医療・製薬

データ管理の重要性とは?医療分野での利用や支援サービスについても解説

日々増え続けるデータを適切に管理することは、業務改善に大きく影響します。医療分野も例外ではなく、カルテ管理や診断支援、新薬の開発など、管理すべきデータは多岐に渡ります。そこで本記事では、データ管理の重要性を解説しつつ、特に医療分野のデータ活用などを支援する「NetApp」のサービス活用例を紹介します。

データ管理の重要性とは?医療分野での利用や支援サービスについても解説

先端技術とAI倫理がもたらす「より良い医療のかたち」

データ管理の重要性

「データ管理」とは、単にデータベースやファイルサーバーなどに格納し、保管することではありません。会社や組織の資産として、追加や削除、更新できるような規則を整え、データを移動・閲覧・共有するための整理まで含みます。そして、データをいつでも活用可能な状態にするため、スピーディな検索・長期保存・不要なデータの削除、などの機能を整備します。

データ管理と収益に関する国際的な調査報告書によれば、従業員は目的のデータを検索するために、1日平均2時間かけているそうです。また、日本企業の約65%は適切なデータ管理に投資しており、コストの削減や従業員の生産性向上に成功しています。

データ管理を適切に行えば、すぐに必要なデータが見つかり、検索プロセスのムダが削減されます。これによりデータ活用が円滑に進むため、業務効率も改善され、意思決定のスピード向上へつながるのです。最近では、データのインサイトを基にした意思決定が重視される傾向にあり、データ管理の重要性は高まってきています。

また、データの長期保存にかかるコストは膨大です。データ管理で対象を統合したり、データ作成から破棄までのサイクルを定めたりすることで、コストを最小限に抑えられます。

医療分野でのデータ管理・利用方法とは

医療分野でもデータ管理を行うことには、多くのメリットがあります。以下では、データ管理をどのように行うのか、医療分野で考えられる方法について解説します。

患者に関するデータの管理

患者の基本情報や診療経過などを記録するカルテは、保存が義務付けられています。請求業務や既往歴、アレルギー、家族関係などの記載もあるため、カルテの取り扱いは慎重を期さなければなりません。

従来は紙のカルテが主流でしたが、近年では電子カルテの導入が進んでいます。電子カルテとは、「紙の診療録をITシステムに置き換えることで、一括管理できる電子情報として編集・管理する、データベース管理システム」を指し、またそこに収められている電子情報そのものも指しています。

この電子カルテの導入により、予約受付・会計業務・カルテの記載・処方箋業務などの負担が軽減されるため、業務効率は大幅に向上します。ほかにも、検査会社に依頼した結果の取り込みや保管スペースの削減、リアルタイムの情報確認、読み違いによるトラブルの防止といった効果も期待されます。

また、「医療費のレシート」とも言えるレセプトも電子化が進んでいます。これまでレセプト点検は医療事務の重要な業務でしたが、電子化により正しく作成されているかを点検するだけになりました。レセプト情報を一元化することで、特定検診や特定保健指導に活用したり、医薬品の副作用情報などを把握したりまで可能になるのです。

ビッグデータとしての利用

近年の医療は、膨大な診断情報のサイエンスから総合的に判断し、エビデンスのある最適な治療方法を選択する傾向にあります。厚生労働省も「次世代医療基盤法」を制定し、匿名加工した患者データを企業や研究機関に提供し、円滑に活用する仕組みを推進しています。

これらの医療ビッグデータは、さまざまな活用が可能です。患者の年齢や症状、状態などを加味した、一人ひとりに最適な治療法を分析し、医療を提供できます。さらに、異なる診療科で治療を受けている患者の医療データを統合し、新たな知見を得て、治療成績を向上させることも可能です。

例えば、「糖尿病患者は歯周病になりやすい」という統計結果を基に歯周病治療を行うことで、糖尿病患者の健康状態の改善に寄与します。医療ビッグデータを人工知能に機械学習させると、CT画像解析で病気の早期発見・早期治療につながるなど、医師の診断を支援できるほか、診療支援ソフトウェアやシステムの開発に活かすことも可能です。

