建設・ビル管理

オープンデータとは? 注目される理由や活用事例をわかりやすく紹介

ビジネスでのデータ活用の重要性が高まる近年において、政府や自治体から提供されるオープンデータの活用にも注目が集まっています。

本記事ではオープンデータが注目される理由や入手先、活用事例なども解説します。自社事業にオープンデータの活用を検討している方はぜひ参考にしてください。

オープンデータとは? 注目される理由や活用事例をわかりやすく紹介

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オープンデータとは

オープンデータとは、人手があまりかからない形で二次利用ができる無償データのことで、機械判読に適した形式で加工されています。決まったルール内で誰でも複製や加工、再利用がしやすく、営利・非営利問わず二次利用が可能です。利用料がかかったり、利用制限があったりするようなものはオープンデータではありません。オープンデータ自体は主に政府・地方自治体・公的研究機関などから提供されています。

オープンデータが注目されている理由

2013年にG8サミットでオープンデータ憲章が採択され、日本でもオープンデータの活用によってビジネスや雇用、新規市場の創出を目的にした支援を実施してきました。オープンデータの活用によって官民協働を推進することで、日本が抱える様々な課題の解決、新しいサービスやビジネスの創出、企業活動の効率化などが促進され、経済の活性化に繋がることが期待されいます。

データ活用による経営は近年の企業活動においても重要性が増していることもあり、オープンデータの活用もビジネスの成長を考える上で無視できない要素です。想定されているオープンデータの活用者として事業者ももちろん含まれています。オープンデータを利用することで、企業は技術革新などによる環境変化への迅速な対応や効率化、新サービスの提供などを目指せます。

オープンデータの活用とビジネスで価値を提供する企業の目的は合致していることもあり、ますますオープンデータが注目されています。

オープンデータの入手方法

二次利用がしやすいという決まりがあるため、基本的にオープンデータはネット上の様々なサイトで公開されています。しかし、個別のサイトをひとつずつ閲覧して探すのは大変なため、入手先が一覧でまとまっているポータルサイトを利用するのがおすすめです。

データカタログサイト

データカタログサイトは、総務省が運営している情報ポータルサイトです。公共データの二次利用ができるサイトを横断的に検索可能です。ポータルサイトのためデータそのものではなく、オープンデータを公開している企業や団体のサイトURLを一覧で確認できます。

目当てのサイトを発見したらそのままリンクから移動できます。集められているサイトは国、地方公共団体、独立行政法人、民間団体などです。防災情報や交通情報、花粉の飛散状況、3D都市モデルデータ、インバウンドデータなど多種多様なオープンデータにアクセスできます。

e-Stat

各府省が公表している統計データをまとめて閲覧できる政府統計ポータルサイトです。日本の政府統計をワンストップで提供することを目的としており、社会の情報基盤となる統計結果が誰でも利用しやすい形で公開されています。統計データの検索や分野・組織ごとで統計データを探せます。閲覧できる統計データは様々で、国勢調査や人口、商業・サービス業、企業・家計・経済、エネルギーなど、幅広い分野の調査・統計情報を見られます。

各地方のオープンデータ提供サイト

各地方からオープンデータが提供されているサイトがあります。提供サイトからは、その都道府県または市区町と密接なデータを入手することが可能です。

データの種類は多く、PDFや画像データなどの取得・閲覧ができます。東京都オープンデータカタログの例では、都や区市町村に関する情報や都政のデータの閲覧ができ、アプリやサービス開発などに活用されることが期待されています。

ほかには、政府が公開を勧めている推奨データセットも各地方自治体のサイトから公開されています。公衆無線LANアクセスポイント一覧や観光施設一覧、支援制度情報など、ニーズがあるものを中心に閲覧できます。

オープンデータの活用事例

活用するにしても、どのように使えばいいかイメージがわかないという場合も少なくありません。そこで、オープンデータの活用成功事例をいくつか解説します。

1.公共交通機関のルート検索サービス

公共交通機関を利用して目的地へ移動するためのルート検索ができるサービスに、オープンデータが活用されています。サービス自体はWebアプリ、スマホアプリとして提供されています。アプリのターゲットは国内外の旅行者をメインにしており、沖縄での利用が想定されています。アプリは英語や中国語、韓国語表示もでき、多言語に対応しています。

