医療・製薬

ヘルスケアサービスプラットフォームの重要性をヘルスケア産業の動向を交えて紹介

少子高齢化が進む日本では、今後ますます医療費や介護費が増大していくと予想されます。これに関連してヘルスケアに注目が集まっており、ヘルスケア事業へ参入する企業が増えています。この記事では、ヘルスケア事業において、データプラットフォームがいかに重要であるかを解説するので、ヘルスケア事業に携わる方はぜひご一読ください。

ヘルスケアサービスプラットフォームの重要性をヘルスケア産業の動向を交えて紹介

ヘルスケア産業の動向

まず、ヘルスケア産業の動向について、需要や今後の予測などを絡めて解説します。

社会課題=事業機会としてのヘルスケア

超高齢社会である日本では、ヘルスケアが大きな社会的課題となっています。
今後どのように高齢化が進んでいくのかについて、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」をもとに、人口割合を見てみましょう。日本における65歳以上の老年人口割合は、2015年に26.6%に達しました。本報告書では、出生と死亡のそれぞれについて低位、中位、高位の3パターンを想定して組み合わせた9パターンを仮定して、未来の人口推計を行っています。1年刻みで推計しており、たとえば2030年次に着目すると30.2%から32.1%という老年人口割合になるという予測結果が得られました。

そして、厚生労働省のウェブサイトで公表されている「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」によると、医療費は2018年度に45兆3千億円だったものが、2030年度には約62兆円に増大する見通しです。

また、介護費は2018年度には11兆4千億円でしたが、2030年度には約19兆9千億円になるであろうと予想されています。

以上のように、医療費や介護費は今後大きく膨れ上がり、社会保障の継続は危機的状態です。社会保障の継続が深刻な課題である分、医療や介護と密接に関わるヘルスケアは、市場の拡大が見込まれ、多くの業種・業態がヘルスケア事業に参入してきています。

業界ごとのヘルスケアの取り組み

ヘルスケア事業に参入した各企業は、自社の事業にプラスとなる取り組みを行っています。業界ごとにどのような取り組みをしているのか、いくつか例をあげてみましょう。

食品メーカーでは、健康アプリなどを提供して、顧客とのコミュニケーションや自社商品・サービスへの誘導につなげています。また、各種アプリを活用して新しい商品やサービス開発のためのデータを獲得したり、ウェルネスのトータルサポートを実現して顧客を囲い込んだりする保険会社の取り組みは、売り上げアップに効果的です。さらに、スポーツクラブでは、自社のフィットネスアプリを活用することで、会員のヘルスケアデータやライフログを取得し、会員データの管理を行って、来店を促進する施策などに役立てています。

課題解決に必要な一連のモノが求められるヘルスケア

医療費・介護費の増大を食い止めるというヘルスケアの大きな課題に対して、解決策を考えてみましょう。健康寿命を延ばして平均寿命との差を縮めれば、医療費・介護費を減らせるはずです。そこで、生活習慣病を予防したり、病気をできるだけ早期に発見して治療したりするといった解決策が出てきます。

ここで仮に、自社が生活習慣病予防に関する事業に参入することを決定したとしましょう。一口に生活習慣病予防といっても、アプローチの仕方はさまざまです。毎日適度な運動を一定時間以上行う、塩分を控える、太りすぎなら体重を減らすなど、生活習慣病にならないために日々取り組むべきことは山ほどあります。生活習慣病予防には、必要な一連のモノが求められ、減塩した食事だけ、ジムでのトレーニングだけなど単体での貢献では、効果が限定的になってしまうでしょう。

また、ヘルスケアの課題は、環境や年齢などによって変化していくため、多様なソリューションが必要です。したがって、課題解決のすべてを自社だけで行おうとするのは現実的ではなく、他社とつながるという発想が必要になります。

今後求められていくサービスは“データ・サービス連携”、“エコシステム”

健康課題を効果的に解決するためにパーソナライズが求められるヘルスケアサービスでは、企業間の協力が欠かせません。より適切なサービスの提供には、個々人を理解することが不可欠です。そのため、複数の分野でデータを連携・共有して、より深い顧客の理解につなげることが求められるようになるでしょう。ヘルスケア事業を大きく発展させるためには、データ連携のためのエコシステムを構築して、各企業がサービスを持ち寄り、相互送客をしながら、一人ひとりの顧客に相応しいソリューションを提供することが必要になります。したがって、事業を発展させたいのであれば、今からエコシステムを意識したシステム設計・構築をしておくことが重要です。

TISのヘルスケアプラットフォームのご紹介

複数の分野でヘルスケアに関するサービスやデータの連携を行うには、適切なプラットフォームの導入が欠かせません。ここからは、TISが提供するヘルスケアプラットフォームの機能について紹介します。

TISのヘルスケアプラットフォーム

TISのヘルスケアプラットフォームは、ヘルスケアサービスやヘルスケアデータを連携させるための仕組みです。
ヘルスケアプラットフォームは、医療やヘルスケアに関するサービスごとに管理されている生活者の健康・医療データを統合し、一元管理することができます。また、本人やその家族など利用者自身の同意があれば、その個人情報を共有して健康アプリやAI医療などさまざまなサービスとデータを連携する仕組みとして利用することが可能です。
自治体やヘルスケアサービスを展開する企業に提供されています。

ヘルスケアプラットフォームのシステム基盤

TISのヘルスケアプラットフォームには、セキュリティ、オプトイン管理、統合ID・データ連携、データ分析というヘルスケアデータを活用するサービスに必要な機能が揃っています。
個別開発やPaaS(Platform as a Service)等での提供も可能とされています。

高セキュリティ、投資抑制の実現

TISのヘルスケアプラットフォームを導入すれば、すべてを自社で開発するよりも、セキュリティ確保の点で有利です。自社だけの力でセキュリティの高い環境を構築して運用・維持し続けるのは、高額な費用と高い事業リスクを伴います。しかし、TISのヘルスケアプラットフォームを活用すれば費用もリスクも抑えられます。また、TISのヘルスケアプラットフォームを利用して、自社のデータやサービスを他社と連携できるように準備しておけば、今後事業を発展させようとしたときに有利に働くはずです。

ヘルスケアプラットフォームのセキュリティ

ヘルスケアプラットフォームのセキュリティは、3省2ガイドライン、つまり厚生労働省、経済産業省、総務省の3省が定めた、医療情報の安全管理に関する2つのガイドラインに対応しています。

ヘルスケアプラットフォームを導入すれば、セキュリティに関してTISが一括して対応するため、3省2ガイドラインの内容に変更があってもコストや手間はかからず、安心してヘルスケアデータを取得・保管・活用できます。

まとめ

ヘルスケア事業においても、顧客に相応しいソリューションを提供することが必要とされています。
その為にはエコシステムを構築した上で、各企業がサービスを持ち寄り、相互に送客していく方法を取ることが必要とされます。そして、各社がそのデータを活用することが重要です。
顧客を理解するためのデータ戦略と、それを実行するためのITプラットフォームの構築が、ヘルスケア事業を大きく発展させるための要になると考えられるでしょう。

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