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テレビ業界はYouTubeをどのように位置付け取り組んでいるのか

近年では、急速にYouTubeをはじめとした動画サービスが成長しています。では、テレビ業界はYouTubeをどのように位置づけているのでしょうか?この記事では、テレビ業界におけるYouTubeの位置付けと取り組みについて解説します。

テレビ業界はYouTubeをどのように位置付け取り組んでいるのか

テレビ業界は「YouTube」をどのように位置付けているか?

近年、YouTubeなどのオンデマンド型動画配信サービスの利用者数が増加傾向にあります。総務省が発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(2019年)」によると、その利用率は71.8%です。

同調査の動画視聴時間の推移を見ても、YouTubeなどのオンデマンド型動画配信サービスの成長ぶりが伺えます。テレビの視聴時間は前年が175.9分、2019年が175.7分とほぼ横ばいなのに対し、オンデマンド型動画配信サービスの視聴時間は前年が18.3分、2019年は24.6分と大きく利用時間が増加しているのです。

とくに10代の平日における動画メディア視聴時間を見てみると、テレビが83.3分、ネット系動画が62.8分とテレビに差し迫る勢いであることがわかります。依然としてテレビの視聴率や視聴時間は高いままですが、着実に成長しているYouTubeなどの動画配信サービスは、テレビ業界にとって脅威といえます。

テレビ業界と異なるYouTube3つの収益モデル

YouTubeでは、基本的に無料で動画を見られます。では、動画の配信・アップロードを行うYouTuberYouTube側は、どのようにして収益を出しているのでしょうか?一般的にYouTubeの収益モデルは、「YouTube広告」「タイアップ広告」「リアルイベントや物販への誘導」の3つに分かれます。ここでは、YouTubeの収益モデルの構造をそれぞれ解説します。

YouTube広告

YouTube広告とは、ユーザーが動画を再生する前に流れる広告です。動画の再生回数に応じて、YouTube側は広告主から広告料をもらいます。動画のアップロードをしたYouTuberにその広告料の一部を支払い、残ったものがYouTube側の収益となります。ただし、どの動画にも広告がつく訳ではなく、「過去12ヶ月の総再生時間が4,000時間以上」「チャンネル登録者1,000人以上」といった規定があります。

タイアップ広告

これは主にYouTuberの収益モデルで、広告主が直接もしくは間接的にYouTuberに広告動画の作成を依頼し、動画の制作費と依頼料を支払います。YouTuberは、制作費を使って動画を制作し、自身のチャンネルで動画をアップロードもしくは配信します。

リアルイベントや物販に誘導

こちらも主にYouTuberの収益モデルです。YouTuberが自分の動画に関連するイベントを開催したり、グッズを販売したりして、その入場料やグッズ代から収益を得ます。個人よりも、企業や団体で活動を行うグループが多く利用する収益モデルです。

YouTubeを活用したテレビ業界の新たな取り組み

近年ではYouTubeがより身近な存在となり、テレビをリアルタイムで見ないユーザーも増えています。では、テレビ離れしたユーザーに対して、テレビ業界はどのような取り組みを行っているのでしょうか?ここでは、テレビの収益モデルと収益を維持するための取り組みを紹介します。

テレビ番組のビジネスモデルについて

そもそもテレビ業界は、テレビ番組を制作し、合間のCMをリアルタイムで視聴者に見てもらうことで、広告主から広告料を得ています。広告料がテレビ業界の収益はもちろん、引いては番組制作費につながるのです。

そのため、テレビ業界が収益を出すには番組の高視聴率を目指すことが大切です。しかし、近年テレビをリアルタイムで楽しむ視聴者が少なくなってきています。そこで、いかにして視聴者をインターネットから地上波放送へ誘導するかが大切になります。

テレビ番組公式のYouTubeチャンネルに活路を見出す

テレビ業界にとって、リアルタイムの視聴者を奪われるという点で脅威であるYouTube市場。しかし近年、テレビ業界はあえて積極的にYouTubeSNSと関わりつつあります。例として、番組独自の公式YouTubeチャンネルやSNSとテレビ番組の連動企画などが挙げられます。

なかでも、テレビ番組の公式YouTubeチャンネルが増えています。公式YouTubeチャンネルでは、YouTubeオリジナル動画を制作し、公開している番組が多く見られます。これにより、YouTubeユーザーにテレビ番組の存在を認知してもらってリアルタイム視聴へ誘導するのはもちろん、公式YouTubeチャンネル自体での収益を得ることも可能になります。

テレビ業界はYouTubeと敵対するような考えではなく、むしろテレビ番組自体もYouTubeを利用して、動画の広告収入やクライアントとのタイアップ広告による収入を目指しているようです。またYouTubeに限らず、ほかの動画配信サービスと契約して見逃し配信を実施するなど、さまざまな媒体からテレビ番組を視聴できるように工夫しています。今後もテレビ業界は、SNSを駆使して視聴者にアプローチをかけることでしょう。

まとめ

近年テレビ業界において、YouTubeで公式チャンネルを作る動きが見られます。YouTubeで広告収入を得たり、リアルタイム視聴が増えたりするなどの効果が見込まれています。つまり、テレビ業界はYouTubeを新たな市場と位置づけ、さまざまな取り組みを行っているのです。

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