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IoTとは? 活用事例やモノがインターネットにつながる効果を解説

近年、さまざまな業界でデジタル技術の活用によるDXの実現が急務となっています。そして、DXを実現する上で欠かせない技術として大きな注目を集めているのが「IoT」です。本記事では、IoTの概要や機能について解説するとともに、実際に導入している企業の活用事例をご紹介します。

IoTとは? 活用事例やモノがインターネットにつながる効果を解説

IoTとは

「IoT(Internet of Things)」は、あらゆるモノがインターネットと相互接続される技術です。日本語では「モノのインターネット」と訳され、「デバイス」「センサー」「ネットワーク」「アプリケーション」という4つの要素によって構成されています。情報機器や電子機器などのデバイスをセンサーが監視し、ネットワーク接続によって取得されたデータをアプリケーションで管理します。

IoTは、マサチューセッツ工科大学のAutoIDセンサー共同創始者であるケビン・アシュトン氏が1999年に提唱した概念とされていますが、実用化が進んだのは2010年代になってからです。まず、2012年にドイツ政府によって「インダストリー4.0」が提唱され、第4次産業革命やDXを実現する上で欠かせない技術としてIoTが大きな注目を集めるようになりました。

2010年代の前半はスマートフォンが世界的に普及しはじめた時期であり、2010年代の後半になるとクラウドコンピューティングの市場拡大やビッグデータ分析技術の高度化が進み、同時にIoTも広く普及していくこととなります。現在、国内でもIoTの活用が進みつつあり、総務省は「令和3年版情報通信白書」のなかで、産業分野はもちろん、医療やコンシューマー、自動車や宇宙航空の領域で高成長が見込まれると推察しています。

IoTで実現できる機能

冒頭で述べたように、IoTは「デバイス」「センサー」「ネットワーク」「アプリケーション」の4つの要素によって構成されています。そして、これら4つの相互作用によって遠隔地からデバイスを操作したり、機器を監視・制御したりできます。ここからは、IoTで実現できる機能について詳しく見ていきましょう。

モノを遠隔操作する

IoTの活用によって実現できる代表的な機能が、モノの遠隔操作です。たとえば、製造現場の生産設備をIoTセンサーとネットワーク接続することで、電子機器や駆動装置などの遠隔操作が可能です。こうしたモノの遠隔操作は製造分野だけでなく、遠隔地からの診療や看護といった医療分野でも導入されつつあります。また、外出先から自宅のエアコンを操作したり、お風呂を沸かしたりなど、一般家庭でも利用されています。

離れた場所にあるモノや人の状態をリアルタイムで把握

IoTを活用すれば、センサーがモノの情報を自動的に取得し、インターネット経由でデータをリアルタイムに送受信できます。この機能によって製品の品質管理や検品業務を省人化したり、製造ラインの稼働状況をタイムリーに把握したりすることが可能です。またテレワーク環境の勤怠管理や、リサーチやアンケートの簡略化などもできます。遠隔地のモノや人の状況をリアルタイムで把握できるため、的確な経営判断や意思決定を下す一助となるでしょう。

モノ同士で通信する

IoTは、モノ同士で通信することでデバイスの状況を自律的に分析し、人間を介さずに判断や動作が可能です。たとえば、交通状況を自動的に分析して信号の待ち時間を調整する、生産設備の稼働状況に異常があればアラートを鳴らす、オフィス空間の空調管理を最適化するといった領域で活用されています。情報処理推進機構(IPA)の概算によると、生産機器や医療機器、家電や防犯機器などのモノにつながるIoTの数は200億を超えるといわれています。

IoTの活用事例

ここからは、実際にIoTを活用している企業の事例をご紹介します。モノをインターネットと相互接続するIoTを活用することで、どのような成果を創出したのか見ていきましょう。

安全運転を支える:トヨタ自動車

IoTの活用によって新しい未来の創造に取り組んでいる企業の代表格が「トヨタ自動車株式会社」です。同社は誰もが安心・安全に運転できる「交通死傷者ゼロ」の社会を目指して「ITS Connect」と呼ばれる技術を開発しました。ITS Connectは、専用の周波数を用いて自動車や歩行者、信号などの情報を取得し、ドライバーの安全な運転を支援する技術です。

ITS専用の周波数が従来のセンサーでは捉えられない歩行者や自動車を検知し、ブザー音で注意を促します。この機能により、交差点における出会い頭の衝突事故や巻き込み事故など、自動車の死角に潜む事故の防止に貢献します。また、ドライバーが運転に集中できていない場合や、右折事故の危険性がある場合なども同様に、ITS Connectが独自の周波数で危険性を検知して警報を鳴らします。

スマホを鍵に変える:Qrio Lock(キュリオロック)

「Qrio株式会社」は、IoTを用いて暮らしの利便性と安全性を高めるサービスを提供している企業です。同社はスマートフォンやスマートウォッチで鍵を操作できるスマートロック「Qrio Lock」を提供しています。

Qrio Lockはアプリケーション上で鍵の解錠・施錠ができるため、実物の鍵を持ち歩いたり受け渡したりする必要がなく、さらにBluetoothによるハンズフリー解錠もできます。デバイスを所持した状態でドアに近づくだけで鍵を開けられるため、買い物帰りのように荷物で両手がふさがっている状況でも解錠が可能です。

締め忘れ防止のオートロック機能を備えているのはもちろん、アプリケーションによる遠隔操作での施錠もできるため防犯対策としても機能します。また、Qrio Lockの鍵をアプリケーション上でシェアする機能も搭載されているので、自宅やオフィスの合鍵を簡単に共有できる点も大きなメリットです。

建設現場の生産性を向上:コマツ

産業機械の大手メーカー「株式会社小松製作所」は、IoTを活用して建設業界や製造業界のDX推進に取り組んでいる企業です。その一例として取り上げたいのが、同社が開発した「スマートコンストラクション」と呼ばれるデジタルソリューションです。スマートコンストラクションは、建設現場の工事に関するさまざまな要素を3次元データ化し、安全かつ生産的な施工を実現するサービスとなっています。

具体的には、ドローンを用いた測量で施工前の状況を3次元データに落とし込み、そのデータに基づいて設計・施工計画を立案し、遠隔制御できるICT建設機械によって施工を進めていきます。工事前の測量にドローンを活用することで、数日かかっていた測量が1時間以内で終了したり、施工が必要な範囲や土砂の量などを正確に割り出したりなど、建設現場の生産性を飛躍的に高めることに成功しています。

高齢者を見守る:象印マホービン

IoTは製造業界や建設業界だけでなく、コンシューマー市場でも浸透しつつあります。その代表的な事例として挙げられるのが「象印マホービン株式会社」のロングセラー商品「i-POT」です。i-POTは2001年に発売された通信機能付きの電気ポットで、使用情報をメールで知らせることで家族の安否を確認できるというサービスです。

i-POTは同社が提供する「みまもりほっとライン」サービスと連動し、ポットの使用状況を通知したり、使用状況の推移から生活リズムを把握したりといった用途に用いられます。近年では同様の機能を備えた製品が多く販売されているものの、象印マホービンはIoTが普及する遥か以前からサービスを提供しており、現在では累計契約者が1万人を超える規模にまで成長しています。

まとめ

IoTは「モノのインターネット」と訳される技術であり、機器の自動制御や設備保全の省人化、データ収集のオートメーション化といった用途に用いられます。あらゆるモノをインターネットと相互接続し、組織の生産性や生活の利便性を高めることがIoTの役割です。より詳細なIoTの活用事例を知りたい方は以下の資料をご覧ください。

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