Windows 7のサポート期限がもうじき切れてしまう(2020年1月14日)ということで、新しくWindows 10搭載パソコンの購入を検討されている方は多いでしょう。Windows 7のサポート期限が切れても使えなくなるわけではありませんが、セキュリティプログラムの更新がストップする以上、ウイルス感染などを警戒してWindows 10に買い替えるのが一般的です。
こちらの「Office 2010のサポート期限は?」も参考にしてください。
しかし、いざWindows 10を購入しようにも、色々なエディションがあって何を選べばよいのか分からない、という方もまた多いでしょう。自分にピッタリのものを選びたいものですし、損はしたくありませんよね。そこで本稿では、Windows 10の種類と買い方について解説します。
Windows 10を購入したい、でも何を買えばよいか分からないという方は、ぜひご参考ください。
Windows 10の種類
Windows 10には全部で7つもの種類があります。まずは、それぞれの基本的特徴から見ていきましょう。
エディション |
他応デバイス |
ユーザー |
小売 |
---|---|---|---|
Windows 10 Home |
パソコン タブレット |
一般家庭 |
あり |
Windows 10 Pro |
一般家庭 企業 |
||
Windows 10 Enterprise |
企業 |
なし |
|
Windows 10 Mobile Enterprise |
スマートフォン |
||
Windows 10 Mobile |
一般家庭 |
以上のようにWindows 10にはいろいろな種類がありますが、実は一般購入できるのはWindows 10 Home(以下Home)またはWindows 10 Pro(以下Pro)のみです。それ以外のWindows 10は企業が直接Microsoftや販売パートナーから購入するか、端末に予めインストールされています。
では、HomeとProで何が変わるのかというと、初めから付帯するアプリケーションや機能に差があるだけです。Proの方がHomeよりも処理が高速といったことはありませんし、性能面で変わる点はありません。
また、Proでないと動作しないソフトウェアもありませんし、Homeに搭載されていないアプリケーションや機能は別途購入することもできます。そのため、HomeよりもProの方が高性能というわけではないので、その点の心配は不要です。
家庭用としてWindows 10を購入するのであれば、大方Homeで十分だと言えます。むしろたくさんの機能が搭載されていると使いにくくなるという方は、間違いなくHomeを選ぶべきです。
Windows 10 Proを購入すべきユーザーとは?
では、ProはどういったユーザーにフィットするWindows 10エディションなのでしょうか?ProはHomeと比較して、下記7つの機能が搭載されているため、これらの機能が自分に必要だと感じればProを購入してもよいかと思います。
リモートデスクトップ
他のパソコンから当該パソコンのデスクトップ画面に接続し、操作できる機能です。当該パソコンと離れた場所にいても同じデスクトップ環境を使用できるメリットがあります。
Hyper-V
パソコン内で「仮想マシン」を作成し、その上に旧WindowsやLinuxをインストールして同時実行することができます。たとえばWindows 7でしか使用できないアプリケーションを継続して利用したい場合などに活用できます。
ドライブ暗号化
内蔵されたドライブ全体を暗号化し盗難対策を実施できます。近年ではパソコン盗難による情報漏えい事件が多く発生しているため、万が一盗難に遭っても内部の情報は守られます。
ドメイン参加
組織内のWindows ドメインに参加できる機能です。ドメインに参加することで、総合的な管理環境を作ることができます。
グループポリシー管理
組織内のWindowsドメインに参加したパソコンの環境設定を、中央から一括で管理することができます。
Windows Update for Business
企業内にあるWindowsの更新管理を実施できます。Windows 10は従来のバージョンと更新のサイクルが違うため、パソコンごとに更新管理を行うことでさまざまなリスクを回避できます。
Windows 10専用ビジネスストア
ビジネスストアでは業務アプリ等を配布することができ、より円滑な業務遂行を支援する環境を整えることができます。
このように、一般的には企業向けのWindows 10として提供されているのがProです。4~7の機能に関しては個人ユーザーが魅力に感じる点は無いでしょう。ただし、1~3の機能に関しては注目すべき点があります。
まずリモートデスクトップですが、Homeで提供されている同機能は「相手パソコンに接続する」機能はあっても、「相手パソコンから接続してもらう」機能はありません。そのため、「出先から使用したい」といった、他のパソコンから自分のパソコンに接続したい場合は重要な機能になります。
Hyper-Vに関しては、Windows 10上で仮想マシンを立ち上げて様々なOSをインストールできるため、古いアプリケーションを動かしたり、危険性の高いファイルの実行環境にしたりと、いろいろな活用方法があります。代替品はいくつかありますが、純正品でWindows 10との親和性が高いというのがポイントです。
ドライブ暗号化はパソコンが盗難に遭った際の情報漏えい防止に有効です。パソコンを持ち歩いて出かけることが多いという方は要検討しましょう。
通常版とDSP版、どちらを選べばよいか?
DSP版というのは、パソコン内部に組み込み可能なハードウェアとセットで販売されるWindows 10のことです。特徴は、通常版と比べると1,000~2,000円ほど安いことです。ただし、対象のハードウェアでしか機能しないため、パソコンをカスタマイズしてパーツを換えたりすると、Windows 10が使用できなくなってしまいます。
たとえばLANカードとセットで販売されているWindows 10のDSP版を購入した場合、パソコンを買い替えなくてもLANカードを新しいパソコンに指せばWindows 10が使用できます。しかし、そのLANカードが故障したり新しいパソコンに差し込めなったりすると、Windows 10は使用できません。
このように、価格はちょっと安いけれど使用上のリスクがあるのがDSP版です。従って、やはりWindows 10を購入する際は通常版をおすすめします。その理由を下記にまとめました。
通常版とDSP版の価格差は1,000~2,000円程度なのでさほど気にならない
DSP版はハードウェアが使用できなくなるとWindows 10も使用できないが、通常版はハードウェア寿命や故障を気にせず使用できる
Windows 10からは継続的なアップデートがされ次期バージョンがリリースされないため、パソコンを買い替えてもWindows 10をそのまま使用することになる
いかがでしょうか?Windows 10の種類はちょっと複雑ですが、ちょっとした知識で自分にピッタリのエディションを選ぶことができます。Windows 10を賢く選び、快適なパソコンライフを楽しんでください。