テレワークを導入したものの、コミュニケーションに課題を感じている企業は少なくないようです。テレワークは従来と働き方が大きく異なるため、コミュニケーションの取り方に注意しなくてはなりません。そこで本記事では、テレワークで注意すべきコミュニケーションの取り方について詳しく解説します。
テレワークでコミュニケーションを意識すべき理由
テレワークでコミュニケーションが重要といわれる理由は、従来のオフィス勤務のようなやり取りを行えないからです。従業員同士のあいだに物理的な距離があり、非対面で業務を遂行するため、自然とコミュニケーションが少なくなってしまうのです。
コミュニケーション不足がもたらす弊害は多々ありますが、そのひとつに従業員が孤独感を抱き、仕事に対するモチベーションを低下させてしまうリスクが挙げられます。モチベーションの低下は業務の品質にも影響を及ぼし、最悪の場合、離職にもつながります。
上記のようなリスクを回避するため、テレワークではコミュニケーションを意識した運用が求められます。では、具体的にどのような点に注意すればよいのか、次項で詳しく見ていきましょう。
テレワークで注意すべきコミュニケーションの取り方
従業員のモチベーションや業務の生産性を低下させないため、テレワークではコミュニケーションの取り方に注意しなくてはなりません。以下では、テレワークでコミュニケーションを取るときのポイントをピックアップしてご紹介します。なお、これらは必ずしもすべての企業にマッチするとは限らないため、その点を前提として覚えておきましょう。
機会を作り出す
テレワークでは、必然的にコミュニケーションが不足する傾向にあるため、意識的にやり取りを行える機会を創出するとよいでしょう。たとえば、1日に一度は部門のメンバー同士でやり取りを行う、月に一度は飲み会や対面の会議などを行う、といったアイデアが考えられます。
対面でコミュニケーションを取れる機会を意識的に設ければ、従業員のモチベーションや健康管理も行えます。従業員の負担が増加しないよう、無理のない程度にやり取りの機会を設けてみるとよいでしょう。
雑談も取り入れる
日々同僚や部下と顔を合わせるオフィス勤務では、従業員同士で気軽にコミュニケーションを取れます。一方、テレワーク環境下ではチャットやメールを用いたやり取りがメインとなり、業務に関連する情報交換に終始してしまうケースが少なくありません。
業務中に雑談ばかりとなると、生産性の低下につながりますが、適度な雑談はモチベーションの維持やメンタルの安定化といった効果が期待できます。1日に2回、チャットを用いた5分間の雑談タイムを設けるなど、従業員同士が気軽にコミュニケーションを取れる状況を構築してあげるとよいでしょう。
テキスト以外での会話も取り入れる
基本的に、テレワーク環境下ではテキストを用いたコミュニケーションがメインです。ただ、テキストのみのやり取りはどうしても味気なくなり、必要最小限のやり取りで終わってしまうケースが少なくありません。また人によっては、テキストでのやり取りではコミュニケーションを取っている実感が湧かず、メンタルに支障をきたす可能性もあります。
上記のようなリスクを回避するため、テキスト以外のやり取りも検討してみましょう。たとえば、映像や音声通話を利用した双方向コミュニケーションなどが該当します。後述するツールを導入すれば、映像や音声を用いたコミュニケーションを実現できます。
返答は早めにおこなう
メールやチャットを用いたコミュニケーションでは、返答を早めに行うことも大切です。たとえば、ある顧客に関する情報を急ぎで知りたくて連絡したものの、返答がなかなかないとなると業務に支障をきたしてしまいます。
レスポンスのスピードは個々の従業員に依存してしまうため、一定のルールを定めることもひとつの手です。チャットやメールの通知をONにする、返答は可能な限り5分以内に行う、といったルールを設けることも検討してみましょう。
ただ、即時のレスポンスを強要するのは、従業員のストレスを増加させるおそれがあるため要注意です。最初から厳しすぎるルールで縛るのではなく、手が空いたときにチャットやメールを確認して返答する、といった緩いルールから始めてみるのがよいでしょう。
