PowerPointでCopilotを活用するには？おすすめの使い方を分かりやすく解説

プレゼンテーションの作成は、時間と労力を要する作業です。しかし、PowerPointのCopilot機能を使えば、その負担を大幅に軽減できます。
AIを活用したCopilotは、デザイン提案やコンテンツ作成の補助を行い、より効果的で魅力的なスライド作成をサポートします。
本記事では、Copilotの基本機能から具体的な使い方まで、初心者でも簡単に理解できるように解説します。プレゼンの質を高めたい方はぜひ御覧ください。

Copilotとは？

Copilotは、Microsoft 365に統合されたAIアシスタントで、ユーザーの日々の作業を効率化し、生産性を向上させるツールです。

ユーザーが入力した自然言語の指示を理解し、それに基づいて下記のような作業を自動化します。

世界中の多くの企業が、業務でMicrosoft製品を利用しています。利便性が非常に高いため、企業でCopilotを導入することで生産性向上効果が期待できます。

Copilot有料版と無料版

個人向けのMicrosoft Copilotには、有料版と無料版の2つのプランがあります。有料版であるMicrosoft Copilot Proは、月額3,200円で利用でき、画像生成の上限は100枚です。

また、プレゼンテーション資料の作成や資料のアイデア出し、長いプレゼンテーションの要約といった機能を全て利用可能です。一方、無料版は0円で提供されており、画像生成の上限は15枚に制限されています。プレゼンテーション資料の作成や資料のアイデア出し、長いプレゼンテーションの要約機能は利用できません。

Microsoft Copilot Proは、1カ月間無料試用版が用意されています。個人利用で高精度なPowerPointを作成したい場合におすすめのプランです。

Copilot for Microsoft 365で企業独自のPowerPoint資料を作成

Copilot for Microsoft 365は企業向けのプランで、Copilot Proは個人利用者向けのプランです。

Copilot for Microsoft 365では、組織内のコンテンツや情報を学習し、より精度の高いPowerPoint資料の提案や生成を行います。自社でよく用いるテーマに合わせた資料作成や自社の資料作成のルールに則った資料作成が可能になることがメリットです。さらに、企業向けのサービスであるため、セキュリティ面が強化されており、安全面でもメリットがあります。

組織内で統一感のある資料を作成したい場合など、組織で利用する場合はCopilot for Microsoft 365を契約しましょう。

CopilotとChatGPTの違い

Copilotは、Microsoft365のアプリケーション上で直接プロンプトを入力し、Excelの表の作成やPowerPoint資料の作成を行える点が、ChatGPTとの最も大きな違いです。画像生成AIのDALL-E 3を、無料版でも利用可能なことが特徴です。

CopilotはMicrosoft 365に統合されたアシスタントで、特定のアプリケーション内でユーザーのタスクを効率化することに特化しています。Copilotが、業務効率化に重点を置いており、特定のアプリケーションに最適化されたサポートを提供するのに対し、ChatGPTは汎用的な対話型AIで、広範な質問に対して応答する能力を持ちます。

Copilot PowerPointを使うメリット

Copilotを使うことで、PowerPointのプレゼンテーション作成がより効率的かつ高品質になります。AIの支援により、時間を節約しながら創造的で効果的なスライド作成が可能です。以下に、具体的なメリットについて詳しく説明します。

プレゼンテーション作成の効率化ができる

Copilotを利用することで、PowerPointでのプレゼンテーション作成が大幅に効率化されます。まず、ユーザーが自然言語で指示を出すだけで、スライドのレイアウトやデザインが自動的に生成されます。これにより、手動でのデザイン作業に費やす時間の削減が可能です。

また、Copilotはユーザーの入力内容を基に適切なテンプレートやスタイルを提案するため、一貫性のあるプレゼンテーションが簡単に作成できます。

さらに、発表資料の作成を依頼すると、PowerPoint資料を作成するだけでなく、スピーカーが話す内容もノートに記述してくれます。

高品質なプレゼンテーションの制作ができる

Copilotを活用すると、高品質なプレゼンテーションを簡単に制作できます。AIの支援により、デザインやレイアウトの最適化が図られ、資料作成が苦手な人でも高水準な資料の作成が可能です。

例えば、Copilotはスライドの色合いやフォントの選定を自動的に行い、視覚的に魅力的なプレゼンテーションを作成します。また、内容の一貫性を保ちながら、データの正確な表示や適切なグラフィックの挿入もサポートします。これにより、視覚的に優れたスライドが簡単に作成でき、プレゼンテーションの全体的なクオリティが向上します。

創造性のあるスライドが作成できる

Copilotを活用することで、文章の修正や要約だけでなく、ゼロからのアイデア出し、原案の作成も可能です。AIによる提案機能を利用することで、新しいアイデアや視点を取り入れたスライドが簡単に作成できます。

例えば、Copilotは関連する画像やグラフィック、文章を提案し、プレゼンテーションに視覚的なインパクトを与えることができます。また、ユーザーの意図を理解して、適切なアニメーションやトランジション効果を追加することで、ダイナミックで魅力的なプレゼンテーションを実現します。このように、Copilotはユーザーの創造性をサポートしながら、効果的なスライド作成を可能にします。

Copilot PowerPointの使い方

Copilotの活用により、PowerPointのプレゼンテーション作成が効率的かつ効果的になります。ここでは、Copilotを活用してプレゼンテーションを作成する具体的な方法について説明します。※プレゼンテーションの作成は、Microsoft Copilot 無料版では利用できません。

