人の価値観に注目した新しい販売促進手法として価値観マーケティングがあります。ターゲットとする顧客がどのような価値観を持っているかによってマーケティングする手法です。この記事では、価値観マーケティングから学ぶ日本人の価値観を12タイプに分けて解説しています。価値観マーケティングについて学んでいきましょう。
価値観とは
価値観とは、どんなことに価値を見出すかという人の感じかたや思想のことです。価値観は人によってさまざまで、何に重きを置くかなど物ごとの捉え方によって変わってきます。
そしてその価値観は人生観とも深く関係してきます。善悪の判断基準や優先度の指標になるなど、人が生きていく上で必ず必要な考え方であると言えます。
さまざまな部分で多様化が進んでいる現代では、価値観は人それぞれであることを前提とし、その価値観の違いを理解し認める、といった動きが多く見られます。
仕事において価値観が重要視される7つのポイント
仕事において価値観が重要視される場面について見ていきましょう。仕事における人間関係の距離感、スキルアップなどの教育制度についての価値観との関係など解説していきます。
1:人間関係
職場の人間関係についても価値観は大事です。職場での人間関係を濃密なものにした方がいいという価値観もあれば、仕事と割り切ってドライな関係を望む人もいます。
どのような価値観を持っているのか、人間関係で互いに理解しあう必要があります。そして、そもそも同じ価値観の人はいないというころも理解しておくといいでしょう。
2:教育制度
社員教育制度については、会社の価値観が大きく関係してきます。社員教育に関するスキルアップは個人の責任と考える会社もあれば、会社として責任を持って教育していくという会社もあります。
個人の責任に任せる会社では、社員の自主性が生まれ、会社として教育制度を実施する場合は会社が一丸となって人材教育に取り組めます。
3:意思決定方法
会社であらゆる意思決定する際にも、会社としての価値観が関係してきます。会議などにおいて物事を決定する際に、会社としての価値観(営業方針)に基づいてその物事を決定することになるからです。
会社にとっての損得勘定や意思決定方法にも、その会社の経営者である社長や社員の価値観が大きく関わってくると言えます。
4:優先順位
仕事する上での優先順位の決め方も会社や働く人の価値観によって決まってきます。そもそも価値観とは何を優先に重要視するかということになります。
売上を優先するのか、顧客へのサービス満足度をあげることを優先するのかなど、会社にとっての価値観とは深い関係にあります。
5:評価方法
仕事に対する成果を評価するのか、成果ではなくプロセスを重視して評価するのかなど、評価方法についても価値観が深く関係しています。
会社の売上に貢献したことを評価するのか、その営業活動によって商品が知れ渡ったプロセスを評価するのかは会社や上司、あるいは顧客の価値観によって違ってきます。評価方法において価値観とは大事なポイントです。
6:経営方針
会社の経営方針や企業理念は、経営者の価値観がそのものといっても過言ではないでしょう。経営方針や企業理念は、会社を経営していく上で何を重要視するか、優先するかという指針だからです。
会社の提供する商品やサービスがどんな価値を提供するのか、何のために何を求めて会社を経営していくのかなどを経営方針として掲げ、それを目標に社員が日々の仕事や業務をこなしていくことになります。
7:顧客分析
どういった顧客を大切にしていくのか、どういった分野の顧客を増やしていくのかなどの顧客ターゲティングには企業の価値観が関わってきます。その会社がどのような顧客に対してサービスを提供していきたいのかということがポイントです。
そしてその価値観にあった顧客ターゲティングするには、顧客がどのような価値観を持っているか分析していく必要があります。
価値観マーケティング手法とは
価値観マーケティングとは、消費者の価値観に注目した新しい販売促進手法です。ターゲットとする顧客がどのような価値観を持っているかによって傾向を分析しマーケティングに活用する方法です。
消費者の価値観を基に考えた消費者ニーズは、時代や流行の影響が少なく、「消費者が本当に望んでいること」に焦点をあてることができます。
さまざまな部分で多様化が叫ばれている現代では、属性の観点から本当の顧客ニーズを探ることが難しく、価値観という観点から顧客ニーズを探るマーケティング方法が効果的であると言えます。
しかし、価値観マーケティングで本当の顧客ニーズを探れる一方で、価値観という目に見えない情報を収集するのが難しいという懸念点も挙げられています。
価値観マーケティングを正しく行うためには、価値観マーケティングについての知識や消費者の価値観の分析方法を知り、活用していかなければなりません。
価値観マーケティングから学ぶ日本人の価値観12選
消費者の価値観を可視化するために活用できる、日本人の価値観モデル「Societas」というものがあります。
価値観及び商品やサービスへの関心度を把握することにより、ユーザー理解が深まり、価値観タイプごとに現状より深いエンゲージメント施作が実行可能になるのです。
