゴールデンタイムは朝です。時間が経つにつれて判断力は鈍るため、会議は必ず朝開催するようにしましょう。
Point 16.繰り返し会議効率化に取り組む
以上のような会議効率化の取り組みは継続的に実施し、改善サイクルを作ります。試行錯誤を繰り返しながら効率化を図ることが、その効果を最大化する近道です。
会議は絶対効率化すべき!
会議効率化に取り組んでしばらくすると、今まで以下に無駄な時間を費やしてきたかが身に染みて実感できます。それは残業時間が少なくなった時、プライベート時間を充実させることができた時、ビジネスがポンポンと上手くいった時に感じあることでしょう。そして、会議効率化に取り組めばそうした時間は必ずやってきます。皆さんもこの機会に、16個の会議効率化ポイントを実施し、ビジネスやプライベートに費やす有意義な時間を増やしてみてはいかがでしょうか?