テンプレートから作成する方法

以下3ステップで、簡単にテンプレートからPowerPoint資料を作成可能です。

まず、

その後、スライド枚数の指定や追加してほしい情報をプロンプトに入力すると自動で編集もしてくれます。

Wordから作成する方法

WordでPowerPoint資料の素案を作成しておくことで、その案を元にCopilotがスライド化してくれます。Wordファイルのドキュメント構造を理解して、セクションの作成やスライドの分割を行います。

Wordファイルを使用して、資料を作成する手順は以下のとおりです。

既存スライドに追加する方法

既存のPowerPoint資料を編集する場合も、Copilotが活用できます。Copilotは、既存のスライドを解析し、内容やデザインの改善提案を自動で行います。

例えば、テキストの要約や重要ポイントの強調、視覚的に訴えるグラフィックの追加など、視聴者に伝わりやすいプレゼンテーションに変えることが可能です。

また、Copilotはプレゼンテーションの一貫性を保つために、既存のスタイルやフォーマットに合わせて新しいスライドを追加することもできます。これにより、全体の統一感を損なうことなく、効率的に資料を更新できます。

他にもある！Copilot PowerPointでできること

Copilotは、PowerPointのプレゼンテーション作成を効率化するだけでなく、ユーザーの多様なニーズに応えるために、他にも多くの便利な機能を提供しています。ここからは、その他の機能を紹介します。

プレゼンテーションを整理する

Copilotを利用して、プレゼンテーションのスライドの修正・整理が可能です。例えば、スライドの順序を変更したり、不要なスライドを削除したりする作業が簡単に行えます。

ユーザーが変更したい内容を文章化し、プロンプトとして入力すると、Copilotは自動的に最適な順序や構成を提案します。これにより、プレゼンテーション全体の流れがスムーズになり、効果的なメッセージを伝えられます。また、複数のスライドをまとめてグループ化する機能もあり、プレゼンテーションの構造を視覚的に整理できます。

プレゼンテーションを要約する

Copilotは、長いプレゼンテーションを要約する機能も提供しています。ユーザーがプロンプトに「要点をまとめて」と入力すると、Copilotは自動的に重要なポイントを抽出し、要約を行います。

要約することで、資料を見る人に対して簡潔で分かりやすいメッセージを伝えられるでしょう。特に、時間が限られているプレゼンテーションや、複雑な内容を扱う場合に非常に有効です。また、要約機能を利用することで、プレゼンテーション全体の見直しが容易になり、必要に応じて詳細な説明を追加することもできます。

スマートフォンで使用する

Copilotは、スマートフォンでの使用にも対応しており、いつでもどこでもプレゼンテーションを作成・編集できます。専用アプリをインストールすることで、スマートフォンからPowerPointにアクセスし、Copilotの機能を活用できます。

これにより、移動中や外出先でもプレゼンテーションの準備が可能になります。例えば、スマートフォンでスライドの内容を確認したり、修正したりすることができます。また、スマートフォンの音声入力機能を使って、簡単に指示を出すこともでき、時間を有効に活用できます。

PowerPoint Copilot使用時の疑問

Copilotは便利なツールですが、使用にあたっていくつかの疑問や懸念が生じることがあります。ここでは、Copilot使用時に多くのユーザーが抱く疑問について詳しく解説します。

Copilotで自動挿入される画像の著作権は問題ないのか？

Copilotが提案する画像は、Microsoftがライセンス契約を結んでいる信頼性の高いソースから提供されています。そのため、ユーザーは著作権侵害のリスクを心配せずに画像を使用できます。

ただし、特定の画像に関する使用条件や制限については、Microsoftの利用規約を確認することが重要です。さらに、自社やクライアントのブランドに関わるプレゼンテーションの場合、独自の画像や素材を使用することを推奨します。これにより、ブランドの一貫性と法的な安全性を確保できます。

Copilotにファイルアップロードして情報漏えいしないのか？

Copilot上で、自社のデータや情報を学習させると情報が漏えいしないかを危惧する企業が多いです。Microsoftは、企業向けに以下のコミットメントを発表しています。

「第三者がマイクロソフトの Copilot または Copilot が生成する出力結果を使用した法人のお客様を著作権侵害で訴えた場合、お客様が製品に組み込まれたガードレールとコンテンツフィルターを使用しているという条件の下で、マイクロソフトはお客様を弁護し、訴訟の結果生じた不利な判決または和解により課された金額を支払います。」
引用：Microsoft

Microsoftは厳格なセキュリティプロトコルを採用しており、アップロードされたファイルやデータは暗号化され、安全に保護されています。万が一、情報漏えいした場合、Microsoftが保証してくれるためユーザーは安心して利用できるでしょう。

しかし、保証があっても情報漏えいリスクはゼロではありません。機密情報を含むファイルを扱う際には、企業のセキュリティポリシーに従い、必要な対策を講じることが重要です。

自社の PowerPointテンプレートは使用できるのか

Copilotを利用して自社のテンプレートを使用することは可能です。ただし、Copilot for Microsoft 365の契約が必要です。

既存のテンプレートをPowerPointにアップロードし、Copilotを起動することで、そのテンプレートに基づいたプレゼンテーションを作成できます。これにより、自社のブランドガイドラインに沿った統一感のあるプレゼンテーションを簡単に作成できます。

また、Copilotはテンプレートのデザインを尊重しながら、スライドの内容を最適化するため、効率的かつ効果的なプレゼンテーションを作成可能です。

まとめ

Microsoft 365 Copilotを活用することで、PowerPoint資料の作成にかけていた時間を大幅に削減できます。さらに、プロンプトを工夫したり、質問を重ねることで質の高いプレゼンテーション資料を作成することも可能です。

法人でCopilotを利用して、独自のテンプレートを使う場合はCopilot for Microsoft 365の契約が必要です。日々、多くの資料を作成する企業は、このプランの契約を検討しましょう。