1:好奇心旺盛な人生謳歌タイプ
日本人の価値観1つ目は、「好奇心旺盛な人生謳歌タイプ」です。
この人生謳歌タイプは、好奇心旺盛で成長意欲が強い・協調性があるなどの特徴があります。その他には、恋愛を楽しみたいという特性もあります。
このような価値観から、どのような顧客ニーズを持っているのかを探っていきます。
2:繊細な個人主義タイプ
日本人の価値観2つ目は、「繊細な個人主義タイプ」です。繊細な個人主義タイプは、マイペースで、1人の時間を楽しみ、傷つきやすく、感情の起伏が激しいなどの特性があります。
この繊細な個人主義タイプには、家時間を楽しめるようなマーケティングしていくといいでしょう。
3:社交的な堅実ホームメーカータイプ
日本人の価値観タイプ3つ目は、社交的な堅実ホームメーカータイプです。社交的な堅実ホームメーカータイプは、協調性があり、好奇心も旺盛で、自分磨きも怠らないという特性があります。
この社交的な堅実ホームメーカータイプは、人に喜んでもらうことで幸せを感じます。
4:家族想いの多忙ワーカータイプ
日本人の価値観タイプ4つ目は、家族想いの多忙ワーカータイプです。家族想いの多忙ワーカータイプは、協調性はあるものの自分の価値や時間を大切にするマイペースな特性があります。
家族想いの多忙ワーカータイプは、非常識なことや批判されることが嫌いです。
5:好奇心旺盛なバランス人間タイプ
日本人の価値観タイプ5つ目は、好奇心旺盛なバランス人間タイプです。好奇心旺盛なバランス人間タイプは、成長意欲が強く、協調性があり、行動派という特性があります。
周囲との協調性を大切にしながら好奇心が強いタイプでもあります。
6:自分中心的なアクティブタイプ
日本人の価値観タイプ6つ目は、自分中心的なアクティブタイプです。自分中心的なアクティブタイプは、自己成長に余念がなく、上昇志向などの特性があります。
自分中心的なアクティブタイプは、他者に興味がないわけではなく、恋愛にも積極的な傾向にあります。
7:アウトロータイプ
日本人の価値観に関するタイプ7つ目は、アウトロータイプです。アウトロータイプは、感情の起伏が激しい、整理整頓が苦手などの特徴があります。
アウトロータイプは、デリケートな側面も持ち、消極的で1人で趣味に没頭するといった傾向があります。
8:こだわりインドア派タイプ
日本人の価値観に関するタイプ8つ目は、こだわりインドア派タイプです。こだわりインドア派タイプは、正義感があり、消極的などの特徴があります。
こだわりインドア派タイプは、デリケートなのに正義感があり、恋愛への憧れはあるけども消極的なのです。1人で趣味に没頭することが多いのです。
9:家庭的な真面目タイプ
日本人の価値観に関するタイプ9つ目は、家庭的な真面目タイプです。家庭的な真面目タイプは、勤勉で正義感が強く、趣味などを楽しむ特性があります。
家庭的な真面目タイプの人は、アウトドアやスポーツなどを趣味としやすい傾向にあります。
10:家族大好き悠々タイプ
日本人の価値観に関するタイプ10個目は、家族大好き悠々タイプです。家族大好き悠々タイプは、夢中になれるものがあまりなく、そして少しルーズで、趣味は楽しめるなどの特徴があります。
家族大好き悠々タイプは、家庭的な真面目タイプ同様、スポーツやアウトドアなどを趣味とする傾向にあります。
11:受け身な静閑タイプ
日本人の価値観に関するタイプ11個目は、受け身な静閑タイプです。受け身な静閑タイプは、こだわりがあまりなく、達観しているなどの特徴があります。
受け身な静閑タイプは、達観している反面、夢中になれるものがあまりないので趣味を見つけて楽しみたいと考えています。また片付けが苦手な特徴もあります。
12:受け身な隠者タイプ
日本人の価値観に関するタイプ12個目は、受け身な隠者タイプです。受け身な隠者タイプは、常に平常心で、消極的、周りに流されないなどの特徴があります。
受け身な隠者タイプは消極的で物静かなので、そのような特性にあったマーケティングをしていくといいでしょう。
価値観マーケティングが注目されている理由
モノがあふれ売れづらくなっているといった背景から、顧客の価値観を分析し活用することで、競合他社との差別化やより需要にあったサービスを提供できるようになります。
顧客の価値観にあったマーケティングを実施することで、より商品やサービスが売れやすくなるのです。例えば、趣味を好む特性には趣味の、成長意欲のあるタイプには成長する機会を提示するなどです。
また、時代の背景や流行への影響を受けにくいという点も価値観マーケティングが注目されている理由のひとつでしょう。
まとめ
価値観に着目したマーケティングの実施で、より顧客のニーズにあった提案が可能になります。顧客の価値観は、協調的、家庭的、アクティブ、パッシブ、個人主義など人それぞれです。
価値観マーケティングについての基礎知識を身につけ、多様化した価値観を可視化できる日本人の価値観モデル「Societas」を活用しながら、本当の顧客ニーズに寄りそったマーケティングを行えるようなりましょう。