Microsoft 365 Copilotは、Microsoftが開発したAIアシスタントで、ビジネスにおけるさまざまな業務を効率化してくれる心強いツール。2024年11月に開催された「Microsoft Ignite 2024」では、このMicrosoft 365 Copilotに関する新たなアップデート情報が発表されました。本記事では、どのような機能が追加されたのか、またそれらがどのように業務に役立つのかを解説します。
2024年11月発表|Copilotアップデート情報|Microsoft Ignite 2024とは
ここではどのようなアップデートが発表されたのか、ポイントごとに詳しく紹介します。
1:Copilot in Teams|より効率的なミーティングの実現
「Copilot in Teams」は、Teams内におけるさまざまなタスクをサポートします。
画面共有されたコンテンツの分析
Teams会議中に画面共有された発言、チャットメッセージ、画面上の資料やデータを分析。そのため、参加している会議の内容を多角的に把握でき、議事録の作成などにも役立ちます。
チャットで共有されたファイルの要約
ファイルの要約により、チームメンバー間での情報共有がスムーズに。チャットの重要な内容を素早く把握できます。
小見出し通訳エージェント(Interpreter agent)も搭載
言語が異なる企業とのチャットにも活躍。日本語を含む英語、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語などの主要言語をサポート予定で、会議中の言語の壁を取り除きます。
Teams 会議中に活用できるファシリテーターエージェント
ファシリテーターエージェントは、Teams会議中のメモ作成、チャットでの要点整理、最新の議事概要の作成など、会議の進行をサポート。会議の効率化はもちろんのこと、情報共有の強化、参加者間のコミュニケーション円滑化に役立ちます。
2:Copilot in Outlook|ミーティングのスケジューリングを簡単に
「Copilot in Outlook」は、メール作成や管理を効率化します。
1on1などの会議のスケジュールの作成
Copilot in Outlookには、1対1のミーティングや集中作業の時間を簡単にスケジュールできる新機能が追加されました。会議の詳細を入力すると、AIが参加者全員の空き時間を確認し、最適な時間を提案。また、事前にフォーカスタイムのスケジュール設定も可能です。
スケジュールにプラス!会議アジェンダの作成
スケジューリング時に、Copilotに指示することで会議のアジェンダの自動作成が可能です。また、事前にアジェンダを共有することで、参加者が会議の準備を整えやすくなり、効率的な会議運営を実現。さらに、Copilotは会議内容の要約まで行ってくれるので、会議後のフォローアップもスムーズに行えます。
メールから会議のスケジュールを作成
メールから直接会議を予約することも可能。メールを開き、上部に表示される「Copilotを使用してスケジュールする」ボタンをクリックするだけで、会議を簡単に設定できます。また、メールの内容から要約の作成や、議題の作成、会議に参加するメンバーの予定が空いているかなど、時間調整のサポートも可能です。
3:Copilot in SharePoint|コンテンツ管理の効率化を実現
SharePointは、Microsoftが提供するウェブベースの共同作業およびドキュメント管理プラットフォーム。例えば、社内FAQなどをSharePoint上で作成すれば、効率的にデータを参照しつつ回答が可能です。掲載先のファイルが更新されると、Copilotにより、自動的にコンテンツも更新されるため、最新情報を常に参照でき、手動更新が不要に。また、設定済みのアクセス権に基づいてコンテンツを管理するため、情報が過剰に共有されるリスクを防ぎます。
4:Copilot in Excel|表などのテンプレートを提案
Excel上でCopilotを活用することで、作業の効率を大幅に向上させることが可能です。
新しいスタートエクスペリエンス
Excelでデータ分析を始める際、ヘッダーや計算式、テンプレートの作成が必要です。Copilotを起動して作成したいExcelの内容を伝えるだけで、これらを自動的に提案。Excelシートを作成する最初の手間を大幅に省き、スムーズに作業を開始できます。
ファイル参照とWEB 検索が可能に
Copilotにより、資料作成やデータ分析に必要な情報を簡単に取得できます。例えば、組織内のデータにあるExcelファイルなどを、直接参照することが可能。また、Web上に公開されている日付や統計データなどを自動で検索し、シームレスに取得できるため、効率的に必要な情報を集められます。
別のExcel からテーブルを簡単にインポート
新機能として、自身が閲覧編集できる他のExcelファイルからデータを検索し、インポートする機能が追加。元ファイルのデータが更新されると、インポート先のテーブルも自動で更新されます。
データ分析の強化
Copilotにより、テキストデータの要約や分類、詳細な分析が強化。感情(センチメント)分析にも対応しており、その分野に特化した専門知識がなくても、データから重要な洞察を得られます。
5:Copilot in PowerPoint|資料作成の効率化・多言語翻訳への対応も可能に
Microsoft Ignite 2024では、PowerPointでのCopilot活用をさらに強化する新機能が発表されました。
Narrative Builderとは
Narrative Builderは、プレゼンテーションのアウトラインやスライドを自動生成するツールです。ユーザーがプロンプトを入力するだけで、必要なスライドの構成を素早く作成することが可能に。加えて、Wordファイルを参照してアウトラインを作成することも可能です。
スライド修正もCopilotにお任せ!
