柔軟な働き方を推進するには、ハイブリッドワークやフレックスタイムなどの導入が必要です。また、新しい働き方に合わせて、どこでも働けるような環境の構築が必要です。
そこでMicrosoft Teams Roomsのような手軽にリモート会議を導入できる製品がおすすめです。こうした新しいシステムを利用して、自由性の高い企業作りを目指しましょう。
柔軟な働き方が求められる現代
「在宅勤務」「シェアオフィス」「フレックスタイム」「業務プロセスの自動化」など、働き方に大きな変革が訪れています。これまでは、決まった始業時間に決まったオフィスで働くというのが当たり前でした。しかし近年は、始業時間をずらしたり、自宅で働いたりすることができるようになるなど、さまざまな就業方法が採用されています。
このような働き方の変化は、2019年4月1日に施行された「働き方改革法案」に端を発しています。この法案は今後さらに見込まれる日本の労働人口の減少を前に、より生産性を向上させるために新しい働き方を推進する目的があります。
2040年には日本の生産年齢人口(15歳から64歳まで)は人口の約半分となり、さらに2050年には人口が1億人を下回ると予想されているのです。
そのため、企業は、少ない人員で如何に効率よく生産性を上げるかが重要となります。そのためには、近年発達の著しいITシステムの有効活用が必須です。
柔軟な働き方とは?
柔軟な働き方とは、「始業時間」「勤務日」「働く時間・場所」などを決められた範囲の中で自由に選択できる状態のことを指します。たとえば、通常8時半出社の企業で10時半に出社したり、オフィスワークを基本とする企業で在宅勤務をしたりといったことが挙げられます。このような働き方を導入すると、雇用主は従業員の負担が軽減できるだけでなく、幅広い人材の雇用や生産性の向上、業務の効率化を図ることが可能です。
企業が柔軟な働き方を考える場合は、「従業員の負担軽減」と「生産性の担保」が鍵となります。従業員の負担として考えられるのは、「通勤」「決まった始業・就業時間」「勤務日数」などです。これらを自由に選択できるようにすることで、従業員の負担軽減に繋がります。
しかし、企業側の目線では、従業員の選択肢を広げすぎると生産性の担保に対する不安が残るかもしれません。そのため、外出先でも働けるシステムを設けたり、作業効率化のためのシステムを作成したりするなど、業務効率を上げる工夫も必要です。
柔軟な働き方のメリット
柔軟な働き方を導入するメリットをより細かく解説していきます。
コスト削減
新しいワークスタイルが多く生み出される中、特に大きな変革となっているのがオフィスを持たない事業者です。こうした企業ではリモートワークを基本とし、従業員が集まる場合も毎回同じ場所とは限りません。このようにあえてオフィスを持たない働き方を選択することで、オフィス賃料の大幅な削減が可能となります。
また、オフィスを持っていたとしても、リモートワークの促進などを行えば、オフィスの利用者が減るため光熱費が節約できます。通勤者も減るため、社員の交通費も削減可能です。
生産性の向上
在宅ワーク、勤務時間の変更など、柔軟な働き方の導入を行うことによって、生産性の向上が望めます。これはITシステム導入による業務の効率化や従業員のストレス軽減によるものです。
たとえば、在宅ワークの導入によって、チャットやビデオ通話が常に使用できる環境になり、外部先からのデータのやりとりが可能となります。これにより無駄な時間が短縮できるほか、外出先でもデータのやり取りや更新ができるというメリットがあるのです。
また、人間は、朝型・夜型タイプが存在しており、タイプによっても1日の時間で集中する時間が変わります。朝型・夜型タイプそれぞれに合った始業・終業時間をあてがうことで、その人の持つパフォーマンスを最大限引き出すことが可能です。
そのほか、ストレスは生産性を低下させるという研究報告もあるため、従業員のストレスを軽減してあげることで生産性の向上も期待できるのです。
社会的な信用を得られる
情報通信網が発達した現代では、ブラック企業を一覧化するランキングが毎年行われています。このランキングでは、いじめやセクハラといった人的問題も関わっていますが、「長時間労働」「長時間過密労働」「派遣差別」「育休などの整備不備」といった働き方に関する問題も取り上げられます。
特に現代においては、従来の働き方を推進する企業よりも、働き方を選択できる企業が優良であるという認識が強くなっており、就活生の目線でも、さまざまな働き方を導入している企業は魅力的に映ります。
実際、柔軟な働き方を導入して、生産性の向上や業務効率化を推進していけば、過酷な労働現場になることが防げるはずです。世間一般的に優良な企業であると認知されれば、社会的な信用の向上にも繋がります。
従業員の満足度が上がる
一昔前までは私生活よりも仕事を第一にして、企業のために働くというのが理想の1つでした。しかし、近年は、ワークライフバランスを大事にしたいという従業員が増えています。自分の力が社会でどこまで通用するかといったことよりも、私生活を充実させるために業務を行なっているのです。
