Microsoft 365の機能にAIを組み合わせた「Microsoft 365 Copilot 」は、ビジネスに革新的な進化をもたらしました。2024年9月にはそのアップデート版「Microsoft 365 Copilot Wave 2」が発表されました。本記事では今バージョンでアップデートされたところなど、最新情報をお届けします。
Copilotのアップデート情報:Microsoft 365 Copilot Wave 2
ここではどのような部分がアップデートされたのか、ポイントごとに詳しく紹介します。
1:Copilot Pages|チームでのリアルタイム共同作業を実現する新機能
「Copilot Pages」は、「BizChat」と呼ばれるAIによってWeb上や社内ファイルから検索された回答を、共有スペースであるPageに転記できる新機能です。
この機能を活用すれば、検索AIで情報を収集しながら、リアルタイムにチームで共同編集が可能です。これまでCopilotは個々に利用されていましたが、チームで検索・生成機能を共有できることにより、離れた場所からでも同じ場所に集まって作業しているような、シームレスで効率的な共同編集が実現します。
2:Copilot in Excel/Copilot in Excel with Python|シート要約や計算式の入力をサポート
要約や計算式の入力をサポートするCopilot in ExcelとCopilot in Excel with Pythonについてそれぞれ紹介します。
Copilot in Excel
「Copilot in Excel」はExcelに生成AIを組み込んだ機能です。今まではパブリックプレビュー版でしたが、今回より正式に実装されました。
これを活用すれば、スプレッドシートの要約や計算式の提案、データのグラフ化支援などが行えます。さらにXLOOKUPや SUMIFなどの関数を使った数式や条件付き書式にも対応できるようになりました。またデータをピボットテーブルやチャートなどに視覚化し、反復実行する機能も追加されました。Copilot in Excelは数値だけでなく、テキストデータにも対応可能です。
Copilot in Excel with Python
さらに今回、パブリックプレビュー版で加わった新機能が「Copilot in Excel with Python」です。これはデータ処理用のプログラミング言語「Python」とCopilot in Excelを融合させた機能で、日常会話で使われる自然言語で依頼した内容を、生成AIが自動的にPythonの言語に変換してくれます。さらにPythonを用いて行った高度なデータ分析の結果を、Excelに貼り付けることも可能です。
3:Copilot in Word|複数のデータを参照した文書作成支援がさらに強化
「Copilot in Word」では、Web上の情報やPDF、 PowerPointのデータ以外にも、暗号化された文書や電子メール、業務や会議のデータなど、複数のデータを参照しながら文書の作成を行えるようになりました。また、以前に作成した文書を雛形にして、他のデータも組み合わせながら新しい文書も作成できます。
さらに、最適なプロンプトが提案される機能や、ドキュメントの特定の範囲でCopilotと共同作業が行える機能などが追加されました。こうしたアップデートにより、ドキュメントの要約や構造化も可能です。
4:Copilot in PowerPoint|ドラフト作成支援機能「Narrative builder」が新たに実装
「Copilot in PowerPoint」では、新たに「Narrative builder」というドラフト作成を支援する機能が正式に実装されました。この機能を使えば、これまでのように人間がすべて指示を与えなくても、AIと対話を繰り返しながらアウトラインを構築し、それに基づくドラフトの作成が可能です。
また、企業に応じたブランドテンプレートを設定できる「Brand manager」という機能も追加されています。
5:Copilot in Teams|議事録・会議チャットを横断した情報整理
「Copilot in Teams」も、今回より正式に実装されることになった機能です。TeamsでCopilotを活用すると、チャットやWeb会議の内容の要約が行えます。また、会議で挙がった課題のリストアップや、未解決の質問や意見の相違点などの抽出も可能です。
さらに今回から機能が拡張され、管理者や会議主催者がテナントやユーザーごとに、Copilot をオフに設定できるようにもなりました。
6:Copilot in OneDrive|ファイルの検索・分析をよりスピーディに実現
「Copilot in OneDrive」も、今回より正式実装されました。Copilotを備えることで、OneDriveのクラウドストレージ上に保存されているデータに関する質問が行えるだけでなく、データの概要やグラフ、FAQの作成、形式の異なるファイル同士の比較などが可能です。
7:Copilot in Outlook|優先度をAIが分類してメール業務の負担を軽減
「Copilot in Outlook」では、受信トレイの「Prioritize」機能がパブリックプレビュー版として2024年後半にリリース予定です。この機能ではAIが受信トレイのメールを、内容と自身の職務をもとに分析し、優先度の高いメールをピックアップしてくれます。さらに内容の要約や、返信の草案も生成可能です。重要なトピックやキーワードをCopilotにインプットすれば、優先順位付けの精度も高められます。
8:Copilot Agents・Copilot Studio agent builder|目的に合わせたAIをカスタマイズ
「Copilot Agents」および「Copilot Studio agent builder」も今回より正式に実装されました。Copilot Agentsは自社に合わせたAIをカスタムできる機能です。シンプルな応答や通知から、反復的な作業、複雑なタスクまで幅広く活用できます。
Copilot Studio agent builderは、Copilot Agentsの制作支援を行うツールです。これを使えば自律したエージェントを自身で容易に作成できます。
【参考】Copilot for Microsoft 365 の新機能
Copilot for Microsoft 365ではこれまでにも様々な機能がアップデートされています。ここでは、社内で実際に使用してみた例を紹介します。
Copilot in Forms
アンケートや投票など様々なフォームの作成支援をAIが行います。実際にトピックや長さ、対象者などの情報を与えると、適切な質問や提案が提示してくれました。
Copilot in Stream
社内ミーティングやトレーニング動画の要約機能を利用することで、重要な情報を素早く確認することができました。例えば人やチーム名、トピックが議論されている場面を指定するだけで、該当シーンにジャンプ可能。特定のトピックをピンポイントで探し出せるため、見直しの時間が短縮され、新たなタスクに迅速に取り組むことができるようになりました。
Loop in Copilot
Microsoft Loopは、プロジェクトの進捗管理に活用できるツールです。メンバー全員がリアルタイムで進捗を確認でき、即座にフィードバックを共有できます。プロジェクトの規模に応じて柔軟にカスタマイズできる点も魅力です。情報共有がスムーズになり、会議時間の短縮にもつながりました。
Copilot for Microsoft 365 利用状況レポート(管理者向け)
管理者向けの「Copilot for Microsoft 365 利用状況レポート」で、機能を活用して各部署のCopilot活用状況を把握し、効果的な活用事例を社内で共有して、全社的なデジタル化推進に役立てています。特に在宅勤務が増加している昨今、各メンバーのツール活用状況をリアルタイムで把握できる点は、プロジェクト運営において大きな強みとなっています。
まとめ
Microsoft 365 Copilot Wave 2は、新機能実装され、ますます使いやすくなっています。これを活用することで、社内の生産性向上はもちろん、より質の高いサービス提供を実現していきたいと考えています。ぜひ皆様も、Microsoft 365 Copilot Wave 2へのバージョンアップをご検討ください。
なお、「Copilotでどのようなことができるのか、動画を見ながら学習・復習したい」という方に最適なウェビナー動画があります。Microsoft 365 Copilotの最新情報を紹介しながら、組織での「Copilot=人工知能アシスタント機能」の活用方法について解説した内容ですので、ぜひ視聴してみてください。 【ウェビナーアーカイブ動画】 Copilot for Microsoft 365とは!? AI大変革時代のMicrosoft 365の最新情報