設備工事において、進捗管理は重要な工程の一つとなっています。
進捗管理を行ってプロジェクトの現状を把握することは、計画的な運用につながっていくでしょう。
しかし、従来のExcelなどを使用しての進捗管理は、いくつかの問題点を抱えています。
今後の設備工事においては、クラウドとモバイルを活用した新たなスタイルの導入が考えられるのです。
この記事では設備工事における進捗管理をクラウドとモバイルで実現するメリットについて解説します。
この機会に進捗管理の方法を見直して、よりやりやすい環境を構築してみてはいかがでしょうか。
設備工事における進捗管理とは
設備工事における進捗管理とは、具体的な目標の達成やスケジュール管理に必要不可欠なものとなっています。
そこでまずは進捗管理の基本と、その重要性を解説します。
進捗管理とは
進捗管理という言葉をおさらいすると、一般的に「進捗状況を確認して、作業の計画と実際の現場にズレが発生していないか把握すること」となります。
例えば「本来なら〇〇まで完了しているはずの作業が、来週以降までかかりそうだ」ということを確認したなら、それに合わせてスケジュールの調整や軌道修正を行うのが通常です。
進捗管理を怠ると、計画と現場のズレが放置されることになるため、目標の未達成やトラブル発生の原因になってしまいます。
適切な形での進捗管理を続けることは、プロジェクトの円満な進行・完遂の土台となるでしょう。
設備工事における進捗管理
設備工事において進捗管理は、品質の確保や予算管理に必要とされる重要な工程となっています。
進捗管理は基本的に「PDCA」サイクルに基づいて行われ、具体的には下記のような流れが採用されます。
・Plan
具体的な目標を定めて、設備工事における計画を作成します。品質、原価、悪天候時のリスク問題などの詳細を考案し、工程表にまとめます。
全体の計画を網羅した工程表の作成の他、重要度の高い部分をピックアップした部分工程表や、業者向けの横線式工程表などの作成も考えられます。
・Do
計画に沿って実際に行動し、必要に応じて修正等を行う段階です。新たに必要な資材などが判明した場合には、改めて手配することも求められます。
・Check
当初の計画と実際の現場を比較して、進捗状況の把握を行います。
・Action
進捗に問題があった場合、作業工程の改善や計画の見直しを行います。
進捗管理では、このPDCAのCheckとActionの部分を繰り返すことになります。施工管理に工程管理が含まれる場合には、国家資格である施工管理技士の取得が必要であったり、スムーズな管理を進めるために職人との交渉やトラブル対応が求められたりと、いくつかの注意点が考えられます。
従来の進捗管理の問題点
進捗管理は、手書きの資料やExcelによる簡易的な方法での対応も可能です。しかし、そういった従来の方法には、以下のような問題点も考えられます。記録に膨大な手間がかかる
従来の手書きやExcelによる管理方法では、進捗管理の記録に膨大な手間が必要とされるという問題点があります。
常に計画を進行し続ける現場から上がってくる情報量は非常に多いため、記録だけでも多くの時間がかかってしまうのです。
特に設備工事では現場写真の記録が欠かせず、数百枚〜数千枚を月に整理することも珍しくありません。
その作業を手書きやExcelで賄うことは難しく、進捗管理だけに多くの時間を割かなければならないこともあるでしょう。
進捗管理の重要作業である記録という面において、従来の手作業による方法はデメリットが多くなっています。
記録ミスによるスケジュールへの悪影響
手書きやExcelによる進捗管理は、どうしても人為的な記録ミスをゼロにはできません。記録ミスがあった場合、それを理由としたスケジュールの遅延や情報の伝達ミスが起こる可能性があるため、プロジェクトに悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
手書きやExcelはフォーマットが変わってしまうことも多く、その変化が作業者のミスを誘発することもあります。
単純な記録忘れが起きる可能性も高く、大事な情報が抜け落ちてしまうリスクも考慮されるでしょう。進捗管理における安定性と信頼を欠くことにつながりやすい点も、従来の方法の問題となっています。
事務所・オフィスと現場との往復
従来のオンプレミス型の進捗管理方法では、基本的に一度管理システムがある事務所やオフィスに戻ってからでないと作業ができません。
「現場で作業状況を確認」→「オフィスに戻ってから記録する」というプロセスが必要とされるため、作業者の日常的な負担が大きくなってしまうのです。
特に設備工事においては、現場が遠方にある場合や、作業拠点が複数ある場合などは、往復による時間の浪費が多くなってしまい、作業効率の低下を招きます。
進捗状況の把握・共有がしづらい
紙やExcelで保存されたデータは特定の条件下でしか利用できないため、把握と共有がしづらい点もデメリットです。
それぞれの場所で働く職人や管理者が進捗情報を確認するには、直接記録されたデータにアクセスするしかありません。
データが散在されるため使いづらくなり、確認後に周囲の人たちに伝えることも難しくなります。
また、従来のスタイルではリアルタイムの状況を確認できないため、進捗管理の情報が古くなってしまうことも問題です。
クラウドとモバイルによるこれからの進捗管理
従来の進捗管理が持つ問題点を解決できるのが、クラウドとモバイルによるこれからの進捗管理方法です。具体的にどのような魅力があるのかを、以下で解説します。クラウドベースのサービス管理ソリューションの導入
クラウドベースのサービス管理ソリューションを導入することで、設備工事における進捗管理がスムーズに行えるようになります。
クラウドを活用した管理ソリューションは既に高クオリティのものが多数存在していて、設備工事の分野では例えば「IFS Field Service Management」が紹介できます。
IFSは設備に関するジャンルに特化した世界規模のITソリューションで、作業内容やパーツの管理の他、請求や支払いなどの金銭面を統合して管理するシステムです。
タスク管理、スタッフ管理、モバイル活用といった各種制度をクラウドモジュールとして導入できるので、スムーズに環境改善が見込めます。
IFSの導入が、クラウドによる管理環境の構築を実現するでしょう。
クラウドとモバイルの利用で進捗管理のDXが実現
クラウドとモバイルによる進捗管理は、企業のDX化を進めるきっかけになります。進捗管理のデータの記録および管理は、モバイル端末によって現場での対応を可能とします。
わざわざ現場とオフィスを往復することなく、スムーズに記録作業が進められるのです。特定のフォーマットに集約されるためミスも減り、進捗管理で求められるコミュニケーションもICTを活用してレスポンスを高めることができます。
設備工事をはじめとした建設業界は人手不足が慢性化しているため、クラウドとモバイルを上手く活用して作業の効率化とコストカットを意識することがポイントです。クラウドベースのサービス管理ソリューションの導入によるDX化は、将来を見据えた備えにもなるでしょう。
まとめ
設備工事における進捗管理は、専用のクラウド・モバイルソリューションを導入することでスムーズに改善していくことが可能です。従来の方法にはない多くのメリットを利用できるので、この機会に進捗管理の環境を見直してみてはいかがでしょうか。
IFS Field Service Managementは、簡単な導入から進捗管理を改善できる手段の一つとなっています。まずはその魅力を確認して、具体的な導入計画を立ててみることもおすすめです。