ワークライフバランスを重視する考え方は世代単位の変化でもあり、こうした心情の変化にも企業が対応することで、従業員の満足度向上に繋がります。従業員の仕事に対する満足度が上がれば、前述した生産性の向上や職場の風通しがよくなるといったメリットがあります。さらに居心地の良い環境であれば、従業員が定着しやすくなって離職を低減できるのです。
創造性の向上
新しい働き方は、生産性だけではなく創造性の向上にも繋がります。特に創造性を高める試みとして、多く導入されているのがクリエイティブオフィスです。これは経済産業省による、企業の知識創造性を高める手段として発表された「12の知識創造行動」が元となります。
12の知識創造行動は、以下の4つのプロセスと12の行動から示されます。
- 刺激し合う
1.ふらふら歩く
2.接する
3.見る・調べる・感じあう
- アイデアを出す
4.軽く話してみる
5.ワイガヤ・プレストする
6.絵にする。例える
- まとめる
7.調査・分析・編集・蓄積
8.真剣勝負の討議をする
9.見てもらう・聞いてもらう
- 自分のものにする
10.試す
11.実践する
12.理解を深める
上記を見ると、「ふらふら歩く」「ワイガヤ」など、普通のオフィスでは考えられない項目があります。しかし、こうした試みが行えるオフィス環境であるからこそ、創造性が芽生えると言えます。
柔軟な働き方を進めるための施策
実際に柔軟な働き方を推進するために必要な施策を考えましょう。ここでは一般的に行われる手法について解説します。
フレックスタイムの導入
フレックスタイムは、従業員が自ら始業・終業時間を決める新しい働き方です。具体的には、決められた一定期間の勤務時間の総量を減らすことなく、柔軟に業務の始まりと終わりが決められるということです。
たとえば、1ヶ月の勤務時間の総量が170時間と定められていたとして、その総量を守れば日によって10時間働く日と6時間しか働かない日があってもよいことになります。通常の始業・終業時間が9時半〜18時半だとしたら、11時半〜20時半といったように従業員の好きに勤務時間を変更できるというわけです。
また、雇用主側が必ず勤務して欲しい時間帯がある場合は、「フレキシブルタイム」と「コアタイム」を設けます。フレキシブルタイムは好きに出社・退社が決められる時間帯で、コアタイムは必ず勤務しなくてはいけない時間帯です。これを設定することで、企業側が働いてほしい時間帯も確保できます。
このようなフレックスタイムを導入することで、従業員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を推進できるため、ストレスの軽減や生産性の向上に繋げられます。
新たな休暇制度の導入
従業員の心身回復やモチベーションの向上のためにも、従来とは異なる休暇制度の導入や、長期休暇を取得しやすい環境づくりを検討しましょう。企業側が休暇にも配慮を広げることで、従業員の離職を防ぎ、信用の向上にも繋げられます。
休暇制度を広げる始めの一歩として、法定休暇として定められているものがより取得しやすくなる環境づくりを考えましょう。主に「年次有給休暇」「育児休業」「介護休業」「生理休暇」などが挙げられますが、休業したときに業務の負担が大きくなるようでは休暇が取りづらくなります。そのため、職場全体が余裕のある人員体制を整え、休む人がいても問題なく稼働できる環境でなくてはいけません。
また、それ以外に企業が設ける休暇として、「傷病休暇」「リフレッシュ休暇」「サバティカル休暇」などが挙げられます。従業員が心身やライフスタイルに問題を抱えている場合に休暇を設けたり、リフレッシュ目的の長期休暇をとったりすることを目的とします。
副業や兼業を認める
日本ではスキマ時間に金銭を稼ぐ方法が発達しており、特に近年はUber Eatsなどが台頭した結果、副業を始めるハードルが下がっています。しかし、本業と掛け持ちで取り組むためには、このような副業や兼業を企業が認めることが必要です。副業は本業と合わせて安定した収入が望めるため、精神面に良い影響をもたらします。加えて新しい業務に挑戦することで、スキルアップに繋がることもあるのです。
ただし副業のせいで本業に支障が出ては元も子もないため、掛け持ちを認める場合は、1日の総合勤務時間や健康管理に配慮しなければいけません。また、本業の秘密事項が漏洩しないように、ペナルティを含めた規則を設ける必要もあります。
ハイブリッドワーク
ハイブリッドワークは、リモートワークとオフィスワークの両方を活用する働き方のことを指します。ハイブリッドワークを導入することで、従業員は働く場所を生活スタイルに合わせて使い分けられるようになります。たとえば、育児や介護を自宅で行なっている従業員がいた場合、在宅ワークの選択肢があることでワークライフバランスを良好に保てるのです。
また、「在宅ワークの方が気楽で業務に専念できる」「オフィスで働いた方が集中できる」など、従業員によってさまざまな考えがあるため、それぞれの好みに合わせた場所で働けるようにすることで、生産性の向上を狙うことも可能です。
ハイブリッドワークを取り入れるためには、離れた従業員とも即座に連絡ができる環境づくりが必須です。そのため、ミーティングやチャットが気軽にできるツールの利用が推奨されます。
柔軟な働き方をMicrosoft Teams Roomsが加速させる