スライドごとのテキストを適切に調整する作業は非常に手間がかかります。Copilotを活用すれば、自動でテキストを修正したり、圧縮したりすることが可能に。スペルミスや文法の誤りも瞬時に修正してくれるため、校正の手間なく文章の質を簡単に向上させられます。
多言語翻訳が簡単にできる
プレゼンテーションの翻訳機能が40ケ国語に対応にグレードアップ。これにより、スライドのデザインを崩すことなく、内容を多言語に翻訳することが可能です。スライドだけでなく、PowerPointファイルに書き込まれたスピーカーノートやコメントといった、スライドページ以外の要素も翻訳できます。
6:Copilot in Word|文書作成時のサポート強化
「Copilot in Word」では、新たにいくつかの便利な機能が追加されました。
会議やメールを参照した文章作成
新しく文章を作成する際、Copilotを活用すれば、ファイルだけでなく会議やメールの内容も参照可能。これにより、蓄積された情報を活用して、より正確かつ効率的な文書作成を簡単に行えます。
他のMicrosoft 365内データ関連情報の提示
文章作成に必要なファイルや会議、メールが見つからない場合は、Copilotが自動的に関連する可能性の高いデータを検索し、提示してくれます。
会議やメールを参照した情報の出典を表示
Copilotで文章を生成する際、どの情報を参考にしたのかを知ることは非常に重要です。「Copilot in Word」では、生成されたドキュメントに参照元情報を表示する機能が搭載。加えて、参照元情報を生成した文章に記載するかどうかを選択することも可能です。
コーチング機能も(随時追加予定)
アメリカ版のWordでは、Copilotがドキュメント全体や特定のテキストに対して、客観的な視点から表現の改善や調整を提案するコーチング機能が利用可能。この機能は随時日本版にも追加される予定で、活用の期待が高まっています。
その他のWordに関するアップデート情報
サンプルプロンプトの提供、ドキュメント上部に要約を追加する機能、画像の自動生成やSharePointからの画像取得機能など、多岐にわたる新機能が公開されています。
7:Business Chat(BizChat)|セルフサービスエージェント
複数のシステムをカバーするAIアシスタント「エージェント」を手軽に作成可能に。このエージェントはチャット形式で柔軟にカスタマイズすることが可能です。例えば、社内のポリシーに関する一般的な質問への回答や、人事・IT部門のサービス提供などを、このエージェントで自動化・簡素化できます。
Microsoft 365 Copilotの導入・利活用の相談はPSCまで
株式会社ピーエスシー(PSC)は、1996年創業のIT企業です。主にシステムの導入やアプリケーション開発、IT資産管理といったICTサービス全般を提供。また、Microsoft 365 Copilotに関しても「導入から展開、活用まで一気通貫で提供」する取組を続けています。そうした実績が認められ、2024年5月には国内10社限定の「Microsoft 365 Copilotトータルソリューションパートナー」に選出されました。
まとめ
Microsoft Ignite 2024では、TeamsやSharePoint、Word、ExcelなどにおけるCopilotの新機能が公開。これらの機能により、ビジネスにおけるさまざまなタスクを効率化・自動化できます。新機能を正しく理解し、業務の効率向上に活用しましょう。
Microsoft 365 Copilotの導入や利活用についてお困りの際は、Microsoft 365 Copilotトータルソリューションパートナーである株式会社PSCまでお気軽にご相談ください。