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スポーツ業界におけるDX化とは? ポイントと事例をご紹介

スポーツとDXは、一見すると関係性を見出しにくく思えるかもしれません。しかし、スポーツ業界においてもほかのビジネスと同様、IT技術の活用は不可欠です。本記事ではDXの概要をはじめ、スポーツ業界におけるDXとはどのようなものか、そのメリットは何かについて解説します。

スポーツ業界におけるDX化とは? ポイントと事例をご紹介

DXとは?

DXとは“Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)”の略称で、サービスやビジネスモデルをデジタル技術によって変革することです。紙や手作業で行っていた業務をデジタル処理に移行する、いわゆる「デジタル化」などと混同されることもありますが、「DX」という場合は特に、デジタル技術による新たな顧客体験の提供やビジネスモデルの抜本的な刷新といったイノベーションが強調されます。

ほかの主要先進国に比べてIT活用が遅れている日本にとって、DXは国際的な競争力を向上させるための一種の国策でもあり、経済産業省が『DX推進ガイドライン』を作成して企業にその実施を推奨するなど、昨今その注目度は非常に高まっています。DXは、製造・物流・医療・教育など非常に多くの分野で取り組みが進んでおり、企業のみならず官公庁や市役所などの自治体も推進しています。

スポーツ業界におけるDX化のポイント

ほかのビジネス分野と同じく、DXはスポーツ業界においても今後の導入が期待されています。そこで続いては、スポーツ業界におけるDXのポイントについて解説します。

ポイント1.ライブ中継

スポーツDXのポイントその1は、5G回線を利用したライブ中継のクオリティ向上です。

近い将来、現行の4Gに代わって、5G回線が世界的に普及していくことが予想されます。5G回線は4Gと比べて約20倍の通信速度を有するとされており、従来以上の高速大容量通信が可能です。5G回線が普及すれば、スポーツのライブ中継は従来以上の鮮明さ、臨場感をもったものに生まれ変わるでしょう。

また、5G回線の普及は「テレビで見る映像が綺麗になる」という以上の意味ももちます。たとえば、5G回線とVR技術を活用して、あたかも自分がスタジアムの中にいるかのような没入体験を視聴者に与えることが可能となるでしょう。実際、2018年にはアメリカの大手通信会社のベライゾンが、NBA(バスケットボール)の試合において5G回線を利用したVR実験を実施しました。このVR観戦が普及すれば、最前列のチケットが手に入れられないような観客でも、目の前で選手たちがプレーしているような体験を得られることになります。

ポイント2.チケット販売

スポーツDXのポイントその2は、チケット販売の電子化・効率化です。スポーツ観戦においてはチケット販売が不可欠ですが、昨今ではチケットの電子化が進んでおり、スマホやタブレットでQRコードなどを用いてスタジアムに入場することも可能になっています。

紙のチケットだと、入場口で観客一人ひとりの半券をもぎる必要があり、それが混雑の一因にもなっていました。その点、チケットを電子化することで、駅の改札を通るようにスムーズな入場が実現します。チケット係が不要になるため、人件費の削減も見込めるでしょう。

また、電子チケットの特性として、購入者の情報をチケットへ簡単に紐づけられることも挙げられます。これは、たとえばチケットの不正転売の防止や、イベント中止時のキャンセル対応などに役立てることが可能です。

近年ではチケット販売に関するさまざまなITサービスが発売されているため、各スポーツ業界に適した製品を導入することが大切です。特に、コロナ禍の影響で非接触型のビジネスが求められていることもあり、チケットを電子化する流れはますます加速しています。

ポイント3.グッズ販売

スポーツDXのポイントその3は、グッズの販売方法の変革です。

従来、スポーツ観戦用の各種グッズは現地販売が主流でしたが、在庫切れや人の密集・行列などの問題が頻発していました。その一方で、ECサイトのユーザーは現在急増していることから、スポーツ業界におけるグッズ販売もEC販売への対応が急務となっています。EC販売ならば、いつ達成されるのか不確定なメモリアルグッズも、事前に製作だけ済ませておき、達成の瞬間に合わせて一気に販売を開始することも容易でしょう。その瞬間の熱に乗じることもできるため、大きな売り上げも見込みやすくなります。

また近年では、複製や偽造が困難なデジタルデータである「NFT」と、グッズ現物をセットにした商品の販売も行われています。通常、デジタルデータはコピーが容易なことからプレミアム感を実感しにくいものでしたが、NFTならば希少価値の高い数量限定品などを唯一無二の本物だと容易に証明できます。

ポイント4.ファンとの接点

スポーツDXのポイントその4は、ファンとの接点の強化です。DXやデジタル化は、ファンとの接点を減らすような印象もあるかもしれませんが、SNSなどを活用することで、むしろ接点を増やすことが可能です。

従来、選手の姿を目にできるのは試合以外だと限られたメディアだけでしたが、最近ではTwitterなどの普及に伴い、選手の素顔や試合の裏側を見せるといった、今までとは違うコンテンツが人気を呼んでいます。実際、有名な選手には何万、何十万人ものフォロワーが付いているほどです。こうしたSNSを普段から用いるのは、やはり若い世代が多いため、スポーツ観戦に若い世代を流入させる効果が期待できます。

ただし、SNSの利用にあたっては、発信者に一定のリテラシーが求められる点に注意が必要です。

ポイント5.データ活用

スポーツDXのポイントその5は、データ活用の促進です。DXの基本はデータ活用にありますが、データはビジネス面だけでなく選手やチームのパフォーマンス改善につなげることも可能です。たとえば、スマホの健康アプリなどに健康状態を記録していけば、練習から離れた普段の生活の場から、自身のコンディションを管理しやすくなります。

また、世界的なソフトウェア企業として有名なSAP社は、サッカーのドイツ代表やバイエルン・ミュンヘン、野球のMLB、バスケのNBAなど数多くのプロスポーツチームをIT技術でサポートしています。たとえば、2014年のFIFAワールドカップでドイツ代表が優勝できたのも、同社がビッグデータを活用してチームや選手の動きを分析し、トレーニングや戦略に活かしたことが一因と見られています。

スポーツ業界におけるDXが重要な理由

では、なぜ今スポーツ業界においてDXが重要視されているのでしょうか。

その主な理由としては、スポーツ業界にも試合以外での新たな価値や体験の提供が求められていることが挙げられます。ネット配信などを通して、遠く離れた国の試合も簡単に観戦できるようになった昨今、レベルの高い試合やプレーを見たいファンは、一部の上位チームや海外の名門チームを好んで追いかけるようになっています。

このような状況下で、下位チームや下部リーグが既存ファンとのつながりを強化したり、新規ファンを獲得したりするには、試合以外の部分でも何らかの価値や体験を提供することが必要です。DXは、そのための一手段として考えられています。特に、コロナ禍によってファンのスタジアム離れが起きている今日では、こうした取り組みは急務です。

まとめ

本記事で解説したように、一見DXと無縁そうなスポーツ業界も、大きな活用可能性を秘めています。
たとえば「eへるすLite」は、ユーザーの毎日の体温や体調をスマホやPCで一元管理できるアプリです。集客・販売以外にもこのようなアプリを活用することで、内部業務の効率化が図れます。DX化のはじめの1歩として、導入を検討してはいかがでしょうか?

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