また、一般的に新薬開発は時間がかかり、加えて「開発費用も高く、成功する確率が低い」という問題があります。医療ビッグデータを活用することで、研究データの質が高まり、開発スピードの向上やコスト削減が期待できます。副作用の発生頻度や比較もしやすくなるため、医薬品の安全性向上にも有効です。

診療・ケアへの活用

医療分野のデータ管理は、情報通信技術(ICT)の活用により、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでも行えます。情報通信機器を用いた遠隔治療が医療行為として認められたため、離島や過疎地など医療施設が十分でない場所での診療にも使用可能です。また、障害や病気、寝たきりなどの理由で、医療機関を受診できない患者にも、これら技術によって対応していけます。

そのほか、医師の診断をサポートするシステムにも活用されています。富士フイルムと静岡がんセンターが共同開発した、AI技術と豊富な症例データベースを組み合わせた類似症例検索システム「SYNAPSE Case Match」などは、その一例です。患者一人ひとりのデータを適切に管理・活用することで、患者ケアの改善や効率化につながります。

医療分野でのデータ活用などを支援するNetAppのサービス

NetAppでは、医療分野のデータ活用を支援し、患者本位のソリューション・製品を提供しています。以下では、同社の概要と医療分野での活用事例を紹介します。

NetAppとは

NetAppは、収集からストレージ、管理、保護などさまざまなデータ管理に関するサービスを提供する会社です。1992年に設立され、企業のIT化の黎明期から業界をリードしています。近年では世界最大のクラウドプロバイダーと提携するなど、クラウドサービスに力を入れています。世界トップクラスの有名企業が採用しており、医療も含めた幅広い業界で信頼を得ている企業です。

NetAppでは、医療分野のデータ管理を簡易化し、コスト削減や診断までのスピード向上など、さまざまな目的で利用できるITサービスを提供しています。システム開発は臨床医や遠隔医療・医療画像のプロ、データサイエンティストなどチームで行います。臨床ワークロード向けにテストを行うことで、安全なコンプライアンスに則り、無停止型システムによる高いコストパフォーマンスの実現が可能です。

医療分野でのNetApp活用例

NetAppの主な活用例としては、「データ活用の高速化」「AI支援」「遠隔医療の提供」の3つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

データ活用の高速化

医療データにスピーディにアクセスできるため、患者ケアの質の向上につながります。秒単位で生死を分ける臨床場面では、瞬時に適切な判断を下し、最善の治療を行わなければなりません。NetAppは、臨床EHR(電子健康記録)やPACS(画像保存通信システム)のISV(独立系ソフトウェアベンダー)と提携し、診断までの時間を短縮することが可能です。

また、オンプレミスやクラウドにかかわらず、単一プラットフォームで運用でき、データ管理がシンプルになります。システムを停止せずに動作するOSで、サービスの安全性も確保できます。

AIによる支援

AI対応のインフラにより、構造化/非構造データを分析し、新たなインサイトを引き出します。幅広いIoT利用のほか、ゲノム研究・臨床用ソフトウェア・保険請求プラットフォーム・研究用データベースなど、さまざまなリソースによるデータ分析が可能です。AIと機械学習を活用すれば、複雑な病状でも高い精度で病気を特定できます。

また、医療データのサイロ化を解消し、詳細な分析に活かせるのもポイントです。医療機関の組織的なAI活用に対応し、ヘルスケアで求められる知識や臨床ケースにAIを最大限活用することで、組織の強化にも寄与します。

遠隔医療の提供

NetAppは、必要なスケールで重要なデータやソフトウェアに接続できるため、遠隔医療を効果的に提供し、遠隔治療のプロジェクト推進に活用可能です。VDI(仮想デスクトップ)向けソリューションなら、秘匿性の高い患者情報とバーチャル医療を提供するワークフローを、安心のセキュリティ環境で実現します。

また、レイテンシ(データ通信の遅延時間)の発生も最小限に抑えることが可能です。このように、「データやソフトウェアへの接続に強い」という点も、NetAppの特徴と言えます。

まとめ

医療分野でもカルテやレセプトの電子化が進み、データ管理の重要性が高まっています。NetAppは、データ活用の高速化やAI支援、遠隔医療の提供に資するサービスです。サポートページにアクセスするだけで、すぐに必要なサポートを利用できるうえ、費用のかからないトライアルであれば、リスクなしで手軽にNetAppを始められます。

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