情報共有をこまめに実施する
非対面で業務に取り組む環境ゆえに、情報共有はこまめに行う必要があります。情報共有をこまめに行わないと、管理者が従業員の業務進捗や成果を正確に把握できず、スケジュールに狂いが生じるおそれがあります。
こまめに情報共有を行うためには、相応の環境を整備することが必須です。後述するツールの導入により、スムーズでこまめな情報共有が実現します。また、情報共有をしっかりと行うことで、コミュニケーションが活性化するメリットも期待できます。
伝え方を意識する
テキスト中心のやり取りでは、相手に意図や真意が伝わらないケースがあります。読解力や理解力、話の伝え方などのスキルは人によって異なるためです。本人は正しく伝えたつもりでも、受け手によって認識が大きくずれてしまうケースも少なくありません。
上記のようなリスクを防ぐべく、テキスト中心のやり取りでは、できるだけ情報量を増やすよう心がけましょう。日本語の会話では主語を省くケースが間々ありますが、テキストでやり取りするときは主語や述語をきちんと記載することも大切です。真意や意図が正しく伝わっているか、確認のステップを導入するのもよいでしょう。
ツールを活用する
テレワーク環境下において円滑なコミュニケーションを実現するには、ツールの活用が不可欠といっても過言ではありません。ビジネスチャットツールやWeb会議システムなど、情報共有ツールの導入を検討してみましょう。
ツールを導入したあとは、利用に関するルールも定めましょう。進捗に関する連絡は15時~17時までとする、テキストで伝えるのが難しい話は通話にする、などのルールを設けることで、ツールをより有効活用できるようになるでしょう。
テレワークに役立つコミュニケーション支援ツール
テレワークに役立つコミュニケーション支援ツールは多々ありますが、ここではその中でも特に優れたものをいくつかピックアップしてご紹介します。気になるツールがあれば、導入を前向きに検討してみましょう。
Chatwork
「Chatwork」は、テキストを用いてリアルタイムにやり取りを行えるビジネスチャットツールです。テキストだけでなく、画像や音声などの各種ファイルを送信でき、スムーズな情報共有を実現します。
複数のチャットルームを作れるため、仕事用や雑談用といった具合に分けて利用できるのも特徴です。さらにタスク管理機能も実装しており、管理者は従業員個々の進捗具合も把握できます。
Zoom
テレワークの普及に伴い、注目度を高めた情報共有ツールが「Zoom」です。パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを用いてオンライン会議を開催でき、現在では教育機関の授業や企業の研修、ミーティングなどにも活用されています。
会議の様子を記録できるレコーディング機能をはじめ、画面共有機能やユーザー管理機能など、優れた機能が充実しています。音声や映像もクリアで、通信の安定性が高いのも選ばれる理由といえるでしょう。
Microsoft Teams
「Microsoft Teams」は、Microsoft社が提供しているコミュニケーションツールです。チャットによるやり取りを行えるほか、WordやExcelといったほかのMicrosoft製品と連携することで、より便利に活用できるのも特徴といえるでしょう。
また、Teamsは進捗管理にも利用できます。タスク管理ツールが実装されており、管理画面からメンバーの進捗具合を容易に把握できます。さらに文字起こし機能もあるため、オンライン会議の様子を文字に起こしてあとから見直す、といったことも可能です。
高機能かつ多機能なツールでありながら、無料で利用できるのもメリットといえるでしょう。そのため、とりあえずどのコミュニケーションツールを利用すべきか悩んでいる、といった企業にはMicrosoft Teamsがおすすめです。
まとめ
テレワークでは必然的にコミュニケーションが不足し、その結果、業務に支障をきたすおそれもあります。意識的にやり取りの機会や雑談を増やすなど、コミュニケーション不足に陥らないよう対策を講じましょう。ツールを導入するのなら、多機能かつ無料で始められるMicrosoft Teamsがおすすめです。