近年、テレワーク対応や出張経費削減などの目的で、遠隔会議を導入する企業が増えています。この記事では、遠隔会議の概要やメリットなどに触れながら、そろえるべき設備やシステム選定のポイントをまとめました。テレワークでの会議を円滑に進めたい方や、導入方法を調べている方はぜひ参考にしてください。
遠隔会議とは
遠隔会議とは、距離の離れた場所からITツールを用いて行う会議のことです。従来はオフィスなどで対面して行う会議が主流でしたが、近年のリモートワーク普及により、出社することなく遠隔地から会議が行えるツールが求められるようになりました。
遠隔会議は、電話会議やテレビ会議、Web会議などのさまざまな方法があります。特にWeb会議は導入の手軽さやビデオ通話機能などが人気を集めており、複数人のミーティングや個人間の打ち合わせなど、利用シーンも多様化しています。
遠隔会議を取り入れるメリット
ここでは、遠隔会議を企業に導入するメリットを紹介します。遠隔会議によって得られる効果を調べている方は、ぜひ参考にしてください。
コスト抑制
同じ場所に集まり対面で行う会議では、交通費、場所代などの費用が発生します。また、遠方から来る人や、スケジュールの調整が難しい人などを考慮する必要もあり、多くの人数が集まる会議は手間やコストがかかりやすいでしょう。
遠隔会議は、それぞれが自分の好きな場所から参加できるため、交通費や場所代などが発生しません。また、移動時間を考慮する必要がないため、仕事の合間など、隙間時間を活用して効率よく会議が行えるでしょう。従来移動にかかっていた時間を他の業務を行うために用いることができ、業務効率化にもつながります。
テレワーク対応
テレワーク中はチャットや電話、メールなどでコミュニケーションを取る人が多いでしょう。しかし、それらだけでは従業員の状況や仕事の進捗具合などを正しく把握するのが難しく、「チーム内の連携がうまく取れない」「緊急の業務に対応しづらい」などの悩みを抱える人も少なくありません。
テレワークに遠隔会議を導入することで、関係者が離れた場所にいても円滑にコミュニケーションを取れます。ビデオ通話で顔を見ながら会話できるため、文字のやり取りでは伝わりづらい感覚的な事柄も共有しやすいでしょう。
遠隔会議の実施に必要なもの
遠隔会議を導入するには、どのようなツールや設備が必要なのでしょうか。ここでは、遠隔会議の実施にあたりそろえるべき機器やシステム、望ましい環境などを紹介します。
デバイス
遠隔会議に必要な主な機材は、以下の2点です。
- PCやタブレット、スマートフォン、タブレットなどメインとなるデバイス
- カメラ、マイク、スピーカーなどの周辺機器
多くのデバイスにはすでにカメラやマイク、スピーカーが内蔵されていますが、映像が乱れたり、音声を拾いづらかったり、逆に雑音を拾ってしまうものも少なくありません。特に大人数の遠隔会議では、これらのスペックが低いと快適に会議を進行しにくいため、外付けの周辺機器を導入するのがおすすめです。
マイクスピーカーには、複数人での利用に特化したものなら、音声を拾いやすいでしょう。ワイヤレスのヘッドセットには、雑音が入りにくくなるノイズキャンセラー機能がついたもの、ワイヤレスのものなどがあります。会議の頻度や規模、参加人数に合わせて、適切な機材を導入しましょう。
環境
遠隔会議をスムーズに進めるためには、実施する場所選びも重要です。しっかりとしたインターネット環境があることはもちろんですが、「周りの雑音が多すぎないか」「会話するときに周りの迷惑にならないか」なども考慮するとよいでしょう。個室や周りに人がいない部屋などが望ましく、カフェやコワーキングスペースなどは会議の内容が周りに聞こえてしまう可能性があるので、注意が必要です。
また、遠隔会議では、関係者の一部が同じ部屋に集まるケースも少なくありません。その場合は、ミーティングルームや会議室などをあらかじめ確保しておく必要があります。
複数人でひとつのデバイスを使用する場合は、部屋全体を写せるカメラや高性能のマイクなどを会議室に備えておくとよいでしょう。カメラの画角(映る範囲)は人数に応じて、1~2人なら75~90度ほど、3人以上なら100~150度ほどが目安です。
会議システム
遠隔会議システム選びは、会議の快適さを大きく左右します。高音質な音声処理に特化したものや、多くの拠点に同時接続できるもの、無料で導入できるものなどさまざまな会議システムがあるので、自社に合ったものを見極めることが大切です。
遠隔会議のシステムを選ぶときは、「どのような会議が多いのか」「遠隔会議システムを導入する目的は何か」などを考慮するとよいでしょう。例えば、自社の担当者同士の打ち合わせや、少人数の簡易的なミーティングなどで使用する場合は、導入に手間がかからず、簡単に参加できるシステムが適しています。一方、ほかの企業との打ち合わせや幹部会議などで使用する場合は、多少コストをかけても画質や音質などにこだわったものを導入するとよいでしょう。また、海外とのやり取りもあるなら、国内外で広く用いられているシステムが便利です。
遠隔会議システムの選定で確認したいポイント
ここでは、自社に適した遠隔会議システムを選ぶコツを紹介します。複数の会議システムで迷っている方や、どのような基準で選ぶべきかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
品質
遠隔会議をスムーズに進めるためには、映像と音声の品質にこだわることが大切です。会議システムによっては「同時に複数人が発言すると音声が乱れる」「映像が固まりやすくリアルタイムでの資料共有が難しい」などのトラブルが発生することもあります。コストや機材の手軽さだけで判断せず、まずはトライアルを活用し、十分な品質を備えているかを確認するとよいでしょう。
また、複数の取引先を招く会議やリモートでの式典など、大規模な会議を行う場合は同時接続できるユーザー数を確認しましょう。遠隔会議システムは種類だけでなく、料金プランによっても招待できる参加者の上限が決まっています。今は行う予定がなくても、必要時に上限をアップグレードできるものなら、長く安心して使用できるでしょう。
使いやすさ
遠隔会議システムは、会社に所属する多くの従業員が使用します。日本語に対応していなかったり、操作が難しすぎたりすると従業員に馴染まず、結局あまり使われなくなってしまう失敗例も少なくありません。
複数の会議システムで悩んでいる場合は、多くの会社に普及しているものや、視覚的に使いやすいと感じるものを導入する方法もあります。トライアルを活用するときは品質だけでなく操作性にも着目し、長く快適に使えるものを選ぶとよいでしょう。
セキュリティ
会議では会社の内部情報や顧客情報などのプライバシー情報を扱うこともあります。遠隔会議はインターネット接続を使用するため、不正アクセスなどで情報が抜き取られてしまうリスクもないとは言い切れません。
セキュリティ性の高い会議システムを選ぶには、以下のような対策が講じられているか確認することが大切です。
- IPアドレス指定によるアクセス制限
- 暗号化
- 会議ルームのセキュリティコード設定
- 端末認証
会社の重要な情報を守るためにも、しっかりとセキュリティ対策を行っている会議システムを選択しましょう。
まとめ
遠隔会議は、テレワーク対応やコスト削減などのメリットがあり近年多くの企業に導入されています。遠隔会議システムは品質や操作性、セキュリティ面に着目して自社に合うものを選ぶことが大切です。システム選びで迷っている方は、導入実績が豊富なMicrosoft Teamsを検討してはいかがでしょうか。