Microsoft Teams Roomsは、Microsoft社によるリモートミーティングのためのハードウェアです。異なる場所にいる従業員たちと、即座に高品質なビデオ会議が行えます。
名前にある通りMicrosoft Teamsの機能を利用した製品ですが、Teamsがソフトウェアなのに対してTeams Roomsはハードウェア製品というのが大きな違いとなっています。専用デバイスが「Crestron」「HP」「Lenovo」「Logicool」「Polycom」「Yealink」から発売されており、以下の4点が付属しています。
- PC(Windows 10 IoT Enterpriseインストール済み)
- 操作のためのタブレット
- カメラ
- スピーカー・マイク
Teams Roomsは、上記のセットを会議室に備え付けることで、すぐに離れたユーザーとビデオ会議を行うことができる便利な製品です。
Microsoft Teams Roomsの5つの特長
Microsoft Teams Roomsの5つの特徴についてご紹介します。
どこでも誰でもミーティングに参加
Microsoft Teams Roomsでは、デバイス単位でライセンスを管理します。Microsoft Teamsは、個人のアカウントにライセンスが紐づくため、この点に大きな違いがあるのです。
個人アカウントにライセンスが紐づいていた場合、企業の所有するデバイスやアカウント外からはリモート会議には参加できません。一方でデバイスにライセンスが紐づいていると、ログインするだけで誰でも簡単にリモート会議に参加することができます。そのため、ミーティング参加のためにMicrosoft 365のアカウントや企業のデバイスを個人で所有する必要がありません。
タッチレスでミーティングに参加
ミーティングをより手軽に行えるように、Microsoft Teams Roomsにはさまざまな機能が備わっています。ミーティングはカレンダーから簡単に設定することができ、スマートフォンなどのモバイル端末からも予約が可能です。さらにスケジュールアシスタント機能を使用すれば、埋まっている会議室も一目でわかるようになっています。
また、通常のミーティングでは、会議のURLがわからなくて遅れてしまうこともあります。一方、Microsoft Teams Roomsでは、近くの会議をBluetoothで自動的に探知することも可能です。会議を検知した瞬間にすぐに参加できる機能もあり、参加ボタンを毎回押す必要もありません。また、自動で会議に参加した際はマイクがミュートになっており、突然の雑音で会議が阻害される事態にも配慮されています。
AIによる高性能なミーティングの実現
Teams Roomsには、2つのAI機能が搭載されています。まず1つ目がカメラデバイスに利用されるAIです。AIビューファインダー機能を使用すると、ミーティングで会話をしている人間にリアルタイムでフォーカスを行います。これにより、誰が話しているのかが明確にわかるようになるのです。さらに不鮮明な映像も、自動で鮮明な画像にします。
また、もう1つのAI機能として、自動文字起こし機能が付属しています。これは発言者をAIが聞き分けて、自動で文字起こしをするという機能です。会議参加者はメモを取る機会が少なくなり、参加していない人も後から議事録として確認することができます。こうした作業は簡単なことではありませんが、この機能によって議事録を取るというストレスから解放されるのです。
セキュリティの高いミーティングの実現
Microsoft Teams Roomsは、「ハードウェア」「ソフトウェア」「アカウント」「ネットワーク」の4点で高いセキュリティを実施しています。ハードウェアでは、セキュリティロックスロットによる物理的な安全策や不正なデバイスの接続防止が可能です。さらにソフトウェアの管理は、管理権限者のみがサインインできる仕組みとなっています。そのため、一般ユーザーによる管理操作はできません。
また、ネットワーク要件は、Microsoft Teamsに準拠しています。Microsoft Teamsでは、ネットワーク通信を暗号化しているほか、証明書やOAuth、TLS、SRTPなどを使用してより強固なデータ保護を実現可能です。
様々な端末でのミーティングに参加
Microsoft Teams Roomsでは、個人端末でのミーティング参加が可能です。スマホやPC、Surface Hubを始めとし、ZoomやCiscoといったプラットフォーム端末にも対応しているため非常に自由度が高く、企業が会議のために各個人へ端末を用意する必要はありません。Microsoft Intune MDM権限を設定後、デバイス管理者の登録をしてユーザーにライセンスを付与します。そして、デバイス管理者として、コンプライアンスポリシーを割り当てれば登録完了です。コンプライアンスポリシーをあらかじめ設定しておくことで、ミーティングへより気軽に参加できる環境を整えられます。
まとめ
柔軟な働き方を推進するには、ハイブリッドワークやフレックスタイムなどを導入するだけでなく、新しい働き方に合わせて、どこでも働けるような環境の構築も必要です。
Microsoft Teams Roomsのような手軽にリモート会議を開催できる製品など、新しいシステムを活用した自由性の高い企業づくりをおすすめします。