沖縄には路線バスが4事業者あるものの路線が複雑という問題がありました。乗り継いで目的地に向かうのが簡単とは言えないため、県民ですら利用頻度が減っています。そういった背景があったため、県内移動の利便性を改善するためにバスを含めモノレールやレンタカー、船舶などで移動経路を検索できるアプリが作成されました。

オープンデータの提供元は沖縄のシャトルや急行バスなどの事業組合、合同会社などです。サービスを作成するにあたり、オープンデータとして公開されている公共交通機関の時刻表や路線情報が利用されています。

2.感染症の流行を可視化・警告するアプリ

風邪やインフルエンザなど、感染症の流行状況を可視化・警告できるアプリの作成にオープンデータが活用されました。地域の早期対策に繋げる取り組みとして開発されており、リアルタイムに感染症の情報共有が可能です。また、自治体だけで完結せず、利用者とともに作るアプリという視点があります。

利用方法は、利用ユーザーが自宅付近の地点で風邪の症状を投票することで情報共有を行います。また、医療機関や保健所が公表している感染症情報を地図上で表示でき、視覚的に感染症の発生状況が分かります。

これまではインフルエンザなどの発生状況をリアルタイムに把握するのが難しかったところ、アプリによって把握しやすくなり、感染症の拡大抑止や、早期の予防対策に繋げられます。

3.花粉チェックアプリ

花粉の飛散状況を知らせるスマホアプリでも、総務省提供の花粉情報のオープンデータが使われています。花粉のオープンデータ以外ではTwitterの投稿分析情報を活用しています。花粉の飛散量のほか、飛散地点周辺や観光スポットなどで投稿されたTwitterの投稿から独自の体感ポイントを算出し、花粉の飛散状況を分かりやすい形で確認できます。

花粉のお知らせはオリジナルのゆるキャラを使い、ユーザーに親しみやすい情報提供を実現しています。

4.給付金がわかる家計簿アプリ

給付金がわかるアプリの事例では、自治体が公開している給付金の情報をオープンデータから取得しています。取得されたオープンデータは、アプリに登録された家計簿や家族構成から受給できる可能性がある給付金額を自動でお知らせするための機能に利用されています。

アプリ側から受給できそうな給付金をお知らせすることによって、給付金の存在を知らない人やいくらもらえるか分からない人にも適切な情報提供を行えます。その結果、本来受け取るべき人に給付金が行き渡るようになります。

5.新型コロナウイルスに関するデータサービス

新型コロナウイルスの感染者数、病床数と使用率を全都道府県ごとに一覧形式で確認できるダッシュボードです。基本的に感染状況の情報は首都圏を中心に語られることが多いため、各地方の細かい状況を知りたくても分からないという点がサービス作成のきっかけになりました。

メディアで見聞きする首都圏の状況より、地元がどうなっているか知りたいという場合にサービスを利用することで、知りたい地域の感染状況を簡単に確認できます。感染状況のデータ自体は、地方自治体が公開している新型コロナウイルスのオープンデータを利用して作成されています。

6.全国の避難所がわかるサービス

全国にある避難所のオープンデータを集めてスマホアプリとして提供しているサービスの事例があります。現在地から周辺にある避難所、避難場所を自動検索して、ハザードマップを表示できます。プッシュ通知で防災情報を知らせる機能も搭載されており、最大3ヶ所の地域の気象・避難・防災情報の通知を受け取り可能です。近くの避難所の把握や非常時のルート案内、災害時の安否確認などに便利なサービスです。

オープンデータを活用する際の注意点

オープンデータは活用の仕方やアイデア次第で様々な可能性がありますが、プライバシー問題のリスクがある点についても知っておく必要があります。オープンデータ自体は個人の特定に繋がらないようになっています。しかし、膨大なデータの一つひとつを繋ぎ合わせると個人の特定ができてしまうことがあるのです。

アメリカではデータブローカーで個人情報の売買仲介を行う企業も存在しており、問題になっています。氏名、購入履歴、住所などを含むパーソナルデータを企業が勝手に別の企業相手に売買しており、プライバシーの侵害にあたるとして事件になっています。

今後、より精度の高いデータが取得できるようになる可能性はありますが、同時に個人情報保護の重要性も高まっていくことが予想できます。

まとめ

オープンデータとは、誰でも手間がかからず無償で二次利用できるデータのことです。政府や地方自治体から提供され、営利・非営利は問われません。オープンデータは官民協働による新しいビジネスの創出や、企業活動の効率化に活用されることで経済の活性化に繋がることが期待されてます。

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