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アルコール検知の義務化はいつから? 対象企業や検知器導入に対応するための流れ

アルコール検知の義務化はいつから? 対象企業や検知器導入に対応するための流れ

対象の事業者において、アルコールチェックが義務化されました。今後はアルコール検知器を使った確認も必要になります。この記事では、アルコールチェック義務化の概要やスケジュール、対象企業、必要な対応についてまとめました。あわせてアルコールチェック業務に役立つ、クラウドシステムについても紹介しているので参考にしてみてください。

アルコール検知器を用いた酒気帯び確認の義務化とは?

条件を満たす事業所において、安全運転管理者が運転手の酒気帯びの有無を、目視だけでなくアルコール検知器を使用して確認することが義務付けられました。使用するアルコール検知器は常時保持する必要があります。また、安全運転管理者は、アルコールチェックを実施した旨の記録を残し、それを1年間保管しなければなりません。
詳細は、警視庁の公式サイトから確認できます。

義務化はいつから?

アルコール検知器を用いたアルコールチェックは2022年10月1日から義務化が予定されていました。しかし、アルコール検知器が市場に十分な量が出回らなかったことを理由に、検知器を用いたアルコールチェックの義務化は延期され、2023年4月現在も未定のままです。ただし、供給体制が整備された場合、改めてアルコール検知器によるチェック義務化の予定が発表される可能性があります。

アルコール検知の義務化の対象となる企業

アルコールチェックの義務化は、以下いずれかの条件をみたす事業所が対象です。

  • 乗車可能な定員数が11人以上の自動車を、1台以上使っていること
  • 乗車可能な定員数が10人以下の自動車を、5台以上使っていること
    (大型二輪車や小型二輪車については、それぞれ1台につき0.5台として計算)

アルコール検知器導入義務化に対応するための流れ

アルコール検知器導入から運用までおよそ4か月の期間が必要になります。まだ義務化はされていませんが、スケジュールが決定された際に慌てて準備することの無いよう、対応の流れを把握できていれば安心です。この章では、調査、準備、運用の3つのフェーズに分けてそれぞれ運用までの流れを解説していきます。

1. 調査フェーズ(1ヶ月)

安全運転管理者・副安全運転管理者の選任

検知器を用いたアルコールチェックは安全運転管理者が行わなければなりません。事業所が乗車定員11人以上の自動車を1台以上保有しているか、自動車を5台以上保有する場合、安全運転管理者を選任する必要があり、車両台数が20台以上40台未満の場合、安全運転管理者に加え副安全運転管理者を配置する必要があります。
そのため、安全運転管理者と副安全運転管理者を以下の条件により選びます。

【安全運転管理者の条件】

  • 20歳以上※副安全運転管理者を設置する事業所では30歳以上
  • 自動車運転の管理について、2年以上の実務経験がある担当者など

【副安全運転管理者の条件】

  • 20歳以上
  • 自動車運転の管理について、1年以上の実務経験がある担当者など

各管理者を専任したら、15日以内に事業所がある地区の警察署へ届出を提出します。
なお、安全運転管理者は、自動車の使用拠点ごとに選任する必要があります。

車両利用状況の把握

本社を含む各事業所で、業務で使っている車両の利用状況をまとめます。具体的にチェックが必要となる主な項目は以下の通りです。

  • 保有する車両の台数
  • レンタカーの利用状況
  • 白ナンバー点呼対象者が所属する組織や人数など

検査状況や頻度の把握

以下の検査項目を、事業所別にまとめます。

  • 対象車両
  • 対象者
  • 点呼項目
  • 承認単位など

業務時間内だけでなく、直行直帰や出張をした際の検査実施頻度について確認し把握しておきます。

2. 準備フェーズ(2ヶ月)

準備フェーズでは、紙またはシステム管理のメリットとデメリットを理解することと、運用ツールやルールを策定することが大切です。

紙およびシステム管理のメリット、デメリットを理解する

アルコールチェックの実施結果は、紙かシステムのいずれかで管理します。

【紙による管理】
メリットは低コストで自由にカスタマイズできることです。一方で手書きで手間がかかることや紙を保管する場所の確保が必要なことがデメリットとしてあります。

【システムによる管理】
メリットはオンラインで作業でき、データを可視化できることやクラウドなどでデータ保管できるため、物理的な場所の確保が不要なことです。デメリットはシステムの利用料が発生することと、使用するシステムによりカスタマイズ性が低いことが挙げられます。

それぞれ自社に合った管理方法を選んでみてください。

運用ツールやルールを策定する

紙とシステムのどちらを使うか決まったら、ツール選びやルール策定を行います。
アルコールチェッカーを個人配布にするか、共有して使用するかを決め、自社にあった機器を選定します。
続いて、業務時間内のフロー、出張時や直行直帰する際のフローなど、あらゆるパターンを想定したルールを決めます。チェック漏れを防ぐため、チェックするタイミングや場所は細かく指定するとよいです。

3. 運用フェーズ(1ヶ月)

準備が整ったら運用フェーズへと移行していきます。運用フェーズでは、実際にアルコールチェックを実施するための最終段階で、社内周知、機材の搬入などを行っていきます。

社内向け通達文の作成・説明会実施

アルコールチェックの実施は従業員の協力が必要不可欠です。
従業員側は、これまでの業務に追加でアルコールチェック作業が必要になります。そのため、ただアルコールチェックを行う旨の通知のみを行うと、義務とはいえ、なぜチェックを行う必要があるのか理解が得られないまま面倒な作業と捉えられてしまう可能性があります。
しっかりとアルコールチェックの必要性を理解してもらうためにも、通知文の他に、説明会を設け、口頭でやりとりすることが大切です。
また、定期的に飲酒講習会などを開催すると、従業員の意識改革につながります。

必要機材の搬入

従業員への説明が済んだら、機材搬入の段階です。アルコール検知器や管理システムなど、使用する機材の搬入・設置を行います。機材の納期を考慮し、余裕をもって発注します。

補助者の選任

安全運転管理者と副安全運転管理者が不在の際に、管理を代行する補助者を選んでおきます。補助者が承認を行った場合は、安全運転管理者や副安全運転管理者への情報共有が必須です。

BPO(アウトソーシング)利用の検討

社内で担当者を確保するのが困難なケースもあります。その場合は、検査業務をアウトソーシングするのもひとつの手です。

クラウド型アルコール検査記録システム「 アルコールチェック:ご安全に 」とは?

「アルコールチェック:ご安全に」は、アルコール検知器によるチェックの記録を、自動で簡単に管理・保管するクラウドシステムです。
以下の特徴により、アルコール検知に関わる業務をシンプルに実行でき、従業員や担当者の負荷を大幅に軽減できます。

  • モバイル端末を介して検査結果を簡単にクラウドへ送信できる。
  • セルフチェックにおける不正の防止ができ、直行直帰時も安心してチェック可能。
  • 別拠点の結果共有や、代理での承認機能が搭載されている。

まとめ

万が一、従業員が飲酒が原因で業務中に交通事故を起こした場合、当事者だけでなく、企業自体も社会的な信頼を失ってしまう可能性があります。アルコール検知器を用いたアルコールチェックはまだ義務化されていませんが、この記事を基に、社内の安全運転管理について、改めて運用ルールを検討する際の参考にしてみてください。

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